ヒミズのレビュー・感想・評価
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しんどい
相変わらず、この監督の作品は疲れる。
終始こちらの緊張を解かせてくれない。
尚かつこの登場人物の不幸の表現はこの上なく重い。
園作品過去作では、自業自得感が強い不幸が多いが、
今回は自己責任ゼロ。だって中学生だし、子どもだし。
更に通り魔になっちゃう人も、襲われた人も、
それと、東日本大震災の被災者も含めて、
伝えたかったことは、「ガンバレ!」
伝えたいことは分かるんだけど、話は投げっぱなし。
つまりこの作品は、割と衝動的に作ったんだと思った。
これは次の作品、「希望の国」を観てたからそう思えたのだろう。
今回は、監督の作家性より人間性が端的に溢れた映画だった。
でもやっぱり、話はある程度示しを見せて欲しいな。
茶沢家とかその後が凄く気になる。
初めに「疲れる」と書いたが、
それは園作品における「繰り返し」表現の所為。
台詞では説明が一切無く、
同じ若しくは似たような台詞を、微妙にニュアンス変えて繰り返したり、
今回は場面が「繰り返し」になっていて、
同じ場面が何度も出てはちょっとずつ変わってたりする。
今回、呪いの石、という件があるが、あれも必然性が無く疲れる。
ドヤ感、、、
染谷将太くん見たさに鑑賞。
園子温監督映画は何本か観てますが、全てにおいてワンポイントのウザさとドヤ感を感じます。
原作を読んでないのでストーリーは悲しくて残酷、という認識ですがこの映画を観て素直に泣けないなと、、、。
決して役者の方々の演技が下手だとは思いませんが「名演技だろっドヤ」感を感じてしまい疲れて通して観られませんでした。
これもこの映画の世界観なんだろうな…
染谷将太❗️
園子温映画でこんなにも希望を感じるラストははじめて。
染谷将太が瑞々しく、素晴らしい。
園子温のセリフは同じ言葉をリフレインさせたり言いまわしが独特なところがたまにあり、下手な役者だとキツイのに二階堂ふみちゃんも上手く演じてます。
毎度おなじみの役者陣、神楽坂恵と吹石満が夫婦だったり。またかよ、って現実に戻されるけど。
あと、通り魔多すぎw
でも窪塚洋介や光石研も良かった。
被災地での撮影
住田にはDVの父親(光石研)がいる。蒸発していたのに600万もの借金を背負いながらも、突如現れては母親(渡辺真起子)が留守のため、祐一に金をせびる。金がないとわかると、殴る蹴るの暴行を加えて祐一を痛めつける。そんなことの繰り返しだ。そして母親は男を作って家を出て行ってしまう(相手がモト冬樹というのはいただけないが・・・)。
暴力を振るうのは父親だけじゃない。借金の返済をせまる金子ローンの社長(でんでん)と谷村(村上淳)だ。子供に言ってもしょうがないのに、容赦なく暴行を加える。祐一の性格なんて、かなりひねくれ者。幼少の頃から痛めつけられてきたせいだろうか、痛めつけられても身体的・精神的にも逞しくなっている。学校での発言なんてのもかなり皮肉屋だったり、結構かっこいい言葉を吐くもんだから、茶沢景子は住田語録を作って、壁に貼りめぐらせてるくらいだ。
実は、景子の家も借金まみれ。一見して豪邸のようにも思えるが、かなり荒れていて、いつ自殺してもいいようにと絞首台を夫婦で作ってるという異様ぶり。ここでも母親(黒沢あすか)のDVがあった。そんな不幸のどん底にある景子だからこそ、DVまみれであってもたくましく育つ祐一に憧れを抱いたのだろう。
監督秘話では、撮影直前に発生した3・11の東日本大震災を受けて、台本を大幅に変更した。被災地である石巻市での撮影も行い、効果的に使われていることは確か。ボート屋の周りに住む被災者たちも、放射能のことも気にせず仲間としてくれる中学生の住田を尊敬している様子だ(ちょっとコミカルなキャラだが)。この被災地の映像をそのまま使っていることも賛否両論の原因となっている・・・絶望の中でも生きていく勇気を持つというメッセージは感じられるが、基本はDVや暴力・殺人だから・・・
基本的にはDVを中心に、人を人とも思わぬくらいに暴力まみれとなっている世の中を何とかしたいと思うようになる祐一と、愛を持って彼を救おうとする景子の世界。ついに耐えられなくなった祐一が父親を殺してしまってから、世直しのため、包丁を紙袋に入れて街を徘徊する。皮肉なことに、殺した後で被災者の一人・夜野正造(渡辺)が住田の借金を返してしまった事実を知らされる。しかも、夜野が金を手に入れたのは、スリのテル彦(窪塚洋介)と知り合い、闇の金を強奪したのだ。しかもテル彦は相手を誤って殺してしまい、死体を処分するとき夜野をも殺そうとしたため、逆に夜野がテル彦を・・・強奪するときにも部屋に女の死体があったし、もうハチャメチャ(笑)。
結局は父親殺しのことを景子が知ってしまい、自首を勧め、夜明けに一緒に走って警察署へと向かう。清々しい・・・と言っていいのか?
