ヤング≒アダルトのレビュー・感想・評価
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これがアタシの生きる道
メイビス・ゲイリー。
30後半で、バツイチ。仕事はゴーストライターだが、続いていたYA小説が最終回間近。友は愛犬とアルコール。
そんな彼女の元に、昔の恋人から「赤ちゃんの誕生パーティーにお越し下さい」とのメールが届く。
メイビスは一路、故郷へ向かう。
シャーリズ・セロン主演のコメディ・ドラマ。
美人のシャーリズが演じれば演じるほど、ヒロインの迷走がイタい。
メールをくれた=まだワタシに気がある。
部屋着のまま愛犬と荷物を持って車を走らせる。
田舎町の飲食店で久々に会うのに、気合い入れ過ぎのバッチリ衣装とメイク。
戻って来た理由を不動産関係で〜とか、超人気のYA小説を書いてる〜とか、見栄を張る。
昔タカビーだったせいか、周囲の目は冷ややか。
それでも気にしない。輝いていたあの頃よもう一度…とばかりに、ヨリを戻そうとする。いや、相手に既に家庭があっても、ヨリが戻ると思い込んでいる。
イタイを通り越して、勘違いも甚だしい。
間違いなく同性に嫌われるタイプNo.1だが、見ているとだんだん同情してくる。
何故なら、メイビス自身が、自分が孤独で悲しい女である事をちゃんと分かっているから。
分かっているから、見栄を張ったり、周囲が呆れる言動で、さらに空回りを繰り返してしまう。
人並みの幸せが欲しいし、人生の意味を見出したい。
今回のイタイ里帰りで、メイビスは自分を見つめ直す。
映画はもっとコメディ色が強いのかと思ったら、皮肉チクチクでしんみり。でも最後はちょっぴりの応援歌。
シャーリズ・セロンがハマり役。
メイビスの相談相手役パットン・オズワルドが好演。
セクシーなシャーリーズセロン
主人公のキャラクターのとる行動が可笑しいが
等身大の共感を得られるような
車の中で何度も口ずさんでいた曲
サウンドトラックも気になった
シャーリーズセロンの魅力が十分に堪能できる佳作
ホモ疑惑の同級生との
え?まさか?のサービスショットもあり
おばさんかわいそう
そこそこ成功したクリエイターの中年女性が高校時代女王として君臨していた過去にすがるために田舎に戻ると回りからは総スカンで冷や水を浴びせられるというお話だった。
主人公のおばさんが美女は美女だけど顔の険が非常にきついだけでなく、性格もとても悪くてアル中でヒステリー気味という超絶に苦手なタイプだった。また飼い犬にとても冷たくて犬がかわいそうでならなかった。
高校時代の彼氏に行為を抱かれているとずっと思っているけどやっぱり錯覚で相手にされず、すがりつく相手が足の不自由なキモデブ中年だった。しかしそんな彼とセックスをする時も「あの憧れで、指をくわえているしかなかった私を抱けるのよ!」と言わんばかりの鼻持ちならなさで、とてもムカついた。キモヲタ中年が好きな女は健気な黒髪メガネ女子とかで、アル中ヒステリー女なんか一番嫌いなタイプだということをまるで分かっていない。バカにするのもいい加減にして欲しい。
主人公はまるでいいところがなく、本当に嫌な気分になる映画だった。しかしそうは言っても気の毒は気の毒であった。お金を払って嫌な女のひどい生き様を見させられてげんなりした。
ブサイクな美人さん。
その美貌で学生時代には皆の憧れの的だったエイビス。
だけど今は仕事もうまく行かず、ペットとお酒だけが癒しのバツイチ37歳。
そしてその現実を見つめる事もできず、過去の栄光が今も続いてると本気で思っちゃってるイタ〜いオンナ…。
大好きな映画「JUNO/ジュノ」の脚本家さんの新作っていうからワクワクして観に行ったんだけど、う〜ん…期待していたほど共感は出来なかったな。
そりゃオイラには、そんな華々しい過去もなければ、一応は現実を見てる…なんなら足掻いてるつもりでもいるからさ。
とは言え、
エイビスに対して「わゎ〜!いるいる〜こういうヤツ!」とか「ヒドい女だな〜コワッ!」なんて思いの中に、実は彼女をどこか責められない気持ちもあったりして…コレって共感?
個人的には、
ステキなアパート住まいなのに、彼女の部屋にはポリプロピレンの引き出しや紙製の衣装ボックスが置かれてる…っていう細かいリアリティーがツボだった。
それと、
美人さんな上に張り切って着飾っているのに、それでも内面から滲み出てしまう醜さ…それがホントにリアルでドキッとしたよ。
それを演技でやっちゃうんだから、シャーリーズ・セロンって凄い女優さんなんだな〜!と思たわ。
まぁ何だかんだ言って、すんなり観られたしチョイチョイ笑えたし、楽しんでまいりましたとさ。
チキチンッ♪
「≒」はマジカルミラー
部屋の中は散らかしっぱなし、Tシャツにジャージでペットボトルのコーラをガブ飲みしたうえにゲップ。まさに「JUNO」のノリである。エレン・ペイジが演るようなことを、シャーリーズ・セロンがあたかも普段からそうであるように平然とやってのける。
ただの子供の誕生パーティーの招待状を、何を勘違いしたか、育児を放り出したくなった昔の男からのSOSと勝手に解釈。間違いを間違いとも思わず、“勘違いの復縁”を迫るだけならコメディだ。笑ってすませられる。
ところが、ここに登場する30代の女・メイビスは心底マジなのだ。
こうなると、ただひたすらイタい。それも自分のことしか考えず、周りから白い目を向けられて孤立すると、反省もなく逆ギレする。もはや哀れを通り越して不快でさえある。
ところが(ところがを敢えて重ねる)、こんな女でありながら何故か憎めない。
鏡に向かって「私って綺麗?」を連呼するような(そういや、そういう役で出る他の作品も公開間近)鼻につく女に、つい味方してしまうのはなぜだろう。
シャーリーズ・セロンが美人だからではない。
メイビスが何かすればしただけ、彼女が何もないと思っているこの小さな田舎町で、自分だけが何も持っていないことを思い知らされていく。だけど旧知の人々の前で、自分が負け組だと絶対認める訳にはいかない。
その心情を察すると、勇気を持って町を出たメイビスの方こそ皆の羨望なのだと伝えて応援したくなるのだ。
これは、代弁してくれる人が登場する。
邦題に「≒」をつけたアイデアは実に上手い。
「ほぼ同じ」という数学記号だが、文字列に入れ込むと「紙一重」とも取れる。
元カレ≒デブ男マット。見た目は違うが、メイビスの本質を見抜いているのはどちらだろう?
負け組≒勝ち組。恥を晒しただけの旅も、それを糧にすれば作家として新境地が開けるかも?
ヤング≒アダルト。良識ぶったりせず、自分らしさを失わずに歳を重ねられたら、どんなに素敵だろう。
「≒」とは、人生に人とはちょっと違う希望と楽しみをもたらすマジカルミラーの記号かも知れない。これをタイトルに使うとは、目に飛び込む印象も含めて素晴らしい。
もちろん、ダメな女を演じたシャーリーズ・セロンも素晴らしい。どんなに鼻についてアタマにくる女でも、決して憎ませないさじ加減が妙。
この映画、心底笑えないのは、男女に関係なく、自分にも思い当たる節があるからではないだろうか?
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