「答えは一つではない」ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 Curveさんの映画レビュー(感想・評価)
答えは一つではない
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小学校1年生の息子と3Dで観劇した。
話のメインである海での漂流。
これは人生を表現してるのだなと思った。
そう考えると話が進むたびにパイが生活している、ボートから伸びる筏の居住性が良くなっていく様が可笑しい。
そして、自分にはどうしようもない大きな力によって、そこに蓄えた財産が一瞬で奪われてしまうことにも人生の無常、不条理を感じてしまう。
そしてパイが弱り切ったときに流れ着く浮島。
沢山のミーアキャットがいる。
これは主人公である他者から見た我々であり、私たち自身から見た他者なのかなと思った。
ミーアキャットの数匹は虎に食い殺されてしまう。無作為に。更にパイによっても虎の餌としてまた数匹殺される。
更に夜には足元の島は生き物を死に導く大地へと変わる。ミーアキャットに出来るのは木の上に逃げることのみ。
大勢の中で安心かと思いきや避けきれない不幸はいつも突然やってくることを示唆しているようだった。
最後にパイは今まで話してきたことを否定するような話を始める。
そして観客に投げかける。
どっちが事実だと思うか?と。
それは結局はっきりとは明かされないが、信じていたものが斯くも脆いことに観客自身が揺らされる。
最後に、正直小学校1年生の息子には内容はふんわりとしか伝わらなかったようだ。
だが、それを補って余りある映像美。
クジラのジャンプ。
トビウオの群れ。
パイに飛びかかる虎には実際に仰け反っていた。
観劇には3Dをお勧めする。
スタッフロールにまで3D映像が組み込まれているのは気が利いているなと思った。
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