暗いけど、好きな映画。
借りてきて、何回も見てしまった。
人それぞれ色んなことと戦って、
もがいて苦しんでいるんだと。
そこで、手を差し伸べてくれる人がいたから主人公は救われたのかなって思う。
ほんとは、父親殺してしまう前になんとかなったら良かったけど…
ただただ胸くそ悪い
主人公の生い立ちが悲惨すぎる。
父親も母親もくず。
そして被災する。
同級生の女の子に好かれるも女の子にも殴る蹴るの態度。
そしてその女の子もまた家庭環境がやばい。
そして主人公の男の子はいよいよ父親を殺してしまう。
ふつうに生きるのをあきらめた高校生の男女。
東日本大震災をからめていることもありフィクションとして見れなかった。
染谷と二階堂の組み合わせだけで映画としては勝ち
紙一重の狂気という点で古谷実の世界は漫画が最も味わえるというのを再確認。ストリートミュージシャン(西島隆弘)とバス内でおばさん(木野花)が襲われるシーンの臨場感はさすが。金銭強盗に入った二人(窪塚と渡辺哲)のもとに家主が帰ってきて一悶着あるシーンが恐怖の中の笑いが表現できてて一番古谷実らしかった。ラストが拳銃自殺せずに走り出す改変(すみだがんばれー!)はいいと思った。製作途中に震災が起きてしまったゆえ、瓦礫の映像を入れざるを得ない監督の意図は伝わるが、物語とは関係ない印象を持ってしまった。
圧倒
長回しが多く、良い緊張感が出てた。息を呑むようなシーンもいくつかあった。
ヤバイ人が多く登場してくるが、そのヤバイ部分は共感できるもので、とても惹き付けられた。
後半、茶沢が主人公の住田に未来のことを語っているシーン。今まで普通の生活を望んでた住田だが、それが難しいと悟り死のうとしていた。そんな時に、自分には明るい未来があり、そして次の世代へ受け継がれていくのだという実感を得るというシーン。(私はそう感じた)
非常に感動的で印象に残った。
誰かが自分を愛してくれること
子供は親を選べない。生まれた環境も選べない。
親が子供を絶対に愛してくれるっていうのは、当然のことのように考えられているけど、その動物だって普通に持っている子供への愛情を持っていない親はたくさんいる。
「生まれてこなければ良かったのに」と親から言われる感情は、正直私にはわからない。その言葉を受け止められないように思う。
この主人公もその彼女も親からの愛情は受けていない。むしろ、死んでほしいという殺意に近い感情をぶつけられている。
無条件で受けられるはずの愛情を受けられず、憎しみだけを投げかけてくる家族。そんな家族なら、いない方がいい。
なのに彼らはまわりの人を憎まない。主人公は、震災で家をなくした人たちを助けている。彼女は、壊れかけている主人公のボートハウスを手伝いながらも彼を愛して彼を励ましている。
受けられるはずの愛情は受けていないのに彼らは、少しづつまわりから愛情を受け取っている。
主人公が最後にどうせ死ぬならこの命を何かに役立てたいと思い、自分が犯罪を犯してでも社会の悪人を殺したいと思ったその気持ちは、どこから来たのだろう。
そして、そんな自暴自棄になっている主人公に対して、最後に「がんばれ」と励ましている彼女の愛情は、何から生まれたんだろう。
世の中で親からの虐待、いじめ、憎しみをぶつけられることはたくさんあるけど、必ず、誰か自分を愛してくれる人はいる。(それは、親じゃなくても)そんなことを考えた。
何か抽象的な観念に囚われて現実がついていかないとき、人は、その差を...
何か抽象的な観念に囚われて現実がついていかないとき、人は、その差を埋めるためにもがく。そこに人の苦悩はある。
理想と現実のギャップを埋めることができれば苦悩からは解放されるが、そのギャップを埋める速度には限界がある。それもまた苦悩になる。
普通に生きる、ということ
主人公が望んだ普通に生きるということ。
子供を愛する健全な両親がいて、
生活する最低限の収入があり、
高校卒業頃まで普通学級に通える健康があり、
自身も世の中から拒絶されない程度は健全さに
(見た目と対人スキル)恵まれた人間であること。
ソレって物凄くハードル高くないか?
両親がいないなんて余裕でそこら中にある。
貧乏だって進学を躊躇うレベルは知ってる。
普通学級には通えたけど入院手術繰返した。
何が理由か曖昧ながら、虐めにも遭ってた。
ヒミズの2人は、親にも愛されず、居場所も将来を描く余裕もなく、それなのに主人公は普通に生きることを望んでいるんだが…その、普通ってナニ?
羅列したようなことを普通だとすると、結構ハードル高くないか?でも、そういうの全部持ってる子はソレらを普通、だと思ってるぞ?
