アルゴのレビュー・感想・評価
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想像していたより面白かったです。
ベン・アフレック、俳優業だけじゃなく監督としても素敵ですね~。実話を元にした映画はとっても大好きです。実話となると、結構ハードルが上がってしまいますが、この映画はその時代の歴史的な出来事にもきちんと触れているので、とても分かりやすかった。これが本当に現実だと思うと、ほんと恐ろしいです。時に感動する場面もあり、危機迫る場面もあり、飽きずに観れました。ぜひ、お勧めしたい映画です。
本当のスパイ
ベン・アフレック監督長編3作目。前2作は良くできたサスペンスだった。さすがに3作目となると、できの善し悪しも出てくるのではないかという不安があった。しかし杞憂に終わった。それどころか彼の監督作では一番の完成度を誇る傑作だった。
今回ベンが演じるのはむさ苦しいCIAエージェントのトニー。髭はぼうぼうで、着ている服も若干よれよれだが不思議とこれが似合っている。「ザ・タウン」の彼ははっきり言って役柄にフィットしていなくて、せっかくのサスペンスがたまにメロドラマになっていた。だが「アルゴ」の彼はやり手だが、内省的で天才肌というよりは努力家のエージェントだ。だからこそ彼自身の身の丈にぴったりと合ったのだろう(ただし本物のトニーはラテン系のアメリカ人。この部分を無視したのは頂けない)。
その彼の脇を名優たちが固める。アラン・アーキンとジョン・グッドマンは映画で唯一心温まる存在。CIAの外部から作戦を手助けするのだが、この「アルゴ」の製作過程が意外と面白い。一見すると馬鹿げているのに、本気で製作(に見せかける)しようとする彼らの姿はまさにスパイ映画と同じだ。
だがなんといっても、トニーが単身イランに乗り込んでからが俄然面白くなってくる。入国した瞬間から画面は異様な緊迫感に包み込まれ、不穏な空気を漂わせる。実際の映像とほぼ同じように作り込んでいるから、リアリティに溢れている。特に大使館が襲撃されるシーンは本当に恐ろしい。デモが暴動へと変わる瞬間を上手く描いている。
そしてトニーと6人の外交官は脱出へと踏み切る。誰も銃を引き抜くわけでも、変装マスク(軽く服装は変えるが)も着用しない。だけどその脱出劇は最高にスリリングで、並大抵のスパイ映画を凌駕する。結末はだれでも知っているが、ここから先はあえて触れないでおく。是非自分の目で確認して欲しいのだ、手に汗握る最高のサスペンス映画を。
(11月23日鑑賞)
ベンアフレックが作れば作るほど
昔は俳優として映画などに出演していた彼ですが、
最近は監督業としても映画作品に取り組むことが多くなっている中
今作品では主演として出演。
内容は実話をもとにしたということでありますが、
ベンの上司から拒否されて作戦を続行するかどうか決断するところの苦悩している主人公の様子は表情だけ映されているだけで伝わってくるものにもう少しな気もしましたが、実話以上に実話である演出と脱出までのトラブルに次ぐトラブルが続きそうすんなり脱出させてくれない描写に脱帽です。
すっかりエンドロールが終わるまでスクリーンに真正面向かって席で見入って電気が付いて明るくなるまで固まっていました。
今までに無いBased on True Storyだと思います。
自分の観た中ではNo1と言ってもいいくらい。
とにかく手に汗握りました。
緊張感をものすごく感じたいのならば鑑賞の価値はあると思います。
脱出シーンはドキドキしました
冒頭に歴史的な背景が流れ、本作が実話に基づくものだとのテロップが出ます。
「石油利権のため英米が独裁政権を作った」と素直に言い切ってしまう辺りはアメリカ映画ですが、アメリカ人でない自分にはどうしてもそこで引っかかりが出てしまう。
いや、いかなる場合でも暴力はいけないと思いますし、クーデターで米大使館員が危なかったのも事実。しかし、彼らには今ひとつ感情移入出来ない自分がいる。
脱出シーンはハラハラドキドキという感じで、見ていて興奮しましたが、一方で過度な演出に「これを実話と言われてもなぁ…」という感じもあり。
純粋にサスペンス映画としてなら楽しめるかな?
