あなたへのレビュー・感想・評価
全69件中、21~40件目を表示
ひとり男の、ロードムービー
最初の「塀の中」のシーンから、健さんの過去作を想像したけど。
違いましたね。倉島は元刑務官で定年後、木工などの技能指導官の設定が新鮮。
出てきた風景はざっと、富山→飛騨→京都→竹田城(兵庫)→関門トンネル。
その道中で出会った、山頭火の歌が好きな元教師、特産物催事場で売り子をする男性達。それぞれと交流し、亡き妻の話をし、別れていく。
そんなロードムービーになってました。
本当は妻と旅行するために作った、木工家具を積んだワゴン車。
車だからいろんなところで立ち止まり、妻の事を思う。
深く大切に愛していんだなあ。
多弁じゃないから余計、その悲しさが伝わります。
相手の懐には深く入らない距離感。健さんの凛とした感じが伝わります。
また亡き妻役の田中裕子さんが、儚くもろい感じがとてもぴったり。
抱きしめたら消えちゃいそうな雰囲気がまたいい。
しんみりストーリの最後。
「え?!」。
び、びっくりしたわー。なんか最後ありそうと思ったら。
このひねり方好きです。
健さんの遺作、残念だけど最後に「どうだい?」なエンドロールもかっこよかった。一時代を築いた健さんに、敬礼したいです。
てっきり健さんが囚人かと思ったら
結婚する前の井出洋子は童謡歌手として刑務所の慰問コンサートで歌っていたのだ。それも大勢の囚人のためを装って一人の内縁の夫のために・・・
洋子の故郷長崎へと英二(高倉)はキャンピングカーで旅立った。岐阜では埼玉から来た元国語教師の杉野(ビートたけし)と出会い、京都ではいかめし販売の田宮(草彅剛)、南原(佐藤)と出会う。次は竹田城址。天空の城として上手く撮れてる。
山口では杉野と再会するが、彼は車上荒らしの常習犯だったのだ・・・門司で田宮、南原と再会。長崎の漁師大浦(大滝秀治)を紹介してもらう。長崎では食堂を営む濱崎家に世話になり、7年前に夫を亡くしたという多恵子(余)と飲み明かす。
無事散骨も済み、またもや田宮、南原と会った英二。南原は実は多恵子の夫であり、失踪して別人になったという告白を聞くのだった・・・
健さん最後の作品となったが、そのことが重くのしかかる。もはや夫婦愛などというテーマがどこかへ飛んでいってしまいそう
繰り返し観ることをお勧めします
健さんの最高傑作のひとつです。
初見でこの作品を理解するのは、かなり難しいと思います。
脚本が素晴らしいのですが、大事なことは何も言いません。
散骨の旅をしながら、健さんは三つのケースに出会います。
・道を見失った人
・一歩を踏み出す勇気のない人
・過ちを犯したものの、やり直したいと思っている人
健さんは、やり直したい人に対して、鳩の役割を果たします。
健さんをこの旅に導いた奥さんもまた、健さんによって立ち直ったひとり。
物語は循環しています。
ただの散骨話ではなく、大きなスケールの物語。
初見では何とも思わなかったシーンも、物語を理解してから観てみると、全く隙がありません。
薄香に着いてからは名シーンの連続。
感涙の臨界線で右往左往する羽目になりました。
インタビューで『ディア・ハンター』を引き合いに出し、時代と映画の関係に触れていた健さんが、震災後の日本に対してこの作品を撮りました。
ただ歩くだけのラストシーンは、やり直したいと願う”あなたへ”の無言のメッセージ。
遺作になってしまったのは非常に残念ですが、遺作にふさわしい最高のラストシーンだと思います。
しかしながら本作品は、この分かりにくさゆえ、正当に評価されていないと感じていて、思わず長文レビューになりました。
健さんファンの皆さん、繰り返し観ることをお勧めします。
稀な映画体験ができる、大人の作品です。
高倉健さんの渋みが大好き!
