エリジウムのレビュー・感想・評価
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DQNは地球を救う
皆大好き『第9地区』監督の最新作!あの突飛なアイデアと設定、度肝を抜くガジェットの連続で映画ファンの心を駿足で鷲掴みにしたニール・ブロムカンプのハリウッド超大作ですよ!
しかも監督とは『第9地区』コンビと言っても差し支えないシャルト・コプリーまでガッツリ出演でしかも凶悪極まるヒールという、こりゃあ『第9地区』ファンなら観ない訳には行かないでしょうよ!という『第9地区』で血沸き肉躍った人間にはご褒美でしかない映画!です!(よね?
この監督の手腕というか、冒頭への舞台設定の提示、説明への時間の割き方ってなかなか丁寧ですよね。前作でも感心したけど今回も唸りました。
あのね、最初物語が殆ど進まんのですよ。
地球は劣悪極まる環境で貧困層が苦しみながらも生き抜き…富裕層は地球から離れたエリジウムというスペースコロニーで暮らし…エリジウムにのみ存在する医療ポッド…病を治す為に医療ポッド目指しエリジウムに不法侵入を試みる貧困者達、それを排除しようとする政府、排除を委託される民間業者…。
この流れを淡々と映す訳です。そこにちょいちょいインサートされるのが、底辺の生活を強いられる単なる地球暮らしの元DQNな主人公、マックス(マット・デイモン)。
この一民間人マックスがはっちゃけ出した地点から物語スタート。
で、そっから何か少しずつ雲行きが怪しくなるんですよね。んー?あれー?という。
なんてーかね、あんだけ冒頭で丁寧に設定積み重ねてたのにね、後半、特にエリジウムに侵入したとこから物語が大雑把になってくんですよ。勢いだけで突っ走るというか。
あんま言っちゃうとネタバレになるから細かいこと書けないんですけども、ま要約すると「おいおい、何だここの警備?ザルじゃね?」的な、そんな展開になっちゃって。
なんかね、勿体ないんですよね。
もうちょっと脚本煮詰められなかったのかな?て。あんだけ設定しっかり構築してたのになあ、て思っちゃって。惜しいんですよ。凄く惜しい。
『第9地区』的に後半怒涛の展開に捲し立てるって芸当は、あれ『第9地区』だから成立してたんであって、今作の『エリジウム』には無理が生じちゃったのかもなあ、と。
いやね、全体的に映画としてのレベルは高いし、面白いのは保証いたします。
そりゃニール・ブロムカンプ&シャルト・コプリーですもの。つまらない訳がない。
ただちょっとこういう不満もありました、というご参考の程度に。以上です。
物足りなさもあるが充分楽しめた
エビ星人の「第9地区」ニール・ブロムカンフ監督の2作目。
本作に描かれていることは前作の「第9地区」と同様に「迫害された者たちの解放」ですね。
前作も本作も画的にはけっこう面白いんだけど、シナリオ的に「?」って思うところもあるように思う。
特にはじめの方はなんかダラダラしてて、大丈夫か?って感じなんだけど、これが話が進むにつれて意外な展開になって、ラストは壮大かつ感動的な物語に…。
一見の価値はあると思います。
ジョディ・フォスターの気の強そうな感じ、やっぱり上手いなぁって感じ。
そのジョディの結末も意外性と新鮮味があって良かったな。ジョディ・フォスターのああいうところ観た記憶がないので驚いた。
映画『エリジウム』の衝撃
映画『エリジウム』を鑑賞しました。
2154年の地球がそこに描かれました。
真剣に現実の世界を重ねて鑑賞させる作品でした。
荒廃した地球。富裕層と貧困層の二極化を人間は生きていました。
最後まで不愉快を感じながら真剣に鑑賞しました。両極の層が同じ画面に映った時点から、画面の慟哭に私の悲しみも吹き出してどうしても涙が止まらず頬をつたって幾筋も幾筋もこぼれ落ちました。
今思い返しても悲しみに打ちひしがれ涙があふれます。
私にはこれほどまでに悲しかった映画はかつてありません。
まったく現実の近未来社会を見ているようです。
世界の核施設と常に付きまとう放射能被曝の恐怖
コンピュータの使用と予測。
現在の介護ロボット使用とそれを映し出す未来の装着ロボット。
命への祈りを求める全てが同じ人間の姿。
垣根は壊された。
スケールの大きな時代の夜明けは、映画鑑賞の帰り道、日本の江戸の統治によって士農工商という格差を崩壊した支配した者達を私に思い起こさせました。 歴史の中の日本を思い起こし、いつしか不思議と畏敬の念を覚えていました。
リンカーンも同じでした。ガンジーも同じ心と精神を持ちました。
人は何を求めて未来に進むのでしょう。人の精神の充足とは何でしょうか?
