横道世之介のレビュー・感想・評価
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素晴らしかった
横道が極めてダサいのにとても可愛らしい彼女ができるという素晴らしい映画だった。こんな夢のような語り方もあるんだな~と感心した。吉高由里子がキュートすぎて、すっかりメロメロ。うちに来てカーテンにクルクルくるまって欲しい。
しかしそんな可愛らしいカップルが一体なぜ別れてしまったのか、とても残念だ。
世之介のような存在は、物語では生活感がない、幻のように語られる事があるのだが、この作品ではそうではなく、アパートで暮らし、盆暮れには長崎の実家に帰って地元の同級生と遊ぶような極めて実在的だった。実在するファンタジーとして描こうという意図があったのだと思う。
微笑ましい
話自体は短編オムニバス!?でしたが、個性豊かな配役が織りなすアドリブ!?っていうところが随所にあって、見ていて飽きさせず、うまくまとまっていたと思います
ほのほのとした日常の人間関係を切り取った、そんな映画です
横道入って回り道。
まさかこの作品が160分もの長丁場だとは知らなくて、
劇場のスケジュール表を見て驚いた。
えぇ、こんな作品にこんな長さってどういう…?と焦り、
恐る恐る観てみたところ、これがちっとも長くない。
つまり最後まで、ぜんぜん、飽きなかったのである。
しかしながら油断したせいか、ちょうど午前の回に一番
後ろの列を陣取った私を含め3人の鑑賞客は、揃いも
揃ってお腹がグーグー鳴ってしまった^^; あぁ恥ずかし~。
原作の面白さなのか、脚本の妙なのか、
監督の力量はもちろん、あとは世之介の魅力だったのか?
ゆらりゆらりと語られる一見おっとりした懐かしい想い出が
16年を経た現在の友人たちによって、所々で切り替わる。
自分が学生だった頃に、そういえば、そんな奴がいたっけ。
一時仲良く話したことが、一緒に遊んだことが、あったっけ。
なんて、今では疎遠になった友人を想い出す時のあの笑顔。
だけどそんな風に想い出した時、人を笑顔にさせるような
そんな人物でありたいと、なんだか思ってみたくなるのだ。
結論から言ってしまうと、今の現代に横道世之介の姿はない。
冒頭から語られる'80年代の想い出があまりに普通で温かい
せいか、ふと、あれ?どうしたんだろう。なんて思ってしまう。
ただその事実が知らされる後半になっても、世之介の姿は、
まったく変わることがない。ごくごく普通の大学生のまんまだ。
彼が彼らしくそこにいてくれることで、
その'80年代にいた私たちも、今の現代を生きている私たちも、
スクリーンの中の同級生や友人と戯れながら、過去を体験する。
もろに'80年代が青春だった自分からすると、ややもすれば、
ちょっと微妙な描き方がされているのだけれど。
パソコンもケータイもなかったあの頃、公衆電話で10円玉を
積み上げて、実家に電話する主人公が愛おしい。
長崎の港町出身ということが、やけに親切で何でも引き受けて
しまうという、お人好しの主人公をよく物語っている。
都内の専門学校に通っていた頃、地方から上京して寮に入った
同級生たちが、やたらと元気にはしゃいでいたのを思い出す。
まぁ学ぶ場所がどこであろうと、われら青春!だったのだ(古)
世之介が味わう暮らしや友人たちとの学生ライフに、取立てて
何が起こるというわけではない。
彼が片思いする年上の女性や、妙に好かれる富豪のお嬢さまなど、
面白キャラは点在するが、その一つ一つを丁寧に描いているだけ。
今作が映画として成立するのは、そういう何気ない日常の大切さ、
素朴な人生のひとコマを積重ねると物語になる、ということである。
漫然と生きたとか、無駄な時間を過ごしたとか、過去を振り返り
思うことは多々あれども、これが案外あとで役にたつことに驚く。
この世之介くんのエピソードだけで(しかも1年間の)
こんな映画が作れちゃうんだから!人生捨てたもんじゃないのだ。
今作の吉高由里子、これがまた最高に似合っている。
この子がお嬢さま?なんて訝しく思うところだが、ゼンゼン。
むしろ彼女がいてくれて、本当に良かった。世之介も、私たちも。
現在の彼女がラストで出てくるが、おそらく今やっている仕事を
含め、彼女の半生を、たった一人の男が、彩っていた。その一瞬、
一瞬の眼差しは涙が出るほど愛おしく、幸せだと思わせてくれる。
周囲が忘れてしまっても、彼女は一生忘れない(られない)のだ。
(最近私もあの頃が懐かしく想い出されて仕方ない…歳ですかね^^;)
みんなの太陽、世之介
