スノーホワイト

　豪華キャストです。続編もあります。続編と言っても前日譚的なやつですが。

　いろいろ彷彿とさせる作品でした。『もののけ姫』のような森、『ロード・オブ・ザ・リング』のような冒険、『ジャンヌ・ダルク』のようなクライマックスの戦い。

　ひとつひとつのシーンは、衣装も演技もアクションもBGMも一流感がありますが、説得力が足りませんでした。
　茶番に見える理由は、生活感のなさだけでなく、シーンとシーンの繋ぎを省きすぎているためだと思います。

　くすんだ色のお城と　黄金の魔法の鏡は、興味深いデザインでした。

小雪さん、椎名桔平さんの吹き替え参加で台無しになっていますが、白雪姫が普通に歴史ものの様に描かれていて、スカイリム等の泥臭い中世ハイファンタジー好きには、中々心地良い空気の映画だと感じました。

鏡よ鏡って言うと物凄くガキの頃に見た『ロンパールーム』を思い出す。

ゴート族つまりゲルマン民族のナショナリズムを奮い立たせる話である。
ゴスロリの語源のゴシックと言われる文化の事だが、キメラ、ガーゴイルっと言った怪物が森を守り、その中心にサンクチュアリがある。言わばもののけ姫の如く妖精とその森の守り神が存在する。ツンツン尖った建物は森の木である。その森の生態はヒエロニム・ボスやピーター・ブリューゲルの絵を見ると分かる。
美しくもグロテスクな雰囲気を醸し出しているのだ。

さて、

ゲルマン民族の専制政治と言うと近代ではナチス・ドイツを思い浮かべるだろうが、ゲルマン民族はイギリス、フランス、ドイツ、デンマーク、と西洋広域にわたる。つまり、イギリス、フランスがドイツに勝利したから、ナチズムが淘汰されたわけではないのだ。そして、現実がそれを物語っている。

追記
この姫様は時の権力者の娘であるから、ジャンヌ・ダルクと全く別と解釈されたし。ジャンヌ・ダルクはナショナリズムは身につけていたが、宗教心が彼女の原動力だと解釈すべきだと思う。

白雪姫を大胆にアレンジした映画だが、中盤までは良いのよ中盤までは。後半にかけて、何であんなに失速したの？何か途中で制作飽きちゃったみたいな感じで、グズグズになって終わる不快な映画でしたね。いつでも殺せるのにいつまでも殺さないアホな女王様。んで、ラストはナイフをサクッとされて終了。えっ？嘘でしょ？→ドンデン返しで巨大な化け物にでも変身するんだよね？→そのまま干涸びて終了〜

この映画、２つ驚いた事があった。１つは、よくシャーリーズセロンが素の老け顔を晒し老いを演じた事。２つ目は、クリステンの顎ヤバいって事。マジで昔から思ってたが、シャクれ過ぎて猪木も引く位の代物だよ笑