アカデミー賞ノミネートがささやかれているそうですが、アカデミー賞がアメリカの映画賞だというのを再認識してしまう映画でした。
ワーナー配給なのに近所のワーナーで上映していない状態だった訳ですが、その判断は正解だったかと思います。
アクション、サスペンス好きは必見!
イランであった米国大使館員の奪還を描いているのだが、実に面白い。
これがノンフィクションだったというのは、本当にびっくりだ。
もちろん、映画の中で演出は多々あるのだろうが、イラン人にその身元がばれればその場で銃殺されてもおかしくない大使館員をカナダ人の映画スタッフと信じ込ませて、国外に出す、という「大芝居」。
それが、まんまと大成功というのだから、信じられない話だ。
クリントン政権下でこの事実は公表されていたそうだが、あまり記憶はない。主演・監督のベン・アフレックもそのことは知らなかったというのだから、映画になったのが遅きに失した気もする。
それはともかく、作品は丁寧に米-イランとの当時の緊張感と1980年前後の雰囲気をうまく再現して、見るものにリアリティーを感じさせる。
最後の飛行機とのカーチェイスなども迫力があって見ごたえあり。
映画館で何度も見た予告編で流れていた、エアロスミスの「ドリーム・オン」は本編で使われておらず、あれはあくまでイメージ曲でしかなかったのかな、と思うた。
ドキドキ
すごくドキドキしました。救出作戦に映画を使うという発想がまず凄い。空港のシーンは手に汗握りました。近くにいた外国人の方が会話のシーンで多々笑っていて、あー、アメリカのことおれ知らないからここ笑えなかったのか、ってところがあることに気づきました。是非もう一度見たい。
ほっと一安心だが・・・
2度見たが、結果が分かっているのに2度目のほうが泣けた。
米国自らまいた種と言ってしまえば、それまでだが、やはり脱出する側に加担してしまう。
70~80年代を感じさせる映像表現と実映像の再現、大使館員にそっくりなキャスティング、ラストのひっ迫した状況など・・・うならせる作品と思う。
でっち上げた映画はチープな感じだったが・・・
イラン側にも理があることを忘れてはならない、とも思う。
イチかバチかの大勝負に出る男のラストの決断がクールで見応え抜群!
ベン・アフレックに脱帽だ!
映画館で、こんなに手に汗握りながら、映画にのめり込む事が出来た作品も最近では本当に珍しい!!
学生の頃に、テヘランの過激派によるアメリカ大使館占拠事件が発生した事は、おぼろげながら記憶の隅に有るものの、人質となった人達の中で、自力でエスケープした6人の人達が、カナダ大使私邸に逃げ隠れていて、その6人の人命救助の為に、実際にこんなに大掛かりなフェイク映画の制作劇をでっちあげての救出作戦が行われた事実に驚嘆する。
例え、あのイーサン・ハントでもこんな作戦には挑戦出来なかっただろうと思ってしまう!
そのまさかの大事件!大救出劇を。いち早く映画化する事に成功したベン・アフレックのプロデューサーとしての目の付けどころと、その行動力に感動を憶えるのだ!
ベンは『グッドウィルハンティング』の時から、人の度肝を抜くようなサスペンス性とミステリーアスな人間の内面にある底力のパワーの不可思議さを映像に表現する事が巧いので、非常にドラマとして面白い作品が作れる映像作家だと思う
前半のトニー・メンデスがこの救出作戦を想い付き現地入りする迄の準備を整える間に起こる官僚達とのやり取りの緊迫感と、後半の正に現地における、人質の救出迄の秒読みの作戦遂行の過程の再現が何よりも観る者達に緊張感、そして臨場感を運んでくれるのだ。
事前に実話と言う事を知りながら、観客はこの物語を観る事で、現実の持っている本当のドラマチックな人生の展開に観客が、固唾を飲んで見入る為に、より史実に出来る限り忠実に当時の様子を再現させながら映像を見せられている事で得られる緊張感が、よりリアルな恐さと緊張感を濃密なものにしてくれる!
