劇場公開日 2012年8月25日

あなたへのレビュー・感想・評価

全64件中、41~60件目を表示

3.5けっこう普通

2013年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

悲しい

難しい

総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 健さんが人々の人生に交差していく映画は他にもあるが、特に今作がいいというほどのものでもなく、他のロードムービーと比べても普通でした。色んな人がいてそれぞれが人生の悩みや後悔があったりするものなのだろうが、健さん自身と妻の人生はあまり掘り下げが深くないように思う。健さんの渋みは相変わらずで、それ以外では綾瀬はるかの存在感と佐藤浩市の人生が印象に残った。

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Cape God

3.5安心して観れる映画

2013年3月2日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

知的

幸せ

飛行機の中で観ました。
画面が小いのがちょっと残念でしたが、高倉ワールドを楽しみました。

健さんの映画は、観ていて安心する感じです。
物凄く奇抜なものも無いし、淡々としているし、最近人気があるから出たって俳優もほぼ居ないし、派手なことも無く、観ていて落ち着くこの感じ。

これが日本映画の良い所なんじゃないかな?と、思える。
そんな気持ちになる映画でした。

見終えたばかりの今よりも
何年も経ってから思い出して、「あぁ、あの映画って健さんが出てて、結構良かったよね。」って言えるような映画っすね。
これが心に残る映画って言うんでしょうねぇ。

今後も健さんの映画、観たいです。

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くろすけ

3.5ちょっと物足りないけど、いいかなって感じ

2013年2月20日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

萌える

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Spenser

4.0日本映画

2012年12月30日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

幸せ

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2356ゆな

5.0正に鉄板中の鉄板d(゚∀゚)b

2012年10月9日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

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初台験

5.0本当の女の愛

2012年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

もし私が彼女を故郷の海にあした散骨しようとしたとすると、第二の手紙、「さようなら」を読まないのと読むのとでは、きっぱりした決別感が違うでしょう。
唯一のこった骨が彼を遠いところへ誘導し、旅の時間と空間が思い出を回想させ、浄化させ、やっと散骨を目前にしたときに、「さようなら」という指示があり、散骨を躊躇することが無くなり、骨がなくなったあとは、「さようなら」という手紙で彼を解放するのです。
 彼だけによる彼女への弔い、彼女との決別を時間と空間を通してさせてあげるという彼女の愛ではなかったかと思いたいですね。

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dbyqr972

3.5本格的な日本映画のような

2012年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

寝られる

正直高倉健さんありきの映画かなという印象でした。各人物の心情が読みづらくもやもや感が残ってしまう部分が多かったです。亡くなった主人公の奥さんと結ばれた経緯などもう少し話を掘り下げて欲しかった。

しかしゆっくりしたペースで鼻に付くこともなく話が進む当たり最近あまり見かけない日本映画を見れたという点は良かったと思います。近頃の日本映画も娯楽性の方向が変わっていく中こういった古き良き日本映画のようなものが作られるのはどこか意欲的なものを感じました。

最初に高倉さんありきな映画と言っておいてなんですが、やはり俳優スターだけあってスクリーンの彼は何とも言えないオーラを感じました。高倉さんを大スクリーンで見るのはこの作品が初めてですが、劇場でこの人を見るだけでもこの映画を見てよかったと思えてしまいます。

これが本来の日本映画なんだなと思えるような作品です。高倉健をよく知らないという若い人は見てみるのもいいかもしれません。

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ソロモン

4.0健さんへのはなむけとなる健さんのための映画として企画されたのでしょうが、それがかえって墓標のようにも感じて淋しい限りです。

2012年9月20日
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鑑賞方法:映画館

 淡々とした作品で、寡黙な健さんにはお似合いの脚本だったかも知れません。健さんの凄いところは、画面に出ているだけでドラマになるというところです。 それにしても、なんて豪華なキャストでしょう。次々登場する主演クラスの俳優に、凄い凄い!とこころの中で絶叫してしまいました。

 主人公の倉島英二が亡き妻・洋子を失い、今どんな気持ちでいるのか、そしてどれだけ洋子を愛おしく思っていたのか、時折カットバックされる洋子が生きていたときの映像と健さんの深い哀愁を讃えた演技で、涙ぐんでしまいました。

