劇場公開日 2012年10月26日

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「何度でも見ることができる、サスペンス・ドラマの傑作だ。」アルゴ 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5何度でも見ることができる、サスペンス・ドラマの傑作だ。

2024年10月25日
PCから投稿

1981年のイランアメリカ大使館人質事件中に、カナダ大使館に退避した米国外交官6人を、ニセSF映画『アルゴ』をでっち上げ、ロケハンと偽って、イラン国外に救出する作戦を描いた、戦後現代史のサスペンス・ドラマ。

実話を元にした、実に手堅く堅実な実録ドラマだ。イラン革命によって対米関係が緊迫する中、CIA工作員トニー・メンデスが、現地入りして6人に偽の身分を与え、第三国への出国を目指す。

『猿の惑星』でアカデミー賞を受賞したジョン・チェンバースが作戦に協力し、偽映画の撮影事務所を設けて、イランからの身分照会に備える姿も描かれる。

作戦遂行にあたって少しのミスも許されない緊迫感にあふれ、奇抜だが命を懸けた救出作戦を、刺激的に興味深く描いている。小難しさは無くわかりやすい語り口で、何度でも見ることができる、サスペンス・ドラマの傑作だ。

瀬戸口仁