哀しき獣のレビュー・感想・評価
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長さを感じさせない、暗く、切ない作品。
朝鮮族なるものを描いた、暗く、切ない作品。主人公を含む2人はゴキブリのように生命力が強い。グナム(主人公)が色々な追手から逃げるシーンはなかなか見応えがある。殺し屋、ヤクザが多数出てくるがオチは全て不倫絡み、それも一部は思い込みかもしれない)というのは笑える。長い作品だが最後まで目が離せなかった。
韓国映画あるある、斧🪓!
【”哀しき朝鮮族の騙されし野獣死すべし。”やや、分かりにくいストーリーなれど、何故か惹かれるバイオレンスアクション映画。】
■借金を膨らませている朝鮮族の男・グナム(ハ・ジョンウ)は、借金帳消しと引き換えに韓国のキム・スンヒョン教授の殺害をミョン社長から依頼される。
彼はこれを受け、韓国に出稼ぎに行った音信不通の妻を探すためにも、中国から韓国・ソウルに密入国する。
ところが目の前で標的の男が何者かに殺され、警察に追われる身になってしまう。
◆感想
・超面白い、「チェイサー」と比較すると、主要人物を演じる二人の俳優が、立ち位置は異なるが強烈な存在感を放っている。
・ナ・ホンジン監督らしい残虐描写がふんだんに描かれ、且つ朝鮮族の男・グナムを演じる哀しみを漂わせたハ・ジョンウの演技に魅入られる。
・劇中の激烈なカーアクションも十二分に見応えがある。
<今作は、経済的に弱者である中国の辺境に住む朝鮮民族が抱える哀しさが、日本人である私にはやや分かりにくく、途中混乱するが、朝鮮民族の韓国民族への複雑な想いが背景にあるのだろう。
140分を一気に見せるナ・ホンジン監督の剛腕は健在だが、ストーリー展開がやや難しいかなと思った作品である。けれど、見応え充分なのである。凄いなあ。>
悲劇であり喜劇
この映画の原題は「黄海」、中国の朝鮮族自治州から黄海を経由して韓国に密入国してくる男が主人公である。奥さんを韓国に出稼ぎに出すため借金するが、奥さんから送金がなく返済できず、韓国で人を殺す仕事を紹介される。韓国に中国から密入国者している朝鮮族は80万人とも言われるが、彼らがこの物語のバックボーンとなっている。
この物語の哀しい点は、1つの偶然のために本当は殺し合う必要は無かったかもしれない主人公、中国朝鮮族のヤクザ、韓国のヤクザが泥沼の殺し合いになるところだ。日本人ならここで是正できたのでは?というポイントを全てぶち破り最悪の結果になってしまう。
タイトルが悲しいではなく哀しいになっている意味がよくわかる。
正直ストーリーの全把握はできていないが、あれだけ迫真性を演出してくれたら満足
中国北東部の朝鮮族エリア。
貧窮家庭でどうにもならず妻が韓国へ出稼ぎへ。しかしその密入国渡航費の借金が残されたタクシー運転手の夫にズシリとのしかかる。
賭けマージャンは負け続け利子は増え続けるばかり。そこへ付け込んだある男が「韓国で人殺しをして来たら借金を帳消しにしてやる」とタクシー運転手に持ちかける・・・・
そんなイントロで始まった本映画は全編凄惨なバイオレンスに満ち満ちている。
凄惨バイオレンスはいつもの韓流とも言えるが、本作はタクシー運転手の妻の追跡という別ストーリーも上手く絡めて、切迫感と迫真性が満ちており、映像にグイグイ引き込まれると共に、知らぬ間にタクシー運転手に肩入れさせられてしまう。笑
中盤から失踪している妻の件や、中国朝鮮族と韓国マフィアの抗争の件など、よく分からなくなってしまい筋を追えなくなる。
まぁそれは1.5倍速視聴のせいもあるが(苦笑・・・。←以降は1.3倍速
それでも雰囲気的にはなんとなく理解できるので意味不明とはならず、中国と南朝鮮(韓国)と黄海を隔てた同一民族の悲哀的抗争劇と夫婦の哀しい物語を、十分に満足いく形で見終えることができた。
ストーリーで分からなかったところはこれから調べてみたい。
日本ではできないノワール!
