劇場公開日 2012年6月30日

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「母と息子」少年は残酷な弓を射る Rikoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0母と息子

2015年5月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

冒険家で自由奔放に生きてきたエヴァは望まない妊娠をし、表面的には普通の母親として子育てをしていた。しかし、心の底から子供とは向き合うことはなく、本当の愛情を注ぐことはできていなかった。
子供が懐かないのは、本能的にそれを見抜いているから。何を言ってもすべて見透かされうまくいかない。
泣き止まない子供は、成長しても心でずっと泣き続け、母親の愛情を欲しがっていたのではないだろうか。
イジメっ子が好きな子をイジメてしまうように、ただただ母親を困らせ、無関心を感心に変えたかっただけ…その結果があのような事件になってしまったのだと思う。
ラストシーン、母親は息子に対し本気で向き合うことができ、お互い少し分かり合えたからの抱擁だったのかと。
ティルダ・スウィントンの演技は素晴らしく、エズラ・ミラーの美しいけどゾッとする笑みは目に焼き付いてしまう。

見せ方も上手く、少しずついろんな事実がわかっていく構成もいい。
久々に、うーんと唸った1本だった。

Riko