人生はビギナーズのレビュー・感想・評価
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観る者の心に優しく触れる、愛おしい趣向の数々
決してコミカルで賑やかな映画ではない。むしろ人生の機微や繊細さに満ちた物語という形容がふさわしいだろう。中心となるのは、ゲイであることをカミングアウトした高齢の父。それを機にガンでありながら表情をより豊かなものへ変貌させていく姿には、誰もが一種の憧れを抱かずにいられないはずだ。そんな父の姿、家族の肖像を散りばめながら、本作は息子であるユアン・マクレガーの視点で展開していく。フラッシュバックする記憶。母の面影。一歩踏み出せずにいる自分・・・。愛犬の気持ちが字幕付きで表示され、仮装パーティーではフロイトに扮し、ヒロインは自分の意志をサイレントで表現するなど、愛らしい趣向が盛りだくさん。あらゆる瞬間が観る者の気持ちに優しく触れ、心をふっと軽くしてくれる。誰もがビギナーズ。前に踏み出す勇気さえあれば日常は変わる。何よりも本作そのものが、一度きりの人生を思いきり楽しんでいるように思えてならないのだ。
『スター・ダスト』 かなり編曲されているが、サビに入る前に終る。そ...
『スター・ダスト』
かなり編曲されているが、サビに入る前に終る。そこだけが良いと思う。
75才になってカミングアウト出来るなんて、実に幸せな事だ。大和民族だとダストの様に廃棄されて、10万円しか貰えない。
しかし、この息子は何を悩んでるんだろう?
二つたけだと思うが。
1.父親の性的嗜好
2.父親の寿命
まさか、
3.医療費!!
でも、それが一番大問題。勿論、この爺さんの階層なら保険は適用するだろう。
後から気付いたが、主人公が女性の前でウジウジしているのは、親父が死んだあとのことのようだが、なんかウジウジしなけりゃならないわけでもあるのか。
1.死んで寂しい
2.死んでお金と遺産相続に悩んでいる
3.遺伝による自分の性的な嗜好の問題
そのくらいかなぁ。
まぁ、しかし、悩む事でもないし、映画邦題もそう言って終わっている。
当たり前の事当たり前で描き切る。寡作な人ならもう少し脚本を練って貰いたい。つまり、どうでも良い事に感じる。臨機応変。しかも、『ビギナーズ』なんてありきたり。当たり前。
言うまでもないが、シェークスピアの言葉を借りれば『自分を主人公とした一回だけの舞台』なのだから、何を悩んでるんだろうと感じる。
今週の土曜日に胃カメラを呑む。30回位呑んでいるので、慣れて入るが、近3.親者も先日呑んだばかりで『もう、二度と呑みたくない』と言っている。まぁ、若いからだろうが『たいしたことないよ』と言うと『スター・トレックのトリコーダーがあればね』と曰わっていた。僕は納得した。しかし、どんなに給与が良くとも、アメリカの医療は高すぎるよね。救急車が有料になっても、救急車を呼ぶことを躊躇してはならず。重篤な病気なら高額医療費でなんとかなるし、もっと重篤なら、自分が払うわけでないので、経費を考えなくとも良い、従って、おかしいと思ったら、すぐに救急車は呼ぼう!!
