戦火の馬のレビュー・感想・評価
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Steven Spielberg
今日の作品は、みなさん大好き、スティーブン・スピルバーグ監督の作品。
このレビューを始めてからは、スピルバーグ作品は初めてなんですが、私は大のスピルバーグファンです(笑)
”ジョーズ”や”レディープ・レイヤー1”のようなブロックバスター作品はもちろん、”シンドラーのリスト”や”ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書”のようなドラマ作品も大好きなんですねー。
なんといっても一番好きなのは、彼のブロッキング。
ブロッキングというのは、カメラと俳優、背景などの位置関係のことで、どこにカメラを置き、カメラと俳優がどのように動くのかを決める映画監督の中でも特に重要視され、そのブロッキングには、その監督の特徴がでます。
スピルバーグ監督の作品は一目瞭然。スピルバーギーなブロッキングだけで、2時間楽しむことができます。
とてもわかりやすいのは、俳優がカメラの前を横切る動き。言葉で表すのは難しいのですが、例えば車を降りてどこかに向かう時、俳優さんはあえてカメラの前を横切るために、車をぐるっと回ってその方向に向かっていったりします。(わかりにくか(笑))
これは、2次元のスクリーンに映し出される映像を3次元らしく見せる方法です。カメラとの距離感、被写界深度の深さ、照明のコントラストなど、撮影の一番大事な要素になります。
今作でも、実際に馬を使って撮影していて、カメラが動くショット、ドリーやハンドヘルド、クレーンなどのバリエーション、そこに含まれているサブコンシャス的な内容が本当に豊かです。
ワイドレンズを使って、ドリープッシュでキャラクターのクロースアップに持って行くショットは今作でも数十ショットでて来たんではないでしょうか。教科書の1ページ目にでてくるようなショットですが、それを有効的に使う最高の監督ではないでしょうか。
本作は、複数のストーリーが糸つなぎになっていくものなので、それぞれのストーリーにあるクライマックスでのキャラクターの表現が視覚的に伝わってくるのがよくわかります。イギリス英語で少し聞き取りにくい部分もありましたが、セリフなくてもストーリーがわかるフィルムメーカーとしてジェラシーを感じる作品でした。
このように、ハリウッドのトップの作品を見ると、毎回映画って本当に要素が多いなーと思ってしまいます。単純にエキストラの数が多いっていうのもありますが、それ以外にもクルーの数が多く、プリプロダクションにもポストプロダクションにも無数の数の人の力があります。
それぞれのキーパーソンがタレントを持ったレジェンドで、ビジョンを共有しているからこそここまでの作品が生まれるんですね。
主役は馬
演出に対して物語の釣り合いが悪い
総70点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:85点|ビジュアル:85点|音楽:65点 )
美術・衣装・撮影はかなり良い出来映え。真に迫る残虐な場面は控えめだが、近距離で対峙する塹壕戦を描いた戦場での演出は特に質が高い。
その反面、物語の出来は今一つといったところ。馬の移動に合わせて登場人物が変わっていく様は、主題として物語を通して一体何が描きたいのだろうかと考えてしまう。ご都合主義と感動を強引に呼ぶような展開は素直に受け入れられず、物語が子供向けのような印象を受けた。
観終った後で調べてみると、元々が児童小説が原作らしく、それならばそのような印象を受けたのも当然か。これだけの映像と演出でこの物語では、釣り合いがとれていないのではないだろうか。もっともそれは物語だけでなく、多くの馬と人の死をあっさりと描いている演出にもその責任はある。戦場で悲惨な運命をたどった馬と人の苛烈な話を予想していたので、余計に肩透かしを食った。
馬版フォレストガンプ
馬との友情をベースに進む群像劇
スピルバーグ技法
感想を書きたいが…
いろんなことを思った
こんなに心を動かされた映画は久しぶりだ。
カンバーバッチ目当てで鑑賞。そのためあまり映画の内容には期待していなかった。だが映画が終わりスタッフロールに入ったとき、わたしは体が震えるほど泣いた。ラストだけではない。映画中盤から所々にあった明らかに泣かせにきているシーンでもやはり泣いていた。
ジョーイたち馬は、たくさんの人に出会う。その人たちとのドラマについて語っていくときりが無いのでここではやめておくが、そのドラマひとつひとつに心を打たれる。だから"いろんなことを思った"のだ。
馬は何も語らない。だからこそ今ジョーイが何を考えているのか想像がふくらむ。確かなことは、ジョーイはイケメンだということ。馬だけど。でもすることがいちいちかっこいいのだ。そして、愛らしい。こんなに馬が素晴らしいと思ったのは初めて。戦場を駆け抜けるシーンなんて本当にたまらない。これだけの魅力があれば、そりゃあいろんな人がジョーイをそばに置いておきたくなるはずだ。
カンバーバッチが序盤でもう出てこないとわかったとき、もうつまらないなと思ったがそんなことはあるわけなかった。最後は幸福感で満たされる。胸がいっぱいになるということは、こういうことなのだと思った。
自信を持ってオススメできる映画。
スピルバーグさすがです
泣ける
最高
この映画はただの戦争映画ではありませんでした。
また、この物語の主人公は一人ではありません。
ジョーイというサラブレッドに関わった人すべてが主人公です。
馬と戦争という媒体を通して人間性をみる映画
この人間性が人によっては「きれいごと過ぎる。」と言うかもしれません。
でも、私はこの製作人が、スピルバーグが、人は美しい純粋で素直な心を持っている。持っていると信じたいという願いが感じられました。
製作者の考えが作品にしっかりと投影されている作品は例えそれがどんなものであっても良いものだと私は思います。
映像は綺麗、エキストラの登場人物も常に100人以上、当時の服は糸から選んで作られたそうです。
映画が好きならみる価値はあります。みてほしいです。
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