カンパニー・メンのレビュー・感想・評価
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最悪クビになるだけさ
会社をリストラされた男たちのストーリー。
ジーンの、「最初のうちは形あるものを作ってた・・・」のくだりは、大きな会社のそして一時的な成功者の本質なんだと思う。一方でジャック(ケビン・コスナー)が不器用ながらも仕事の本質を教えてくれる。主人公のこの最後の言葉が良かった。
自分1人いなくなっても会社は動き続ける・・
将来の日本の姿か・・
「カンパニー・メン」=「会社人間」。
日本でも良く使う、家庭を顧みず仕事がアイデンティティになってる人のこと。個人主義が強いアメリカでは居ないイメージだったんだけど、やっぱり世界中どこにでもいるんだな(笑)
で、物語はリーマンショックの影響で主人公がリストラされるところから始まる。
細かいストーリーは劇場で観た方がいいが、考えさせられるのが、主人公がMBAを取得してる所謂エリートということ。
実際に今アメリカでは、博士号取ったりMBA取ったりしてる人でも仕事が無いらしい。その反面作中にも出てるように、大企業のCEOは数百億円なんて意味がわからない年収をもらっている。
日本ではここまでの上との所得格差は広がらないとは思うが、外需狙い企業であれば、同国人のリストラは人ごとじゃない。どう考えたって海外の人の方が年収安いんだから。。
しかし、この手の話を聞くと(物語を観ると)いつも思うんだが、いきなりリストラじゃなくて、年収半分でもいいから会社に残る、って選択肢を提示できないんだろうか?
生活レベルなんて下げようと思えばいくらでも下げられるのに。。実際主人公の家庭だって結果的にそうなったわけだし。。
映画自体は、主人公のベン・アフレックや義理のお兄さんのケビン・コスナー、最近ではすっかりBOSSのCMおじさんとして定着した(笑)トミー・リー・ジョーンズなど、シブい俳優が良い演技を見せてくれる。
今観るべき映画だ。
働く名優たち
最悪クビになるだけさ
リアルなのかもしれないけど
ああ失業
尺も短めで淡泊
時代、背景設定や雰囲気もよい。ただ、挫折にしろ希望にしろもう一歩踏み込めていない。
中盤もっと苦しみを描けそうなところ、終盤もっと未来に向けての開放感を描けそうなところ、かんたんに言うと振り幅を演出できていない。この題材(リーマンショック後の世界)でいくと、もうちょっと深掘りした内容でも良さそうだが、尺も短めで淡泊。
キャスティングも抜群だし、もっとドカッと腰を据えた作風にしていれば良作になっていたのでは。
なので、非常に普通な作品に仕上がっている。悪いところがあるわけでもないし、その平凡さゆえ、もったいない点として上記のようなところが気になってしまった映画。だって、大工のくだりってベタにいい話なのに、あまりにあっさりビジネスに戻るあの展開、もったいなさ過ぎる。。
働く男
肩を叩かれるまで気づかないもんなんですか?
あれ?ゴーン・ガールだっけ?と思うほど、主役のベン・アフレックのキャラが被ります。
大企業のリストラの話。数人のリストラ話が平行して語られます。盛り上がりは特にありません。失業した人達が、再スタートをきるまでの淡々としたストーリー。
1) 花よりもなほ
2)ダークナイトライジング
3)6才の僕が大人になるまで
4)本作
基本的に眠気というものがない私を、眠くさせた作品です。
でも個人的には会社の傾きは従業員は敏感に感じてると思うので、肩を叩かれる前になぜ根回ししないのか不明です。
仕事とは、サラリーマンとは・・・。
金満的資本主義がもたらす問題提起だけど、典型的すぎる印象
総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
不況下で突然に資本主義の軋轢に苦しむことになった、出世街道を進んできた社員たちの姿を描く。
経営権を守るために企業価値を高めるためにはなんでもござれの高給取りの経営者がいる。一方である程度年齢を重ねてから、会社の都合によって簡単にクビを切られる労働者たちがいる。突然の逆境に脆さを見せる者たちと、その傍らには地道に大工をする気難しいが本当は人のいい労働者がいる。
演技と演出は良かったが、しかしどうも物語が典型的すぎてそれほどのめり込めなかった。雑誌の経済蘭によくあるような、短期的視点の利益優先主義経営や豪華な生活を疑問を持たずに楽しむ社員たちへの三文批判記事をそのまま物語にしただけのような印象を受ける。
働く事は生きる事!働く人々、必見!
