ヒミズのレビュー・感想・評価
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前傾姿勢になりました。
夜中に一人、テレビから30センチ程しか離れないで見ました。み見終わったあと目がしょぼしょぼしました。
ってぐらい、のめり込んでしまう映画でした。どれもハマり役でその役を演じてるキャストがなんも違和感なく感じました。
少し現実的でないけどでものめり込んでしまう、面白い映画でした
まばたきを忘れ息を呑む作品でした。
なにせ主役の二人の演技に圧倒されました。
二階堂さんが十代にも関わらず存在感抜群で、染谷くんの映画も初めて観ましたが
熱演すぎて現実に起こったことを見ているような気持ちになりました。
世の中にはああいうクズの親に育てられた子供がたくさんいるのでしょうね。
自暴自棄になってクズを殺しに行くという考えもあながち嘘ではない気がしました。
もともと実話がもとの話が好きで、冷たい熱帯魚を見たのが最初の園監督の作品でした。
バイオレンスすぎて引きましたが、本当に面白かったのでヒミズを見たのですが。
最初から最後まで本当に息つく暇もないほどの力のある作品でしたね。
最後には希望が見えて泣けました。
本当に素晴らしい作品でした!!!!!!
役者の力を久しぶりに感じた
役者の演技を楽しむにはもってこいの映画。
邦画を見ていないせいもあるだろうが、ここ数年の役者の演技で印象に残るものがない。日本の役者は、スタイルが良く、顔が小さく、格好良い美しいが重点なのだろうか?もちろん見栄えとは必要なものだが…。
90年代前までの役者とは、顔がでかく特徴的で、一度見れば案外忘れられない顔ぶれが多かった。かつ、演技に情熱を感じ、それは鳥肌ものであった。
そんな良きものを思い出させる映画だった。
そして、そんな彼らをコントロールした園監督。彼こそが今をときめくと聞いて見始めたが、まだ彼の良さは分からないので、じっくり作品を観て行こうと思う。
とはいったものの、物語に関しては、
ひどく不安定で、行き過ぎて共感できるポイントのない、けれども思春期を描いたもの、といった程度にしか捕らえていないが。笑
絶望というポイントを、撮影中に起こった震災と掛け合わせて行うという大胆さは並の人間にはできまいと感じる。しかし、それが本当に必要だったかは私は思わないのだが…。震災を混ぜなくてもこの物語はひとつとして強烈な絶望と不安を兼ね備えていた。むしろ、もっとややこしくしてしまったのでは?という印象。一瞬ドキュメンタリーかと思ってしまったし。
とりあえず、
二階堂さん可愛いーーー!
配役よろし
若い俳優の力を感じた良い作品でした。
細かい演出は割と好きになれたのですが、窪塚とかむらじゅんのチンピラは良かった。w
住田が人格が破綻していくまでの行程にはちょっと腑に落ちなかった。父親を殺すという事件で一転するというのは、次元としては安い感じがした。もうちょっと精神的な苦痛の中での葛藤から人格破綻に向かう方が好きだ。
例えば、父親を嫌う一方で、父親との人間関係若しくは過去の思いでに縋ってる自分がいて、そんな自分を嫌いながらも否定しきれない自分や父親への気持ちを必死で閉じ込めておきながら生きてる、みたいな設定があったりしても良かったと思う。劇中その父親に自分の存在を完全否定されるシーンがあるが、その時ズート自分の中で支えてた支えが折れ、たがが外れて破綻してしまうといった内容だったら良かったのになぁ。
あれだけ剛胆で向こう見ずな住田が父親を殺した事で破綻に向かうのは寂しい。
死体を埋めるのも不要な行動だったと思う。
殺人を岐路にしなくても良かった様な気がする。
最後に土手を泣きながら走るシーンがあるのですが、バーバーの「弦楽のためのアダージョ」がかかるのですが、俳優の演技が良かったので不要な演出と思いました。しかも音量が大きい。
震災
