劇場公開日 2012年1月28日

麒麟の翼 劇場版・新参者のレビュー・感想・評価

全97件中、1~20件目を表示

3.5【77.6】麒麟の翼 劇場版・新参者 映画レビュー

2025年10月19日
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作品の完成度
東野圭吾による「加賀恭一郎シリーズ」の劇場版第二作目であり、連続ドラマ『新参者』の延長線上にある作品
単なるミステリーとしてだけでなく、事件の背景にある人々の「絆」や「親子の情愛」に焦点を当てた人間ドラマとしての完成度が高い
殺人を巡る複雑な真相を、複数の登場人物の視点と過去の出来事を交錯させながら、加賀恭一郎の丁寧な捜査によって紐解いていく構成
その過程で、被害者、容疑者、その家族や関係者それぞれの後悔や苦悩が浮き彫りになり、観客の感情を揺さぶる
謎解きの巧妙さと、その後に訪れる感動的な真実の提示という、東野圭吾原作の強みを最大限に活かし、劇場版としてのスケール感と感動の深さを両立
ただし、多くの要素を詰め込んだため、物語後半の複数の事件の繋がりや偶然性がやや強引に感じられる部分もあり、ミステリーとしての論理的な厳密さよりも、情感を重視した作りとの見方もある
監督・演出・編集
監督はテレビドラマ版に続き土井裕泰
ドラマシリーズから培われた、ウェットな情感と東京・日本橋界隈の情緒ある風景を融合させる演出は本作でも健在
日本橋の「麒麟の翼」像を象徴的に用い、物語のテーマである「人が信じる心」「真実への希求」を視覚的に表現
重厚な事件の展開と、過去の回想シーンを巧みに織り交ぜることで、テンポ良く、かつ深みのある物語を構築
特にクライマックスの、加賀による一連の真相解明と、中井貴一演じる青柳武明の行動の裏側が明かされるシーンの演出は、強いカタルシスと感動を生む
脚本・ストーリー
脚本は櫻井武晴
東野圭吾の原作が持つ、緻密な謎解きとヒューマニズムの融合を見事に映像脚本化
表層的な事件の捜査から、被害者の不可解な行動の真意、そしてその裏に隠された父と子の絆の物語へと収斂していく構成は秀逸
「死んでいく者のメッセージを受け取るのが、生きていく者の義務」という加賀の信念に基づき、単なる犯人探しに終わらない、登場人物の心の救済を描く
ただし、物語の核となる八島冬樹を巡る事件と、青柳家を巡る事件の結びつきが、ややドラマティックに過ぎるという意見も一部に見られる
現代社会における親子の断絶や、いじめ、ハラスメントといった社会的なテーマも織り交ぜ、単なるフィクションに留まらない問題提起を含んでいる
映像・美術衣装
日本橋や人形町といった下町情緒を残す街並みを舞台に、都市の光と影を美しく捉えた映像
被害者が力尽きた場所である日本橋の麒麟像は、事件の象徴として神々しくも悲劇的なムードを醸し出している
美術は、日本の伝統的な街並みの雰囲気を保ちつつ、事件現場や登場人物の居室のディテールにこだわり、物語のリアリティを高めている