高倉健さんの多くを語らずに演じる姿に感動しました。
彼の演じる姿だけで、もう映画が完成されている気がします。
妻を大切にして生きてきた彼が最後に、亡き妻の骨を散骨する姿に胸がジーンときました。
沢山の豪華ゲストにも関わらず、皆さんが物語にうまく調和して一つの作品として映画が完成しているので素晴らしい…。
久しぶりに素敵な愛のある映画を鑑賞させていただきました。
改めて観ても良い作品は感動します。
妻の骨を散骨する為に、海へ向けて旅する夫。
妻との様々な思い出と共に、車は少しづつ少しずつ静かに走り続けます。
旅先で出会う様々な方とのモノクロのような淡々とした流浪の旅。
それがカラフルで温かみのある旅へと変化する様子に感動しました。
健さんのための映画。泣ける。
高倉健さん、大滝秀治さんの遺作。 高倉さんは81歳とは思えない風貌...
途中まで、切なくなりました。
子供のいない夫婦で、将来キャンピングカーを買って旅行しようかなって思っているので、これからってときに奥さんに先立たれた旦那さんの気持ちに自分達の将来の姿を重ねて観てしまいました。
私が先に逝っても、旦那が先に逝っても、残された方の気持ちを思うと切なくなりました。
地上波なので省略されてたからかもしれないけど、全体的になんとなくぼんやりとした話だった気がします。
うーん
初めて見ました。今まで南極物語、鉄道員、を見ましたが、
この映画、超期待して見たのですが、最初は良い感じ。始まって10分で涙気味そうになり、でも徐々にビートたけしさんが出て、物語で何かのキーマンかと思いきや、警察に車上荒らしでパクられて、終了。
途中、草薙さん出てただの物産展。佐藤浩市さん出て、これは何かあると思って、最後、実は死んだはずの綾瀬はるかのお父さん。
最後のあなたへって誰の事だったんだろう?って思いました。
健さんの映画の中でも人を想う気持ち。とっても伝わりましたが、健さんの亡くなった嫁さんの事が最後に薄れた気がしました。
最後は佐藤浩一さんと綾瀬はるかさんの母さんの伝書鳩。
健さんが。
俺には、最後に主役が変わったぐらい思いました。
鉄道員は二回見て二回とも泣きました。
賛否両論あるとは思いますが、自分の感想入れさせてもらいます。
まだ若輩者ではございますが生意気なこと言って、まだ自分には理解ができないと、思って若造の戯言と思ってください。
高倉健さんは大好きです。
ご冥福をお祈りいたします。
申し訳ございません。失礼いたします。
妻を亡くした後に、男はどう生きるのか
先立って亡くなった妻が、生前に残した手紙に書かれた遺志通り、妻の故郷に散骨するために旅をする主人公が、旅の途中で出会った人達との交流を通して、これまでの夫婦生活を振り返りつつ、夫婦とはなんだろうかと考えるロードムービー。
高倉健にとっては、盟友とも言える降旗康男監督と最後のコンビであり、遺作となった。
亡くなった妻(田中裕子)は夫(高倉健)に、2つの手紙を残した。一つは「故郷の海に散骨して欲しい」と書かれ、もう一つには「さようなら」と書かれているだけだった。
一緒の墓に入ろうと思っていた夫は、生前に散骨したいなんて言わなかった妻の真意が図りかねる。妻を大事にしていたからこそ、妻がなぜ、生前に本音を言ってくれなかったのか悩みながらも、自分でキャンピングカーのように改造したワゴン車で妻の故郷である九州へと向かう。その旅路で、立派なキャンピングカーで放浪する自称元教師(北野武)、デパートの物産展に出店するため出張を続ける若い青年(草なぎ剛)、その青年と一緒に働きながら何か影のある男(佐藤浩市)などと出会う。
こうした登場人物の誰もが、「妻」「夫婦関係」を語る。
旅で出会った人間だけでない。主人公の同僚(長塚圭史)は夫婦揃って主人公を気遣う。妻の故郷で世話になった若い娘(綾瀬はるか)は結婚を目前にして、その夫となる男は主人公の散骨を助ける。若い娘の母(余貴美子)もまた、夫婦について主人公に大事な言葉を残す。