設定の87年といえばWindows3.0が発売になる数年前で、ファッションやかったるい能書きを語る文学くずれの学生を見ていると、雰囲気としては70年代後半という感じがする。いずれにせよ、まもなく終わろうとする昭和の色合いが、街並みや小物などによく出ている。世之介が50年代に製造されたキヤノンのレンジファインダー・カメラにフィルムを入れるシーンがあるが、コダックのフィルムのパッケージはまさしく80年代のものだ。よく再現している。だが、もっと誰もが知っていて年代を象徴する文化やアイテムが登場したら更によかった。
内容では、世之介の天真爛漫な人の良さが和めるが、なんといっても吉高由里子のあり得ないほど純真なお嬢様ぶりに笑える。今まで見た彼女の中でいちばん役を楽しんだように見える。
そんなお嬢様も大学を卒業して社会に出れば顔つきも変わる。その変貌ぶりもまた上手く表現している。
世之介の親友や謎の美女など、世之介を取り巻くすべての人が年月とともにそれぞれの道を歩んでいく。そんななかで変わらないのが世之介だったのではないだろうか。
彼は、初めから自分を飾ることがなかった。ありのままを曝け出し、正直に人と接してきた。世之介は不変の存在であり、いつのまにか人を引き込む。世之介は太陽だ。
話は、それぞれの世之介との関わりと現在の生活をオーバーラップさせながら、世之介がこの世に残した些細な置き土産を振り返る。
どんな人だったと訊かれても「ごく普通の人」としか答えうようのない人間。けれども「彼を知ったことは、ほかの人より得した気分」と言われるのであれば、平凡な人生も悪くはないと思える作品だ。
ただ、日常生活を切り取った起承転結のない群像劇で160分はさすがに長い。途中でいささかダレる。どのエピソードも無くてはならないものではあるが、せめて140分ぐらいにまとめる手はあったと思う。
やっぱ長いよ
祥子ちゃんが世之介の写真を見るのは世之介が死んだ後だから、祥子ちゃんのフランス留学後ふたりは会ってない?ということは、つき合いをやめた?世之介はなんとなくつき合いはじめ、なんとなくつき合いをやめる。だから、相手を傷つけない。自分も傷つかない。そして、出会った人々の心のほんの片隅にほんわかと存在する。世之介はそんな奴だった。
「え?」「え?」
横道世之助は良い奴、というよりも空気の読めなさがいい方向へ作用した奴。
なので劇中に非常に多く登場するやり取りが
「え?どういうこと」「え?」「え?」
という戸惑いにみちた会話です。笑っちゃいました。
本でいう原田宗則とか、椎名誠が好きな人にはたまらない空気感。
ベトナム戦争あたりの大学生活が舞台で、
「うち、クーラー無いから行ってもいいよね?」とか
「ああ実家?ここから出て、ここに帰るよ」(友達の家で)
「おい、一年最後電気な」とか
ああ、あるあるというやり取りが満載で、昔学生だった人は懐かしく思うでしょうし、今学生(私)はクーラーは別として、こんなやついるなあ、とリアリティを感じます。昔のディティールにも凝っていますし、みんなちゃんと服が昔風(笑)
ただ2時間半は長すぎでしょう。インド映画じゃないんですから。
1キャラ分のエピソードを削って2時間以内に収めるべき。見てて疲れます。
あと各人物が年を取ってから回想するシーンが、皆ちょっとわざとらしい。
演技力はあるはずなんですけど、違和感を感じます。
吉高ちゃんは最初の登場〜中盤にかけては自然な良い表情をしているのですけど、
ラストの横道としょうこちゃん(吉高)だけのシーンではわざとらしい女子力全開の表情で・・・
最後のシーン大切なのに、表情に気を取られて入ってこなかったです。
綾野剛(加藤)もよかったし、池松壮亮(倉持)もよかった。
とくに池松は今後注目したい役者です。
倉持が持つ『この先どうなっちゃうんだろうなあ』という先の見えない不安と、
誰に相談すればいいのかも分からない心もとなさをよく表現していました。
思わず倉持を頑張れ!と応援したくなるくらい。
その倉持の不安を破ってくれたのが『空気の読めない』横道の乱入であり、
無神経な感じで話を聞き、「なんでも頼っていいよ」と彼が言ったから、引っ越しを頼むことができた、という連鎖。
感動します。こういうのすきです。このシーンはぜひ見てもらいたい。
こんなやつ中々いないけど、会っただけで笑顔になれる奴。
横道世之助みたいな友達がほしい。(空気読めないけど)
泣いて笑って、切なくなる。そして、元気が出る映画。
夫婦揃って沖田修一監督が監督が好きで、公開を前々から楽しみにしていました。優しい視点で人を描写する監督の作品が夫婦で好きなのです。