 本作は、妻の散骨と2通目の遺言状の謎解きを目的とした典型的なロードムービー。健さんには、旅する姿がよく似合います。旅の途中には多彩な面々と関わり合いとなり、ヒューマンなドラマが紡がれていきます。
 ただ、以外とあっさりと目的地に着いてしまうので、もっと波乱があればいいのにと思えました。主人公の英治が刑務官をしているだけに、元服役者などとの関わりで旅の行方が見えなくなるほどのアクシデントがあった方が起伏が盛り上がったはずです。
 原作がそういう筋なら仕方ないのですが、どことなく今の健さんに遠慮しながら当たり障りなく、ただただ渋い健さんを描いていることが気になりました。恐らく本作を最後に銀幕から去ってしまうだろう健さんへのはなむけとなる健さんのための映画として企画されたのでしょうが、それがかえって墓標のようにも感じて淋しい限りです。

 物語は、妻の洋子が、遺言状をなぜか2通残したところから始まります。「あなたへ…」で始まる1通は知人から、死後に英二に渡るように手配されていたもの。「古里の海に散骨して」と書かれていました。もう1通は現地で受け取ってほしいと、中身を伏せたまま、平戸の郵便局に送られていたのです。
 妻の遺言を読むための平戸行きは、あまり乗り気ではなく受け身の姿勢で始まりました。でも旅の予期せぬ出会いが、洋子を失って深い悲しみのなかにある英二を変えていったのです。

 元国語教師、イカめしを売る男と部下。結婚を控えた若い男女と船頭の老人。みんなごく普通の市井の人たちであるれど、それぞれに心に抱える悲しみや後悔の念を背負って生きていたのです。事情は違えど、倉島と似たような心境の人たちだったのですね。そんな出会う人達に、自分の悲しみを重ねて思わず相手の心を慈しみ深く包もうという英二の優しさにはグッときました。出会う人の悲しみに何か解決しようとする訳ではないのです。でも、そこにいてくれるだけで癒される気になってくるというのは、演じている健さんの人徳あってこそのものでしょう。

 原作の背後には、種田山頭火の無常観に深く影響されています。英二が出会った自称元国語教師に語らせる種田山頭火と松尾芭蕉の違い。その問いかけに倉島は胸を詰まられます。それは英二に洋子の故郷の長崎・平戸までの行程が、放浪なのか旅なのか問いかけるものでした。
 元教師の説明では、山頭火のように帰る場所のない旅をするのが放浪だとというのです。その点芭蕉は目的もはっきりしていて、きちんと戻るべき庵を構えていたので旅なんだとも。
 富山の官舎から出発して、またそこへ戻るつもりだった英二ではありましたが、洋子を失った今は、英治の魂は山頭火のように寄る辺なき野を流離っていたのかもしれません。
 けれども、旅先で悲しみを背負いつつも、賢明に毎日を振る舞い、働いている姿を見ているうちに英二は自問自答したわけですね。洋子との幸福だった過去の思い出ばかりに囚われていていいのか。洋子の残した二通目の遺言状に書かれてあったひと言も、実は、愛する夫の再起を促すためのものでした。

 旅に向かわせた洋子の真意をくみとったかのように、英二は世話になったある家族のために行動を起こします。不器用な英二にとっては柄にもないことでしょう。そのちょっと意外で気張って見せた振る舞いが、いかにも健さんらしいというか、男らしくてグッとくるのですね。

 出演陣で印象的なのはなんといっても大滝秀治。「久しぶりに、きれいな海ば見た」
という老漁師が語る平凡すぎる短い台詞に、心の目をパッチリと見開かされたと健さんも大絶賛。役者魂を見せ付けてくれました。
 また、本作のキイマンとなる訳ありのイカめし販売員を演じた佐藤浩市の存在感も凄かったです。健さんとの共演は緊張したというけれど、結構競っていたのではないでしょうか。その販売員の上司役を演じた草彅剛のお調子のよさも絶品もの。それに比べて、元教師役を演じたビートたけしは、健さんとの共演に緊張したのか芝居が固かったですね。演じているたけしの気持ちまで伝わってくる芝居で、かえって可笑しかったです。

