桐島、部活やめるってよのレビュー・感想・評価
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青春群像劇
学生時代にあるクラスのヒエラルキー、女子間の友情、片思い、若いとき特有の自意識過剰感を詰め込んだ作品。
静かに物語が進むけれど、場面を違う角度から切り取っていて、各個人の状況を表現している。
桐島、部活やめるってよ
というタイトルなのに、桐島は出てこず、
でも出てこないけど周囲にどんな影響力があったかがすごくわかる。
桐島が部活をやめることによって、変わる部内の配置や、今まで見ていた景色が変わること、関係性の変化なんかをうまく描いている。
学生時代、クラスの下層に位置していたわたしにとっては、映画部面々の内にこもった感じや嘲笑されている感じ、気配をなるべく消そうとする努力がわかった。
神木隆之介、東出昌大に大後寿々花、太賀、前野朋哉、落合モトキ、浅香航大、橋本愛、松岡茉優と
若手実力派揃いで、わたしの好きな俳優さんばかりで嬉しい。
松岡茉優は今と雰囲気が全然違うのではじめわからなかった(声が松岡茉優なのに誰?と思っていた)。
インタビューのシーンで、きっぱりと無理だと言う神木くんに、なぜかとてもグッときてしまった。
小説を先に読んでいたが、映画の方がうまく融合させていて、桐島が出てこないことをうまく生かして作られていると思う。
青春はヒエラルキーと共に
DVDで鑑賞。
原作は既読。
原作を読んでとても感動しました。心情描写の繊細さ。視点が変わることで同じ場面でも違って来る意味合いに心を鷲掴みにされました。今までに無かった感じの物語だな、と…
ヒエラルキーの上位にいたであろう作者が(私の勝手な想像です)、なんでここまでイケてないグループの人間の気持ちが分かるんだろう、とめちゃくちゃ感心しました(笑)。
それはさておき、本作では原作のエッセンスを巧みに踏襲しつつ、最後には映画的なカタルシスを存分に堪能できる、珍しい形の青春群像劇に仕上がっているなと思いました。
それぞれの視点から校内ヒエラルキーの存在がつまびらかにされ、誰もが共感出来るはずの人間ドラマが展開されていました。身に覚えのある感情が湧き上がって来ました。
努力した者を嘲笑う風潮は私が学生の頃にもありました。心の中では反発していても大勢に従わざるを得なくさせる、見えない圧力。従わなければ、過酷な排斥を受けてしまう。
思い返せば、なんとえげつない環境だったのだろうと身が縮む想いです。学校が社会の全てだっただけに、如何にサバイブするかと云うのが毎日の課題だったような気がします。
人気者でバレー部のキャプテン・桐島が突然部活を辞め、学校を休んだことから始まる校内ヒエラルキーの崩壊。ひとつの前提が崩れただけで全てが一変するとは、校内ヒエラルキーとは砂の城みたいな脆いものだったんだな、と…
大混乱に見舞われる学校内。些細なことのようですが、当事者たちにとっては一大事。この世の終わりレベルの狂騒が始まりました。じわじわ高まっていく展開が秀逸でした。
なんの情報も無く、交際相手でさえ桐島とは連絡がつかない始末。そんな彼女も校内一のかわいさで、その取り巻きもレベルが高いことこの上無し。取り巻きたちは桐島の彼女を庇う素振りを見せながらも、それは上辺だけの友達ごっこ。
いつ取り巻きからあぶれてしまうかと戦々恐々で、危ういパワーゲームを繰り広げていました。そう言えば私の周りにもそんな感じの娘たちいました。やっぱ怖いぜ、女子…
一方バレー部では、リベロだった桐島の代わりに控え選手がスタメン入り。こちらもこちらで困惑しているだろうし、メンバー間の不満が爆発し、ここでも感情が入り乱れる…
そんなことは眼中無しで撮影に没頭するヒエラルキー底辺な映画部の面々。楽しく映画製作に勤しむと云うわけには行かず、彼らの日常も狂騒の中に取り込まれると云う不条理。
様々な群像が映し出され、感情と思惑が交錯する中、全てが収斂する圧巻のクライマックスへとなだれ込んでいきました。
それまで別々の視点で描かれていた登場人物たちが屋上へ一同に会して、それぞれの想いが溢れ出し、濁流となって爆発する壮大なフィナーレのカタルシスに酔い痴れました。
ヒエラルキーが一瞬で逆転し、襲い掛かるゾンビたち。カメラを回す神木隆之介。学生時代の想い出が蘇り、ヒエラルキー上位の生徒を懲らしめる様に溜飲の下がる想いでした。
