ヘルタースケルターのレビュー・感想・評価
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過激さは上辺だけ。内容は至ってオーソドックス
伝説のコミックが原作らしいけど、未見の人間には、全然オモロないの一言だった。
エリカ様のゴシップありきの宣伝が先導しているから、彼女の脅迫観念が白々しい。
第一、カリスマに崇められるほど美人なのかな?
スキャンダラスな部分は生々しくて存在感があったが、彼女に主人公の様なトップアイドルやセックスシンボルを重ね合わせるのは、どうしても無理がある。
下品なだけで綺麗でも何でもない。
彼女の魅力が一切理解不能。
悪態ついてワガママ言いたい放題で、マスコミから集中砲火浴びてる姿は確かに画になるけど、ダークサイトが独り善がりやから直ぐに冷める。
エリカ様は実際、ビューティーサロンのCM出てたんやから、整形手術失敗するキャラはNGなんちゃうの?
オッサンのお節介やろか?
銭払ってキチンと観れば堂々と悪口云えると思って、いざ出陣したんやけど、ボロクソにこき下ろすほどの価値も見応えも無いねんなぁ…。
彼女より、マネージャーの寺島しのぶや社長の桃井かおりetc.周囲の女性陣に味が有る。
ライバルの水原希子の方が睨みが可愛らしくて様になっていたので、むしろ彼女がリリコ演ったら良かったのに。
それを言っちゃオシマイやね。
オシマイでもイイや。
では、短歌を一首
『宝石を 千切り瞬く 毒アゲハ 波紋滴る 蜜のひび割れ』
by全竜
何故貴女は美しくならなければいけないのか?
主人公のりりこを何でも取り上げれば大ヒット間違い無し!
りりこのスタイルは憧れです!
りりこみたくなりたい!
……実は彼女は全身美容整形しているのに?
誰にも相談できる相手は一人もいない。
実の妹でさえも本当の胸の内は吐露できない。
それでも彼女は自分の歩く道は自分で決めている。
そう物語の最後まで。
美しいことと、幸せは別物
美を追求し、全身整形によってスターダムにのし上がったリリコの狂気に満ちていく様は、あたかも「ブラック・スワン」を思わせる。女性監督らしい美しい色彩とファッションで魅せる2時間。リリコを演じる沢尻エリカの(露出度的にも)身体を張った演技、脇を固める桃井かおり、寺島しのぶ、大森南朋といった実力派の面々。
しかしながら「ヘルタースケルター」のタイトル通りストーリー的にも"ヒッチャカメッチャカ"である。
見所を聞かれたら、エリカ様の裸と無駄にあるラブシーンとゴージャスな色使いだろう。美しいものを見たい人にむく映画なのかもしれない。ワンカットずつ見るには画的に綺麗だし良いのだけど、映画として観た場合それはどうだろうか。写真家の監督の悪い面が出てしまったのではないだろうか。原作は未読なので、原作のトーンが出ているかは不明だが、少なくとも映画としては?が付く。
こういうキャラで固定されていってしまう沢尻エリカは可哀想な気がする。女優としての可能性を潰して欲しくない。「母なる証明」「アジョシ」で見事演技派に変貌したウォンビンのように、きっとまだまだいろんな役が出来るはずだと思っている。
存在感と普遍性
沢尻エリカはスキャンダルだ。
その沢尻エリカが、どんな演技をするのか?
もっと突っ込めば、どれだけセクシーな演技を見せるのか?
そういった第1の欲望は・・・
はじめの15分で満たされたといっていいだろう。
りりこはためらいなく、男と寝る。
過激ともとれるセクシーな映像が迫ってくる。
第2の理性的欲求は・・・
そこに訴えるものは希薄だったと言わざるをえない。
現代の消費社会の欲望の餌食になってばかり。
りりこはそのなかで苦しむが、
それを否定しない。自分自身を否定するものになるから。
第3の普遍的欲求は・・・
りりこが妹と会うシーンがある。
ここに沢尻エリカとしての人間的な顔を見せていたなら
と思う。そこにみんなを納得させるチャンスがあったのに。
みすみす、逃してしまったと思った。
かなり、分析的に書いたのだが、
これは監督の蜷川実花によるところが大きいとは思う。
でも、沢尻エリカは作品に出演するのは自分にあっているか
どうかであって、自分が決めると言っている。
だから、ふたりのコラボレーションなんだろう。
それにしても惜しい気がする。
その演技力は映画「手紙」で十分発揮されていた。
この「へルタースケルター」は復帰1作目として、
沢尻エリカがどんな方向に行くのか、ひとつの方向を
見せたとおもうが、別の方向もみせてほしいと思う。
いろんな可能性をもっていることは確かなのだから。
Art of 番町皿屋敷、若干ホラー映画っぽくも楽しめる
原作コミックなど一切読まず状態で鑑賞。
キレイめな 番町皿屋敷ってトコでしょうか?