リーマン・ショック後の不景気で会社をリストラされた男たちが自分の人生を見つめ直す。
ベン・アフレック、トミー・リー・ジョーンズ、クリス・クーパー、ケヴィン・コスナー、オスカー受賞経験のある豪華な面々が揃う。
今日本はアベノミクスで景気が若干だが回復傾向にあると言われているが、それでもまだまだ不景気。職に就けない人も多い。
映画の中の出来事も、単にフィクション、他人事と言い切れない。
大企業のエリートサラリーマンだろうと会社の古株だろうと勤続数十年のベテランだろうと、切られる時は無情に切られる。
新しく職を探すが、大企業で働いていたというプライドと見栄でなかなか職が見つからない。
何社も面接を受けるが、うんざり。
面接に手応えを感じ、内定を貰ったハズが…。
知人の力仕事を手伝うが、慣れない仕事内容に悪戦苦闘。
支払いが貯まり、職に就けない事に焦り、思い通りに行かず苛立ち…。
思い当たる所が多々あり、何度チクチク身につまされた事か。
中には絶望し、自ら命を絶つ者も。
職に就く、仕事をするとは、本当の意味で生きる事、サバイバルだ。
映画は経済とか企業とか小難しい話はさほど描かれず、登場人物たちの再生物語を繊細に綴る。
重苦しい所もあるが、最後は背中を一押ししてくれ、好感。
自分に合った仕事って?
働く人々、必見!
いま失業で悩んでいる人には、ぜひ見て欲しい作品です。
ベン・アフレック主演で、クリス・クーパー、トミー・リー・ジョーンズ、ケヴィン・コスナーなどなど、とにかく豪華な出演陣。小地蔵好みの渋めの役者たちが織りなす、リストラを克服していく男たちのドラマです。
最後にはハッピーエンドが待ち受けているのだろうと予感しつつ鑑賞するものの、本作はいつまで経っても、中高年に厳しい再就職の状況ばかり見せ付けます。洋の東西を問わず、リストラされた社員の再就職の道のりはなかなか困難なことには違いないようです。 主人公のボビーも、当初は楽観視して、高級車を乗り回し、ゴルフを楽しんでいました。けれども家のローンも支払えなくなるほど追いつめられた結果、プライドを捨てて、義兄が経営する小さな工務店の作業員として働くようになり、家を売り払って実家で暮らすようになったのです。ボビーのように、プライドが高くても妻の提案を素直に受け入れて、生活を質素なものへ変えられる人なら、まだ救いはありました。
同じくリストラにあった幹部社員の中には、プライドとリストラへの怒りを捨てきれず、自殺する人まで出てきてしまいます。
ラストシーンのギリギリまで、そんな身につつまされる険しさをたっぷりと見せ付けられると、かえってとてもリアリティを感じさせてくれました。きっと多くのサラリーマンが本作に共感ことでしょう。
それにしてもアメリカの企業社会は何とあっさりリストラするものなのでしょうか。そんなリストラが日常化されているアメリカでも、解雇される側の人間は、掌中穏やかではいられません。アメリカ人なら、割りきって明日から新たなチャンスに向けて挑戦していくものと思いがちですが、やはりそこは感情を持つ人間なんですね。リストラを素直に受けいられず苦悩する姿を、名優たちが情感たっぷりに演じてくれました。
本作でやや気になるのは、貧富の格差を問題視しているところ。ボビーたちを解雇した経営者は、リストラ後も多額の報酬を受け取っていました。けれども、経営者の年俸を分け与えても焼け石に水にしかありません。
ボビーたちの造船事業や自動車など、アメリカの繁栄を支えてきた重工業を本作は持ち上げて、それをトカゲの尻尾を切るように不採算部門として閉鎖してしまう資本主義社会に批判的な視線を見せます。
けれども、それはノスタルジックな感傷に過ぎず、どうあがいても高給取りのアメリカ人を使って、造船や自動車を生産しても、国際競争に勝てなくなっているという現実は、勝てないだろうとは思います。そういう点で、本作のラストにも一抹の不安を感じました。
