戦火の馬のレビュー・感想・評価
全90件中、81~90件目を表示
戦火を駆ける奇跡の馬
…というタイトルでも良さそうな、一頭の馬ジョーイの数奇な物語。
このジョーイがとても美しく凛々しく、俳優で例えるならトム・クルーズやブラッド・ピットのようにスクリーン映えする。
ヤヌス・カミンスキーによる美しい映像やジョン・ウィリアムズによる雄大な音楽が存分に活かされ、大画面で観るに相応しい、感動娯楽巨編。
戦争によってアルバートとジョーイは引き裂かれてしまうが、ジョーイが戦地で出会った人間は、馬を愛してくれる人たちばかり。
それはドイツ兵士も然り。
そこに、平和主義のスピルバーグの良心が表れていた。
ご都合主義とかベタな展開と感じる人もいるだろうが、ここまでストレートな映画は最近見てなかった気がする。
とにかく、“イイ映画を観たい”という人にオススメ。
気持ちのイイくらいのスピルバーグ映画。
馬も人間も戦争は逃げるが勝ちである
舞台は第一次世界大戦のヨーロッパ。
装甲車や機関銃で大量殺戮が繰り広げてる真っ只中の戦場を如何に生き延びるかに感心が集まり、息を呑む。
たまにドライブ中にはぐれた犬が何日もかけて歩き続けて、飼い主の家まで無事に辿り着いたってぇニュースをたまにやるけど、それとはワケが違うのだ。
(当たり前じゃねぇかというツッコミは敢えて無視する)
小作人一家で調教される穏やかなトーンと、戦地に送られ、
絶体絶命の危機を重ねる緊迫シーンとのギャップに戸惑い、重苦しい世界観に慣れるまで、とても時間がかかる。
そもそも奇跡の馬云うても、戦地では殆ど活躍しちゃいない。
初戦で早々に射殺された大尉は、あまりにも間抜けで唖然の一言である。
しかし、血塗れの酷たらしい状況に応じて、バトンタッチされ、二転三転していく飼い主の人生模様リレーを見つめる馬の汚れなき瞳がとても印象的だった。
馬の瞳の輝きを通して、殺し合う事でしか存在価値を見いだせない人間の愚かさを突き付けられ、平和について考えさせられてしまう。
全体的に大味やけど、スピルバーグならではの上手いアプローチだ。
戦争の被害者は、まず第三者であり、彼らがメッセージを発しないと平和は逃げていく一方であると、面と向かって叫んでくれたのが、人間では無く、馬だった。
この意味って採点とか賞とかでは上手く解ってこないと思うけどね…。
まあ、それがハリウッドにおける戦争事情なのでしょうな。
では、最後に短歌を一首
『駆け抜ける 嵐を独り 帰るため 燃ゆる瞳は 絆を託す』
by全竜
千軍万馬!
開幕からしばらくは普通の状態だったが,
美しい景色とともに徐々に劇中に興味が沸き,
ジョーイの増えてゆく経験が入り込み度合いと重なって,
いつの間にか心は満たされていた。
”勇気”と”誇り”が伝わる美しいエンディングに涙。
中立な存在である動物を通して,
人間が起こす不条理の最たる”戦争”の真実を描きながらも,
人間同士の関係に希望を提示するメッセージが嬉しい。
情感豊かで味わい深い余韻を届けてくれる人間ドラマ。
壮大な見応えを満喫した。
人の思う『希望』になる馬
試写会にて
いろいろ説明しようと思いましたが、
とにかく、観たいと思われたなら観てほしい。
映像もきれいだし、戦中映像も迫力があります。
無意識ですが、馬のジョーイが逃げ出すシーンでは、
思わず祈りのポーズしてしまいました。
ジョーイは、人間並みの優しい馬。
出会う人々の思う「希望」になったり、
同じ立場の馬の代わって過酷な労働したりと、
どんな苦境でも諦めません。
最初は、少しだけ間延び感があるのですが、
どんどん引き込まれます。
絶対に、という程ではありませんが、
劇場で割り引き等での鑑賞なら納得!かと思います。
犬っこ馬
戦火の馬
in仙台、鳥越俊太郎さまの試写会参加したんだども、すごく混むんだろうなあと思いつつも、仕事終わりにぎりぎりの時間で行ったから、前の方の座席しかとれなくて、前から2番目の横っきわでヘンテコな席最悪!開演時間18時30分~って早すぎて友達誘っても時間早すぎて終わらないから結局一人鑑賞で寂しくね?って思ったけど、
それが功を奏して、馬の美しさと戦争の恐ろしさを大迫力で体感できて、止まらない涙で(も周りを気遣わなくて済んで)の大感動を味わえました。鳥さまは20分くらいの挨拶で、自分のお母様が大腸がんを患ってお見舞いに行くも、鳥さまのことを誰だかわからんかったらしくて、でも自分の息子ですよ、とおっしゃって初めて思い出してくれて、両手で鳥さまの顔をなでて、にっこり笑った‘奇跡の再開’の話をしてくれまして、片手にマイク、もう片手に原作者の原作本を小脇にかかえておりました。
鳥さま「ホーホー」て言うと馬が駆け寄ってくるんですよ!ここはお見逃しなく!
ってフクロウのまねはじめっから場内大爆笑だったけど、
そこでだいたいストーリー読めるじゃん、(戦争用に連れてかれた馬っこがホーホー言うたら‘奇跡の再開’がや?)ほんっとにそっくりそのまんまでシーンが来たっけども、そのシーンで涙止まらんかったや。女の子大好きな映画だわこれ。後の席からスンスン泣いてる女っ子多がったや、早く封切りしないかなあ、またジョーイに会いたいな!
