少年は残酷な弓を射るのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
原題と日本題でどうしてこんなに違うのかとはずっと思ってた。
序盤から息子のケビンが何かをしでかしたおそらく死傷者が出るほどの事件を起こしたことはわかる
終盤、どうするの、なにするのケビン!ってハラハラしてたら
まさかの日本題の壮大なネタバレだった
わたしが察する能力低いから良かったけどまじかよ!って感じ笑
赤ちゃんケビンを泣きやませようと必死に笑顔を作るけど、まったく1秒も作れてないエヴァが印象的
ケビンが体調崩した時と
一緒にパターゴルフに行ったとき
少しずつ心を開きそうな瞬間はあるのに
どうしてこんなに歯車が噛み合わないんだろう
とりあえずエズラミラーはどこをどうとっても美しすぎた
さすがにオナニーしてるときは笑ってしまったけど
そんな顔でこっちみんなってなったわ笑
バラバラに流される時系列が少しずつ埋まっていく
母になることへの躊躇
テーマは「母になることへの躊躇」。
核家族が当たり前になった昨今、現代家族の闇を強烈なまでにえぐり出した作品。
有名冒険家のエヴァは、望まない形で高齢出産する。
息子のケヴィンは、そんな母の思いを知っているかのように、生まれた当初から母に懐く事はなかった。
不器用な母と、愛に飢えた息子のアンバランスで不可思議な関係が、後にある事件を引き起こす事となる。
母親役はTilda Swinton。フィクサーで助演女優賞を、この作品でも女優賞を獲っている。
息子役はEzra Millerという若手実力俳優。
この2人の役者が素晴らしい。
ちなみにレディオヘッドのメンバーであるジョニー・グリーンウッドが音楽を担当しています。
『解っているつもりだった。けど今は違う。』
この言葉の真の意味を知りたい方は、是非ご覧下さい。
堕天使系美少年は究極のマザコン
フォロワー様に恐ろしいくらいに美しい美少年の画像を送っていただいた際、私は観なければと確信した。
なんていったって、美少年。
フォロワー様曰く、堕天使系美少年。
そんなもん観なきゃいかんでしょう!!っとこの作品を観ることになったのですが...
とんでもない内容だった。
ガチで堕天使美少年じゃないですかああああああ!!!
そして、究極のマザコンであった。
最初のヒャッハーーートマト祭りを観ていただければわかるのですが、今からとんでもないこと起こりまっせフラグビンビンでした。
簡単に言えば、息子を愛せない母(ティルダ・スウィントン)と大量無差別殺人を犯した息子(エズラ・ミラー)の母親視点でのストーリーです。
母は授かった息子を孕んだ時から愛せなかった。それが伝わったのか、幼少期から息子は母親に対してのみ反抗的だった。そんな息子をどんどん嫌いになっていく母。
そんなときに、2人目妊娠。出産。とっても可愛い妹ちゃんが産まれるわけです。母はもう娘にメロメロ。ある日、息子は風邪を引くわけです。息子は普段とは別人のように母に甘えます。妹に母親をとられたためかと思いましたが、治った際には元に戻ってました。風邪を引くと、甘えん坊さんになるのか可愛いなチクショウ。個人的に凹むシーンが多いので、この風邪のシーンの破壊力すごいですよ!!!
まぁ、美少年に育ったお兄ちゃんはパッと見では妹に従わせたりいたずらしたりする普通のお兄ちゃん。普通なのか、前半のせいで普通に見えないが...。
しかし、妹のペットがいなくなったり、妹が失明したり...明らかにお兄ちゃん貴様犯人だなってこともあり、夫婦間は離婚を相談するまでに...。
そして、16歳の誕生日前に大量無差別殺人を学校で起こしちゃったんです。
ついでに父と妹も殺して。
母親だけは生かして。
18歳になり、大人の刑務所に行く息子に「なぜあんなことを?」と聞く母。「昔はわかってたけど、今はわかんない(´;ω;`)ウルウル」と言う堕天使系美少年。
これが本心かはわからないんですよね...。
なんてたって、あと2年で出てこれちゃうんですから...。
《大好きな母親を独り占め計画》は成功したんでしょうね。
結局のところ、母親は彼の帰りを待ち、彼の存在に苦しめられ続けたんですから。
母親役のティルダ・スウィントンの演技がすごすぎて、ふえええとなりました。なおかつ、美少年までついてくる。素晴らしい。演出も母親=息子というのが強く現れていて好きです。常にハラハラドキドキ感があって、EDが無音。見終わった後は(゚д゚)って顔になります。その後、無駄にテンションが上がります。しゅごいってなってます。
そう、今まさにこの状態です。
面白かった!!!