リアリティ感満載。
ニール・ブロムカンプ監督らしいドラマ性があり、心打たれました。
大迫力のシーンは、あまりないものの、リアリティあふれるシーンが満載で、とても良い。
俳優陣が皆個性あふれるキャラクターになり切っていて、すごく面白い。
地球とエリジウムの世界が、本当にある様な映像で、良く作り込まれていて、これもリアリティがあり、さすがニール監督の映画でした。
最後の場面は、ちょっと感動しました。
第9地区を引きづりつつ・・・のエンタメ作品
第9地区で注目されたニール・ブロムカンプの作品。
マット・デイモン、J・フォスターが出演願との前情報ありで
やや期待値“高”での鑑賞。
半ば強引なストーリー運びありも
ギリ長さを感じさせない尺で
予想通りに終了なラストも
やっぱりながら腑に落ちる。
マット・デイモンは
はずれなしって感じでしょうか・・・
これでもサイエンスか
タイトルのエリジオン(エリジウム)とは 理想郷、英雄が最後に達成して行き着く場所のこと。アメリカ映画。サイエンスフィクションのアクションスリラー映画。
製作、監督、脚本は、ネイル ブロンキャンプ。
ストーリーは
2154年、地球は人口の爆発的な増加や、資源の奪い合いによる各国間の戦争、度重なる自然災害によって、病弊し切っている。もはや国は無くなっている。人類は、持てる者と持たざる者の2つの階層に完全に分かれている。一方は、地球から離れてエリジオンに住むわずかなエリート。他方は貧困と餓えの蔓延した地球に住む圧倒的多数の人々だ。
エリジオンは巨大企業、アーマデインが創設した宇宙空間に浮かぶ人工的に作られた星だ。最高に発達した科学と文明を持ち、そこに住むわずかな住民には、もはや寿命も病気もない。贅沢に人々はスポーツに興じ、高い文化を享受している。
地球から 上空に浮かんでいるエリジオンが見える。指輪のような形をした銀色に輝く美しい星だ。ロスアンデルスの孤児院で育つマックスは、仲良しのフレイに、いつも自分が大きくなったらフレイを連れて必ずエリジオンに連れて行ってあげると約束していた。
マックスは成長して、いまではアーマデインの工場で働いている。フレアは看護婦になった。汚れ果てた空気の中で人々は貧困と病気に苦しんでいる。アーマデインが治安警察もすべて支配しており、人々はたくさんの警察ロボットに監視されて、暮らしている。ある日、マックスは工場で機械の誤作動のために高濃度の放射線を全身にあびてしまい、後五日の命、と診断される。時間がない。五日間の間にエリジオンと地球を往復する宇宙船を乗っとって、エリジオンに行かなければ命を長らえることができない。マックスは躊躇わずに地下組織に入る。そこで、地下組織で働く医師と技術者によって、人工頭脳を脳に埋め込み、人工神経を手足に装着する人体改造手術を受ける。
マックスはアーマデインの経営者の乗る宇宙船を乗っ取り、経営者の脳をすべて自分の頭脳にコピーする。そしてエリジオンに向かおうとするところで、フレアを人質にとられて、エージェント クレイガーの執拗な追跡に抗しきれず拘束されて、囚人としてエリジオンに連行される。そこでもマックスは戦い続けるが、力尽き、、、。
というお話。
強い男、マット デーモンがスキンヘッドになって、頭に人工頭脳を取り付けて大活躍する。寡黙で幼馴染の女の子との約束を果たすために傷ついても、死にかけても戦い続ける。マット デーモンが好きな人には見る価値あり。だけれどもサイエンスフィクションとしては、つっこみどころの多い子供向け映画か。
1: 寿命がなく、年を取らず永遠に生きられる社会が2154年にくるとは思えない。映画では、どんな病気もマシンに中に入ると治ってしまうことになっているが、すべての疾病は原因も異なれば、発病のメカニズムも異なる。単純な怪我ならば 特別なマシンに入って早く治すことができる時代は来るだろう。しかし遺伝病や自己免疫疾患のように複雑なメカニズムで発病した疾病をマシンで一瞬で治せるはずがない。また精神疾患はどうだろう。寿命が無くなって、永遠に生きられることになったら人は重篤な精神疾患に苦しむことになるだろう。人は機械ではないから、マシンに入ってたちどころに病気が治る時代がくる、ということはあり得ない。
2:映画では、一つの巨大企業が地球を支配しているが、資本主義社会では企業同士が競い合って巨大企業になるのであって、一つだけの企業が生き残って、全世界を牛耳ることは考えられない。
3:映画では人類をエリジオンに住む階層と地球人の階層とに2分しているが、永遠に生き続けるエリジオンの人口が変わらないならば、文明は衰退する。代わって地球では圧倒的多数の頭脳が大きな力を持つ。いくらロボット警察が監視していても安定した社会は構築できない。またエリジオンの食糧生産、エネルギーの生産はどうなっているのか。人の命が永遠である以上、食糧もエネルギーも永遠に生産可能でなければならない。
4:地球から見て、いつも同じところに浮かんでいる人口的に作られた星エリジオンは、地球と月と太陽との自転の関係では どうなっているのだろう。いつまでも浮かんでいられるものなのか、そのあたり宇宙物理学をやってる人でないと、よくわからない。