【自分の心に偽りなく生きる事の大切さを、描いた作品。名優クリストファー・プラマーと共に、フランス女優のメラニー・ロランの美しさに魅入られる作品でもある。】
ー マイク・ミルズ監督は、寡作で有名な方で、私は「20センチュリー・ウーマン」を劇場で見て、初めて知った監督である。
同じく、今作のヒロイン、メラニー・ロランも「イングロリアス・バスターズ」での映画館の娘と、「グランド・イリュージョン」「複製された男」「英雄は嘘がお好き」位しか見ていない。
けれども、今作はマイク・ミルズ監督自身の経験に基づいた脚本と、メラニー・ロランの美しさにヤラレタ作品である。(スマン、ユアン・マクレガー・・)-
◆感想
・イラストレーターのオリヴァー(ユアン・マクレガー)が、何処か虚無的で、厭世観を漂わせる生き方をしている事は、劇中で頻繁に描かれている。
それは、母ジョージアと父ハル(クリストファー・プラマー)の表面上は夫婦の体裁を取ってはいるが、冷えてしまっている夫婦関係をオリヴァー少年が、繊細な感性で見ていたことに起因する。
- 夫婦仲を、子供はキチンと見ているのである。巷間で良く言われる、夫婦仲が良い男女の間に生れた子供は、反抗期などを示しつつもキチンとした大人になって行くのである。-
・父ハルが、長年隠して来た、実は同性愛指向者であった事。そして、妻が亡くなった後、ハルは第4ステージの癌になりながらも、ゲイである事をカミングアウトし、若き恋人、アンディを得て楽しそうに過ごす姿を、名優クリストファー・プラマーが見事に演じている。
・物語は、父ハルが亡くなった後から時系列を行き来しつつ描かれる。父を失った喪失感を抱くオリヴァーの前に現れた、”口頭炎で口がきけない”アナ(メラニー・ロラン)。
二人は、お互いに似た者同士である事を察し、距離を縮めて行く。
ー この辺りの描き方が絶妙に巧い。そして、フランス女優のメラニー・ロランの美しさに魅られれる。-
<人生の最期を、自分の心に偽りなく生きる事を選択した、オリヴァーの父、ハル。その姿を批判する人は誰もいない・・。
その姿を見て、オリヴァーが、虚無的で、厭世観を漂わせる生き方を真に愛する女性アナと出会った事で、徐々に変容させていく姿を、ユアン・マクレガーが絶妙に演じている。
”生きる中で、何かが切っ掛けになり、それまでの生き方をリセットして、初心者として生を始めても、良いではないか!”と、マイク・ミルズ監督が観る側に語り掛ける作品である。>
■寡作のマイク・ミルズ監督の最新作「カモン カモン」が今春、公開される。実に楽しみである。
YOU MAKE ME LAUGH BUT ITS NOT FUNNY. 人生はいつも初心者
追悼クリストファー・プラマー。
「エーデルワイス」の歌は学校でも音楽の授業でやるし(今でもやってるかは知らないですが)誰でも知ってる歌だと思うんですけど、「サウンド・オブ・ミュージック」でクリストファー・プラマーが歌って有名になった事は意外と知られていないような気がします。個人的にはおじいちゃんなイメージしかないのですが、そんなクリストファー・プラマーが齢82歳にしてアカデミー助演男優賞を取ったのが本作です。なんというか、演技が繊細‼️アップになった時の表情筋の動きでスゴい感情が伝わってきて画面をちゃんと観てようってなります。上手いよなぁ。
もっとコメディよりかと思ったのですが、オサレなドラマでした。75歳の父親にゲイってカミングアウトされたってのはそんな大きなパートでもなくって、自分を見つめ直す息子がメインの物語でしたね。
ユアン・マクレガーが人付き合い苦手な息子オリバーを丁寧に演じています。そのオリバーが出会うのがメラニー・ローラン演じるちょっとエキセントリックな美女アナ。メッチャ美男美女カップルですね!
