「ふんふん、そうなんだぁ~」マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)
ふんふん、そうなんだぁ~
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マーガレット・サッチャー元英国首相。在任期間は1979~90年だから、当時を記憶しているのは私を含めて40代後半以上だろうか。
米国ではレーガン、日本では中曽根ががんばっていたあの時代。
それはよく再現されている、さすがに…。
さて、サッチャー氏は現在86歳で存命ながら、認知症でおそらくご本人は夢うつつの中を生きている。
それを映画は、彼女の20代、宰相時代、そして現在とオーバーラップしながらひとつの時代を描く。
それはそれはうまくまとまっているし、イギリス英語を話すストリープのまさに熱演で訴えかけてくるのは、よくできた映画だ。
しかし、全体に、サッチャーその人自身の内面が描けているようで、描けていない。
男女の双子の母親でもあった彼女だが、なんとなく子供に苦労させられたというのは伝わるが、その点はほとんど描いていない。
首相、政治家として生きた部分がメーンになるのは当然だが、どうにも存命中の大物に監督(マンマミーアを撮った女性監督)は遠慮してるんじゃないか、と感じた次第。
もっともっっと、過剰に生々しく描かないとドラマとしてはガクガクブルブルさせるものは伝わってこないのだ。
ストリープの名演は、オスカー最有力とも言われているが、同じ彼女の主演作でいえば、2009年公開の「ジュリー&ジュリア」のほうが、おもしろいと思う。こちらもストリープは実在の人物を演じていたが、のびのび演じていたしね。
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