アメリカ人は世界で一番 他言語を習得することが苦手な国民がと言われているが、本当にそうだ。ヨーロッパのように地続きで異なる言語文化をもった外国人を持たないから、自然と自分の言葉と自分の世界が世界のすべてだと思い込んでしまう。この映画では、ロスアンデルスとエリジオンしか出てこない。出てくる人はみんなアメリカ人ばかりで、インド人もいなければアジア人も出てこない。世界人口の半分はインド人と中国人なんですけど、、。アメリカというか、ロスが世界だ ロスが地球だ、と、、こんな小さな世界でサイエンスフィクションで遊んでもらいたくない。
でもマックスの苗字が、デ コスタで、フレイの苗字がサンチャゴ というのは、おもしろい。会話もスペイン語と英語のミックスだった。伝統的なアメリカ人の氏は 2154年には絶え果てて、人々も言語もスペイン語圏の人々に乗っ取られていることを予見している。
マット デーモンがSFの主人公という不思議で意外な役柄。この前の映画「ビハインド カンデラブラ」では,意外や意外、、、同性愛のピアニストのペット、ビューテイフルリトルボーイの役をやったのもびっくりだった。芸達者だなあ。
ジュデイー フォスターが知的で冷血、防衛庁長官といった役どころを演じている。マーチン スコセッシの「タクシードライバー」で若干13歳で娼婦役を演じた頃からのファンとしては、彼女の口許の皴が悲しい。ハリウッドは一流の化粧係を抱えているのに、どうして彼女の皴をきちんと消してくれなかったんだろう。フレイを演じたアリス ブラガが若くて可愛らしい。二人の女性を比べても仕方がないが、やっぱり大写しの画面では年齢の衰えが鮮明に出て隠しようがない。
ブラッド ピットの「ワールド ワオーZ」、トム クルーズの「オブリビオン」、マット デーモンの「エリジオン」と、ハリウッドを代表する役者たちが それぞれSF映画を主演したが 総じて「どこがサイエンスなのか」「これでもサイエンスか」と一喝したくなるような、ストーリーの細部の詰めの甘さが目につく。医学知識の欠如、科学知識の不足、未来をイメージするイメージそのものの貧困さが、気になる。
しかし、頭にマイクロチップを埋め込んで、頭からコードを延ばして別人の頭につなげるとその人の頭脳をコピーできるし、人工神経を手足につけて戦闘ロボット並に強くなる、というのは 夢みたい。人として心をもったまま、ロボットのような機械人間になって、悪者をばたばたやっつけて、正義に味方になって戦いたいというのは子供のころ、だれもが、思い描く夢かもしれない。そんな子供の夢を、大真面目に、たくさんのお金をかけて映画にしてくれたのだから、かなり科学的にあり得なくても、つっこみどころ満載でも、それで良いのではないか。娯楽映画なのだから。
リメイク、か?
『第9地区(2009)』のエイリアンを人間に変えただけのリメイク、か?と思わせる設定。 そんな単純なものではないけれど、格差社会や武器・装備など アイデアはどこか被っている気がする。
マット・デイモンを起用すれば間違いない、ポスターも完璧だったけれど できればマットはジェイソン・ボーン役(『ボーン・アルティメイタム(2007)』のままでいてほしいというのが 率直な意見(願い)。 役はしっかりこなしているけれど、感動は無かったです。 ちょっと嫌な役どころのジョディ・フォスターは 存在感があるようで無かった。 作品(『第9…』)繋がりで採用された感じがする シャルト・コプリー。 演技は良いけれど、声が高すぎて凄みが足りない気がしました。 唯一 印象に残った人が アリシー・ブラガ。 『アイ・アム・レジェンド(2007)』、『レポゼッション・メン(2010)』に続き、追われる・怯える演技は お見事。 今回は特に 体を張ってました。
未来への不安をそのまま描いたところは悪くないけれど、ストーリーのアピールが弱く SF作品の中の一本に過ぎない、『オブリビオン(2013)』と見比べてもいいかなと思う 3.5評価。 …しかし「病気のない世界」って、しっくりこないわ。。。
設定の面白さに対して知的な流れがあまりないのが勿体無い.でも面白かったです!
#昨日観てきました.先週満席で観られなかったのでリベンジしてきたのです.
ストーリーは,既得権益を持つお金持ちと一般Peopleの対比が前提.これは "IN TIME" と同じような設定だなぁと思いながら前半を観ていました.どんな展開になるんだろうと引き込まれていました.
***** ↓ ここからネタバレ ↓ *****
ここまでの事前情報から「連れて行って治す」というのがミエミエだったのですが,それに加えて最終的なオチはなるほど!いいですね!でもそうなると収容人数とかの問題になると思いますが,どうなんだろう?やっぱり修羅場に変わっていくだけのようにも思いました.
設定の面白さに対して知的な流れがあまりないのが勿体無い気がしました.最後は結局,力ずくの闘いでしかありませんでしたし.
あと特筆すべきは,ジョディフォスターが演じる官僚の浅ましさがよく出ていて素晴らしかったです.
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