遅ればせながら観ました。
園子温監督作品はいくつか興味がある作品があったのですが、結局ヒミズが初めての作品に。
毒々しくダークな園子温監督のイメージより、少し、軽い?優しい?印象。
震災が影響し、深く突っ込めなかったのでしょうが、それでも充分にこの作品の魅力は出せていた。
内容が重くメッセージ性があるので染谷、二階堂の話題性だけで、この映画を観たら受け止めきれないかもしれない。
ヒミズの原作を知らないため、魅力を100%だせたかは分からない。しかし、絶望のなかにも希望を見出すラスト等、震災をほぼ違和感なく取り入れられていた。
しかし、震災のシーンがないヒミズも観てみたい気もする。
なんかやっぱり
基本的にワンパターン。
演技は悪くないけど、「演技うまいな」と思わせる時点でシナリオの敗北。
あらゆる芸術の面白さは、「作者の視点を通して世界を観る」ことだから、そのしおん監督の視点は独特で面白いのだけど、偉そうな言い方をすれば底が浅くて飽きる。
浅いというより、青いのかもしれない。ギラギラしたりダダこねたりと子供の視点。だからこそ、観ている方も焦るぐらい揺さぶられることもあるのだけど、大人はそこを通り抜けていまがあるのだから、もうそれに不用意に惹かれることはない。
視野の狭い「なにをいまさら」感を感じてしまう。
スプラッターでもホラーでもサスペンスでもドキュメンタリーでも、なんでもいいから、大人の視点で物事を見たい。
ときどき、つき合っている大人の役者が大変そうに見えるのがこの監督の限界って感じ。若者に破壊のパワーがないからの代弁者なら、その先にあるものに対して破壊すべき。
・・・と言ってこの作品は逆にそういう監督がそこ描いてしまったから、却ってとても居心地悪そうに見える。はにかんで破壊しきれない教訓映画になってしまった。
プロの手による自主映画って感じ。
そこ叫ぶ?
熱い演劇みたいに、叫んだりエキセントリックな行動をとられたりすると途端に恥ずかしくなってしまう。
もうちょっと抑えた演出ならもっと物語に入り込めたかなあ。
自分にはない感情だから合わなかったのだろうなあ。
でも、ちゃんとがんばろうという気持ちにはなったよ。
映画ヒミズは漫画ヒミズを乗り越えた
名作漫画「ヒミズ」以降、似たような漫画、映画などが多くできてきた中で、その「ヒミズ」を原作にしたこの映画「ヒミズ」は、あのラストシーンにおいて、やっと漫画「ヒミズ」の呪縛を乗り越えたのではないかと思う。
震災には勝てなかったか(´∀`)
まず園監督の映画をシネコンで超満員で観るというのが・・・これがもはや事件と言っていいと思う(^_^)
そして『冷たい熱帯魚』『愛のむき出し』『紀子の食卓』とかを観てきた観客にとっては、園監督らしからぬソフトで優しい映画(・∀・)イイ!!
原作の漫画とはかなり違ったタッチで、登場人物も原作を踏襲してる部分もあるけどかなり改変されてる。
全体的に言えるのは、園監督と言えど震災には勝てなかったか・・・ということ。
あれだけの大被害を出して、数えきれないほどの死者を出した被災地を舞台に設定した以上、普段のエクストリームな描写とか設定はさすがに鳴りを潜めざるを得なかったのか(;・∀・)
ラストで住田を死なせずに自首させて、未来に希望を持たせるという作りは監督本人も「優しさに負けた」と言ってるように、自然な流れなのかと(゚∀゚)
むしろ園監督がこういう落ちにすること自体がかなりありえないことだし、かなり取ってつけた感じのラストにしたのも相当な粋な計らいだし、被災地並びに日本全体に対するストレートな応援メッセージだと感じた。
窪塚は相変わらずъ(゚Д゚)グッジョブ!!「脱原発!!」はかなり笑えたヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ
茶沢さんも原作と違って少し狂った感じに設定してるのも(・∀・)イイ!!