想いの大洪水が去った後、静かにカメラを拾った東出昌大と神木隆之介の会話を通して、ヒエラルキーと云う虚飾の壁をぶち破る革命が起こったようで、思わず涙が出ました。
※修正(2024/05/12)
唯、純粋でいられるのは見えない桐島か。
『桐島、部活やめるってよ』(2012)
2012年の映画賞を数多く得た青春の名作という触れ込みらしいが、男子生徒が「女子高生もセックスしたくてしょうがないんだよ」というような卑猥で婚外乱交奨励のようなセリフだけで、もう
性教育の破壊された日本社会を映し出していると思った。口だけで卑猥な事を言っているだけなのかも知れないが、こうした実態なのかも知れない。だいたい大人が女子高生に性的接触をすると淫行になるのに、高校生同士が同意したらどうして許されてしまうのか。こんなダブルスタンダードから、大人になってセクハラして訴えられえるようなハニートラップ現象が生じているのである。
こうしたひどい内容の映画なのに、名作だと思わせようとする社会背景が嘘つきなのである。結婚制度をないがしろにして、高校生同士にセックスさせている社会を良いとしようとする腐ったイデオロギーが日本をダメにしてしまった。汚れた空気やどす黒い汚染水の中での青春である。汚い中に育つと汚さが見えず、汚い中での美しさなどと感じられてしまうのだ。神木隆之介の演じた高校生が作ろうとしたのがゾンビ映画であることにもそうした示唆があるのだろう。東出昌大や橋本愛は顔と名前が一致していたが、山本美月はようやくこれで一致したような気がする。松岡みゆ(漢字がわからない)は『ちはやふる』のような近来と顔がかなり違っている気がして、よくみてようやくなんとなくという感じがたまにあったがまるで別人のようである。顔が変わる人もいるのだろう。そのように、けっこう活躍を続けている人の6年前というようなところが目につくが、これが青春映画の名作というのにはつまらない日本中のセンスだったんだなと思うくらいである。実際の高校がこうした程度なのかも知れない。リアルということか。原作者も監督も知らない人だが、青春の定義をこんな内容でしてしまうというのは低レベルの勧めのようでがっかりした。男子生徒の卑猥な言葉のシーンさえなければこんな感想にならなかったのかも知れない。だからこそ、そういうところに気を使って欲しかった。それでほかの内容も台無しである。ただ、高校でもどこでもそうなのだろうが、イケメンで成績やスポーツもいいグループと、イケメンでなくて背も低かったり、デブだったり、そして映画製作などしているような文化グループの対比、それは男女ともあったりする。しかし、イケメンでないほうのグループが、美人グループと若干交錯したり、女子が憧れの男子をずっと追っているような状態を追ったのはリアルなのかも知れない。偶然に過ぎないのだろうが、この作品の前が『東京難民』を観たのだが、どちらの主題歌も高橋優だった。しかも『東京難民』には山本美月も出ていたはずだが、よく顔が認識できず終えた。山本美月は映画館で観た思い出深い作品があるが、その時も顔が認識できず、今回はわかりやすい感じがしたのはなぜなのか。憧れていた男子高校生が別の女子高生とキスをするのを目撃するようなフリーセックスの動揺も、性教育のないがしろにされた日本社会の高校生の実態を汚く映しているということか。相当質の高い映画でないと2時間というのは長く、時間を損した感じがする。この映画が名作と言われ、賞をいくつもとったというセンスの無さに、社会が間違っているんだから、人生ももったいないなと残念に思った。
だが、卑猥な噂話で幻滅したが、この映画の中ではベッドシーンやパコパコシーンはないようだ。
