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アメリカの映画評論家のメドベド兄弟が著作の批評本の読者投票で最悪の映画監督と称したエド・ウッド、たしかに彼の代表作と言われる「プラン9・フロム・アウタースペース」を観た感想ではなんとも異を唱えにくいのが辛いところです。
予算が無いので何でも一人でこなさざるを得なかったのでしょうが、脚本や監督と言うよりプロレスラーのトー・ジョンソンに目を付けたり、人当たりの良さからはプロデューサー業の方がむいていたかもしれないですね。
「マーズ・アタック」というお馬鹿映画を創ったティム・バートン監督ですからエド・ウッドに好感を持っていたのでしょう、ただお馬鹿映画と茶番は似て非なるもの、本当に面白いお馬鹿映画を創るには並大抵の才能や熱意だけではできません。残念ながら熱意はともかく運と才能では及ばなかったのも事実でしょう。
晩年は低予算映画の脚本やポルノ小説の執筆でなんとか糊口を凌いでいたようです、アルコール依存が祟って54才の若さで逝かれました。最後まで成功の美酒に酔うことはできなかったものの、ハリウッドなど夢のまた夢として諦める人たちも多い中、一時は大好きな映画作りに没頭もでき老優ベラ・ルゴシさんの絶大な信頼や支えてくれる女性にも恵まれていたのですから、あながち不幸な半生ともいえないでしょう。何よりティム・バートン監督がレクイエムのような作品でスポットをあててくれたのですから・・。あちらでも老優や仲間たちと奮闘しているのでしょうか・・、天使たちが映画好きだとよいですね、ご冥福をお祈りいたします。