美しく、残酷な物語
エズラ・ミラーが好きなのでレンタルしてみました。
まず彼はこんな役も出来るのか〜と関心。彼が出演している『ウォールフラワー』のPatrickとは全然違うキャラですがどっちも本当に魅力的で演技もナイスです。ビジュアルも完璧ですし言うこと無しですね。
ティルダ・スウィントンも素晴らしいです。この2人の怪演は見る価値あり!
内容もとっても良かったです。単調で落ち着いた映画ですが、所々ハラハラさせられるシーンがあって全く飽きませんでした。血かと思ったらトマトだったり。(笑)
自分の子どもをどう育てるか、…というより、つねに子どもに関心を示し、愛をこめて育てることの大切さを感じさせられます。よくある家族愛を描いた感動ものではなく、サスペンスという形でそれを伝えたのも魅力的です。まぁ欲を言うなら、Kevinの学校生活をもう少し描いてほしかったですね。
たしかに暗くて後味の悪い作品ではあるかもしれませんが、ただの胸糞悪い映画じゃありません。観た後に、考えさせられる。あの場面にはもっと深い意味があったんじゃないかと気になり2度も3度も観てしまう不思議な映画です。
サスペンスは苦手ですが、この作品にはつい惹き付けられてしまいました。これを観たらエズラ・ミラーに夢中になってしまうこと間違いナシ。そしてKevinに夢中になってしまうこと、間違いナシ。
Kevin最高!
原作は、400ページにも及ぶ作品
世界を旅しながら自由に生きていた作家のエヴァ(ティルダ・スウィントン)。
後を追ってきた、恋人のフランクリン(ジョン・C・ライリー)の子供を妊娠し、やがて ケヴィン(エズラ・ミラー)を産むことになるが、
ケヴィンは、3歳になっても言葉を発せず、6歳になってもオムツすら取れない子供だった。
そして、成長したケヴィンは なぜかエヴァに対して刺すような視線を送り続ける。
エヴァは心が折れそうになるが、心の拠り所を求め 次女セリアを出産。
何かが変わるかもしれないというエヴァの思いとは裏腹に、ケヴィンは、父親のフランクリンや 妹のセリアには笑顔で接していたが、
エヴァに対する悪意に満ちた反抗は何も変わらなかった・・・。
そして ケヴィンは事件を起こすことになる・・・。
時系列が、バラバラ・・・っというよりも
フラッシュバック的なカンジで お話は展開していきます。
ぶちゃけタイトルが・・・って感じですね。
比喩(?)を 用いたタイトルと思いきや、意外とズバリだったという。
親子関係を描いているけど、正直~どぉしてケヴィンがあんなに母親に対して 憎悪を抱くのか・・・
そこのとこが解らない分、事件に至る経緯(動機)が不十分な印象を受けたかな。
なので若干~説得力に欠ける印象だった。
結局 そのへんは観ている人に委ねる形で終わったけど。
ただ、エヴァが地元住民から受ける嫌がらせの数々も、ケヴィンのためにジッと耐えてるんだろうなーって思うと見ててツライね。
最後に、接見室でエヴァに抱きしめられて 何かを感じたようなケヴィンの表情をみて、少し救われた感があったけど。
ただ、全体を通して 痛々しい作品でした。
何故?
母と息子
冒険家で自由奔放に生きてきたエヴァは望まない妊娠をし、表面的には普通の母親として子育てをしていた。しかし、心の底から子供とは向き合うことはなく、本当の愛情を注ぐことはできていなかった。
子供が懐かないのは、本能的にそれを見抜いているから。何を言ってもすべて見透かされうまくいかない。
泣き止まない子供は、成長しても心でずっと泣き続け、母親の愛情を欲しがっていたのではないだろうか。
イジメっ子が好きな子をイジメてしまうように、ただただ母親を困らせ、無関心を感心に変えたかっただけ…その結果があのような事件になってしまったのだと思う。
ラストシーン、母親は息子に対し本気で向き合うことができ、お互い少し分かり合えたからの抱擁だったのかと。
ティルダ・スウィントンの演技は素晴らしく、エズラ・ミラーの美しいけどゾッとする笑みは目に焼き付いてしまう。
見せ方も上手く、少しずついろんな事実がわかっていく構成もいい。
久々に、うーんと唸った1本だった。
女の人なら見方が変わるのかも
究極のマザコン
静かに重く残酷に美しい
映画はトマト祭りの熱狂から始まる。赤は血の色。絆の色。消えない憎しみの色。
緻密に構成され、鮮やかに切り取られた構図と色彩をまとい、母(エヴァ)と息子(ケヴィン)の残酷な物語が進む。映像はエヴァの主観をフィルターして歪んでいる。
ケヴィンが引き起こした破滅を軸に、時間を行きつ戻りつ、エヴァが見た事実をあぶり出す。母になつかない赤ん坊は、育つにつれ母の困惑に喜びと異常な執着を見せる。普通の母親像を演じるエヴァの、息子に対する関心を装う無関心、後悔、恐怖、精神的な服従と現実逃避が、彼女をこの世の地獄へ突き落とす。ケヴィンと向き合うことのなかったエヴァにとって、最後に残された生きる意味は、ケヴィンと対話することだった。ここで彼女は、理解できず受け入れることのなかった「息子」に、初めてひとりの人格として、ケヴィンとして向き合うことになる。
エヴァ役のティルダ・スウィントンが演じた無垢な悪意、ケヴィン役のエズラ・ミラーが表現した母の目にだけ映ったであろう反吐が出るほど不気味で美しい笑顔が頭から離れない。