父親からのカミングアウトを受けたり母親を思いだしたりして、自分に自信が持てなくなって一度はアナを遠ざけてしまうオリバー。でもやっぱりアナがいるNYに行って、花を買ってはやっぱり捨てちゃったりってメチャメチャ迷ってしまう37歳男子です。人生に関しては誰もが初心者ですし、何が正しいかなんて誰にもわからないんで迷ってしまう気持ちって良くわかります。対して人生の終盤にカミングアウトしてからイキイキとし始める父親。そういう父親を思い出す事でオリバーもやっぱり前に進まなきゃって思えたんでしょうね。
で、大昔に読んだ伊坂幸太郎の本のセリフに
「人生については誰もがアマチュアなんだよ。
誰だって初参加なんだ。」
っていうのがありまして、良く考えるとスッゴい深いセリフだなぁっと思って記憶に刻みついています。自分がこの先どうなるか、何が正しいかなんて誰にもわからないし、そもそも誰が人の人生にスコア付けるのって話ですよ。人にスコア付けたがる人はいっぱいいますが、その人だってたかが人生の初心者なんですしね。歳を取ると自分が初心者であることを忘れがちですが、いつも何時でまでもビギナーである事を胸に抱いていたいと思います。
順調に第4ステージに進む父親のユーモア
父親ハルは自由に生きようと決心した。
花火が上がり、「ファーック!」と叫び、医者も仲間も呼んでパーティーで盛り上がる。
政治活動もスタートすれば宗教的随筆にも着手する。
こんなにも残りの時間で輝けるならぱ、余命告知を受けてロスタイムを知らされるのも悪くないと思えるね。
75歳の父親がゲイカミングしたことは、息子ユアン・マクレガーにとっては天地もひっくり返るほどの戸惑いだっただろう。
だけどね、
僕たちは老いていく自分の父親について今までどれほどの事を知っていただろうか、
(「LGBT 」はエピソードとしてはひとかけらに過ぎない)。
たくさん話してきただろうか、
根掘り葉掘り質問してきただろうか、
手をつないで一緒に散歩してきただろうか。
喧嘩はやったか?
きっと驚きの事実を僕たちは何にも知らない。
別れ間際になってさえ父の半生さえまともに知らなかった僕たちの不甲斐なさを、本作は教えてくれるんだ。
でも惨めではないクリストファー・プラマーの最期。
⇒「サウンドオブミュージック」以来の、背筋の伸びたトランプ大佐との50年ぶりの再会。子供の時以来の尊敬するおじ様に会えた感激に心がしびれた。
映画は、父親の死後の部屋の片付けと生前の回想が順ぐりに巡る。
不器用な父が息子を心配するセリフが所々に耳に残る。
すでに父親の記憶も曖昧になってきているところなどとても正直。
父親の死を悼んで新しい恋にも仕事にも乗り切れないそんなリアルなユアン・マクレガーに好感大だ。
そして思う、
父と自分の“満足できるやりきった別離“など誰にも持ち得ないだろうけれど、時間切れの悔しさは亡き人への愛の想いに比例するだろうことを。
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【関連する映画】
・「ブランク13」(斎藤工監督)で、葬儀の場で会葬者の口づてに父親を知るのも良いだろうが、せっかくなら、生きているのなら、父親に会いに行くべきだな。
・「オーケストラ!」で本人ユダヤ人出自のメラニー・ロランが根性ある役所を見せています。影を負ってどこか過去を秘めた表情は本作にも。
・「アーティスト」でパルムドッグ受賞のワンちゃんですか!?アーサーくん。
優しい気持ちになれる
イングロリアスバスターズのメラニー・ロランが観たくて選んだ映画。
なかなか良作。メラニー・ロランも相変わらず素敵だし、主人公のお父さん役のクリストファー・プラマーも良かった。
主人公のお父さんは末期ガンになるんだけど、
人生諦めずに自分の生を生き切るんだね。そこが
良かった。
見終わった後に心が優しい気持ちに満たされる
映画。
心にポッと灯る勇気をくれる静かな良作
どこか孤独なデザイナーの主人公。
真摯で優しさ溢れる不器用な姿勢が魅力的である。
真剣だからこそ生まれる幸せを失うことへの葛藤や、
その一因であろう両親のこと、
幸せそうに老後を送るゲイの父。
これらの、言葉では言い尽くせない思いやハイライトを、どこか静謐な雰囲気さえ漂わせつつ爽やかな映画に昇華されている。(その才能が羨ましい!)
