劇場公開日 2012年4月7日

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別離(2011)のレビュー・感想・評価

全38件中、21~38件目を表示

4.5程よい曖昧さかな

2015年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

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メイばば

5.0深い…

2014年11月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

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しゅうちゃん

4.0男の嘘の罪深さ

2014年11月5日
PCから投稿

難しい

この作品では2つの家庭を中心にストーリーが展開するが、一つは中流階級で離婚直前の夫婦と中学生の娘、もう一つは貧しい階層の家庭でイスラムの教えを守っていて、とくに妻は敬虔な信者で、幼児がいる。
その二つの家庭が裁判で争う中で、イラク社会の構造的縮図のような問題が浮かび上がってくる。

この作品の胆となるのは「嘘」だ。

イラクのような(そしてそれは、日本でもほんの数十年前まで同じだった)封建的な男尊女卑の社会において、男は嘘や誤摩化しを日常的に使い分けて社会で生きている。
映画の序盤、貧しくも若く敬虔なイスラム教徒であるラジエーは、暴力的で稼ぎのない夫に内緒で、ナデルという中流階級の家庭の家政婦として働こうとする。ナデルは、妻シミンが外国で暮らす事を望んだ結果、今は妻と別居し、認知症の父の面倒を見なくてはならないため、ラジエーを雇う事になった。ところが、ナデルはラジエーに父が認知症である事を隠していたため、ラジエーは1日で仕事を辞めようとする。結局、その後も働く事になるが、それが登場人物達をさらに悲劇へと導く事になる。
この序盤で描かれているのは2つの嘘だ。ラジエーは暴力的な夫に内緒で働きに出て、ナデルはラジエーに父が認知症である事を隠して仕事を依頼する。互いに「嘘」を抱えて物語が始まる。しかし、ラジエーの嘘と、ナダルの嘘は、本質的に全く異なっている。ラジエーは家族の生活と夫の暴力を避けるための身につまされる嘘であり、一方のナダルは自分の目の前の問題を安易に解決するために、明らかに女性に対して軽い気持ちで誤摩化した嘘である。

「嘘」には、良い嘘も悪い嘘もない。
しかし、立場や階級が違えば、その嘘の本質は絶対的に異なってくる。

物語の終盤、ラジエーの夫は妻の流産の真相を知り、確信が持てないままナダルに責任を押し付けるような証言を拒む妻ラジエーに対して「神に対しては俺の罪になるから、コーランに誓え(嘘の証言をしろ)」と妻に迫る。妻ラジエーは、神からの厄を畏れそれを拒否する。

同じく終盤、ナダルは、裁判で嘘の証言をしていた事を娘のテルメーに見破られ、真実を言う事を誓うが、結果的にテルメーに嘘の証言をさせてしまう。その後、テルメーには、ナダルがこれまでにしてきた小さな嘘やほころびが、徐々に見えて来るようになってしまう。

男たちは、見栄や金を優先し、神や家族の気持ちを蔑ろにする。ラストシーン、様々な人が行き交う裁判所で、ナダルが孤独であることが延々と映される。父の病いを憂うナダルは、悪人ではない。本人は強い悪意で嘘や誤魔化しを繰り返したわけではないだろう。しかし、彼は妻や子供を失った。その不条理さが見終わった後に余韻として残る。

中流階級の家族にとっては子どもが、下層階級の家族にとっては宗教が、男たちの嘘の罪深さを浮き彫りのしている。嘘と信頼、男尊女卑、介護問題、夫婦の関係など、普遍的な社会問題を、2組の夫婦を描く事で対比させ、分かりやすく描いているのは素晴らしい。このレビューの冒頭で「2つの家庭を中心に物語が進む」と書いたが、あくまでも主人公は中流階級のナダルだ。カメラの視点(観客の眼差し)は、常にナダルとその家族から見た世界や心情描写である。そのためラジエーやその家族に起きているであろう状況について、観客自身の想像力で補うしかない。その突き放した描写がとても効果的。非常によくできた脚本。