ただちょっと被災地の映像を5回も映すのは少しくどい(;´Д`)
あと住田の親父をちょっと暴力的に描き過ぎと言うか(;・∀・)
さらに茶沢さんの両親が何で死刑台?だか首吊り台?みたいなのを用意してるのも良く分からない(;´Д`)
そして挙句の果てにはそれをデコレートするのも(´ε`;)ウーン…
そしてお決まりの蝋燭と電飾を見ると、やっぱりこれは園子温映画だと感じてしまいます(^O^)
被災地を応援する意味でも、これからの日本の未来をしっかりさせなければと自覚する意味でも、絶対に観ておくべき映画です(´∀`)
染谷将太買い!!だが長い!
賞取りの若き2人頑張ってたながら、
長いだけあって自分的には中だるみ
おかげで睡魔との戦いに・・・
翔太君はやはりうまし!!
二階堂ふみちゃん、うまいながら声のトーンは好きでないので
鼻につく
だけど体のラインがきれいでうッとり
究極の青春ラブストーリーだ!希望と夢を今持ち、自分を信じて生きるのだ!
私は心の底からこんな映画が出来る事を願っていた!!!
この映画のラストを観終わった時、私は心の中で叫んでいた。
「ブラボー!ブラボー!!ブラボー!!!」と拍手喝采でこの映画を迎えたいと・・・
何故もっと早く観なかったのかと後悔した!
私のツタナイ言葉で、この映画を言葉にする事がモッタイナイ!
この映画の素晴らしさを損ねてしまいそうで怖い!
人間は、普通に生きる事程、実はもの凄く困難であり、
そして同時に、普通にしか中々生きられないのも事実なのだ!
そんな無力な、弱い存在である一人一人の普通の人間でも、
人はその短い人生の中で、普通と違う、何か特別な、「そう、ひとりだけの花」
この世界に1つだけの花に憧れて、夢を抱き、トライし、結局は夢半ばにして、挫折して
平凡な、普通の生活へとUターンしてくるのが、大方の庶民の人生である。
しかし、子供の頃から、虐待を受け続けて育った住田少年は、人間のクズを身近に経験しながら育ち、クズから生れても、クズ人間に成らずに、平凡でも人に迷惑をかけずに、ひっそりと静かな人生を送る事をひたすら夢にみる、それこそが、彼の夢であり希望なのだ!
断崖絶壁のギリギリ人生で辛うじて、理性で、踏み止まり、道を外さない様に必死に生きているのだ!
しかし、それも限界がやってくるのだ・・・
教師が言う所の「世界に1つだけの花」など、一般論でしか無く、何の説得力も無ければ、感動も、人を救う力にも、成りはしない!特に311後の日本では!意味を持たない過去の常識だけでは、生きてはいけないのかも知れない。でも、人間は、いつでも生き続けなければならないのだ。
一方、茶沢も地獄の生活に生きているからこそ、誰かを愛し続ける事を知っているのだ。愛の無い不毛の人生を知る者だけが真直ぐに住田を愛し続けられる!!!
これは、究極の青春ラブストーリーだ!!
私は、年間200本程の映画を少なくとも観ているし、多い年には年間400本以上の映画を観てきた年もあった、そんな映画生活をウン重年と重ねてきているので、私は正直心底中々気に入った映画と言うものに出会う事は今では無いのが現実だ。しかしこの作品を私は今迄に観た映画のベスト3に入れても良いと思う。
そして何よりも、この作品が海外でも賞を受賞した事を心より感謝する。
この映画のラストシーンを私は、生涯忘れない! こんなに晴れやかな気持ちになる青春群像劇が出来る日本も、まだまだ捨てたものでは無い!住田が頑張って、罪を償い生きて、再生すると言うこのラスト!これこそ、最も今、私たちが、大切に護り続けなければならない価値観だと信じる!自分に向かい合い己の弱さに立ち向かうのだ!住田頑張れ!
