そして父になるのレビュー・感想・評価
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おうち-95
「父」になった。
上流階級の子供と庶民的な家庭の子供が、生まれたときに取り違われて育った話。
視点が上流階級側というのが面白い。
是枝監督は、むしろ庶民的な暮らしを描いてきたと思ってたので意外。
都会で必死こいて働いてる身としては、福山さんにもリリー・フランキーさんにも同情できる部分があって、その心の痛みが伝わりました。
6歳くらいの子供を持つパパってちょうど仕事も任される身になったりして、家庭を犠牲にしなきゃいけない部分もあるし、
でも家族と過ごす時間が一番だっていうのはすごくわかるし。
私の父も仕事人間なので、海外赴任、単身赴任、出張、毎日残業…で、父親と夜ご飯を一緒に食べた記憶があまりないくらいだけど、一家の大黒柱として働いてくれて、遠目から暖かく見守ってくれてたから自信持って「愛されてた」って言えます。
斉木家のほうが幸せそうに映るけど、決して野々宮家も不幸ではないと思います。
どちらも幸せな家族。
子供取り違え問題は、ちょっと違うけど『八日目の蟬』だったり、ポップには『塔の上のラプンツェル』だったり、結構映画では観るテーマだったりしますが、現実味を持って悩ませられるのはこの作品が随一かも。
是枝作品は肌に合うみたいなので、これからも追っかけたいと思います。
正解が無いことが正解なのかも?
"土曜プレミアム" で2回目の鑑賞(特別編集版)。
ノベライズは未読。
誰にでも訪れる人生の岐路における選択の場面で下さなければいけない答えには、正解なんてものは端から存在しない。
もしも決断して選んだ道が間違った方向へ導くルートだったとしても、また考え直して新たに選択し直せばそれでいい。
節目節目で考えて、考え抜いた末に選択し決断することが、人間の行動としての正解なのかもしれないと思いました。
血の繋がりか過ごした時間か。究極の二者択一を突きつけられた良多(福山雅治)は苦悩の末に後者を選択しました。
その選択も、あくまでも良多が自分なりに考えて下した決断でしかなく、決して正解などではないのかもしれない。
それからの親子の様子を描かなかった辺りに、是枝監督自身そのことを伝えたかったのではないかなと思いました。
※修正(2024/04/09)
テレビで再見
「家族」に対する解答の1つ
家族とは生物学的な血の繋がりなのか、或いは人生経験における共に過ごした時間から生ずる絆なのか... 是枝監督が『万引き家族』でも世界に問うた「家族とは何か」を主題とする作品。
と、同時に「幸福とは何か」を問題提起している。幸福とは「金銭的裕福さ」と一意的に対応するものなのだろうか?我々が身を置くのは資本主義社会であるが、子供にとってその即物的でユートピア的な思考は、子供の想像力や感性を頭打ちしてしまう檻となってしまうのではないだろうか?確かに幸福は様々な形があっても良いのだろう。しかし、大人になるにつれてますます理性の束縛を受けるこの日本の社会において、子供の溌剌さを抑制するというのは、彼らの自由を奪い、退屈さの監獄に閉じ込めることを意味する。
社会的に自立している、所謂「ちゃんとしている」ことが全てではない。ある程度の社会ズレはしていないに越した事はないが、子供には、たくさんの世界を見せる必要がある。高級マンションの一室でピアノを練習しているだけでは得ることができない、地域との密接な交流や、両親の職能をその目に焼き付け、尊ぶといった、幅広い人生経験が子供にとっては必要不可欠だと考える。
そういう意味で、家族が「人生経験や愛情を教える先生・仲間」であるとするならば、血の繋がりは、もはや家族の必要条件ではないのだろう。
という是枝監督の解答を与えた優等生的作品。
この是枝監督の「家族とは何か」についての論考は『万引き家族』でより深化、複雑化する。
自身に起これば大混乱
福山雅治の混乱は自然なもので、リリー・フランキーの方が「あんな達観できる人いるんだ?」と不思議に思えた。
不幸であってはならない出来事の上に成り立つドラマではあるが、福山雅治が父親に“成れていなかった”部分を抽出して見てしまった。
他者に起こる出来事として感動できるが、我が身に起こったらと思うと、ドラマだな…と思ってしまう。
血の繋がりって?
中立でみれる
過酷な現実
色々考えさせられた。親子供関係なくこれが現実だと知らされたらどんな心境になるのか。本作はとても感動的であったが、そういう面ではとても恐ろしい。ヒューマンドラマゆえそれは当たり前だが、人物を一人一人丁寧に描いており、感情移入しやすい。それぞれの立場になって考えることができるため、よりこちらも胸が締め付けられる思いになるわけだ。だからこそやや自分勝手な考えだった福山演じる父親の最後の台詞、「出来損ないだけど、パパだったんだよ」が響くのだろう。
産みの親、育ての親…この問題は本当に難しいだろう。私にはまだ子供がいないため、もしかしたら本作の真意は分かっていないかもしれない。私に子供が生まれ、親としての自覚が現れた頃にもう一度鑑賞するとそれが分かってくるだろう。単なるいい映画ではなくて。
そして父になれたか
血の繋がり
感情
一切の感情を封印し、世間体や効率といった理性を一番に生きてきた良多。これって、世の男性と被って見えました。逆に、電気屋さん、ふたりの母親は感情で息子に接しています。「可愛いから」「好きだから」という感情は、「将来のため」という理性よりも、原始的なものなのかもしれません。だから、子供にも伝わるのかも。
息子が入れ違いになったことでやっと、良多は育ての母親や妻、そして息子に愛されていることに気がついたのだと思いました。感情を封印していると、愛されていることにも気がつかない。なんか、警告のようですね。のらりくらりなリリーさんの演技は、今作でも素晴らしかったです。
彼らの気持ちになって
映画館でみて、この前の地上波も観ました。
私はかなり感動して好きな作品の一つです。
話の流れがゆったりなので、そういうのがダメな人は眠くなるかもしれませんが映画館で見た分には最高によかったです。
TVだとやはり映画より集中出来ないので、
感情移入しにくいですが映画で集中して観ていると
自分を含め周りの方も結構泣いておられました。
仕事では何でも出来る男が父としては未熟だった。
それが、子供の入れ違い問題ともう片方の家庭との比較で分かり福山雅治(父)が変わっていく姿がとても胸をうたれます。
血の繋がりか一緒にいた時間のどちらを選ぶか、
正解はないですがそれぞれの人の考え方があり
その一つがこの作品だったと思います。
父と子のあり方が改めて考えさせられる作品だと思います。
完璧に見える人にも欠点があります。
そこにも気付かされる作品になってます。
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