ただ、全体的に重苦しく、最後まで息が詰まる。
この息苦しさは、ある意味でイランという社会の抱えて閉塞感を表しているのかもしれないが、とても疲れた。

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CRAFT BOX

3.5歯車がズレる

2014年8月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

一つの歯車がズレると全体のバランスが崩れるのだなと家族を持つ者としてゴクリと唾を飲んだ。舞台がイランという事で、宗教の解釈の違いこそあれみんな自分を律しきれてると思ったら、自分や誰かを守るために嘘をつくし、相手をなじり罵倒したり人間臭くてよかった。夫婦愛の話かと思いきや裁判を中心に話が流れて目が離せなかった。全く知らなかった世界の扉を開けてくれた映画。

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奥嶋ひろまさ

4.5畏れを知る、という知恵

2013年11月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

難しい

隠し事をしている信心深い女性が「コーランに誓えない」とジタバタ悩んでいる姿がなんだかうらやましくも美しく。
畏敬、自分よりおおきな存在に畏れをいだく、ということは、生きるという大海の中にあって灯火をみいだすようなものかもしれない。

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しまねこ

4.0重いなぁ…

2013年8月17日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

引き込まれました。

イラン映画という事で、宗教色が濃いかと構えていたらそうでもありませんでした。
内容は分かりやすい物語です。

別離というタイトルが示す通り、一組の夫婦の離婚話です。
そこから派生する出来事に面白さのポイントがあるのですが、人々を巻き込んで行く様は見事です。
見ている自分自身も、その場にいるような錯覚を覚えます。
日本にいる私達にも、ありふれた出来事として、抵抗なく受け入れられます。
「どこの国でも似たような悩みはあるんだなぁ」と、感心さえしてしまいました。

しかし、物語が動き始めた中盤からは、一気に閉鎖的な状況へと移り変わり、緊張感ある展開が続きます。
人の業というか、優しさというか、なかなか想いが伝わらず、もどかしいです。

見終わってから、明日からは、広い心で優しく生きて行こうと決意しました。

他人を想いやりたい方にオススメです。

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ノリミッチー

5.0面白かった

2013年3月2日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

皆それぞれに理由があり、誰も正しくはないけど誰も間違ってもいない。
これぞまさに人間ドラマ。面白かったです

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POCO

4.5妻子より親を優先させる亭主の姿勢

2013年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

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林智

4.5ナイスな娘。

2013年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

冒頭からの言い争いがまるで途切れない重圧感と共にミステリーを盛り上げる。
僅かな嘘と頑なな戒律がまさかの殺人罪を呼び起こす。終始キリのない醜聞が
交わされる中で固唾を飲む娘たちの眼差しが印象的。誰の為の行動だったかを
考えると全てが繋がる脚本の妙意と(監督の)実娘のナイスな演技力に脱帽する。

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ハチコ

4.5無垢な少女の瞳が見ている

2012年12月6日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

昨年のベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したイラン映画。
複雑な心理ドラマと聞いていたので途中でギブアップしそうだなと思っていたら、なかなかどうして引き込まれた。しかし同時に胸が痛い。

14年連れ添ったナデルとシミンの夫妻は離婚の危機を迎えていた。
ナデルはアルツハイマーを患う父を思い国内に留まる事を望み、シミンは多感期の娘を思い国外で暮らす事を望んでいた。
離婚は受理されなかったものの、シミンは実家に戻り、ナデルは父のヘルパーとしてシミンの知人の紹介でラジエーを雇う。
ある日、ラジエーは用事で外出、その間に父は意識不明になる。
ナデルは激怒し、ラジエーを追い出すが、その際妊娠していたラジエーは流産してしまう。
この事を知ったラジエーの短気な夫ホッジャトは訴え…。

食い違う証言は「羅生門」を、擦れ違う心と心は「バベル」を彷彿させる。
それでも「バベル」は人と人の繋がりの希望を感じさせたが、本作は底無し沼にハマっていく。

お互い一歩も退こうとせず、言い分には一理ある。父の為、娘の為、生活の為、己の為…。
誤解、行き違い、擦れ違い…言い争えば言い争うほど、自分自身と周りの哀しみが雪だるま式に増していく。
お互い非が分かったとしても後には退けず、ズルズルと泥仕合を引きずる。
その哀しみに心が引き裂かれる。無垢な少女テルメーの瞳がそれを物語る。

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近大

4.5ある家族の、悲痛に満ちた崩壊劇

2012年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

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キューブ

5.0今年NO1の名作!是非観て欲しい!