衣装は、主要人物である刑事や被害者家族の心情や立場を反映した、抑制の効いたリアルなトーンが中心
音楽
音楽は菅野祐悟
ドラマ版から引き続き、事件の緊張感を高めつつも、人間ドラマの感動を深める情緒的なスコアを提供
主題歌はJUJUの「sign」
切ないメロディと歌詞が、物語のテーマである「大切な人を失った悲しみと、それでも立ち向かう強さ」を強く印象付け、エンディングで観客の感動を増幅させる効果を果たしている
キャスティング・役者の演技
主演
阿部寛(加賀恭一郎 役)
元々長身で彫りの深い顔立ちという原作の加賀のイメージに合致しつつ、冷静沈着な推理力と、事件の裏にある人間の悲しみに寄り添う熱い情熱を併せ持つ複雑なキャラクターを見事に体現
時に厳しく、時に優しく真実を追求する刑事像は、シリーズを通して揺るぎない魅力を放ち、観客の信頼を得る
特に、真実にたどり着いた際の、静かながらも強い説得力を持つ語り口は圧巻で、このキャラクターの深みを確立
助演
新垣結衣(中原香織 役)
殺人事件の容疑者となってしまった恋人の無実を信じ、真実を求め続けるヒロイン役
一見華奢に見えるが、内に秘めた芯の強さと、恋人への深い愛情を、涙を交えながらも感情を抑えた繊細な演技で表現
疑念と絶望の中で葛藤しつつも、加賀の捜査に希望を見出す複雑な心理を見せ、観客の感情移入を誘う
溝端淳平(松宮脩平 役)
加賀の従弟であり、若手刑事として捜査に加わる
加賀のやり方や人間性に影響を受けながら、刑事として成長していく姿を等身大で演じ、シリーズにおける重要なバディとしての役割を担う
熱意はあるが、未熟さも持つ若手刑事の葛藤と、加賀への尊敬の念を、誠実な演技で表現
松坂桃李(青柳悠人 役)
被害者の息子であり、事件の鍵を握る青年
複雑な家庭環境と、自身の過去の過ちにより、深い心の闇と後悔を抱える難役
父への反発と、事件の真相を知るにつれて明らかになる父の愛に対する苦悩を、内向的で繊細な演技で表現
事件の真実に大きく関わる彼の心の機微が、物語の感動を深める
この作品と、他の出演作での演技が評価され、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞
中井貴一(青柳武明 役)
事件の被害者であり、物語の真のキーパーソン
刺殺された後、不可解な行動を取りながら日本橋の麒麟像の下で絶命
寡黙で不器用ながら、息子への深い愛情と、ある使命を果たすための決意を、台詞が少ない中で、その表情と佇まいで雄弁に物語る
彼の最期の行動の真意が明かされる終盤は、観客の涙を誘い、作品のヒューマンドラマとしての格を一段と高めた
受賞歴
第36回日本アカデミー賞において、松坂桃李が新人俳優賞を受賞
作品
監督 土井裕泰
108.5×0.715 77.6
編集
主演 阿部寛B8×3
助演 新垣結衣 B8
脚本・ストーリー 原作
東野圭吾
脚本
櫻井武晴 B+7.5×7
撮影・映像 山本英夫 B8
美術・衣装 金勝浩一 B8
音楽 音楽
菅野祐悟
主題歌
JUJU B8