毒々しいギラギラな画面に、魑魅魍魎が右往左往。
ぬりかべのような鈴木杏、ぬらりひょんな寺島しのぶ、濡れ女を思わす桃井かおり
蜷川“セブン・ライツ”実花が撮ると、『妖怪大戦争』もこんな風に仕上がるのかって感じ
いや、ぜんぜん褒め言葉としてですよ、勘違いなく。
レファレンスの、誘惑
「さくらん」で、その独自の色彩感覚と人間描写に高い注目を集めた蜷川実花監督が、「クローズド・ノート」の沢尻エリカを主演に迎えて描く、一人の女性が辿る栄光と、挫折の物語。
カメラの業界を内側から覗いていると、毎日が驚きの連続である。コンビニで売っているような、ごくありふれた鮭おにぎり。その見慣れた一品に、白のレフ板と呼ばれる反射板を当て、ライトを当てる。
その瞬間に、ノリは柔らかい輝きを放ち、艶を持ち、どこかの一流店でみられるような「おしゃれ」おにぎりへと変貌を遂げる。うまそう・・つばがでる。でも、レフ板を外した瞬間、それは再び「いつもの」おにぎりへと戻っていく。
変化は決して奇跡ではない。ちょっとしたはずみで、輝きはモノに、人にまとわりつく。
この物語は、芸能界という一つの特殊な世界に身を置く一人の女性の顛末をテーマに描かれている。「全身整形という奇抜な環境の中で朽ちていく人間の悲しみ」この視点だけで本作と向き合うと
「はあ・・・芸能界って、大変なのね。まあ、沢尻はきれいだったから良かった良かった。帰りにハンバーガーでも買って帰ろっと」
で終わってしまう。だが、「整形」という究極の美容手段を「化粧」なり「ダイエット」という身近な美容に結び付ければまた、話は別である。
初めてつけた、赤い口紅。一枚のレフ板のお陰で突然輝いた自分。「私・・きれい」そう思った瞬間に、人はそのレフ板を手放せなくなる。変化した姿を「いつもの」私に戻したくない。口紅一つとっても、本作で主人公がたどる絶望、疑惑、転落への入口は大きく口を開けて私達を手招く。
いつもの派手派手しい色彩感覚を撒き散らす蜷川演出に注目が集まる本作だが、実のところ物語の軸を支える力強さは、現代の空虚感、空っぽな違和感を時代に寄り添う言葉で描き切る俊英、金子ありさの脚本がもつ力にある。奇抜な設定を活かしながら、美へ執着という観点でするりと観客への鋭い批判と忠告を挟み込み、娯楽へと昇華する。流石の職人技といえる才気を感じる一本だ。
男もにやつくエロ描写もふんだんに盛り込みながら、深夜やら早朝やら、ウェブやらでぶちまける「あなたも、変われる!」テロップに対して、「・・変わった後は?」と静かに自問自答する賢さが身に付きそう。レファレンス(反射)板の誘惑は、他人事ではない。
「変わったのは分かったわ・・・どこまで変わるつもり?」そんな意見を友人に言える貴方を作ってくれる作品では、なかろうか。興味深い作品である。
疲れるわ。
違法クリニック告発パートが,
りりこの葛藤を邪魔している印象。
ドラマ性も弱くて物足りなさが残るが,
それら消化不良を補う沢尻エリカの存在感が見事。
傲慢と儚さを同居させた強烈な生命力を画面に焼き付けていた。
使い捨ての世界にしがみつき君臨し続ける彼女の姿は,
未来永劫に変わらないであろう
内面そっちのけで見た目の虚飾に邁進する社会の本質に迫っており,
堂々巡りの溜め息に溢れかえり,
どっぷりと疲れた。
久々の女優・沢尻エリカ
このスキャンダラスな内容の監督と主演に蜷川実花と沢尻エリカはぴったり。
蜷川実花が、全身整形のトップモデルの栄光と破滅を、「さくらん」同様極彩色豊かに鮮烈に描く。
それに応えるように、りりこは沢尻エリカしか考えられない!と納得させるほどの強烈パフォーマンス(怪演?)。りりこの叫びは沢尻エリカ本人と被り、真に迫るものがあった。
女の性と欲と貪欲に追い求める美をきらびやかに描きながら、弱肉強食の芸能界の光と闇を赤裸々にも描き、戦慄すら感じた。
前半のりりこの破天荒な姿に対して、後半はりりこの精神崩壊なのだが、急に迷走し、少し伝わりにくく感じたが、全体的に見れば思ってた以上に良かった。
脇を固めた実力派の面々も好助演。(この人たちの支え演技あってこそ、沢尻エリカも熱望出来たと思う)
まるで性格の悪いレディー・ガガのような決して好感の持てる役柄ではないが、久々に沢尻エリカは魅力的に見えた。
やっぱり女優してる時が一番イイ。
ちょっと長いかな?
一足お先に試写会にて。期待通りの蜷川ワールド&沢尻さん見直しました。音楽は上野さんなんだ~と思っていたら「蛹化の女」!作品にも合っていますが個人的にツボでした。関心の有る方は、ぜひ劇場へ。そういう作品です。ただ、あと20分くらい短くても良かったのでは?
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