愛、アムールのレビュー・感想・評価
全53件中、21~40件目を表示
最後のスタッフロールにも驚かされました
泣きっぱなしでした。ガツンときました。この監督の作品はいろいろ物議をかもすらしいですが、今回はひとえにエマニュエル・リヴァの素晴らしさに尽きるのではないでしょうか?
最後のスタッフロールにも驚かされました。
最後のスタッフロール、無音でした。劇場内からすすり泣く声が聞こえてました。
他人事じゃない
日本でも年々増え続けている(老老介護)の現実。 老老介護関連の事件も近年、増え続けていますよね。 他のレビュアーの方も記載されていましたが、こういう映画やドキュメンタリーを見る度に決まって思うのですが、完全に治せない病や症状が改善しない病を、患ってしまった方には(本人自らが希望した場合にのみ)「尊厳死」という選択肢があった方が良いと思ってしまいます。 私個人の考えですが、もし自分が誰なのかも・親族の誰ひとり分からなってしまった場合に、その人達の負担になって迄、生き続けたいとは、私自身には、どうしても思えないからです。 老老介護を苦にした心中事件や、完治出来ない重病患者の方々の自殺等、後を絶たない悲惨な事件の(ニュース)数を見ても、この問題の深刻さは、明らかですよね。 勿論、自分の親族や大切な人達に出来る限り、寿命を全うして欲しい気持ちはありますが、上記に書いた通り、もはや己が誰なのか自分で自分が分からなくなる=自分である(意識)がなくなる事を意味するので、そうなってしまう前に・若しくは、そうなってしまった場合には「尊厳死を希望します。」と予め親族や医師の方に伝えておく・記しておく等、日本でも「尊厳死」(という制度・選択)を認められる日が来て欲しいと、この映画を観て改めて思いました。(あくまでも、私個人の考えです。) 色々と考えさせられる映画でした。
3.6
非常に悲しく美しい愛の物語。こういう映画を観たあとは本当に寂しい気持ちになるから、寝る前に観たい。 映画の冒頭に最後のシーンが流れて、とんでもないネタバレだな、と思ったけれど、その後オチが読めていても十分満足できた。ネタバレしていても観ごたえのある映画こそ、本物だと思う。 フランス映画の良さもたくさんあった。独特の間が気持ちを落ち着かせたり、不安にさせたりする。最後の静かなままエンドロールになり、そのまま終わるのはなんとも言えないしっとりした感じだった。 突然病気になり日に日に悪化していく妻を夫が介護する、老老介護の話。 でもこの映画は老老介護がテーマではなく、愛(アムール)がテーマ。 この映画で扱い愛はとても悲しいものだった。美しいか美しくないで意見が割れるだろうけど、ぼくは美しい愛だと思った。 人間には生きる権利がある。よって死ぬ権利もある。だから苦しみ続けるより死を選ぶのは良く分かる。それを否定して権利を奪うのは周りの人間のエゴだとぼくは思っていた。だから延命治療なんてものは全く賛成できなかった。(病気や事故は別)老化による死から逃げるのは醜いものだと思っていた。 その考え方をもう一度考えさせられた。ただ1つ言えるのは、人間には生きる義務はないということ。
悲哀
ジョルジュは独りでアンヌの病気と向き合おうとしたのは何故なのか?アンヌがそれを望んだのか?独りで介護することが最善だと考えたのか?
哀しい疑問は尽きませんが、一重に愛する妻の苦しんで苦しんでいる姿や惨めな姿を晒したくなかったからだと思います。
最初のシーンを観たときからこの悲劇の結末は十二分に予測を出来るものだけに余計に辛い
終盤で「痛い…痛い」と助けを呼ぶアンヌに「どこが痛いのか」と問うがわからない…そんなジョルジュは何故あのときにサマーキャンプの話をしたのか?序盤で「イメージを覆すことは言わないで」と、言われたことをしたからなのか(最後だと悟り決心した)
枕で窒息させたあとに花を買ってきて…
最後に娘が独りで二人の家に来て座ったところで終わるのは前のシーンでアンヌがジョルジュを迎えに来たことを象徴している!