 気持ちとしては、これで終わりとならず、健さんにはもう一本ぐらい頑張ってほしいですよねぇ~。

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流山の小地蔵

3.0渋~い

2012年9月16日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

このての作品は好みでないが高倉健久々ということで鑑賞。健さん渋いという声が多いが自分には渋すぎ。監督、主演が年寄では新鮮味を求めるのはムチャか。大滝秀治の「今までで一番きれいな海を見た」というセリフで満足しなければいけない。大滝は助演だから多くの作品に出演している。健さんは主演だから出演するには最低収支トントンにする責任がある。直接会ったことはないが、言動から推測するに責任感が強いだろうから、そうおいそれと作品を選べないのだろう。もちこまれた企画はみんな受け入れ、そこそこ稼いでしまう三池監督はエライ。その三池監督も最近本数が減っているようだから作品を選んでいるのかな。健さんには脇でいいからもっと多くの作品に参加して渋~いところを観せてほしい。

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ace

4.0健さんへ。

2012年9月9日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

幸せ

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ハチコ

5.0これが映画だ

2012年9月8日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

高倉健が演じる実直で謙虚で無欲な主人公の心模様がストレートに伝わってきて、涙が流れっぱなしでした。思い出しても、健さんの渾身の演技に涙が出てきます。本当に凄い俳優さんです。
世の中の奥様方に、ご夫婦でご覧になることを強くおすすめします。その理由は、観ればわかります。
健さんが海に散骨したあと、猟師ふたりが手を合わせて海に祈る漁船が夕日に映えるシーンは、映画ならではの素晴らしい映像でした。
こういう繊細な心模様の映画はガサツなアメリカ人には理解できないのかもしれませんが、ひとこと言わせていただければ、「アメリカ人よ、これが映画だ」

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耶馬英彦

4.0身近なことに重なる日常

2012年9月6日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

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こーた

4.0良い映画に出会えました。

2012年9月2日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

「あなたへ」は夫婦愛について、深く考えさせられる秀悦な作品でした。

「さようなら」の意味するものがあまりに深く謎めいていた為、映画の鑑賞後直ちに書店で原作を購入せずにはいられませんでした。
原作では、冒頭で倉島英二と余命わずかな洋子さんとの温かい夫婦愛が多くのページを割いて描かれており、長崎で受け取った2通目の手紙も、便箋3枚に洋子さんの英二への温かい思いがいっぱいに綴られていました。
映画では夫婦愛に関する描写が最小限に抑えられ、また2通目の手紙も「さようなら」の一言に変更されており、そのため、ある意味淡々とストーリーが展開していくことになりました。

監督、高倉健さん他出演者の方々はおそらく、原作を繰り返し読まれたに違いありません。
その作品は、私の心を、そして涙腺を激しく揺さぶる素晴らしい内容だったと思います。

その原作の、要とも言うべき上記部分をあえて変更したところに、私は、映画関係者のこの映画に賭ける熱い思いを感じぜずにはいられませんでした。

私は思います。
2通目の手紙を簡潔にした事により、この映画が、倉島夫婦だけの物語ではなく、劇場に同席した全ての夫婦&恋人たちに贈る、ラブストーリーになったのではないでしょうか。
それぞれが互いを思い、最後の別れに際し何を思い、相手に願うのか、しっとりと考える時間をくれたように思います。
エンディングの音楽と画面が止るまで、誰一人席を立たなかったことが、この映画の価値を明示しているのではないでしょうか。

素敵な映画に久々に出会えたことに、感謝して止みません。

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迷い猫

2.5一羽のスズメ

2012年9月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

妻の遺骨を携え、一度も行ったことのない妻の故郷・長崎の薄香へ自家製キャンピングカーを走らせるロードムービーだが、それぞれのエピソードは淡白で希薄だ。その割に出来過ぎなぐらいリンクする。
妻との思い出の地も都合よくコース上に点在する。ご当地の催事がお決まりのように挿入されるこの手のタイアップは取って付けたような不自然さがあり、どうにかならないものか。

良くも悪くも健さんの映画。健さんを見る映画だ。高倉健の存在感は大きい。
倉島が〈鳩〉になるためのケジメとして、世話になった総務部長の塚本宛てに郵便物を投函する姿は倉島の実直さを偲ばせるシーンで、高倉健本人の人柄が重なる。
*〈鳩〉が何を意味するか、ここでは伏せておく。