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honey

4.5この作品を久しぶりに見て感じたのは、この時からすでに「祈りの幕が下...

2025年3月22日
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この作品を久しぶりに見て感じたのは、この時からすでに「祈りの幕が下りる時」の構想があったのではないかということ。
そもそも「新参者」のシリーズなので、下地設定は完ぺきなのだろう。
警視庁日本橋署に配属した加賀恭一郎 彼を新参者としていくつかのショート物語を1冊の本として書かれた。
東野圭吾さんは最初から「祈りの幕が下りる時」の漠然とした構想があり、実際それで加賀恭一郎シリーズを終了している。
さて、
おせっかいな看護師金森
このシリーズの1作品だけ見れば、彼女の存在に違和感を感じるだろう。
小説では比較的早々に金森が登場する。
彼女は加賀と父との確執に対し、そのおせっかさから必要以上に介入してきた。
加賀がそれを許したのは、自分自身が完璧ではないことを常に俯瞰しているからだろう。
彼女の中に、家出して戻らない母の性質を感じ取っていたのかなと思う。
そして同時にそれは父への確執を助長させるのだろう。
この堂々巡りのような葛藤こそ、加賀恭一郎の人間性の下地だろう。
登場と同時に彼のキレ具合が描写される。
事件には至らないものの、彼の推理と行動によって日本橋管内で起きる些細なトラブルがみるみる解決していく。
このことが住民と彼との信頼を作り、この物語のような大きな事件の時には住民らの情報が速やかに加賀へと提示される。
この下地があって、この物語があり、同時に「祈りの幕が下りる時」でその全ての伏線が回収される。
実は奥が深い物語
加賀の地道な土台作りとおせっかいな看護師、そして従弟の松宮修平、彼もまた「麒麟の翼」以前から登場しているが、その他たくさんのキャラクターの下地を組み立てた後で、「祈りの幕が下りる時」へと集大成されたのだろう。
単発で金森を見ると「おかしい」と思ってしまう。
しかし全体を通すと彼女の設定は非常によくできている。
さて、、
麒麟の翼
「いかにも」というような仰々しいタイトル
しかしとても意味のあることを指している。
日本のスタート地点
冬樹とカオリの出発地点 そしてカオリの再出発地点
しかし、
若干難しかったのもある。
吉永母と麒麟とのつながり
「ここからはばたく」というような意味を持つ象徴
彼女がそこに希望を見たのは理解できるし、HPのモチーフにしたのも頷けるが、映画としてはもう一つそこを強く印象付けできる何かが欲しかった。
また、
冒頭から、「なぜ刺された青柳が麒麟の像を目指したのか?」が、加賀によって問題定義されている。
その主軸に至るまでの捜査が非常に複雑なのに対し、冬樹の短絡的な行動があまりにも稚拙で、しかも記念日に麒麟像の前に佇むというミスリードの仕掛けは、この物語全体を希薄化させているように思えてしまう。
「やはり冬樹と青柳の間に何かあった」と思わせときながら、「へっ?」となることでそこに注目していた意識がストンと抜け落ちるように、この物語の記憶が薄くなるのだ。
これが二度見る気が起きなかった最大の理由だった。
しかしこれもまたよくできた作品だった。
恐るべし東野圭吾さん。

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R41

3.0サスペンス好きの人はぜひ

2024年11月6日
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ぼっち

3.0特筆すべき点はないが及第点な作品

2024年10月15日
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タイトルをよく見る映画だったので、中身もよく知らずに鑑賞しました。テレビドラマシリーズは未鑑賞です。ドラマシリーズを見ていなくても、人間関係相関図はすぐに理解できる設定ですので、問題はありません。
日本橋の欄干にもたれかかる男。男の腹にはナイフが刺さっていた。男は死にかけた状態でここまで歩いてきて、力つきたようだ。その後、男は病院で死亡してしまう。事件直後に若い不審な男が現場から逃走中にトラックにはねられ、昏睡状態に陥っていることが分かった。「彼が人殺しをするはずがない」と否定する恋人。しかし、彼の持ち物からは被害者が持っていた財布と書類鞄が発見される。そして、被害者とのある関係が浮上し、警察は不審な男を犯人と断定し裏付け捜査を進める。少しづつつながる二人の被害者。という感じで全体像を明らかにしていくお話でした。

阿部寛さんは声と顔がいいですね。若い頃はメンズノンノの専属モデルとして活躍されていましたが、いまは役にフィットして演じられるいい俳優だと思います。今では人気のある俳優さんになった方々も大勢出演されています。新垣結衣さんや菅田将暉さんなど。お二人ともなぜ人気があるのか私にはわかりませんが、この作品での演技を見てもやっぱりわかりませんでした。
さて、本作品は東野圭吾さんの小説が原作です。ひところ東野作品を何冊か読みました。どれもさすがに売れた作品らしく、読んでいるうちに引き込まれて読了した記憶があります。本作品は小説では読んでいませんが、事件の背後にある人間関係を浮かび上がらせるあたりの筆致は、偶然と必然や正義と不合理などを織り交ぜて読ませるのだろうと想像してしまいます。本作品では事件の解明にフォーカスが当てられていますが、中井貴一が演じた父親役の内面にもっとフォーカスしてみるのも面白いのではないかと思うのです。その時は、中井貴一ではなく寺尾聡の方がフォットすると思いますけど。