この映画の美術監督及び、セット制作のメンバー達は、さぞや苦労して当時の再現を完成させた事だろう!
そして音楽もまた良いし、映画の画面の作り方の雰囲気も、70年代に制作された映画を観ていると錯覚する程の、ノスタルジー感を覗わせている本作を、私は今年後半の下期ベストワン映画として選びたい!
ベン・アフレックの演じるトニー・メンデスが何故妻と別居する事になったのか?などの私生活が深く描かれていない点も逆に、リアリティーを持たせていて、素晴らしい!
私には、米兵と結婚した友人がいるのだが、夫からは任務に付いては全く知らされる事が無いと言う。例え半年家を離れていても、今日どこで、どんな作戦に関わっているかは、国家機密に成る為に、家族にも他言される事は皆無だと言う。それ故、総てを包み隠さず打ち明けて生きる事が出来ずに、何時も作戦遂行の為に誰かに成りすまして生きなければならない男の孤独な表情がポイント的に描き出されているのも良い。空港からのハガキとラストの再会のシーンはトニーの誠実さの現れる素晴らしいシーンで感動的だった!
群衆が迫る危機感はいい感じ
スリルが感じられる展開です。ぎりぎり間に合うのか!?と息をのみます。
やはり言葉の通じない土地
話を聞いてくれない人というものは恐怖の対象です。
主人公の感情があまり感じられないので、感情移入が今一つ。
寡黙であるなら、寡黙なりの感情表現とか、
冷静なら、冷静なりの感情表現のシーンがあればよかったです。
葛藤の表現が部屋を歩き回るシーンだけだと、ちょっと弱すぎる。
まあまあかなあ
ザ・タウンも観てみよう
マット・ディモンと共同で書いた「グッド・ウィル・ハンティング」で一躍有名になったベン・アフレックが制作監督主演の映画「アルゴ」期待大でした。お客さんはいつのも私が観る映画と違い若い方が多いように感じた。
ユニークな人質救出はこれが事実だと解り驚きでしたが、残された人質のこと(のちに解放された)、カナダでの6人とカナダ大使夫妻の会見の時期、直前での決行取り止めの事腑に落ちないですね。イランでの紛争の原因については難しい問題なので私ごときがどうこうは言えませんが、映画としてはこのような生と死をかけた状況の中での人間模様もっと掘り下げてほしかった。ベン・アフレックが演じたトニー・メンデスの家族の不和等説明してくれると最後に和解した事も認められるのですが・・・。映画全体に深い悲しみ感じられなかったのが残念です。この事件は近年ではないけれど、それにしても世界では日々いろいろな出来事があり、いかに自分は安穏と生きているのだなーと感じます。映画は私の視野を広くし、考え、勉強する大切さを教えてくれます。「ミュンヘン」も衝撃的な映画でしたね。
偽映画、観たかったなぁ。
ベンアフがまた面白い作品を作ったとは少し前から評判だったが、
まさか今作だとは思わなかった(ゴメンね)
劇場でチラシを見た時から、これは面白そうだと(映画ファンならば)
けっこう期待していた。
だいたいニセ映画で人質を救おう!なんて、ひとつ間違えばコメディ
になり兼ねないストーリーだというのに、これが実話と言うのだから
凄い、事実は小説より…を地でいくわけだ。