登場人物たちは、これから結婚する若者を除き、それぞれ妻・夫に対する思いがあり、夫婦関係には他人が立ち入れない関係性を持っている。
刑務所の刑務官として曲がった事をせずに生きてきた主人公は、長く独身を貫いていたが、ある時に妻と出会った。妻は死んだ亭主への思いを断ち切れずにいたが、夫と出会ったことで再び恋をし、二人は晩婚ながら結ばれた。そのため、この夫婦の結婚生活は15年ほど。しかし、夫は精一杯妻を大事にして来た。妻も夫と仲睦まじく暮らしていた。そんな夫婦だからこそ、夫は隠し事などないと信じていた。だから妻が残した2通の手紙の意味がわからない。旅を続けて妻の故郷にたどり着いても、それがわからない。
そんな主人公に、余貴美子演じる女は、「迷って当たり前なんじゃないか。夫婦だからって、相手ことを全てわかるわけじゃない」と語る。
そんな言葉を聞き、ようやく夫は妻の残した言葉を少し理解した。
そもそも、夫は妻の故郷にすら来たことがなかった。妻がどんな街で育ったか、それすら知らなかった事に故郷に来てみて気がつく。そして、妻が2つの手紙を時間差をつけて送ろうとした意味にも気がつく。
そんな主人公だが、旅の途中で出会った男達が、それぞれ問題を抱えて犯罪的な行為をしていても、それを許容した。刑務官として曲がった生き方が出来ないながら、彼らの事を許容する包容力や優しさ。妻は、そんな夫の仕事ぶりから見えてくる魅力を愛した。
そんな妻が残してくれた思いを受け取ることで、夫は、妻のいなくなったこれからの人生を前向きに生きていくことができるのだ。
晩年になって妻を亡くして生き方に迷う男性が多いという。そういう社会の男性へ、降旗監督なりのメッセージだろか。年齢的な問題もあるかもしれないが、筆者には今ひとつピンとこない作品だったが、ロードムービーとして、それなりの出来にはなっている。
主人公は、旅先で出会った自称元教師や、影のある男が、犯罪的な生き方をしていても彼らの事を、どこか認めている。彼らを認める一方で、認めてしまった自分が刑務官として失格であることは自覚している。だから、辞表を郵送する。そんな「包容力」や「不器用さ」は、降旗康男監督が高倉健に与え続けた「男の姿」でもある。
個人的には高倉健の作品では、『幸せの黄色いハンカチ』や『遙かなる山の呼び声』の山田洋次との作品の方が相性いいのだが、遺作としてこれはこれでアリなのだろうと思う。
高倉健
高倉健さんの演技初めてみた。
出演者が豪華だった。ナイナイの岡村が阪神ファンとして少しだけ出演していた。
旅の途中で出会う人たちとのふれあいや亡くなった妻との回想シーンがよく描かれている。
この映画を見てひとり旅をしてみたくなった。
あなたへ
あいかわらず健さん渋い!(映画館を出るとだれもが健さんになってます)
なんとなく高倉健さん目当てで観てきました!
ストーリーは遺灰(遺骨)をもって散骨のために旅するロードムービー
これまでも似た設定だとオーランドブルームの「エリザベスタウン」や
今春日本公開だったスペインの巡礼路を旅する「星の旅人たち」などを思い出します
いまやロードムービーの中ではひとつの定番なのかもしれませんね!
たしかにハリウッド映画を見慣れている方にはたいくつかもしれません。
それでもたけしさんや綾瀬さんなど、助演陣も豪華でいい感じだったし
ロードムービー仕立てなのでそれほど退屈ではないし
なによりじっくり健さんの渋さをみたい…って方にはたまりません。
評価は★★★、健さん好きにはプラス★で★★★★です。
観終えて映画館をでると男の人ならだれでも「高倉健」になっているかもしれません!
この感覚は寅さんをみたあとは寅さんになったり、
もえよドラゴンをみてブルースリーになってしまう感覚と一緒ですね(笑)
全69件中、21~40件目を表示