負荷がかかる名作
母子の絆は、ただの幻想かもしれない。血のつながりだとか、自分のお腹を痛めたということは、思い込みにすぎない。本当に相手を理解したいなら、相手を自分の親とか子として見るのではなく、自分とは違う一人の他者として向き合うしかない。敬意をもって。
いくら理想を演じても、絆は生まれない。
ケヴィンは人一倍洞察力が鋭く、母親の欺瞞が許せない。彼女から、大切なもの(夫と娘、そして社会生活)を奪い、強制的に自分に向き合わせた。
そうなって初めて(あまりにも遅すぎるのだが)、母親は他者としての息子に「なぜ」と問いかける。母親目線のフィルターを外して彼を見た。すると、息子も初めて母親を他者として眺めたのか、それまでわかっていたはずの理由が「わからなくなった」と言う。
抱きしめることは、相手とひとつになるためのものではない。どうしたってひとつにはなれない相手の、むきだしの孤独を、少しでも癒すためのものだ。
これを「愛」と呼ぶなら、いくら体面を繕っても、「愛」はごまかせないのだと痛感した。
赤、青、黄色と、象徴的な色が交錯する作中で、ラストシーンの、全てが漂白されたような白が印象的だった。
ジリジリ系胸クソ映画
要は、母親から愛情を感じなかったために仕返しに嫌がらせをし続けついに母親を孤立させてしまうヤンデレ少年とその母と家族の話なんだが、少年の動機が最後まで見てもイマイチ伝わって来ず。母親にも非があるのかも知れんけど努力はしていたと思うし、なんだかなあ。父親の理解のなさにも非があると思うし、なんだかなあ! でも無論問題はそれだけでなく、家族って難しい、どうすればよかったんだろうどうなっていくんだろう、っていう胸クソ映画。褒めてる。
エズラミラーとティルダで見かけは安心の美貌。この2人ならふつうに美しい、まぶしくなるよな家族だって演じられたろうに、えげつないなあっていう贅沢感はあった。
ゆらぎに過ぎないのか
物語でエズラミラー演じる少年は物心もつかぬ頃から母親の愛を拒否していた。人が生まれながらにもつ本能すらもたないモンスターのように描かれている。しかしある日体調を崩した彼は自分の弱みを母親に見せてしまう。そしてその時始めて母親に甘え、子供としてのあるべき姿をみせる。その時間はそれまで懐いていた父親を遠ざけるほど極端な逆転であり、そしてこの逆転は数日もするとまるでただの気まぐれだったかのように元の異常な状態へと解消される。
この異常な状態こそ事件を起こし、その後のラストシーンに至るまで、少年の安定した精神状態だったのだろう。
事件から2年たち面会に訪れた母親が少年に「なぜ?」と問いかけるラストシーン。少年は2年前とは考えが違うと告白し、母親の抱擁を受け入れる。この様子は少年にとっての本心をどうしようもなく表しているのだろう。しかし私はそれが束の間見せたゆらぎでないとは確信できない。
面会室を後にするティルダスウィントンの表情は一山を越えた後の安心感と、これからも息子と向き合っていかねばならない言い知れぬ不安感が入り混じっているように感じた。
余談だが、比較内容が近いものとしてガスヴァンサントのエレファントが浮かんだが、今作(少年は残酷な弓を射る)の方が一人一人の人物への感情描写が深く内容に入り込む事ができ、結末から想像が膨らむため、自分好みの作品だった。
単調だがエズラミラーが良い
美少年に惹かれて
捉え方が観た人によって違うけど…
タイトルの語感と、DVDジャケットのエズラ・ミラーの美しさ、ティルダ・スウィントンが出演しているというところに惹かれてレンタルしました。
(ミーハーなところもあるけど、いわゆるジャケ借りです。なにか力のあるジャケットですね。)
お話自体はかなり簡単に要約すると親子の憎悪が発展してある事件に至るまでと、その後の時間を交互に観せて何があったのかを追っていく展開なんですが…
冒頭の血のようなトマト祭りの風景と、役の上で結婚前の一人身を謳歌しているティルダ・スウィントンの興奮に酔いしれている表情が印象的。
このあとの展開の暗雲を予感させる雰囲気で好きです。
それまでは仕事にも恵まれ、充実していた女性が結婚、不意に子どもに恵まれる…。
生まれた子どもは、なぜか母親にだけ懐かず、まだ自意識も持たない年齢のうちから反抗…ともすれば憎しみににた態度を示す。
…たんたんと、子どもが大きくなっていく過程でのエピソードと母親の戸惑いが続いていきます。
子どもをあまり望んでいない女性だから、それが子どもにも伝わってしまっているのは分かるんですが、赤ん坊の頃から既に子どもが母親にだけ他とは違う態度を示すもんで、お腹の中にいた頃からあの親子の関係はこうなるべくしていたんだろうか?と思ってしまいました。
…重いです。
合間に挟み込まれる、事件の予感と、事件後の母親を取り巻く環境で、何があったのかと興味を持たせない限り、観るのがしんどくなってしまう感じです。
(なので、挟み込むように時系列をパズルのようにしてあるのは効果的でした)
…事件については印象的だったタイトルが災いして、他の意味を含んでいるにしてもネタバレ状態なんですが…(^_^;)、その過程をみせるお話なのでなんとも…。
事件後も息を殺すように暮らしながら、なんで私がこんなことに?って母親は思ってたのかな?