しかし当たり前ながらこのアルゴという作品…まったく知らなかった。
というか、ここまで進んだならキャストを設定して最後まで作って
しまいには、あの過激派たちにも観せてやりたかったくらいだ。
でも絶対、ヒットしなかった気がするけど(事実を知らなければねぇ)
当時、よくニュースでパーレビ国王の名前は流れていた。
カーター大統領といえば、リアル世代である^^;彼が大統領の座を
レーガンに明け渡した原因がこの「イランアメリカ大使館人質事件」の
救出作戦失敗ともいわれているので、歴史背景としても興味がある。
怖い話といえば確かにその通り、イランって国は宗教に纏わる物事を
平和且つ友好的に解決しようという気はサラサラないことが分かるが、
対する米国はどうだろう、イラン人の気持ちを考えたことがあるのかと、
(分かり易く冒頭で説明が入る)平和な日本人からみればアラアラ…と
思うことばかり。業を煮やした国務省が頼み込んだのがCIAっていう、
すぐさま映画の題材になりそうな事件が本当に起きていたのがすごい。
そうはいっても、、、簡単に6人を救出できる状況ではない。
よくやったカナダ大使!と言いたいところだが(まだ早い)、この時点で
彼らの潜伏先が早々に判明してしまう恐れの方が大きかったのだ。
そこで思いついたのが…(いいよね、この人の発想力)ニセ映画製作^^;
素人が聞いたって「いや、それはムリですよね」って尻ごみするところを
「じゃあ他に何かあるのか、言ってみろ!」と言われれば、皆無なのだ。
この期に及んで「なぜ英語教師はダメなんだ?」「自転車ではダメか?」
なんてバカを抜かす官僚どもが多く、どっかの国のアホ連中みたいだ。
時間は迫るし、手立てはないし、こういう時の決断っていうのは案外
荒唐無稽の方が相手の裏をかける(あまりに大胆で)ものかもしれない。
しかし、偽映画製作までの偽プロットが観ていて本当に面白かった。
決して笑える状況ではないのに、あの二人(アランとジョン)がいかにも
なプロデューサーとメイクアーティストの演技で大笑いさせてくれた。
特にメイクのJ・チェンバースは実在の人物で、あの「猿の惑星」により
アカデミー名誉賞をとってしまった有名人。彼の友人だったメンデス
(ベン)は彼とシーゲル(アラン)に一芝居うたせるのだが、自ら率先して
楽しんでしまう二人に、メンデスも面喰う一幕があったほど。
二人の掛け合いに大笑いしているうちに、作戦は佳境に入っていく…。
後半戦、空港での息詰まるやりとりには緊張感MAX!
前夜突然の作戦中止命令により、ここまでの苦労が水の泡、人質達の
運命やいかに…という状況の中、メンデスの強行突破は吉と出るのか。
緊張感高まる中、映画の原画を見せて過激派を喜ばせてみたり^^;と、
大胆な手法で迫るメンデスと人質達。
公開処刑なんて冗談じゃない!絶対に生きて帰るぞ!脱出するぞ!の
心意気が随所に漲るが、旅客機が領空を出るまでの緊張感ときたら!!
もともと飛行機が苦手な自分は、ますます飛ぶのが怖くなってしまった。
エンド前にカーター元大統領の演説と、人質達の映像と写真が流れる。
演じた俳優と並べられた写真がソックリなのに驚く。同一人物か!?