妻・洋子がなぜ故郷の海への散骨を願ったのか、その真意は分からない。
洋子の絵手紙にはいつも一羽のスズメが描かれている。洋子は倉島の人生の一部に宿らせてもらった気持ちでいたのではないだろうか。同じ墓に入ることで倉島の残りの人生にまで介入することが無いようにとの配慮ととれる。
また、倉島と知り合う以前に愛した男への遠慮もあったかもしれない。

町の写真館で見つけた古い写真に拳で軽くコツンとやる仕草は、「余計な気を使いやがって」と「ありがとう」がないまぜになった倉島の気持ちの現れであろう。
絵手紙が「さようなら」と空に羽ばたき、倉島もまた〈鳩〉となって新しい人生へと飛び立つ。

いい話だと思う。ただ映画としてみたとき、話の芯がどこにあるのか掴みづらく、話の運びもリズムが合わなかったというのが正直な感想だ。10年後に観たら違うかもしれないが・・・。

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マスター@だんだん

2.0あなたへ

2012年8月30日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

今日は、予約して映画「あなたへ」を見てきました。
高倉健さんのファンなので当然です。
感動の物語なのでハンカチを持って行きましたが・・・使えませんでした。
役者さんは、超一流ばかり。あの、内容だと可愛そうです。
原作者の「森沢明夫」さんも、これで納得したのでしょうか?

小説と大幅に違います。半分です。
すばらしいストーリーなはずなのに、かなりカットされかなり書き換えられ、物語がどうして次はこうなるの?? つながっていません。

登場人物のそれぞれの人生ドラマも有るのに全てカットされ、なんだか話がつながりません。

一番の問題は、「あなたへ」って、郵便局留めの最後の手紙が、クライマックスで涙が止まらなくなる場面で、手紙が3枚ほど有るはずなのに・・・この映画では「さようなら」これだけ。
ぶち壊しです。
何の為に、「倉島英二」がキャンピングカーを急いで作って、思い出に振り返りながら旅をしたのか? 訳が解らず見ている方々に感じてもらえません。

こう言うのは、監督とか脚本家とか?が変えてしまうのでしょうか?

とっても、残念な映画になってしまって高倉健さんが可愛そうです。

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ピエトロ

3.5健さんをスクリーンで観ることに意義があります

2012年8月29日
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鑑賞方法:映画館

寝られる

80歳の健さんに何を求めるのか?
それはまさに「健さんを」です。

映画自体は単なるロードムービーであり、
行く先々での人との出会いと触れ合いが回想シーンと
あいまって粛々と流れていくという映画です。

興奮する場面や刺激的な場面がでてくるわけでなく、
かといってここで泣ける、という場面もあるわけでなく
話が進んでいきます。

とはいえ2時間弱の映画を長く感じることなく
いつのまにかエンディングを迎えることができたのは、
自然体で無理がない作り方がされているからと思うと同時に
これが健さん映画の真髄なのだろうと再確認しました。

周りを見渡すと70歳前後と思われる方々が目立ちましたが、
こういう映画が良いんだろうな、と納得しました。

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ひまじん三太

5.0健さん

2012年8月29日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

久しぶりに高倉健さんを銀幕で観られただけで、心が満たされた。

実直な生き方、様々な人との一期一会。眼差しに浮かぶ誠実さ、優しさ。

そこにたたずんでいるだけで、背筋が伸びるような。もう一度人生を大切に生きようと思えるような。そんな類い稀な存在だと改めて感じた。

自分を律し、1つの道に邁進し、つねに謙虚で、周りへは温かい思いやりと、感謝の気持ちを持ち続けている…。

きっとこの人は、俳優でなくどの職業に就いていたとしても、出会う多くの人たちに影響を与えただろう。

同じ時代に生きていられて、よかった。迷い多い自分の人生を、投げ出さず歩んでいこうと思った。健さん、ありがとう。

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LEON

3.5“高倉健”という永き俳優人生の巡礼の最終楽章とも云える境地

2012年8月28日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

日本横断がメインとは云え、出逢いはとてつもなく多い。

殿や大滝秀治、石倉三郎etc.長年共演したベテランから、草なぎ剛、佐藤浩市etc.現在の邦画の主力株、はたまた、三浦貴大、綾瀬はるかetc.これから更に飛躍を期待される若手までヴァラエティに富んだ触れ合いである。