さて、最後に大人の刑務所に移ることになった息子ケビンとの対面が出てきます。
ここまで、何度面会に来ても会話がなく、間が持たなかった親子が初めて、ケビンの大人の刑務所に移る緊張と戸惑いからまともに会話をするシーン。
言葉少なに「ずっと分かってるつもりだったけど…」と、初めて母親に助けを求めるような、告白するような言い方の息子。
「今までだって要領よくうまくやってきたでしょ?」と、突き放すような言葉を放す母親。
面会時間は終わり、明るい外の光あふれる刑務所の出口に歩いていく母親の姿で映画は終わります。
…このシーンの前に、刑務所を訪れる前日だとかのあたりに、母親は息子の衣類にいつもより丁寧にアイロンをかけ、彼が帰ってきたときに快適に過ごせるように住まいを整えている。
長いこと受け入れられなかった息子を受け入れる準備をしているようにも見えたけど、あの最後の面会シーンとか、歩いていくシーンとか…私には成人する息子の呪縛から解放されて安堵の表情をみせているようにも見える…。
または、やっと親子のわだかまりが解けたのか?
私は未婚なので、完全に感情移入したりは出来ず、見守るだけの形になりましたが、
このお話は捉え方が人によって様々な気がするの。
観た後、世のお母さんに感想を求めたくなりました…。
でも、ここまで極端な話しではなくても、多かれ少なかれ、一人の個人が〝親だから〟という理由で犠牲にしてきたものや、なんで私がこんなことを…と思ったこと、世の親御さんの中にはあるわけで…。
父親とか、母親とか当たり前のようにこなしてる方にしたらお叱りを受けるかもしれませんが、親の愛は無償とはよくいったものだな、と。
…話に触れないと語れないので、やや、ネタバレになってしまいましたが、機会があれば観て頂きたい部類のお話です。
We Need to Talk About Kevin
すごく深くって考えさせられる映画やった。子どもを身籠った為に自分のキャリアを捨てなければいけなかった母と、まるでその後悔を見透かしているかのように全てのことにおいて反抗する息子。様々な行動で執拗に自分の母親を追い詰めて行くEzra Millerが演じるKevinとその狂気に苦悩し恐れるTilda Swinton演じるEva。彼らの考えつくされた一挙一動に及ぶ緻密な演技はホントに圧巻!!きっと映画の解釈は沢山あるし結末に納得いかない人もいると思う。難しい映画で、事件を犯した当人であるKevinでさえEvaの"Why?"の問いかけに明確な答えを提示していない。映画の中で彼が最後に発する言葉は"I used to think I knew. Now I'm not so sure."であり、つまり「分かってるつもりだった。」と言うわけであるが、何が分かっているつもりだったのかは明らかではない。それに何故母親だけに敵意を向けるのか、一体Kevinは憎しみ(?)•怒り(?)•嫉妬(?)どのような感情を抱いていたのか、どうして母親だけ殺さなかったのか、逆にどうして妹に加えて父親までもを殺したのか…など疑問に対してもはっきりした解答は示されない。でも私はその答えが出てないからこそこの映画は評価されているのだと思う。まるでミロのヴィーナスのように、そこにあるものを観客に想像させるという余韻を残すからこそ美しくあると感じるのだ。観るとEzraの美貌までもが怖く見えるし決してスッキリはしないけどものすごく好きかも。でもね、最後に一言だけ言わせて…この邦題はない。笑
全48件中、21~40件目を表示