とてもよかった!
園監督の映画は毎回「自分が不幸なのは全部親のせい」といじけた登場人物が出て来ては、それでいながら他者を必要としている、本当に甘ったれな人間ばっかりで大変苦手であった。被害者意識丸出しで居直っている感じも嫌だった。文句があるならさっさと一人で生きればいいし、憎ければぶっ殺せばいいだろとしか思えなかった。
今回の『ヒミズ』はいじけた根性の向こう側を提示していてとてもよかった。これまで見た中で一番よかった。二階堂ふみちゃんがパンツまで見せてくれていた。彼女の表情の豊かさが大変素晴らしかった。
しかしどうにも変だな~と思ってしまう場面も目に付いた。
・ホームレスがパーティで輪になって踊る。
・二階堂ふみが石をポケットにためる。
・二階堂ふみの家庭の問題。
最終的に二階堂ふみちゃんが池に石を投げるという感動的な場面のためにそんな不自然な行動があとづけされているんだと思うんだけど、それにしても変すぎる。日常生活で邪魔すぎるだろう。
そんな不自然さも園監督の持ち味と理解を抱けるようになりたいものだ。
わりと直球
震災をとりいれたことに賛否両論みたいではありますが、
個人的にはいまの日本に対するものすごくわかりやすく、
かつ力強いメッセージとしてよかったのではと思います。
そんなに簡単に受け入れられない人も、もちろんいると思いますけど…。
初めて園子温作品を見たのですが、引き込まれました。
役者の演技はもちろん、カット割や音楽、効果音の使い方など、
絶妙な具合で不安をかきたてるので、自然と見入ってしまう感じでした。
一見すると重いテーマで、作家性も強調されてそうですが、
そういう意味では、見る人をちゃんと意識してるんだな…と思って、
食わず嫌いしてる人がいたらぜひ見てほしいなと思いました。
次作に期待
主演の二人が素晴らしい!原作を読みたくなりました。賛否が分かれるのでしょうけれど、僕は残念ながら早くラストシーンが来ないかと途中で苛ついてしまいました。以下その勝手な理由です。震災を絡めた意義が見当たらない、脇の園作品常連俳優が生かされていない(人物の描き方が足りないのか中途半端なのかストーリーと時間に対して登場人物が多いのか)、ヴィヨンの詩の引用が上滑り、ゴダールやクストリッツァ作品のシーンを連想させる演出が軽い、ざっと思い付くところですが、ラストシーンは良かったと思います。次作に期待して。
泥まみれでもきれいな二人。
描かれている絶望と狂気に対して、
もちろん肯定はできないけど、嫌悪を感じつつも否定も出来ない
…そんな気持ちになりながら観てた。
これまで自分が持ったことのない感情を引きずり出された感じ。
けど、現実や日常からかけ離れている…と《思いたい気持ち》がオイラの中にあったから、どっぷり感情移入はしなかった。
出来なかったんじゃなくて、しなかったんだ。
主役のふたりがキレイだった。
なんか溢れてくるものがキレイだった。
この感じがなかったら、きっとオイラこの映画好きになれなかっただろな。
チキチンッ♪
今日の一句『どん底に もがいて探す 生きる意味』
愛情について考える事すらできない貸しボート屋の中坊が、オカンに捨てられた挙げ句、ろくでなしのアル中親父を殺す救いようの無い青春映画。
どん底でもがく彼を真っ先に理解すべきヒロインのクラスメートは、必要以上にハイテンションでやかましく、嫌悪感が募る。
