光のノスタルジア

劇場公開日:

光のノスタルジア

解説

世界中から天文学者が集まるチリのアタカマ砂漠と、そこにとどめられたさまざまな「記憶」に焦点を当てたドキュメンタリー。チリ北部、太平洋とアンデス山脈の間を走り、標高3000メートルに位置するアタカマ砂漠は、湿気や大地の揺らぎが少なく天文観測に適しており、世界中から天文学者が集まる場所として知られている。一方で、古代人のミイラや探検者、採掘鉱夫たちの亡がらがいまも手付かずに残っている。生命の起源を求めて天を仰ぐ学者たちのかたわらで、行方不明の肉親の遺骨を探して地を掘り返す人々がいるアタカマ砂漠の姿を、壮大な宇宙の映像とともにとらえた。2011年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀作品賞を受賞(映画祭上映時タイトル「光、ノスタルジア」)。

2010年製作/90分/フランス・ドイツ・チリ合作
原題または英題:Nostalgia de la luz
配給:アップリンク
劇場公開日:2015年10月10日

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(C)Atacama Productions (Francia), Blinker Filmproduktion y WDR (Alemania), Cronomedia (Chile) 2010

映画レビュー

4.0私がここにあるということ

2025年1月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

その大きさと乾燥地であることから、大きな天文台が設置されているアタカマ砂漠。ここは、ピノチェトによる大量虐殺者が埋められた場所であり、先住民が死者を葬った場所でもあった。砂漠の死者は乾燥と塩分によってミイラとなり、砂へは帰らない。
天文学も歴史学も考古学も過去を分析する学問だが(天文学もそうだというのが面白い)、天文学は地球もその他の星も同じ成分でできていることを明らかにし、地球や〈私〉というものの優位性を消去する。アタカマ砂漠で虐殺された者たちの骨を探す作業は、他ならぬ〈私〉とその家族の存在が地球上に刻み込まれている痕跡を探す。 片方には傷つきを癒すというもう一つの大きな目的がある。両者に大きな違いはあるものの、どちらも〈私〉というものの存在の根拠を見つける作業として、〈私〉というものは遍在するという視点を得ることで、円環を描いて映画は終わる。
冒頭見ていて『三体』を思い出した。思えばあの小説(ドラマ)も、エンタメではあるが革命の傷をどう癒すかということではある。天文学・考古学・歴史学に文学が交わる。

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ouosou

5.0塵の如く捨てられた遺骸が今への魂を繋ぐ。それまでは、時間が停止する

2024年1月16日
スマートフォンから投稿
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アンドロイド爺さん♥️

4.0【”二つの過去の探求”ピノチェト軍事政権下で行われたジェノサイドを風化させない哲学的ドキュメンタリー作品。】

2022年4月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

ー チリ出身のパトリシオ・グスマン監督が、世界中から天文学者の集まるチリ・アタカマ砂漠の美しさと、独裁政権下に弾圧の地として用いられた負の歴史の両方にスポットを当てるドキュメンタリー作品。ー

◆感想

  ・アタカマ砂漠の上空の美しき澄んだ星空と、ピノチェト軍事政権下に捕らえられた政治犯の遺体の対比。

  ・そして、高地で乾燥しているアタカマ砂漠に世界から集まる天文学者、考古学者の姿と共に、肉親の遺骨を探す人々が語る言葉。

<2つの異なる時間が祖国を愛するパトリシオ・グスマン監督の手法により交錯し始め、観る側に様々な事を問い掛けてくる哲学的なドキュメンタリー作品である。
 美しきアタカマ砂漠の風景、夕景、澄み切った星空は忘れ難い。
 故に、そこから掘り出されるジェノサイドにより命を失った人たちの亡骸は悲しい・・。>

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NOBU

4.0やはり、あの詩的で美しい映像と、惨いリアリティの波状攻撃により、暫し茫然となる…

2021年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
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osmt