暴力の過積載
画の迫力っていうのかな。
ゾンビめいた不死身さを発揮する主人公と悪役。
『哭声』で好きになった監督の作品ってことで見たけど
迫力のある画で不条理な物語を描く監督っていう印象。
うーん、けっこう好きです。
ただ本作はちょっと無駄に複雑というか、
ストーリーにちょっと無理があったかなと思う。
作中で最大の謎といっていい部分が”たまたま”で良いのかと。
キャラクター描写にしてもストーリー進行にしても、
しっかり作り込んである部分と粗を感じる部分のムラがあるなと。
ネタバレは避けたいんだけど、これから見る人にはそこの、
ミステリー要素に期待しないでねってことは伝えたい。
オールタイム・ベストはちょっと盛りすぎな感じが否めないけど
これが『哭声』につながるのね、という感慨もあるにはある。
まだ前作の『チェイサー』は見てないけど、
作家性の発揮って部分で光るものを感じる監督なのは確かだな。
撮り散らかしている。
ミョン社長の暴力はもはや芸術。
めちゃくちゃで面白い。
次に何が起こるのか、ワクワクしてラストまで観れた。
前半、韓国上陸しターゲットを殺しに行くまでスゴく
丁寧に話を作ってたと思うのだけど、
ターゲットが死んでから
奥さん探し、
ミョン社長上陸、
キム社長暗躍と
ドタバタが始まり、暴力が加速する。
ストーリーは単純だけど、
説明がないので理解に時間がかかる。
ミョン社長はなぜ主人公を殺そうとするのか?
そもそも何しに韓国に来たの?など、
だけど、説明を暴力でやる!と言う強い意志すら感じられ、
過激な暴力も気持ち良かった。
特にミョン社長は映画誌に残る敵役。
血走って見開いた目。
目をひんむいたまま走ってくる社長。
犬の骨で殴る社長。
斧と社長。
全てのカットが絵になった。
ラストも脈絡なく付けたみたいな感じだったけど、
社長婦人と銀行員の話と言い、
結局男は女の掌で踊ってるって事なのかな?
野蛮すぎる
朝鮮族の主人公が金を稼ぐために殺人を請け負ったが、裏の組織のいろんな思惑に巻き込まれて警察、ヤクザから逃亡する羽目になる話。
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こういう主人公が巻き込まれる話って、結構大掛かりな陰謀が裏で動いてたりするんだけど、この殺人の請負についての真実はそんなに大掛かりなもんじゃない。ていうか、普通にただの痴話喧嘩で終わりそうなものがこわーいおじさんたちが絡むとこうなるよって話(笑).
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そもそもそういう事件の真相よりも、主人公がひたすら斧持った野蛮なおっちゃんに追いかけ回されたり、警察の大群から走って逃げ切ったり、そういう逃亡劇が見どころ。久しぶりに追われる主人公を真正面から映してその後ろに大群が追いかけてきてるっていう映像を見たよね。
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そしてバイオレンス描写もちゃんと見所あって、今まで見た悪役で1番野蛮な黒幕もとても良かった。牛の骨でぶん殴るっていうね(笑).