とにかく親が異常だったが、あるんだろうな。
未成年の死亡のニュースで聞く話は、大抵がそんな背景を思わせるもんね。
光石さん、黒沢さんを嫌いになるかと思うくらい演技力ありすぎて苛々したわ。
辛い生育環境に置かれた子供たちに、ヒミズみたいな血縁と無関係に周りに支えてくれる仲間がいますように。
園組オールスター
普通に生きることが目的のボート屋の息子、住田と病的なほど彼に夢中な少女、茶沢の2人をメインに理不尽で容赦ない現実を描いた園子温監督の怪作にして傑作と呼び声の高い一本。
THE園映画な作品を鑑賞。
キャスト的にも園組オールスターといってもいいのではないだろうか。
これだけのキャスト陣の中で主役を張る染谷将太。園子温監督に会いたい一心で新宿のゴールデン街に中高生にして出入りしていたという噂もあるが、本当なのか?笑
無気力だが普通に生きることを目標とし、周囲のホームレスからやたら好かれる謎の多い中学生を演じる。
親父から虐待され、借金を押し付けられ、何度も何度もお前は産まれて来なければ良かったと面と向かって言われ続けること1時間超。
溜まりに溜まった怒りを一心不乱に親父にぶつけ、とうとう殺害。様々な感情が混じり合い精神不安定になり、泥の中をのたうちまわるシーンは壮絶にして正直ちょっとシュールで笑えちゃう笑。
警察へ行く前に少しでもこの命を世のため人のために役立てようとする突然のトラヴィス思考で出刃包丁一本持って東京へ。
雑魚めのチンピラ新井浩文を刺すも、とある理由をきっかけにでんでんヤクザからの借金の取り立てが止み、目標を見失ったかのように絶望する。
中学生らしさを一切見せない理解不能な行動を次々とみせる染谷将太は見もの。
ヒロイン役には当時まだ無名に近かったのかもしれない二階堂ふみ。
住田のことが好きすぎて語録を作り部屋中に貼り付ける奇行、五七五の俳句を瞬時に言えなければ叩かれる俳句五七五ゲームという珍行を次々と繰り出すも住田への純愛で彼の暴走を止めようと奮闘する。
逆にその純愛さが振り切れてて超ウザい笑。
可愛くなかったら犯罪だわ茶沢さん笑。
ホームレスの夜野さんに突き飛ばされ、パンチラどころかパンモロするなどやたら体を張っていた笑。
ちなみに他のキャストも地味に豪華。
住田たちと直接絡むわけではないチョイ役に窪塚洋介。スリの達人として街中をうろついていたところ、住田の借金をなんとかしてやりたいとさまよう夜野と遭遇。
まさかのIWGPのキングと父ちゃんの再演かと思いきやまさかの泥沼展開で窪塚あっという間にヤられてしまう笑。
その彼女に吉高由里子も出ててすげぇチョイ役扱いするなと思った笑。
とりあえず泥だらけ絵の具だらけになって街中を奇声あげながら駆ける染谷将太は見もの。
あと映像特典にあったファミレスのチンピラが住田たちへ復讐にやってくる戦闘シーンが雰囲気に合わなすぎて違和感やばかった笑。
冒頭から凄い❗
冒頭の二階堂ふみの朗読、震災すぐ後の画の全体像をカメラでおさえたシーンから圧倒され、考えさせられた。奇才園子温の作品はいつも考えさせられる。dvdも購入。dvdは、自殺サークルから初め、愛のむきだし、冷たい熱帯魚、等5本購入している。友人が園子温の関係者だったのでその影響が大きい。劇場では、ヒミズ初め4本観賞。その後の物議を呼んだ希望の国も劇場で観た。とにかく残酷にして悲しい。人間の愚かさ、胸の奥底をえぐりとったようなその画がきかたは園子温でしか成立しないだろう。独自の世界観がある。まぎれもなく日本を代表する監督だろう。
園監督作品は何本か見てるけど、この作品が一番希望がある終わり方だっ...
園監督作品は何本か見てるけど、この作品が一番希望がある終わり方だった。
でも、青春モノなのに、ほろ苦い・甘酸っぱいものではない。激苦い&硫酸くらいの刺激はあった。
住田と茶沢はそれぞれ家庭が崩壊している。
それだけに愛情や温かさを求めているのがひしひしと伝わってくる。
理不尽は理不尽で対抗できない。正義をもってでしか。園監督作品は何本か見てるけど、この作品が一番希望がある終わり方だった。
でも、青春モノなのに、ほろ苦い・甘酸っぱいものではない。激苦い&硫酸くらいの刺激はあった。
住田と茶沢はそれぞれ家庭が崩壊している。
それだけに愛情や温かさを求めているのがひしひしと伝わってくる。
理不尽は理不尽で対抗できない。正義をもってでしか。
生きて。というメッセージ
実の親を、、、。
最近よく見るニュースと重なる。
何も特別なことは求めていない。
ただ普通に生きたい。だけなのに、
それさえも否定される。邪魔される。
自分は一体なんなんだ。
生きてていいのか?
自分に価値なんてものはあるのか?
そういう、
他人も自分のことも信じれない
暗い底に落ちてる気持ちが
よく描かれていてビシビシ伝わった。
震災の映像が流れるのを見て被災者の人たちへのメッセージにも感じた。
あなたが必要です。
自ら諦めないでください。
生きてください。
というこの映画からのメッセージを感じた。
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