今回は、前回までの“南極観測隊員”や“キコリと映画監督”という、遠い存在や背景ではなく、とても身近で共感する青春時代が描かれています。だからだと思いますが、その優しい描写の世界に自分達も重ね、ずっと映画の世界に入り込んでしまいました。
泣いて笑って、あっという間に過ぎていった愛しい時間でした。
映画が終わり、ずっと幸せな余韻が残りました。出会うこと全てが新鮮だったいい時代を思い返し、今までに出会った素敵な人達を次々と思い出しました。
忘れかけていた素敵な一時や、楽しかった時間、普段は思い出さない好きだった人達、大事に大事にしたい事を思い出させてくれる映画です。
「皆、元気かな?」なんて、古い友人達を思い出し、自然に当時のままに話しかけたくなる気持ちが残りました。
自分達が輝いていた時を思い出して、元気が出る映画です。
半分はやさしさでできた作品
ストーリーは原作同様起伏が少ないため、映画に「何か」を求めて観ると肩透かしを食らうかもしれません。
映画というより、仲のいい友達のホームビデオを一年分編集して観ているような、いい意味でゆったりした作品です。
2時間40分と長い作品ですが、構成が短いエピソードの連続で、クスりと笑える場面もあるので長さは感じませんでした。
沖田監督作品らしい会話の間と、ユーモラスで魅力的なキャラクタ描画、演技は必見です。
ただ、個人的に一つ不満があるとすれば、最後の母親からの手紙は原作の全文欲しかった点です。
とても好きな文章なので…。
人を選ぶ作品だと思いますが、登場人物のセリフを拝借すると、出会えたことでなんとなく得した気分になる映画です。
興味のある方は、ちょっと下調べをして作品の性格を理解してから観るかどうかの判断をすることをオススメします。
ほんわか昭和の香り
ちょっと長い。でもあったかい映画。
クスクス笑える部分で
ストーリーが平坦部分をなんとかカバーしている。
ただ、結末が中盤で分かってしまうので、最後にして~って!!
イイトコロは、配役と美術!
吉高由里子はハマリ役だった、笑顔がとっても素敵。
同性でも可愛いと思った。
1度でもいいから見たら得するかも?
世之介の優しい生き方!
「横道世之介」という一風変わった名前の
長崎から大学に入学して上京してきた普通の大学生が
学生生活の中出会い、触れ合ういろいろな仲間と過ごす
淡々とした毎日・・
バイトやサークル活動に明け暮れ、友人ともマイペース
のんびりした性格で、人には優しく周りの人々を
ふんわりと包んでくれる世之介は、
彼と関わった人達に、何かしらの想いを残していたんだと思います
彼らの心に中には、世之介の思い出がしっかり残り、
卒業してかなりの年月が経ってもその当時の記憶がよみがえってくる
そんな人が世之介なんですね
主演の高良健吾さんが世之介のキャラをとても上手く演じていて
彼を一途に慕うお嬢様役の祥子を吉高由里子が
明るく元気一杯にまたすごく上手く演じていました
二人のやりとりを見ていても、ほのぼのして思わず笑みがこぼれました
今のぎすぎすした人間関係が多い中、
こんな優しい人達や
こんなのんびりした学生生活があったんだと
懐かしく思い出されます。
あっという事実が待っているのですが、
人と人との出会いは、本当に大切なもの。
世之介の行き方を通して
相手を思いやる優しさを自然に教えてくれるそんな映画でした
2時間40分という長丁場ですが、
その長さを全く感じさせない面白い作品に仕上がっています
是非皆さんも世之介に会いに行かれてみてはどうですか?
愛すべき世之介
試写会にて
原作を読んでました。
その時も「この作品って、何を伝えたいんだろう」という感想でした。
そして実写でも、やっぱり「なんだろ」な訳で。
ですが、面白い。
上記の疑問なんて、どうでもいい事でした。
上映時間(2h40)を聞いた時に「え?」と思いましたが、
まったく長さを感じずに鑑賞できました。
ちょっとだけ残念なのは、世之介と祥子のその後の経緯が無かった事かな。
とにかく、世之介の飄々とした所や祥子の可愛らしさが、高良と吉高が上手く表現していました。
あと、世之介と加藤の「夜の散歩」は、アドリブなのか、面白かった。
思い返すと「忘れても記憶の中に残る人」というのが、世之介の人物像で、世之介を思い出すと笑顔になっちゃうって事が、作品の答えなのかなぁと勝手に解釈しています。
若干、近くにいたら「図々しいのに憎めない」ので、迷惑かも・・ですが。
作品の本質とか何かを期待したい・・という意図が必要な方には不向きかと思いますが、笑って、のほほんと楽しめる作品です。
全151件中、141~151件目を表示