橋本愛は二股欠ける寸前のようなひどい役を演じていた。オンナの気狂いは怖い。わからないように紛れ込んでいるのだ。せっかくの休日の2時間を損しているなと思いながら、それでも最後まで観なければならない。逆に高校生で交際しているようなスケベな生徒以外の、神木隆之介や大後寿々花が演じた役辺りはリアルなのだと思う。そうした社会でもうまく渡っていくような、イケメン男女の小器用な奴らと、地味で不器用で交際以前だが、人間味がある人達との対比と言う面では、そういうリアルを描いている面はあると思った。大学生や社会人の導入時期辺りになるともっと複雑になってしまうのだろうか。そこを露骨に描くのが、松岡みゆが東出昌大と、大後寿々花がみているところで、ディープなキスを長々とするシーンなのだろう。東出に憧れていた大後はクラリネットを吹く練習を少し続けるが、やがて顔を曇らせて離れると、松岡もキスを辞める。この対比のシーンは、男子生徒二人が、「部活や勉強に集中している奴と、彼女とセックスしている帰宅部とどっちがいい?」という、最後までこの映画を嫌いになってしまった卑猥な言葉に直結させているのだろう。肉体的接触がなくても、そばで心配しながら観ているプラトニックな女性も、全く知らなかったが、清水くるみが演じていたりする。中学でもそういう人たちも交錯するのかも知れないが、高校時代という未完成で揺らぐ時期に勉強しなければいけないし、部活もあるし、恋の在り方もどこまでどうしたら良いのかと、複雑な年齢と場所なのであろう。その人による感情と成長のずれが揉み合い、暴力的になったり野蛮になってしまうのだろう。ずっと冷静なタイプもいる。高校時代から迷いの時代に入り、社会という様々に複雑な時代に入っていかねばならない。イケメンやスポーツ部活に立ち向かう、文科系映画部の文句のシーンもなにかあるのかも知れない。それにしても松岡みゆの顔は変わった。イケメンや運動部や文化部の混沌とした場所。背景には壮大なブラスバンド部のクラシック音楽が使われている。女子生徒も含まれ、壮大に揉み合い、混乱する。そして、ゾンビのホラー映画の象徴的シーンは何を意味したのか。そして『桐島探し』。一体桐島というのは何の象徴なのか。そして落ちて使えなくなってしまったようなビデオ撮影機。セックス挿入射精シーンはないが、キスシーンは東出と松岡で執拗なように二度出てくる。だが感動性はまるでない。これも何を意味するのか。遊びや恋愛の帰宅部と、運動や映画製作などに一途な人達の対比もある。これはきっと最初から最後まで現れることのない、『桐島』こそが青春小説や青春映画を体現しているわけであって、具体的に見える高校生たちには、様々に特徴の違いが交錯して、聖俗に触れてしまうために、『桐島』という主人公にはなれないということだろうか。だとしたら、主役のように言われる、神木と東出の役は何なのだろうか。ただ、キャラクターが違っているタイプのような人達のちょっとした交錯が、その後の社会でのさらなる立場の違いの前の、基本的には同じ高校生だという時代の、その意味を思い直してみるのも大切なのかも知れない。イケメン東出がなぜか泣くシーンがある。それも一体なんだろう。高校時代にイケメンでうまくやっていても、将来が保証されているわけでもないし、意識してイケメンなわけでもない。神木などは眼鏡をかけて美顔を隠して非イケメンの役である。終えてみたら夕方になっていたなという感想なのだが。高校時代から今に至るまでも夕方までな感じだが。松岡にしても大後に東出を取られるわけには行かなかったのではあるが・・・。
評論家の人がラジオで話してたのを聞いた。 スクールカーストの頂点の...
評論家の人がラジオで話してたのを聞いた。
スクールカーストの頂点の桐島が、学校ではすごいステータスの部活をやめた。そのことに対し、カースト上位は騒然とした。なぜなら、そのカーストの頂点のはずの桐島が、あっさり降りてしまったから。そんなものは無価値だと、言ってしまったから。そのカーストに属する人々は、依り代を無くしてしまったのだ。そのカーストの外、別の価値観で生きていた神木くんには、全く関係のない話だった。
学生時代、イケてない、オタク野郎だった人には(俺も含む)、なんとも励みになる言葉だった。
他にもこんなことを話していた。
神木くんにとってゾンビ映画はリアルだった。顧問の先生はゾンビなんて現実にはあり得ないこととしてバカにしていたけれど、本質が表現されていれば、それはリアルなんだ。鬱屈とした、冴えない日々を、ぶっ壊したいという衝動。それをゾンビに託したんだ。その思いが本物なら、それはゾンビという姿を借りていても、リアルなんだ。
そんなことを言っていた気がする。
この話で、僕は物の見方が変わった気がする。
私も女子だけど
【桐島、部活やめるってよ:おすすめポイント】
1.現在の高校生活一部が理解できる!!!
2.前田涼也役神木隆之介と沢島亜矢役大後寿々花の絡みとセリフが楽しい!!
3.菊池宏樹役東出昌大の役柄がカッコよくていいなぁ!