リアル重視の演出に拘るベン、率なく纏めた正統派の地味な作りに
脱帽するものの、是非次回は少しエンタメを取り入れて、楽しい作品を
仕上げてみるのもいいんじゃないかしら。色々な方向性を観てみたい。
(しかしマットもベンもいい俳優人生を歩んでる。踏み外してないもんね)
遠山の金さん
手に汗握るシーンもあれば 危機脱出の痛快さに笑顔がこぼれるシーンも。 ストーリーに強弱をつけることでエンターテイメントとしても確立している 本作品。 脚色があるとはいえ、実際にあった出来事と言われれば ますますストーリーに引きこまれます。 『グッド・ウィルハンティング(1997)』や『ザ・タウン(2010)』を手掛けた時と同様、ベン・アフレックの才能を見せつけられた気がしました。 製作にジョージ・クルーニーが名を連ねていますが、政治知識を持ち込みたがるジョージの演出を 抑えて・絡ませて“分かりやすい作品”に仕上げているところも ベンの力量だと思います。
見ていて気持ちがいいのは、やはり “遠山の金さんテクニック”を取り入れたからじゃないでしょうか。 盛り上がるシーンではほぼ誰かが良いセリフを残す、桜吹雪までは見せずとも その強い願いと気迫と 眼差し。映画の撮影という隠れ蓑アイデアで挑んだ時も、イランに入国する際も、人質6人を命をかけて守る覚悟を語った時も、聞く人の心をとらえるトニー(ベン・アフレック)の 金さんバリのソフト啖呵。 また 彼だけでなくレスター・シーゲル監督(アラン・アーキン)やトニーの上司ジャック・オドネル(ブライアン・クランストン)、トリを務めたジョー・スタフォード(スクート・マクネイリー)などの強気で乗り切るトークも すべてピタッとはまってます。
中東情勢やアメリカ・カナダの国交(友好)など、歴史を学ぶという意味で 優良作品と言えます。 ハッピーエンドでありながら、今もなお続く各地での戦争や暴動を思い起こさせる。。。 難しいテーマをうまくまとめあげている 4.5評価。 現地(中東・イラン)の様子はリアルなのに ロサンゼルスと映画関連(アルゴ作戦)のシーンは ちょと雑さを感じたので、マイナス0.5としました。
P.S. (『96時間 リベンジ(2012)』や『007スカイフォール(2012)』と同様)この作品でもトルコが撮影場所になっていて、年末年始で トルコ旅行が増えそうな予感です。
名監督への道は遠い
事実は小説より奇なり。映画は小説より直裁なり。小説は行間で読ませる。小説は文字だから脳で想像・妄想して世界観を広げる。映画は映像だから小説より直接的インパクトを与えなければならない。映画的には6人の脱出の方が描きやすかったのだろうが、現実的には数十人の人質がいるわけでそっちの方が気になってしょうがない。
評判がいいだけのことはありますな〜
これも実話がベースのストーリー。
こういうのってどこまで実話そのままなのかな〜。
実話だから、はでなアクションシーンとかスタントとかないけど全編ピリピリ緊張感とハラハラドキドキ感があるのは流石な作り!
最後の救出シーンなんてブルースウィリスなら飛行機に飛び乗ってぶっ壊しちゃうところ。
それに、世界情勢をよく知らない俺にもわかる作りになっているところも親切。
面白かったです!
ここまで徹底するのか!!!Σ(゚Д゚ノ)ノオオォッ
最近映画やらドラマやらを観てて、手に汗握るという経験をしてなかったけど・・・
ほんっと~~~~~~~~~に久々に
文字通り「手に汗握る」経験をしました(゚∀゚)
1979年のイラン革命の時期、革命軍がアメリカ大使館を占拠して外交官52人を人質に取ったが、占拠される直前に6人が脱出に成功して、カナダ大使の邸宅にかくまわれていたという実話をもとにした映画。
CIAのトニー・メンデス諜報員がその6人を救出するため、アルゴという架空の映画をでっち上げてその6人をロケハンスタッフに仕立てて逃げるという計画を立てる。
そもそもこのイラン革命は、アメリカとイギリスがイランの石油利権を独占するためにイランの首相を失脚させたことから発生したもので、元はと言えばアメリカとイギリスが原因。
この6人は見事逃げおおせたことは歴史上の事実として分かってることだけど、クリントン大統領の時代になるまで闇に隠されていた。
つまりアメリカは、自分のせいでこの事件が発生したことを隠してたわけ。
しかしアメリカっていう国は実に潔いと言うか、徹底的にやると言うか・・・
まず遠い過去の事実とは言え、自分たちが原因で発生したことを公表して反省する姿勢も大したもんだと思う(=´∀`ノノ゙☆パチパチパチ
ブッシュはアメリカの正義をことさらに主張して、イラクをことさらにテロリスト扱いしてフセインを叩き潰したけど、結局それは自国の経済不況や混乱を外に向けさせるため。
でもこの映画ではイランを悪とはしておらず、アメリカを善としてもいない。
そして救出するために偽映画をでっち上げるにも、一度企画が上がって没になった映画を持ってきてさらに『猿の惑星』の特殊メイクスタッフにまで話を持って行くという徹底ぶり。
そのために事務所や企画書、宣伝用ポスターに映画の絵コンテ、さらに実際の予告編まで作るという手の込んだ偽装はさすがです(゚д゚)イーヨイイヨー
トニー・メンデスがイランに入って、カナダ大使館にかくまわれてる6人に会って事情を話してからの怒涛の展開は圧巻ですなΣ(o゚д゚oノ)ノ凄ッ!