日本狭しと数多くの名優達と織り成す旅情記は、物語の範疇を越え、高倉健そのものの俳優人生の最終楽章を迎え入れようとする温もりにも感じた。

長い間映画史を牽引し続けてきた大スター・高倉健が今の邦画界に向けて巡礼する旅の締め括りとも云えよう。

故に主人公の口癖である「ありがとう」が言葉以上に重みを感ずる。

同時に
「これからの日本の映画を宜しく」というメッセージも帯びているからだ。

だとしたら、冨司純子や小林稔侍にも出逢って言葉を交わして欲しかったが、それではあまりにも贅沢過ぎる巡礼なのかもしれない。

ストーリーそのものの評価は〜ってぇっと…

ゴージャスな割りには無難な落語の人情噺をノンビリ聴いたような心持ち。

退屈はしないけど、感動もない。

談志師匠的に例えたら、
「オレの芝浜じゃなく、よりにもよって圓楽の芝浜を聴きに行きやがるようなものだ」
ってぇとこだろう。
(圓楽党のみなさんすいません)

故に同じ健さんの旅情モノの『網走番外地』での手に汗握るスリルも無ければ、『幸せの黄色いハンカチ』での怒涛の感動もない。

「人には優しくせなぁ〜あかんなぁ〜」
ってぇ了見がホノボノと通り過ぎていくだけである。

まあ、そういう癒やしにも似た後味やからこそ、眠れずに最後まで見届けられたんやとも思う。

また、元教師の殿やイカめし売りの佐藤浩市etc.裏に潜む人物像が見え隠れする描写力も効果的。

逢う人逢う人みなお人好しばっかしで旅自体は結構スムーズな中、一癖有る彼らの存在感が穏和な展開を救っている。

私はってぇっと、
孤高のキャラはそのままだが、不器用なイメージとは裏腹に、車内をオーダーメイドで改装したり、デジカメやケイタイetc.の機器を使いこなす姿を観て、
「不器用ですから…って、健さんおもいっきし器用やないか」
とツッコミたくなるギャップが興味深かった。

では最後に短歌を一首

『遺された 風鈴に聴く 旅の唄 荷を越えて鳩 海は流るる』
by全竜

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全竜

4.0しみじみ堪能。

2012年8月27日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

倉島英二が寡黙すぎるが内面を察することは出来る。

吸収性ある実直な人柄が良い。

妻の思いを遂げて,
人生を噛み締めて前を向く背中にエール。

目的地到着が順調で旅している感が薄いし,
出来過ぎな人間ドラマだったが,
泣かせに走らない世界感と,良い人ばかりの登場が好き。

立ち姿だけで魅力を醸し出す高倉健の存在感を通して,
一期一会の輝きを伝える良作。

人がいるから人は生きていける。

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AKIRA

3.5高倉健と旅をする

2012年8月26日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

高倉健。
今や死語となった“銀幕スター”を体現出来る唯一の存在である。
数々の映画から寡黙で不器用というイメージだが、素顔は意外とユーモア溢れる。
先日「スマステ」に生出演(!)した時、「“TVタックル”のスタジオに行きたかった」ととぼけたユーモアで、緊張する香取・草なぎの両名を和ませてくれていた。
そんな懐の広さが、ビートたけしを始め多くの人々に慕われリスペクトされている。
色んな意味で大スターと呼ぶに相応しい。

“高倉健は何を演じても高倉健”と言われる事もある。
確かにほとんどの役柄は変わり映えしない。
でもそれがピタリとハマる場合がある。
“高倉健は何を演じても高倉健だが、やはり高倉健でないと成り立たない”場合である。
「幸福の黄色いハンカチ」や「鉄道員」がそうだ。
「鉄道員」なんか、もし高倉健でなかったら、あそこまでの作品にはならなかっただろう。
本作もピタッとハマった。
亡き妻の遺骨を故郷の海に撒く為旅をする。
また作品雰囲気も高倉健本人のようだ。
真面目でありながら所々ユーモア溢れ、人の善意を感じ、人に感謝したくなる。
正直妻の遺言の意味が今一つピンと来なかったが、そんな不器用さも含めて。

漫画やTVドラマの映画化が氾濫する今の日本映画界で、昔ながらの実直な映画作りと、80過ぎてもスターとして輝き続ける高倉健に「ありがとう」と言いたい。

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近大