2012年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

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ryuu topiann

4.5全世界・全時代で共通の悲劇

2012年7月29日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

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浮遊きびなご

4.0リアリスティックに、ひたすら重い。

2012年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

重い!ひたっすら重い!一分の隙もなく重い!
そして救われない!
アカデミー賞外国映画賞を受賞してなきゃ確実に自分は観ないタイプの映画です!

『羅生門』にも例えられてるみたいですけど、俺はんん?そうなのか?という。
勿論、多角的な視点からの証言を重ねていくプロセスはそう思いましたけど、黒澤映画の様なエンタメ感は皆無。
とてもとても。そんなそんな。
リアリスティックに、ひたすら重い。

嘘を付きて嘘を付かれる。
嘘の応酬。
浮び上がる人間性。
浮き彫りになる醜悪さ。
善人ですらが悪人に転じられてしまう危険性。

汚なさ。
やらしさ。
憎しみ。
怒り。
世間体。
プライド。
夫婦間。
親子間。

そんな愛憎引っくるめての、人間対人間。

そんなこんなでの、あのラストです。
追い打ちを掛ける様に、また更にソコに『全て』を託すなんて…重いわぁ!

誰が悪い?
誰が正しい?
誰も悪くない?
誰も正しくない?

これは精神的に安定してる方が観るに適してるかもしれません。
予備知識なしに観た自分は、口開けたまま、ひたすら唖然としてました。

重い。

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ロロ・トマシ

4.5クライマックスは、心が痛い…

2012年5月1日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

脚本が素晴らしく最後に疲れた…って思う作品でした。

意外に予想外な展開になったりして予測不能だし演技はものすごくかなり見応えある作品。

クライマックスはいろいろと心が痛かった…。

特にあの子役の女の子の目は、すっごく痛かった…。ちょっとトラウマ…。怖いんじゃなくとにかくリアルで人に嫌われる感覚がすっごく伝わりました。

とにかく「見て!」の一言に尽きる作品ですね。

ぜひ見てみてください。

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クロっぺ

4.5深く普遍的。

2012年4月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

アカデミー&ゴールデングローブ賞の外国語映画賞、ベルリン金銀受賞の本作、2時間続く緊張感に両隣の方も身を乗り出していました。劇場で観ていることを忘れそうな脚本、演出、演技。あれこれ言いません、映画好きの方はお見逃しなく!

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dekatter

4.5家族の問題を主題にしながら、サスペンスフルに仕上がったイラン映画

2012年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

オープニングからエンディングまで、ひとときも息が抜けない映画。

二組の夫婦、四人の男女がそれぞれ嘘をつき、隠さなければならない真実をもっている。しかも、イスラム教の戒律が、絶対である環境を持つイランという国が背景にあることが、家族を主題にした映画にもかかわらず、全編を通してサスペンスを盛り上げている。

ただし「イランだから」ということで、この物語自体が特殊なものでもなく、そこで語られるのは、夫婦や家族、信仰や価値観の問題を含めて、東西を問わず、何処の国でも、何処の家族のあいだでもおこりえることでは、ある。

結局、物語はどちらの夫婦にとっても、日本で云うところの「子は鎹」という結論に落ち着きそうになるのだが、それを映画では、あくまでも観客の想像力に委ねているところが、にくい。おそらくこういったエンディングは、日本も含めた欧米西側の、映画では、考えにくいところ。その点で、アッと驚くラスト、といえなくもない。

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梅薫庵

5.0素晴らしい脚本です!

2012年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

昨年のアジアフォーカス・福岡国際映画祭で観ました。素晴らしい脚本で、イラン映画ですが、現代のどの世界にも訴えるものの多い作品です。昨年私が観た映画の中で、頭ひとつ抜け出た傑作だと思いました。観ている最中、暴力や殺人など派手なシーンがある訳ではないのに、出来の良さに感動した時に感じる、ゾクッとしたものが身体に流れたのを覚えています。
とかく、3大映画祭の最高賞受賞作といっても、難しくて退屈するようなものもしばしばありますが、本作は我々の身近でも起きそうなリアリティと静かな緊迫感とで、グングン引き込まれました。
イラン国内でも史上最高に近いヒット作となっているらしいですが、このような大人の作品がヒットするというのは大したものだと思います。
既にゴールデン・グローブ外国語映画賞を獲りました。他の候補作を全く観ていないので本当は言ってはいけませんが、米アカデミー賞も期待しています。

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鳩ぽっぽ