いつカナダ大使館に革命軍がなだれ込んでこないとも限らないし、いつ民衆が暴動を起こさないとも限らない、ぎりぎりの切迫した状況の中で映画のロケハンに扮するためシュミレーションを繰り返す。
特に繁華街に行った時の緊張感と言ったらもう・・・ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル
体が当たった当たらないで因縁をつけられただけで、もう白人ってだけで殺されかねないという切迫感。
無駄にスローを多用したり、ストップモーションを使わないで、あくまで淡々と流れていくのがまた緊張感を倍増させる効果があると思う。
人質6人の人間ドラマ的な要素は必要最小限にとどめてあって、あくまで脱出劇とそれが実行されるまでの様々なやり取りに多くの時間を割いてることで、話の緊張感を持続させる効果も出てる。
そしていざ実行という段階になって、CIA上層部は作戦中止を決定。
今だったらネットや携帯があるから作戦中止命令もすぐに届くだろうけど、当時はネットも携帯もないわけだからその知らせはすぐには届かない。
だからトニー・メンデスと人質6人は作戦中止の決定を知らずに実行に移そう着々と準備を整えて行くから、事態は余計にこじれていく。
作戦中止の命令が届いたのは実行前日という最悪の事態にΣ(゚д゚;)ガーン
しかしトニーは上司を説得し、上司は長官の息子の幼稚園だと偽って直接長官に電話を取り次ぎ、作戦決行をごり押しして人質を救出しようと奔走する。
イランでは女子供を使って、シュレッダーにかけられた重要書類を1本1本つなぎ合わせて内容を読み取らせる作業をしていたが、徐々に逃げ遅れた人質の顔写真やプロフィールが判明していき、追っ手が伸びていく・・・
そんな中トニーは脱出計画を決行し、実に捕まるか捕まらないか、ばれるばばれないかの緊迫したシーンがラストに向けて怒涛のように続いていく。
画面のタッチも暗めで、そして当時VTRなどを使ってほんとに1970年代的な雰囲気が全体に感じられる。
エンドロールで当時の写真や人質本人の写真と映画の絵を比較してるけど、ほんとにそっくりだし光景も本物と全く同じ形で再現してる。
最後の最後まで目が離せない(`・д・´)9m ビシッ!!
冗談抜きで「手に汗握る」脱出劇を久々に味わいましたわ(・∀・)
とにかくスタイリッシュに、テンポ良く話が進んで行って、とんでもない緊張感を味わえる。
最後脱出に成功することは分かってるけども、この緊迫感は半端じゃない!!!