とても現実的な永遠の愛の物語
真実の愛とは
苦しくて決して美しくはない物語、それを優しく静かに見つめる視点。Haneke監督らしい世界観だったかなと思う。しかしこれといって秀逸ではなかった。もしくは自分にはわからない、積み重ねられた年月、深い愛、苦しみ。Hanekeが大好きな人か、ご年配の方にこそオススメなのかも。
そこに至るまでの過程
観ているほうが息苦しさを覚えるほどに、夫の切実な心の葛藤と苦しみが静かに流れる二人の日々に蓄積されていくのがわかる。 肉体の死が先で次に記憶の中から消え去る魂の死がくるとはよく言ったものだが、それは何もその人が亡き後とは限らない。 愛とは残酷で儚い面も背中合わせなのだと思わざるおえない。 誰もが避けられない老いと死だけではない、美しい夫婦愛だけでもない、 静寂な作品の中に投げかけられた愛の重み。 (3.7点)
積み上げられた夫婦のかたち
この老いた夫婦の始まりにも終わりにも、すべてに Amour(愛) こそがあったのだと苦しいほどに知る。 儚さも醜さも愛おしさも。生を減らしゆく妻のそれらをまざまざと突きつけられ続けながら、尚も手離すことはしなかった夫。そこに何らも美しさは無い。あるのは老いきった二人の姿だけである。 けれどもそれはいつしかひとつの夫婦の“終焉のかたち”として、胸の痛むほどに私達へと迫ってくる。 全てを見終えたとき初めて、このタイトルの意味深さに気がついた。
至高の愛情
良質な作品である。 『白いリボン』や『ピアニスト』で知られるミヒャエル・ハネケの集大成。70歳でも現役の映画監督というから驚きだ。今回の作品は70歳を迎えた彼だからこそ撮れる作品なのだろう。 また、ジョルジュ役には『男と女』のジャン=ルイ・トランティニャン。『男と女』の公開から半世紀も経つのかと思うとそれだけで"人生とは"と考えさせられる。語らずして愛を語る男として右にでるものはいないトランティニャンだが、本作品でも表情や沈黙で観客に語りかける。しかし、彼の考えていることの全てを理解することは不可能だと感じた。ジョルジュがアンヌに対する感情は、他の何者にも理解できない深い深い愛情だからだ。 静かな二人の老後の生活を作品全体の空気感で表現している。 カットの少ない演出は、観客をじりじりと二人の世界観へと引きずりこむ。残酷なまでにリアリティを追求し、苦しくも美しい作品だ。 美しさ、儚さ、愛おしさ、それだけでは表現できない、大きなテーマがちりばめられている。人生、愛、そして死。誰もが直面する逃げられない運命を真正面から描いており、ワンシーンワンシーンに胸打たれる。 自分の死を受け入れることと、他人の死を受け入れること。ジョルジュとアンヌのそれぞれの瞳に映る現実を通して"死"の存在を考えさせられた。 人生の節目節目で見返したい作品である。
こんな愛し方を人はできるのでしょうか。
妻が痴呆を迎えた老夫婦の話ですが、夫が甲斐甲斐しく世話をしている姿に心を打たれました。だんだんに死に逝く妻を辛抱強く介護して、悲しい話なんですがどこか暖かかみを感じさせられます。死というのは誰にでも訪れる、醜くて怖いものなんですが、その瞬間を愛する人に一緒にいてもらえるというのは、ある意味一番幸せなのかもしれません。
いい映画
人生の終焉を静かに見つめた深淵な人間ドラマだれもが身につまされる内容である ラストはあっさりと終わってしまいます 非常に重いテーマで平凡なハッピーエンドになるはずがない作品ですが鑑賞後ある種の感動が心に静かな余韻となってしばし残りました いや〜いい映画だった!
面白かった
老人の映画なんてお金を払ってみたいとは全く思えず、劇場公開をスルーしていたのだが、あまりに評判がいいのでWOWOW放映で見た。老夫婦が会話しているうちに異変が起こり、奥さんがどんどん具合が悪くなっていくのが、とてもスリリングだった。さりげない場面が地味なのにすごく面白く、見入ってしまう。長いカットと短いカットのバランスがすごくいい。
いずれ自分もそういった問題は避けて通れないと思うので、20年後に見返したい。
自分は何も負担のない立場で好き勝手に言う娘にイライラした。最前線にいる者に敬意を払えと思った。
見て見ぬ振りをしても、そこにある現実
老老介護をテーマにした作品。どんなに裕福で教養ある家庭でも病気や老いは平等に訪れるのだということを改めて思い知らさせる。主人公の境遇は誰にも起こり得るが、自分はその時どうするのだろう。もっとキツい描写も出来たと思うが、ハネケにしては抑えられた印象なので観易いと思う。
ファンタジーではない、現実の愛
この映画を観て深く胸をつかれた人は多いのではないか。 初めて真実を知った人、後悔の念に囚われる人もいるかも知れない。 父母の絆の裏側までは知らない子供たちは、なぜ病院や介護施設に入れないのか?の一辺倒だ。それが現実。 そして、言うことを聞かない、頑固で手が付けられないと言って見放して行く。外にいて何もしない自分を正当化したいから。 この映画は、介護の壮絶な現場までは描かないがそれでいい。 人生の終末期に信念を貫き通す。 愛をもってそれを表現したのだと思う。
老いは日に日にやってくる。
老いた2人の愛とは?と問われる作品でした。
四六時中の献身的な介護はしかも(老老介護)は、精神も肉体も疲れ果ててしまうのでしょう。
病状が進み、夫が懸命に飲ませた水妻が吐き出すでしょ。
介護している方は一生懸命なのですが、もう水分もいらないと訴えているのよ。きっと
食べる事も飲むものも欲しない、無理にそれを与えようとすると苦痛に感じる。
判断は本当に難しいけれど、そして夫が妻を叩くでしょ。ここは泣けてきましたよ。
しかし結末はあの老人のエゴのように映りました。
奥さんは若い頃は美しく、ピアノ教師で教養あり素敵な女性だった。
それは元気だった頃の老夫婦の食卓の風景で解る。
夫もそんな彼女を愛し、誇りに思い生きて来てからこそ、
徐々に崩れていく妻の容姿、混沌とした意識の状態で生きている彼女を
みるのは自分だけでいい。
でも人間は何時か老いて行く、それを誰も止める事は出来ない。まして病に倒れれば尚更に。
病院には二度と入れないでという妻の願いには誠実でしたが、これでいいわけないでしょ。
私は枕を顔の上に置いた時その気持ち解らないでもないと、
でも途中ではっと気づき枕をどかすと思っていました。
最後まで抑えたままで、ここでテンション一気に下がりましたよ。
なぜ自然に逝かせて上げなかったのか?他に方法は無かったのかと・・・。
夫も妻と共に病んで行ったのですよね。きっと。これも愛アムール。
最後に老夫婦を演じた2人素晴らしかった。
全53件中、21~40件目を表示