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ねりまっくま

4.0切れ者、加賀恭一郎

2024年9月8日
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阿部寛が見事に切れ者を演じていました。
原作に忠実なストーリー展開は好感が持てました。
とても面白かったです。

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tuna

4.0学校の先生は難しい それだけ大切な職業と改めて思う

2024年9月3日
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泣ける

悲しい

22年前の映画で出演している高校生たちが今は皆一線級で活躍している。
ここまで豪華なキャストを今の映画で実現できるだろうかと思わせる。
と書いたもののエンド・ロールまで出演してたのを気がつかなかった人も。

かなり怪しい人物が犯人と確定し、その後わずかな隙間をついて真犯人にたどり着くというパターン。
だから、前半の伏線を後半、一気に回収していく。
その緊迫感というか緊張感が伝わってくるのはさすが阿部寛というとこか?
中井貴一も素晴らしかったし全体を通してどんどん引き込まれていくような仕上がりになっていた。
そういえば警視庁の中で一人ぼけた奴がおったな

あえて言えばお父さんの労災隠しも潔白を証明しといて欲しかったなあ。
そうでもしないと誰も幸せになってない。

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♪エルトン シン

2.0ドラマは観ていませんでしたが

2024年7月8日
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ミカ

4.0東京日本橋に翼が生えた麒麟の像があることはこの映画で知った。 今は主役級の役者、松坂桃李、菅田将暉、山﨑賢人らも出演している。 日本橋で会社員、青柳武明(中井貴一)が刺殺されていた。

2024年6月13日
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泣ける

動画配信で映画「麒麟の翼 劇場版・新参者」を見た。

2011年製作/129分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2012年1月28日

阿部寛
新垣結衣
溝端淳平
松坂桃李
菅田将暉
山﨑賢人
柄本時生
山崎努
三浦貴大
劇団ひとり
鶴見辰吾
松重豊
田中麗奈
中井貴一

東京日本橋に翼が生えた麒麟の像があることはこの映画で知った。

今は主役級の役者、松坂桃李、菅田将暉、山﨑賢人らも出演している。

日本橋で会社員、青柳武明(中井貴一)が刺殺されていた。

犯人は八島(三浦貴大)と推定されたが、
捜査を進めていくうちに加賀恭一郎(阿部寛)は真犯人の存在に気付く。

もしも加賀恭一郎がいなかったら事件の真相は明らかにならなかったのかなあ。

終劇6分くらいに胸が熱くなるシーンがあった。
主題歌のJUJUの歌も感動に手を貸したと思う。

やっぱり東野圭吾はいい本を書くなあと思った。

満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。

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ドンチャック

3.5歩いて、歩いて

2024年1月13日
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歩いて、歩いて刑事が調べていく話。

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karasu

3.0悲しい話

2023年12月31日
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プライア

5.0麒麟の翼

2023年12月18日
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期待以上の作品でした。
小さい過ちは後になって響くのですねー。
最初のボタンのかけ違いはしないようにしよう。

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alextm

4.0罪を償うという事

2023年8月6日
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悲しい

先生のとった行動は一見すると生徒のことを思っての行動かと。どこかで歪んだ人生は一生の傷になる事も。償えば許されるものではない事もあるだろう。しかし、ウソ、偽りを上書きしながら生きる事からは解放される。

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おのもん

5.0さすが‼️

2023年7月28日
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知的

阿部寛の加賀恭一郎が素晴らしい。テレビシリーズも含め、東野圭吾が阿部寛をモデルに書いたかと思える程のハマり役。ストーリーも東野圭吾らしく、残酷でありながらヒューマニズムも忘れていない。特にラストの橋の上のシーンが秀逸。

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オっくん

4.0ドラマの劇場版。 ドラマのキャストも登場するので、それは嬉しいとこ...