ベスト・バッド・アイデア
なんとなくリチャード・アッテンボロー監督の『ガンジー』などを思い浮かべながら観ていました。
やや色褪せた感じの画調が、劇中、時折挿入される当時のニュース映像と違和感なく、事件当時のリアリティを感じさせてくれます。臨場感を出すため、手持ちキャメラ風にわざと揺らしたりブレさせるといった流行りのキャメラワークを採用しなかったのは正解ですね。
また、これも意図的なのでしょうが、ストーリーは定石どおりに進行し、ムリに煽ることなども決してしません。そのためか、ところどころで、70~80年代制作のアメリカ映画を観ているような錯覚さえ覚えました。きっと東京12チャンネル(!)のお昼のロードショーでさらりとオンエアされてても違和感ないでしょう(笑)。
そして、ストーリーや人物造形がやや食い足りない分、ジョン・グッドマン、アラン・アーキン、ブライアン・クランストンら脇役陣がイイ味出して映画を牽引していってくれます。
ここらを計算ずくでやっているあたり、アフレック監督さすが!と感心しました。
ところで、劇中「ベスト・バッド・アイデア(数ある愚策の中で最もマシな、まずい考え)」というセリフが出てきますが、とっても印象的でした。このコトバ、ぜひ私も日常生活の中で使ってみたいです。
国民のためならなんでもするアメリカ
当時のワーナー映画のオープニング・ロゴで始まる。
1979年に起きたイラン国民の暴動によるアメリカ大使館占拠事件。実録フィルムと新たに撮った映像が入り混じったオープニングは、どこまでが作りものか分からない精巧さで、大衆が押し寄せる怖さと、それをただ見守るしかない大使館側の緊張感がみなぎる。
そうした混乱の中、決断を下した6名が大使館を抜け出しカナダ大使の私邸がその身柄を受け入れて匿う。もし、逃走がバレて見つかれば、見せしめのために公開処刑されることが必至というのが本作の核になる。
襲撃を覚悟した大使館では重要書類を焼却またはシュレッダーにかけて処分するのだが、イラン当局は子どもたちを集めてシュレッダーから取り出した紙片を繋ぎ合わせる途方も無い作業をやらせる。徐々に大使館にいた職員の数が明らかになり、人質の数との相違が発覚する。子どもたちは紙片を繋ぎあわせ職員の顔写真を再現していく。
6人を国外脱出させるための有効な具体案が出せないでいる国務省と、実態を把握しようとするイラン当局との時間の勝負が、6人が無事助かったという事実を通り越して緊迫したストーリーを形成する。
話は一刻をも争う命懸けの脱出劇で実際にあった事。作りものではない怖さがある。にも関わらず、ニセのSF映画製作をでっち上げ、そのロケハンのスタッフとして6人を偽装するという、今から思えば嘘のような話は映画的な面白みを併せ持つ素材だ。
誇張した演出があるにせよ、実際にあったイラン脱出をここまでエンターテイメントに昇華させたベン・アフレックの監督としての手腕を見直す。
映画製作に信ぴょう性を持たせるため協力する「猿の惑星」の特殊メイク・アーティストのジョン・チェンバース(ジョン・グッドマン)、大物プロデューサーのレスター・シーゲル(アラン・アーキン)のコンビが楽しく、トニーの上司ジャック・オドネル(ブライアン・クランストン)の支援ぶりも小気味いい。
「アカデミー賞作品賞最有力候補」?
完成度は高いのです。細かく丁寧に作られていますし、近年の紛争問題について考える良いきっかけにもなるでしょう。
しかし、これが次のオスカー候補だと言われると疑問符が付きます。人間的なドラマが欠けており、ストーリーが希薄だからです。
「劇中の人物と人物との間にある関係性やドラマを描写しよう」という意図があるらしき場面は多少ありますが、おまけ程度であり、あまり掘り下げられることはありません。特に主人公と家族との関係性の描かれ方は何の脈絡もなく突発的です。「理由」が良く分からないのです。
確かにこの作品は、人間関係のような小さな舞台ではなく、政治的な広い舞台にテーマを持ってきているのでしょう。しかしそのような意図がはっきり汲み取れるのは冒頭と終わりぐらいで、あとは脱出劇を引き延ばして流しているようなものです。劇中の大半においては、何かしら深刻に考えさせられるようなことはありませんでした。もし中東問題を考えたければ、「ハート・ロッカー」の方が優れていると思います。
最近関心の高い中東を絡めて、ある程度真面目に作りアメリカ国民の興味を引けばアカデミー賞の候補になれる、というような安易な仕組みなのでしょうか?日本人である自分には分からない部分も多いはずですが、それでもこの作品を手放しで絶賛することには反対です。
見応えがあるのは確かですから、とりあえず一度鑑賞して各々が考えてみることをお勧めします。
全214件中、181~200件目を表示