【桐島、部活やめるってよ:名言名セリフ】
1.前田涼也役神木隆之介の名言名セリフ
→「待って!謝れよ、俺たちに謝れよ、見ろよ、太陽が沈むんだよ、そうしたら今日の撮影はもう出来ないんだよ」
→「こいつら全部食い殺せ」
2.東原かすみ役橋本愛の名言名セリフ
→「私も女子だけど」
→「じゃあまた、学校で」
3.菊池宏樹役東出昌大の名言名セリフ
→「だから結局、できるやつは何でもできるし、できないやつは何もできないっていうだけの話だろ」
4.小泉風助役太賀の名言名セリフ
→「何とかしようとして、この程度なんだよ」
堂々とやり切る『誰得』
吉田大八監督の出世作を今更ながらライムスター宇多丸のラジオで気に掛かって鑑賞してみた。吉田監督の作品はその後何作か鑑賞しているが、良いにつけ悪いにつけ、今作が一番印象に残る作品として印象に残ってしまった。確かに今作、未来のスター(今からだと過去になってしまうが)が出演目白押しである。タイムパラドックス的な観方かも知れないが、その華やかさが作品の質を昇華させているのが凄いと思う。原石というのは始めから輝いているものであると感じさせられる。ただ、そんな原石だから高校生にはみえない姿の仕上がりが鼻につくにも狙いなのだろう(山本美月なんて、そのままモデルでもやれる程のスタイル)
作品内容は表題の通り、はっきりいって胸クソ映画である。自分が学生時代には有ったかどうかも分からない『校内カースト』と呼ばれるヒエラルキーをベースに、その頂点である男子高生が部活を辞めるという話に右往左往する周りの友人達、またその友人達に関係するクラスメートの引っ張られ様を、同時間多軸的な撮影演出で構成されている。そんな群像劇スタイルでの展開を最後にゾンビ撮影ドキュメンタリータッチ風で行なうオチで〆る運びにする。ラストのカースト上位と下位のささやかな邂逅はハッピーエンドを予兆させる雰囲気にさせるのだが、それよりも学生時代の酸っぱい思いをこれでもかとリアリティに表現していくシーンの数々に気持ちを抉られる。それぞれの登場人物がきちんとキャラを演じ、そのキャラ同士の化学反応をこんな狭い(とはいっても古い校舎故、まるで迷路みたいな造り)ビーカーで暴発させるストーリーは、その濃厚さ故、かなり圧の高い感情の機微である。その最大のアイデアが原作通り、題名の『桐島』自体が一切作品に出てこない(飛び降りたのも白昼夢)というプロットだ。そのモヤモヤ感が、益々周りの人を不穏に走らせ、そしてそもそも持っている日々の不安感を自己増殖させ、それが非現実性へと突き進むアプローチに唯々、感嘆するしかない。この手の作家性の強い作品が日本で描かれたことが奇跡なのではないだろうかと感じる。
何度も言うが、自分にとってはストーリー自体は『胸くそ』悪い映画なのだけどね。だからこそ自分の高校時代に否応なしにタイムスリップさせられ、そしてまたもや苦くて酸っぱい味が口の中に充満してきてしまう・・・
オチは弱めかも
3回目?の鑑賞。
最後どういう感じで終わったのか思い出せなかったのと、カメラワークが好みだったので観ることに。
分かりやすく少し拡張して表現している部分もありますが、とてもリアリティのある学校生活が描かれていると思います。
当たり前だけど、皆それぞれの事情とか想いがあるんだな〜、と。特に思春期、それを人にぶつけちゃって、関係が変わることもしばしば。
でもぶつけることは悪いことじゃない。それはきっと自分の気持ちと向き合うきっかけになるから。東出昌大の演技を観てそう思いました。あと橋本愛かわいすぎる。
追記
ラスト、東出が8ミリを通して神木隆之介に問いかける。「将来は映画監督ですか?」それに対して神木は「いや、それはないかな」と答える。その後東出が涙を流したのは、きっと自身の部活、将来を思ったからだろう。欲を言えばもっと東出の感情を描写するカットがほしかった。
だからなに。
桐島が部活やめようがどうだっていいと思うけどそれだけ周りに影響を与える存在であったことがすごいのかな…
わたしは映画部の方がすごいと思うけど。
目立たないけど、やりたいことやってて、わかる人には分かってもらえてて、立派だと思うけどね。
戦おう。俺たちはこの世界で生きていかなければならないのだから
高校特有の閉塞的な雰囲気がもの凄くリアルに描かれている。カースト上位グループの女子や男子が心が通ってないのにつるんでる感じがリアル。映画部と吹奏楽部が自らの失恋を芸術に昇華させてくのが印象的。最後神木隆之介が言うセリフ。「戦おう。俺たちはこの世界で生きていかなければならないのだから。」このセリフが1番記憶に残った。
悪趣味な映画!!