殺気めいた無償のエールは、母親に酷似した存在感すら漂う。
己のしでかした罪への懺悔と開き直りが、さ迷う街角にて様々な狂気との出逢いにより、行き来し、ネチネチ堂々巡りするため、切り口はクドく、やがて、嫌悪感は作品全体を征服する。
人は他人を支配する事でしか快感は得られないのか。
だとしたら、弱者にとって暴力を解決するには暴力のみなのか…
とやり切れない気持ちだらけでスクリーンを見守る自分もまた情けない生物だ自覚し、悲嘆に暮れる。
しかし、最後まで2人の苦悩に見入ってしまった。
原作は未読なので、古谷実の描写力なのか、園子温の表現力なのかは解らない。
この映画自体の魅力自体理解不能である。
クランクインが震災直後だったため、展開が大幅に変更され、強引極まりないタッチにレビューは否定論が上回る始末だ。
だが、私は正解やったと断言したい。
震災以降、《生きるとは虚無感との闘いでしかない》と思う事が日に日に強くなっているからだ。
辛いんだとか、悲しいんだとかじゃない。
とにかく何かが虚しいんだ。
大人になるってそういうことなんだよ。
責任とか義務とかって面倒臭いだけだ。
職場とかで苦労するのが生き甲斐やとかヌカす奴は、欺瞞以外の何者でもない。
そんなもん嘘っぱちだ。
園監督の『冷たい熱帯魚』の吹越満やないけど、「生きる事は痛いんだ」
人生なんて、それ以下でもそれ以上でもない。
そもそも生きる意味に結論なんて無い。
そうやって人間は悩んで、狂って、泣いて、笑って、死に絶えていく生き物なんやな…
と、包丁入り紙袋を握り締め一心不乱に走る彼を観て尚更思った。
こんなん映画批評ちゃうね。
まあイイや。
最後に短歌を一首
『波去りて 傘は要らない 泥の夢 沈(鎮)む血の雨 掃き溜めの詩』
by全竜
傑作。
個人的には、傑作。賛否両論はありますが、受け付けるか、受け付けないかの問題。
いつも通りに、徐々に徐々にDARK SIDEへと染まり行く形は、今まで通り。
その中でのSTORYや、演技等は、見応えが十分!
青春であり、ドラマ!でも、その中に、園子温臭がプンプン!
起承転結もしっかりしてあり、震災の事にも触れ、2つの意味が1つの映画に出されていると思いました。
頑張れ住田が、頑張れ日本に聞こえた時は、鳥肌がたちました!
毎回毎回、園子温監督には圧巻されます。
見て見る価値は大アリ!
2人の演技に助けられた作品
映画『ヒミズ』はまあまあかな。園子音監督らしさは弱かった気がした。
主人公2人の体を張った演技だけはよかった。
原作を知らないで観たから比較は出来ないが、やりきった感がない。
物足りないという感想。
煩く託す希望の光。
ヒミズ、って何だろうと思ったらモグラのことらしい。
この監督の作品はまず私の近場にはやってこない。
名画座にもこない^^;
なので観逃すことしきり、時効警察が面白かったし
観たいなぁと思っていたら、今回はきた(喜!)
まぁ、主演の二人があんなに大きな賞をとっちゃって
その効果なんだろうとは思うけれど…。
前作でも評判の、暴力描写!気にはなったけど(汗)
まぁ~確かに至るところで壊れてはいるけど(人間達が)
この壊れっぷりを大震災後の福島に置き換えたところが
まず、凄い。
被災地をメインにするのなら普通の復興応援作品を、と
思うところが真逆の方向からスタートさせている。
だいたいここまでおかしな親がいるものだろうか?