2022年6月24日
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悲しい

ドラマの劇場版。
ドラマのキャストも登場するので、それは嬉しいところ。
今思い起こすとかなりすごいキャストだったのにびっくり。
やっぱり人間くさい加賀恭一郎いいなぁ。阿部ちゃんの加賀恭一郎は好きです。
ドラマに続き、劇場版も良作でした。

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よっしー

4.0【”人は何故、哀しき嘘を付くのか・・。”前半はミステリー要素タップリに、後半は一転して父が息子を想う気持ちを描いた、哀しきヒューマンドラマ。辛くとも、真実から逃げては行けない・・。】

2022年6月20日
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泣ける

難しい

幸せ

ー ここまで、面白き作品だとは思わなかったというのが、正直な感想である。
 序盤は、ミステリー要素タップリに・・。
 そして、観る側をミスリードさせる物語展開の秀逸さ。
 そして、徐々に明らかになって行く、事件の真相。
 見事な、邦画ミステリー&ヒューマンドラマである。
 東野圭吾氏が珍しく、”自身の原作を見事に映像化させた作品”と絶賛しただけの事はある。
 多分、劇場で観ていれば、感動はもっと深かったであろう。-

■キャスティングについて<Caution! やや、内容に触れています。>

・今作の厚みを増しているのは、被害者を演じた中井喜一さんの、生前の悩みながらも善性溢れる父親としての行動を、穏やかな笑みを浮かべつつ水天宮巡りをする姿であろう。

・更に言えば、若き松坂桃李さんの、被害者の息子であり、犯した過ちを忘れ去ろうとする高校生を演じる凄みすら感じされるである。
ー 御幾つだったのだろう・・。-

・もっと、驚いたのは、松坂桃李演じる高校生の水泳部仲間を演じていた、コレマタ若き山崎賢人及び、菅田将暉の姿である。
ー 私が、邦画を観る比率を上げたのは今作公開の数年後である。
  今作は、キャスティングの先見の明に驚かされた。
  皆、現代邦画を牽引する若手俳優になっている事はご存じの通りである。-

<それにしても、現代でも主役作品が続々と公開される、加賀恭一郎を演じた阿部寛さんが如何に凄いかを感じた作品でもある。
 「祈りの幕が下りる時」を鑑賞するのが非常に楽しになった作品でもある。>

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NOBU

3.5見ごたえはあったけれど、たくさんの話を詰め込んで、上澄みだけをすくった感じ。

2022年6月20日
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悲しい

知的

吉永を めぐる物語。
 嫉妬、後輩に抜かされる焦り、結果が思うように残せないいら立ち。思春期にありがちの歯止めが効かなくなってしまう純粋なる残虐さ。自己中心性と他責。万能感。結果を思い描けない思慮のなさ。無責任というか、責任の取り方を知らない立ち回り方。それゆえの苦悩・葛藤…。

青柳を中心とする物語。
 職業人としての顔・仕事ぶり。部下や雇用関係にある人との関係。家族、特に息子との関係。マスコミに翻弄される様。…。

香織を中心とする物語。
 愛する人を信じる・信じられない、その葛藤。先行きの不安、生活苦。マスコミに翻弄される様。…。

横田が絡む物語。
 会社との雇用関係。その中での人情、利害関係…。

それらの物語をサスペンスという切り口でつなぎ、展開するストーリー。

原作は「シリーズ最高傑作」と評されるそうな。
確かに、それだけの素材は揃っている。

原作未読。TVシリーズ未鑑賞。

TVドラマを観ていないので、よくわからないところがある。
 「父と向き合っていなかった…」って、同じ言葉を加賀に返すよ。自分はいいんかい。とTVファンなら突っ込み入れないんだろうけれど、TV観ていない私には良く言うよぉと言う感じ。感動場面なのだけれど、いまいち感動が続かなかった。己と照らし合わせながらの台詞だったら号泣ものなのだけれど。