そんなアンチリストラのシンボルとなるのが、トミー・リー・ジョーンズ演じる重役ジーン。創業以来の社員だったら彼は、一貫してリストラに抵抗して、気骨あるところを見せ付けてくれました。まさにジョーンズにぴったりの役柄です。
ケビン・コスナーが演じる義兄ジャックは、ボビーが長年苦手していた気むずかしい人物で、部下となったボビーに厳しく当たります。一見嫌な奴かなと思わせといて、その陰では、ボビーの人件費をなんとか捻出するために、休日にも現場に出て独り働く姿がありました。リストラする大企業ばかりが大変でなく、ジャックが経営するような小さな工務店の経営も実は赤字仕事でも引き受けなければならないほど大変だったのです。
そんな大変さを微塵も出さず、給料日には生活が大変だろうからといって200ドルも余計に出してしまうジャックの人情味の厚さにも打たれました。
本作では、そんなヒューマンなシーンが数多く用意されて、感動させられます。失業して苦悩するボビーを必死でサポートする妻との夫婦の絆の深さも素晴らしいと思えました。そしてなにより、こうしたヒューマンドラマの主人公には、ベン・アフレックの哀愁の漂う風貌が、ドラマの情感を一段と引き立てたと感じました。
見終わって、小地蔵もまた改めて仕事を見つける勇気を貰えたような気持ちになりました。いま失業で悩んでいる人には、ぜひ見て欲しい作品です。
いい映画
企業が存続する意義とは・・・
(リストラのことを)何も知らずに出社するボビー(ベン・アフレック)が朝早々からイタイ。“ネクタイ”を取り上げられたビジネスマンは、糸の切れた凧のようだ。行き場を失い、宙を回り、やがて落ちていく。
贅沢な生活レベルを下げることはもちろん、順風満帆だったサラリーマンの座を失ったことを知られることは屈辱以外の何ものでもない。自分も会社を辞めたとき、そのことを他人に知られたくはなかった。自分から辞めてもそうなのだから、ましてやクビになったなどと言えるはずもない。気持ちがよく分かる。
過去にオスカーを手にした4人の俳優が、リストラや不況に悩む男たちを演じ、過去の栄光に決別する姿が妙に重なるキャスティングが興味深い。
ベン・アフレックは若手エリート社員。仕事ができるだけにリストラは屈辱で、ましてや次の仕事がなかなか決まらないのはまったく予想外だったに違いない。
トミー・リー・ジョーンズは造船部門のトップ重役。彼もまた部門統合とCEOとの対立でクビになってしまうが、浪費家の妻との生活に幻滅して、とある女性との情事に逃避する。
クリス・クーパーは勤続30年のベテランで重役までのし上がった叩き上げ。造船一筋で年齢も高く、ツブシがきかない。おまけにクビになったことを世間に知られないよう、夕方まで帰ってくるなと妻から言い渡される。こんな可愛そうなことはない。辛すぎる。
ケビン・コスナーはボビーの義兄で小さな工務店を経営。サラリーマンではないが、押し寄せる不況の波は同じだ。
それでもこのケビン・コスナー演じるジャック・ドーランは、不仲だった義弟に対して温情を見せ、雇用した者たちのためには休みを返上してひとり現場に出掛ける。
人を雇うということは、その家族たちの生活に対して責任を持つということだ。
対して、大会社にのし上がったGTX社のCEO(最高経営責任者)は、利益追求しか考えていない。企業は存続することが責務だが、それは社名の存続を意味するのではない。働く人々の生活を存続させることが、経営陣の債務だということを忘れてはならない。生活を保障できないなら人を雇うべきでないし、むやみに会社を大きくするべきではない。また働く側も、お互いの生活を支え合うという原点に立ち戻るべきだ。この不況、案外、価値観を考え直すことで乗り切れるかも知れない。
ところで主役の4人、こうして集まってみると、普通の勤め人というよりは、どう見ても特殊な訓練を受けた海兵隊だ。CEOを演じたクレイグ・T・ネルソンは、第三国に闇ルートで武器を横流しする悪徳富豪といったところか。
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