邦題は微妙だと思うが、
人は全てビギナーなのだ、と言いたかったのかなぁ。
一歩踏み出す勇気をくれる作品です。
最後に一言。
わんこ可愛えぇぇ!
ユアン・マクレガー
わたしはドルヲタだ。2日後に好きなアイドルのメンバーが1人卒業してしまう。そしておっとの好きなアーティスト(アイドルともいえる)の1人がつい昨日脱退したことを発表してしまった。彼女はわたしの推しでもあった。昨日は悲しいのに全然泣けなくて泣きたいのに泣けなくて、出てもちょちょ切れる程度だった。
朝を迎えてそんな心境とNetflixで今日までの配信ということもあり、マイリストから自然とこの作品を選んでいた。何年かぶりに2度目の鑑賞をした。ラストシーンを記憶違いしていたようだ。初めてみた時も泣いた気がするが今回も泣いてしまった。心が浄化された気がした。わたしの頭の中はクリーンな気持ちだ。もちろんまだ寂しくて悲しい気持ちがよぎることもあるけど、観る前とはだいぶ違う気がしてる。
主人公と主人公の出会う女性、そしてお互いの親、みんな不器用なんだけど不器用なりに成長しようとしてる姿に泣いてしまうのよね。パパも幸せそうなんだ。
ユアンのトランクス姿が忘れられない。
ちなみにお父さんがゲイである事をカミングアウトするけどそれは物語の伏線であってそれ自体が重要なことではないのでLGBTものだと思って観る人は注意してください。
楽に観れる映画
ユアン・マクレガーの雰囲気がストーリーにとてもあってるし、メラニー・ロランが可愛い!
あとお父さんの彼氏役がERのDrコバチュだったのにびっくり!ERではかっこ良かったのに・・・ゲイにしか見えんかった、演技上手いし!
楽に観れる優しい映画。
タランティーノの対極的な感じ。
私も実は初めてなので
人生においてこれは観ておいて良かったと思える映画が人にはいくつかあって、その映画の前と後では人生が変わって見える映画がある。
そのリストの中にこの映画が入ったわー、とうならされた一本だった。
それは何故かと考えるに、この映画には純度の高い願いが込められていて、その願いに呼応したからだろう。
その願いを要約すると、この世界は優しくあってほしい、そういう切ない願いなのだ。
その願いをびしばし受信してしまったからにはこの映画を愛するしかない、そう願いたいと思わせる力があった。
主人公の目線、父の目線、それぞれの恋人の目線、飼い犬の目線、そこに見事に表現されていた。
諦めがあり、希望があった。
やさしい
やさしい人しか登場しない
それは嘘っぽい優しさじゃなくて、切ない優しさというか……
実はゲイだったお父さんが最期に超ハイになってパーティーとかやっちゃって、若い彼氏作っちゃって、人生を楽しんで終えたというストーリーだけでも素敵な話。
息子もしあわせな人生を送ってね!
雰囲気さいこう
20センチュリーウーマン観ようか悩んでて、それを決めるために観ました!
めちゃめちゃ雰囲気よくて、どのシーンにも価値があって、この監督たぶん合うと思った。
ただ、まあリアルではない。こんな人いるのか。オリバーもアナもいい人すぎない?優しいし暖かい気持ちを持ってる。だから観てて気持ちいいんだけど、人生ってそれだけじゃない。
その象徴として父のカミングアウトや、母の哀しみも描かれてそれにオリバーの人生が左右されてく様はすごく綺麗としか言いようがない筋書きで、人間の闇は薄かった。悪いことではないけど。
メアニーロラン。ハマるわ〜。グランドイリュージョン、イングロリアルバスターズで知ってはいたけど、本当に美しい。だけじゃなく、凛として男らしさもある。2人の出会いのシーンとかもう最高すぎた。なんだあれ。男の人にあれが描けるって凄い。差別ではないです。
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