美しき被告

劇場公開日:

解説

「ミネソタの娘」「愛のあけぼの」のロレッタ・ヤングと「カナリヤ姫」「嵐の青春」のロバート・カミングスが主演するハル・B・ウォリス作品で、ジューン・トルーズデル作の小説を、ケッティ・フリングスが脚色し、「ラブ・レター(1945)」「ゾラの生涯」のウィリアム・ディーターレが監督し、「卵と私」「ミネソタの娘」のミルトン・クラスナーが撮影した1949年作品。

1949年製作/アメリカ
原題または英題:The Accused
劇場公開日:1949年11月

ストーリー

未婚の心理学教授ウィルマ・タトル博士は、典型的な淑女で内に秘めた素晴らしい魅力を持っていた。彼女の魅力にビル・ペリーという学生が心ひかれていることは、ウィルマにとって迷惑なことだった。ビルは美男子だがクラス一の性悪な若者だったのである。ある日、ビルに頼まれて、仕方なくウィルマは5時半に彼女の室で会う約束をした。ところが彼女の受持ちの女生徒スーザン・デュヴァルに起こった事件のためにその約束は果たせなくなった。ウィルマはsの旨の手紙を残して帰りかけた時、ビルに行き会ってしまった。ビルは彼女を車に乗せ、6時半に自分の後見人である弁護士を空港に出迎えるのだが、時間は十分だし彼と会う前に先生のご意見を伺いたいからと言って彼女を食事に誘った。海岸に近い静かな料理店で食事をしながら、ビルはウィルマにアワビ取りの話をした。食事の後でウィルマは彼と共に入り江の上の崖へ行った。そこでビルにいきなり抱きしめられた彼女は、かろうじて車の所まで逃げもどったのもの、彼は執拗に迫って彼女をねじ伏せてしまった。ウィルマは夢中で手に触れた何か重い物で、必死に彼の頭を打ち続けた。--翌朝早々ビルの後見人ウォーレン・フォードが彼女を訪れて来た。だが用件はスーザンのことだった。間もなくビルの死体が揚げられ、アワビ取りの最中岩に頭をぶつけてのでき死と考えられたが、ウォーレンの旧友、警部のテッド・ドーガンが調査することになった。ビルの試験答案を読んでから、己が姿を変える必要を感じたウィルマは派手な装いをして、ウォーレンには愛情を、警部には疑惑を起こさせることになった。その夜ウィルマと食事を共にしたウォーレンは、食後彼女をボクシング見物に誘った。彼女はビルそっくりなボクサー・キッドの登場に呆然としてしまい、キッドがノックダウンされてロープにもたれ掛かり、彼女の体に触れた時、彼女は思わずビルの名を口走った。ウォーレンはすべてを知ったが、たかまる愛情を押さえきれず、ウィルマに求婚した。一方警部はようやくウィルマに対する疑惑を深め、ついにビル・ペリーの死因を突きとめた。--ウィルマは殺人被告として公判廷に立ち、ウォーレンが弁護に当たった。彼女の行為は正当防衛であり、ただ恐怖の余りこれを隠していたことが罪であった、と述べるウォーレンをじっとみつめるウィルマの眼は、彼に対する愛と信頼の光で輝いた。

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映画レビュー

2.5知名度低いサスペンス?映画

2022年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

逢坂剛さん&川本三郎さんの共著「さらば愛しきサスペンス映画」でも本作は語られておらず、川本三郎さんの著書「美女ありき~懐かしの外国映画 女優編」でも紹介されていないロレッタ・ヤング主演であり、知名度の低い映画である。
これまでなかなか観られなかった映画ではあるが、観てみると、やはり知名度低いのも已む無し…という気がする映画だった。

サスペンス映画かと思って観てみたら、どこか中途半端感が残る作品だった。
「何故、中途半端に見えたのか?」の要因はアチコチに見られるが、襲われたから自己防衛で殺しちゃった…という件が省略し過ぎの感あり。
この映画は1949年のアメリカ映画(日本公開も同年11月)なのでヘイズコードを考慮したのかも知れないが、本作以外でヘイズコードをものともせずに迫力あるシーンを描いている映画も多数あるので、ちょっと残念。

物語は、大学で心理学を教えている女性教授(ロレッタ・ヤング)が、彼女のストーカー男子学生を殺してしまったが、自己防衛。その男子学生の後見人としてやって来た弁護士(ロバート・カミングス)が女性教授に惚れて、相思相愛となっていく。しかし、彼女には自己防衛であっても殺人の罪の意識が……といったもの。

邦題にもなっている『美しき被告』=ロレッタ・ヤングが、個人的には、あまり美しく見えなかった…(^^;
しかし、劇中では、弁護士も警察署員も「綺麗」と言う。
このあたりは、主観的な感覚なので何とも言えない。

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たいちぃ