最後まで渦中の人物が出ない一発ネタと、リア充・普通・キモヲタ・モブキャラを怒りも興奮もなく映してスクールカーストを描き、誰の心にもある暗い学生時代の記憶を呼び起こす悪趣味な映画だと思います。グランドホテル方式として全体としての統一感を出した事は、面白さを追求したというよりはただの知的な遊びだと思います。桐島が部活を辞める事でヒエラルキーの様々な部分が変動する、という事はよく分かりませんでした。ラストはチープで印象に残らず、途中の印象がこの映画の全てになってしまうでしょう。楽しむために来たのに劇場で本作を観て暗闇に叩き落とされた方もいる事でしょう。ホラーとしてはアリだと思いますが、マニア向けの本作が日本アカデミー賞作品賞って、この年はよっぽど不作だったんですね。どちらも悪ふざけだと思います。
製作側のエゴが強いかな
桐島のニュースに対する周囲のリアクションが面白いです。
自分のアイデンティティーがどこにあるのかで動じたり動じなかったり・・・。
当然ですが映画の製作者は映画を撮るのが好きでしょうから、どうしても主人公のような自作映画を作る生徒には肩入れしすぎてしまうのでしょうか。
彼を否定するヤンキー達が悪で、いじめられて可哀想みたいな見方に偏ってるのが気になりました。
彼は脇役の一人で、みんなにウザがられてるが後々・・・、みたいな位置付けの方がいいのかなと。
「報われないけど、やる」ことが青春なのかもしれない
目に見えないヒエラルキーが存在する学校という空間を、様々な立場の人物の視点から圧倒的なリアリティで描いている。そしてヒエラルキーが一瞬だけ無になる圧巻のクライマックス。
凄いと思ったのは感情の描写。登場人物は楽しいとか悔しいとか好きだとか一切言わないのに、カメラワークと表情、演技で感情が伝わる。
ああ、確かに高校生ってこんな感じだ。建前の中で生きてるけど、そんなに自分を偽るのもうまくないから、見てると分かりやすくて微笑ましくなる。
あと、3回目の視聴でやっと最後の東出くんの涙の意味が分かった気がする。東出くんはなんでもできる(=報われる)のに、やらない。野球部の部長とか神木くんは報われないのは分かっているけど、やる。最後に立て続けに二人の言葉を聞くことで、できるのにやらない自分が情けなくなってしまった。
これはたぶんこの映画のメッセージそのもの。「報われなくてもやる」ことへの肯定。それが青春だよね。部活とかって、報われるためにやってんの?そうじゃないでしょ。まさに「戦おう、ここが俺たちの世界だ。俺たちはこの世界で生きていかなければならないのだから」ってことだよね。
ついでだけど、松岡茉優すごいなあ。もうあのキャラが素にしか思えない(笑)けど、悪の教典では全然違うキャラだし。個性が立ったキャラを使い分けられるいい女優さんですね!好きになりました!
改めて観たら面白い!!
恋愛、友情、受験よりもゾンビ映画に魅力とリアルを感じる高校生の映画部員たちが、価値観の違うリアルを生きる高校生たちを食い殺す。
同じ「学校」という場所にいながら、バラバラの価値観でバラバラのものを見ていた高校生たちが屋上に終結する。
初回は映画館で改めて観たんだけど、改めて観ると何これ面白い!!作中の空気がリアルでヒリヒリする。高校生たちの話なのに青春の押し売りじゃない。
「万能タイプ」として「格好悪さ」から逃げていた宏樹が高みから降りる。そして降りた場所から見た目線のまま桐島(劇中は1回も姿を見せない)に電話をする。そこで終わるラストは私たちに色んな想いを訴えかける。問いかける。
そしてそこで暗転、高橋優さんの弾き語り版の「陽はまた昇る」が痺れるわー。
それにしてもこの作品の橋本愛の可愛さ神秘さは異常。神木くんじゃなくてもカメラに収めたくなっちゃうよね。
桐島
期待を遥かに遥かに上回る作品でした
観ていて何故か胸がえぐられるような切なさ
あー俺ってこんな奴だったかもって笑
一番びっくりしたのは桐島が作中に出てこないこと
桐島だろうと思われる人物は一瞬出て来たように思ったけど
ホント最後まで出てこない
これは観ていて誰もがどれかのキャラクターには共感できる作品だと思う
自分は前田たちの映画部や
バレー部の下手な子かな笑
色んなキャラの視点で場面場面で切り替わってストーリーが展開して
これがまた面白い
ラストの屋上のシーンはスカッとしたなあ
前田派の自分としてはやったれー!ってなる笑
恐らくかなりイケてる人物であろう桐島が部活を辞めて大騒ぎして振り回されてるイケてるグループと
桐島が部活を辞めても特に支障もなく自分たちの世界で生きてるグループ
なんかホントに凄くリアルな学校生活を観た気がする
なんか言い表せにくいけど非常に面白い!
