「凄まじい緊迫感!臨場感! そして、やるせないラスト…」キャプテン・フィリップス 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
凄まじい緊迫感!臨場感! そして、やるせないラスト…
2009年、ソマリア沖で海賊に襲撃され、人質となったアメリカ人船長の実話。
凄まじい緊迫感!臨場感!
船酔いしそうなほどなので、二日酔いしてる方は見ないで下さい。見終わった後ぐったり疲れるので、既に疲れてる方や体調が優れない方も見ないで下さい(笑)
この映画の監督がポール・グリーングラスで良かったと、つくづく思った。
「ボーン・スプレマシー」以降、ドキュメンタリータッチのアクション演出が流行りだが、本家本元がその手腕を遺憾なく発揮している。
タイトルの“キャプテン・フィリップス”に、トム・ハンクス。
いくらハリウッドを代表する名優とは言え、今回の役柄は体力的にも精神的にも相当きつかった筈。ここ最近パッとしない作品続きだったが(あくまで個人意見)、久々に大熱演をたっぷり堪能出来る。
海賊と言っても、世界中の皆が好きなおちゃらけ海賊ではなく、武装ゲリラ集団。
その鬼気迫る恐ろしさを体現したのは、4人の無名の俳優。かえってリアリティを出している。
時々4人の区別が付かなくなるが(笑)、リーダー役のバーカッド・アブディのギョロッとした風貌、大スター相手に一歩も退けを取らない演技は素晴らしい。
(ちなみにハンクスは4人が緊張しないようずっとフォローしてくれていたそうな。先輩として当たり前の事だけど、やっぱりいい人だ〜)
グリーングラスは、ただ事件の経緯を追うのではなく、その時現場で何が起きていたかを描きたかったと言う。
なので、英雄は登場しない。しかし、危険を顧みず部下の命を守ろうとした男の姿がある。それが、現実の英雄と言うんじゃないかな。
後半、米軍による救出劇も描かれ、下手すればアメリカ万歳臭が漂う所だが、そうは感じなかった。
もう一度、愛する家族に会いたいと願うフィリップス船長。
ボスの命令と自らの欲で後戻り出来ない海賊たち。
両者の駆け引きと、立場は違えど背負った極限状態のドラマが最大の見所。
実録モノだし、本人による回顧録も出ているので、オチは分かり切っている。
ラスト、フィリップス船長が流した涙。
決して、救出された安堵感の嬉し涙ではあるまい。やるせない哀しみの涙。
何故、フィリップス船長は哀しみの涙を流したのか…映画を見れば、その理由が痛いほど突き刺さる。
そんな複雑な感情にさせられた。
近大さん、こんにちは。
昨日、ぎりぎりでみてきました。
期待以上の作品でした。
確かに、仰る通りトムは最近ぱっとしなかったので
この作品でアカデミーとってほしいですね。
次回作はウォルトディズニーに扮する様です。
面白そうでしたよ。