たくさんの話を詰め込んで、上澄みだけをすくった感じ。
 吉永を巡る話も、青柳を中心とする話も、香織を中心とする話も、横田が絡む話も、それだけで映画が1本取れそうな素材。
 これを詰め込んで一つの話にするのだから、かなり駆け足で進めなければならなかったのかもしれない。否、『64 前編』のように、短いショットで描いて緊張を持続させてみせた映画や、『怒り』のように、シーンを厳選してたっぷりと情感を描き出した映画もある。
 そういう映画に比して、この映画はとにかく人物描写が雑。
 脚本が悪いのか、演技が悪いのか、演出が悪いのか、編集が悪いのか。
 阿部氏人気、もしくはTVドラマ人気に安住してしまっている。

演技が悪いのかと書いたが、役者はそろい踏み。
 他のTVや映画でも同じような役をきっちり決めて下さる方々、山崎努氏、阿部氏、中井氏、松重氏、菅原氏…。安定路線。
 そしてあの頃売り出し中の若手も頑張っている。
 菅田将暉氏。キーパーソンだからインパクトのある役とはいえ、ああいう設定でもちゃんと印象を残せる。勢いがある存在ってそういうものなのかな。
 そんな中でも特筆は中井氏。組織の中での人の良さ、家族を思う気持ちと親としての愚かさが、愛おしくも、わが身を振り返って身につまされる。中井氏演じる青柳がとった行動は客観的に考えれば適切じゃない。でも、そうしてしまう気持ち、わかるなあと号泣させられる。

映画は、加賀の説教で終わる。
 わかり易くてカタルシスが得やすいのだろうけど、映画としては、関係者が自分で気づく様子を演技で表現して欲しかった。加賀が説教しちゃったことで、この映画が『中学生日記』か道徳授業のDVDになってしまった。

それにしても、
親子の問題、教育問題、労使関係の問題と、ちょっと触って社会問題を扱っているかのような雰囲気を作り出して良しとするなんて、
   (原作はとっぷりと取り組んで描き出しているのだろうけど)
TVはマスコミ(大衆受け)になってしまって、ジャーナリズムではなくなってしまったんだなあと改めて悲しくなった。

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とみいじょん

3.5期待しすぎた

2022年6月4日
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知的

あれ。期待より全然しただった。
祈りの幕が下りる時先に見ちゃった自分が悪いんですけどね。
伏線回収はさすがって思うところもあったけど、加害者は罪償ってないし被害者は報われてもないしもやもや。

ストーリー 85点
配役 90点
音楽・映像 85点
全体 84点

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り

4.0失ってから、深く知る

2022年1月16日
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やふたろう

4.0熱い映画だった

2021年10月11日
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途中からのどんでん返し、伏線の回収、父親のメッセージ。よく練られた脚本だったし、阿部ちゃんの若者たちへの熱い思い。秀作でした。

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キリンさん

3.0もっと聞き取りやすく(笑)、

2021年9月23日
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女優陣はキレイ、男優陣はカッコいい(笑)
劇団ひとりが教師役でいきなり出てて驚いた。

話自体は暗く重いってのはあるけど、「このあとどうなるんだろう」と思いつつ、後半からはちょっと複雑になってしっかり見てないとよくわかんなくなるかんじ。
ストーリーはわかるけど、なんか大げさなかんじもあったり。

ガッキーのセリフが極端に小さいことがあったり、阿部寛の声はもともと低いし、聞き取りにくかった(笑)
場面が変われば挿入歌などでいきなり大きい音が流れたり、そういうのが気になったけど。

総じて★4つまではいかず。

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みけい
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