男臭い獣たち
「チェイサー」の監督と主演の二人が再び集結。
また“追いかけっこ”で、追う側追われる側の立場も前回と同じだが、
その役柄と背景はもっと深いモノになっている。
大筋である、「中国の朝鮮族が韓国へ出稼ぎ」というのがまず深い。
意外だったのは、グナムが韓国へ渡る理由の軽薄さで、
初めはもっと深い理由なのかと思っていたが、
彼が韓国に渡ってから、行動の動機となる後付の理由が、
観る側をぐいぐい引っ張っていく。
このサスペンス要素より多いのが、ド派手なアクションシーン。
逃げるグナムも結構な不死身超人なんだが、
ミョンの無敵さは半端無い。「チェイサー」の時より凄さ増し増し。
拳銃とか無しの刃物や鈍器での殺し合いで、
手斧を使っての死体の山、山、山。ゴロゴロしてる。
凄いんだけど、アクションは多すぎでちょっと飽きも出た。
ラストは、サスペンスの結末はちょっと不満。捻りすぎたかな。
最後のワンショットも、正直要るかな?とも。
ハジョンウは「ベルリン~」の方が洗練されてて格好いい。
キムユンソクは前回と別人で、彼とは気付かなかったくらい。
ちなみに女っ気はゼロではないが、
ほぼ男ばかりでむさ苦しい。
ポスターコピーの通り一縷の光も届かない大傑作
出稼ぎに出た妻が行方不明になり自暴自棄のタクシー運転手が借金帳消しを条件にある殺人を請け負う。嫁の消息を追いながら標的を狙うチャンスを伺っていた矢先に目の前で標的が殺され、追われる身となった男。警察、男に殺人を依頼した組織、そして殺人を目撃された組織のボスがそれぞれ血眼で男を追う中、男は生きて故郷に帰れないことを覚悟し、妻の消息と事件の真相を求め満身創痍のまま駆け巡る。
登場人物がとにかく濃い。台詞らしい台詞は数える程。男達の狂暴さが男達の佇まいだけで雄弁に語られ、男達が黙々と夜を駆け血を流し眠る様を淡々と冷徹な視点で映し続ける。とにかく流血量がハンパなくて、観ているこっちの血液が吸い取られるかのような錯覚に陥る。意外にも程がある真相と鉛のように重たい結末、そして羽毛のように軽い死がぐちゃぐちゃに掻き混ぜられてドブ川にポイ捨てされるかのような無常感。K-Popのような軽快な音楽を量産する一方でこういうドス黒い闇もシレっと産み落としてみせる韓国では、何十年か前にこの国にあったのに何処かに消えてしまったむせ返る狂気が今でもとぐろを巻いてるのかと思うと背筋が凍ります。コピーの通り一縷の光も届かない大傑作、参りました。
そんな動機のせいで人がいっぱい死んだのね
ミョンという男に韓国で人を殺せと言われるグナム。その指を持ってくれば借金帳消しだ。狙った相手キム・ヒョンスンと出くわすものの、なんとかやり過ごして、彼の行動パターンを読むグナム。殺人実行のついでに妻ファジムの行方を探し続ける。ようやく居場所を見つけたが、ミョンに連絡すると、明日の船便で帰らなければならないと告げられ、実行に移そうとする。しかし、そこには殺人者の先客がいたのだ。なんとかその先客実行犯=被害者ヒョンスン教授の運転手を階段から突き落として殺したものの、すぐに警察がグナムを追う。
実行犯のボスであるバス会社社長のキム・テウォンは早速グナムを追って殺すよう指示を出す。そして、妻が見つからないまま、ミョンに連絡を取ろうとするグナム。テウォンの一味vsミョンの組織という構図が出来上がった。殺し合い、カーチェイス。派手に車をぶっ壊しながら、グナムはその隙をついて逃げる、逃げる、逃げる・・・
手振れカメラの映像が素人臭さも見せる映画。カーチェイスや乱闘シーンなど、金がかかってる様子なのに、編集が雑なのか、すべての動機や感情線がよくわからないまま進むストーリー。一方、警察は無能ぶりを発揮し、一人の男を追うために何台ものパトカーをぶつけてしまうといった面白さもある。そんな警察でも被害者、加害者の名前を教えてくれないほど個人情報保持にはうるさいのだ。また、グナムの妻は同棲していた男に痴情のもつれにより殺されてしまったようだし、悲しむ暇もないまま火葬してもらい、中国へ帰ることで頭がいっぱい。
二つの組織の対立構図や教授殺害の動機など、終盤になるにつれ疑問だらけで頭がいっぱいになった。テウォンが死ぬ間際に「俺の愛人が教授と寝た」とかつぶやいてたので、ようやく動機がわかった(笑)。ミョンはミョンで大量殺人の鬼となり、ホラー映画の様相を呈す。ここで冒頭の狂犬病が蔓延という意味が出てきた。そして傷だらけになりながらも、一人の船乗りの爺さんを脅して帰国しようとするグナム。しかし、その爺さんに殺されてしまい、ラストシーンでは、実は生きていた妻が帰国するという、あまりにも哀しいすれ違い。
ハ・ジョンウの演技と牛骨
ハ・ジョンウの不味そうに食べるごはんのシーンがとても面白いと思った。海苔を一気に食べるシーンなんで最高(笑)
牛骨であんな人を殺せるんですね(笑)
ストーリーは、途中から複雑になってイマイチ理解できなかったけど、ツッコミどころが満載だったので、意外と面白かった。
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