真っ当に考えればそうなのだが、近い親はいると思う。
そして住田少年ほどではないものの、ああいう鬱積を抱え
苦しみ叫んでいる子供達もおそらくいるはずだと思う。
通り魔的に他人を襲う少年達、口々に言う台詞もリアルで
なぜそんなに腹が立つのか、世の中を壊したいのか、
自暴自棄になるまでの経緯(今回のは震災だとしても)は
おそらく多岐に及び、多分に本人の性格と、生活環境が
要因になっているはずである。
皆で復興に尽力しなければならない時に負けてしまう者。
精神を壊してしまう者。親も教師も友人も助けてはくれない。
ストレートに観せられて、こりゃ辛いぞ…とまずは思った。
しかし住田には茶沢という存在がベッタリ貼りついていた。
この(絶対いなさそうな)煩い存在が、この物語の鍵を握る。
凄惨な事件を、真面目だといわれている子供が起こした時、
真っ先にこの存在を連想する。普通なら親だが普通じゃない。
となると親友とか幼馴染み、たった一人でいいからその子の
総て(とまではいわないが)を把握できる子がいないものかと。
顔も知らない友人を増やすより大切なのはそっちの方である。
何でも話せる(話せなくても相手が理解する)、欠点を晒せる
(晒せなくても見抜かれる)、喧嘩ができる(本音で向き合える)
自分の実体そのものを理解してくれる相手。
どこかにそんな相手がいたなら、おそらく事件は起きない。
親に愛されなかった住田が心の拠り所をなくして、それでも
なんとか平静を保って生きているのは、バカみたいに懸命に
住田に貼りついてる多くの存在があったからだ。茶沢もまた、
おかしな家庭(あれもないだろ)で行き場を失った孤独な存在、
いるはずない、と思う二人の行動が妙に胸をズキズキさせる。
住田のボートハウスに住みつく震災で行き場を失った大人達、
まだ中学生の住田を「さん」付けで呼び、至る所でやたらと煩く
応援する。こんな風に住田の周りは常に煩い。誰にも相手に
されず、かまわれず、もっと常に自分の方だけ見て欲しいのに、
振り向いて欲しいのに、皆が無視するから殺す。などという
バカげた理由で無差別に人を殺した若者がいたが、そういう
彼に煩く付き纏い、その考えそのものがバカだぞ、と意見して
やれるような知り合いや友達が一人もいなかったのが哀しい。
染谷将太、演技してるの?と思えるほどいってしまった演技。
二階堂ふみは、監督に演技でなかなか褒められず、最後には
60点に限りなく近い12点。と言われたそうだが(意味不明^^;)
私が見てもなんとなく、彼女の演技には気恥ずかしさと遠慮が
見えた。完全にいってはいない、そんな感じ。
あんな状況のなかで、叫んだり殴られたり泥だらけになったり
役者も大変だったと思うが、ギリギリ沈まないで残っている
池の中の家が、そんな皆の精神状態を顕わしているようだった。
思えば震災当時、たいへんな被害に遭われた被災地の方々が、
ボランティアの人々に頭を下げ、ありがとう!頑張ります。と
笑顔で話していたのが印象深かった。
自分がギリギリのところで踏ん張っている状態でも、
他人に感謝したり、他人を思いやる心は、持てるものなのだ。
渡辺哲や、でんでんが演じるおっさんが(決して善人でないのに)
妙に説得力のあることを言い、住田に希望を託すのには泣けた。
見た目生意気で冷めている住田だが、本当なら両親に愛されて、
ごく普通に育つはずだった心根の優しい男の子だ。
(父親を殺してしまった後の驚嘆の表情でそれが分かる)
悪党退治したくても、なかなか彼にそれをさせない運もそれだ。
映画そのものが「すごくいい」わけではないが、
人間そのものの「すごくいい」部分が垣間見れてホッとした。
しかしまぁ…変わった作品だったと思う。なるほどねぇ。
(あんな親いないと思っている人ほど危なかったりして^^;反省)
ALWAYS64を見るくらいなら
園監督にしてはおとなしめだと思う
前2作がハードだったから、ちょっと期待していました。
ただ脇を固める役者さんがみな相変わらず素晴らしかったです。
原作は見ていないので何とも言えませんが、園監督が一般向けに作ると
こうなるのでしょう。もう少しブラックが欲しかったかなぁ
でも面白いことは確かです。
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