是非オススメしたい!
意外と現実主義者な映画オタク。
作中に登場しない桐島がこの映画を観る者を引き込ませ、それまでたいして関わりの無かった生徒達が互いに絡み合っていく青春!映画。
カメラワークや展開、描写、手法がこれまでの映画の良いところを上手く使っていた気がする。
最後には現実的で少し切なく、素晴らしい青春!を感じさせられました。
期待値が高かったのかな。
タイトルが印象的で、賞も取っていて。ストーリーのことは全く知らずも、いつかは観ようと思っていた映画。正直な感想は、「うーん」といった感じ。
最後まで桐島が登場しないことはよしとしても、文化部・運動部・帰宅部を中途半端にデフォルメした描き方には違和感感じるし、同じシーンを視点を変えて複数回流す手法は新鮮ではあったけど、無駄に尺を使っているようにしか感じなかった。
別に普通
ふーんて感じ。別に普通じゃない?
自分が学生時代にヒエラルキー下位層だったからか、菊池くんに感情移入できなかった。
下位層である映画部が桐島に関係なく不変に好きなことに取り組む姿ってのが、崩れていく上位層との対比で良いみたいだけど、特になにも感じず、別に普通じゃね?と思った。
あ!分かった!桐島に対し、なぜ上位層が依存してるのか共感できなかったからだ。
自分は映画部の一人として共感してたんだなあ。
だから、上位層があたふたしてるのがよく分からんし
、どうでもいい。
何を描きたいんだろう?と思った。
桐島、部活やめればいいし、別にどうでもよくね?
ヒエラルキーの崩壊については、特に興味持てなかった。
最後に監督と菊池くんが交流し、菊池くんが泣きそうになる場面、菊池くんが泣きそうになるのは彼が純粋だからだよなあ。
これが青春ってことなの?
初日の構成は面白かった。
超面白い
映画館で観た時に、凄い!面白い!!と思って、久しぶりにDVDを借りてきてまた観て、やっぱり凄く面白かった。大好きだ!たまらないシーンがたくさんあるけど、鉄男を観た後に前田がかすみを見つけてコーラを買ってあげてでも隣には座れなくて立ったまま会話するシーンが大好きだ、かすみはたまたま時間を潰すために観たと言ってたけど、やっぱりほんとは前田のことが気になっていたのではないか、この映画の時の橋本愛はとにかく可愛い、パーマは別にそれほど嫌なやつじゃないはずなのにかすみと付き合っていた!というだけでものすごく許せない気持ちになった、屋上でひろきと前田の会話、監督は無理って前田が言ったときのひろきの表情が切ない。登場人物の一人一人がとても心に残る、悩みを抱えてる人物の悩みは解消されないまま終わるのに、観た後の清々しさはなんだろう。素晴らしい青春映画だと思う。
10代のうちに
高校の頃の思い出が鮮明にある時にこの映画を見れてよかったと思う。
高校生ならではの複雑な人間関係の悩み、部活の悩み葛藤、どれも自分が感じた事のある感情で心に刺さりました。
キャストが好き
キャストがすき。
まずは神木隆之介、
東出昌大、大賀、松岡茉優〜(OvO)
内容は、桐島が結局謎。
ストーリー的には桐島が部活を辞めることがど偉い大変な出来事であり、大騒ぎ…。
個人的には、神木隆之介の映画部のゾンビの仕上がりがもう少し見たかったんだけど。
さいごの東出昌大の広樹も、野球への未練?なのか。結論は、視聴者にお任せ系だったのかなあ。
でもテンポよく、飽きずに楽しめた
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