最後に、この作品の上映時間は・・・何分だったかな?2時間・・・そのくらいでしょうかね?って適当こいていて場内大苦笑(笑)でその時になんか私と目が合って笑ってくださっておりまして鳥さまなんてダンディーで素敵な方なのだろうとほれぼれする次第でありました。
作品の感想は・・・最初から、うるうる来てしまったよ!大草原の小さな家みたいなメルヘンちっくな女ウケするつくりが最高にたまらんかった。馬が産まれてその光景をずっと見つめている男の子がいるんだけど、あれ、ここどこ?男の子=アルの家?じゃなさそうだし・・・何故にストーカーしてるん?ここきみの隣ン家か?そんで競売マーケット経て競り落としたずんつぁん家がアルの家じゃんか。なんで親父までおなじ馬に惚れてんのwwwうーんでもアル15歳には見えへんなああなんつーか鳥羽純ぽいよ。
馬のジョーイだけじゃなくてアヒルのハロルドさんもっと出番欲しかった!あの子名わき役だったな。クスッとするシーンていうか・・・もう少し出番くれても良いのではなかろうかと思った。
苦労して作付した作物が雨でだめになって、気持ちが沈んだ流れで「戦争だ!」の流れなんか秀逸っすな。でも戦地の仏国なのか自分の国の英国なのか、理解しかねるシーンがあったな。帽子のトンガリ具合で判断してたっけどね。あの可愛い娘さんはフランス娘だそうです。ジョーイに乗馬し「やっほーい」とぱからんぱからんしてたらどっこい!兵隊さんに囲まれて、おじいちゃんは向こうの川岸だからどうすればいいかガクブルでそのシーンで娘が犯されはしないかとドキドキしてしまってキャラメルポップコーンこぼれちったよ。
アルが戦地に行った場所はどこ?ってなったけどいちいち吹き替えてらんないよね。毒ガスで目が見えなくなっても最後には治ってんだ?治って良かったね、続編の妄想しちゃうけど、奇跡の馬ジョーイを探しに来たフランス娘のじいちゃんと、また運命の出逢いして、アルと結婚してめでたしめでたしにならんかな。一生をかけてこの映画について考えて行きたい作品です。また見ますわ。
重くて長いので 心の準備を、、
戦争に生き物(馬)が駆り出されていたという 事実。 一頭の馬の運命をたどって、人々のつながりと 命の尊さ・忘れてはならない惨劇を伝える 本作品。
ストーリーも良いですし、舞台となるイギリスとフランスの素晴らしい景色・その裏にある 戦争の恐ろしい光景と、スピルバーグ監督 独特の世界を堪能できます。
高評価で間違いないのですが、心を引き裂かれるような出来事が 次々と起こって、とにかく重い。 そして、長い(147分)。
良かったところ:
主人公アルバートを演じた ジェレミー・アービン。 透明感ある純粋な心の青年を 好演。
アルバートと出会い、のち壮絶な運命をたどる 馬・ジョーイの美しさ。
戦争に携わった人々の 心のうち(本心)
イマイチなところ:
馬の表情を 操作し過ぎ(CG処理が 雑過ぎる)
皆がみんな 英語を話すので(なまりだけでは)敵か味方か 判り辛かった(私だけかも?笑)
長い。
十分に感動したのですが、なぜか泣けなくて スッキリしない。 私自身の見解としては 「親友(馬)と引き裂かれた アルバートに共感したらいいのか、それとも ジョーイ(馬)目線で ストーリーを追うべきか、はたまた 反戦という部分に重きを置けばいいのか 迷いながら観た」のが原因かと。。 もっと簡潔で泣けてたら 評価上がったなぁと思う 4.0。 DVDが出たら 家(テレビ)で復習したいです。
P.S. 『マイティー・ソー』弟・ロキを演じていた ジョニー・ウィアー似のトム・ヒドルストンが 爽やかな将校役で出演中です。
馬の美しさに魅せられる
スティブン スピルスバーグ監督、米英合作の映画「WAR HORSE」、邦題「戦火の馬」を観た。1982年に発表された英国作家、マイケル モルパーゴの小説を映画化した作品。早くもゴールデングローブに ノミネートされている。
ストーリーは
ところは イギリスのデボン地方。
石ころだらけの土地を開墾する貧しい農家。
15歳のアルバートは 父が農耕馬として買ってきた馬を見るなり その美しさに心を奪われた。父親のテッドもまた この馬の姿に魅かれて 競売に参加して競り合っているうちに 引っ込みがつかなくなって競り落としてきたのだった。テッドはお金のない農夫の身なのに 農耕馬の代わりに美しい競走馬を買ってしまったのだった。帰るなり、妻のエミリからは、足の細い競走馬に畑作業などできやしない、と叱咤され罵倒され、近所の農民達からは馬鹿にされ、領主からは 借金が増えるばかりだ と笑われる。
しかしアルバートは この若馬に ジョーィと名をつけて、心を込めて訓練を始める。親から引き離されたばかりの若馬ジョーィと、孤独な少年アルバートとの間には、やがて友情が芽生え、ジョーィはアルバートの言うことなら何でもわかるようになっていった。ジョーィは 家族の願いを聞き届けるように、農耕作業も懸命にやって、家族を助けた。
時は1914年。第1次世界大戦が始まる。デボンの街からも男達が率先して志願し戦争に出かけて行った。借金に苦しむ父親テッドは 高額で馬を買いたがっている騎馬隊に、ジョーィを売る決意をする。アルバートは 無二の親友ジョーィを取られるくらいなら、自分も騎馬隊に志願して戦地に行きたいと懇願するが、アルバートはまだ兵役に満たない年齢だった。ジョーィとの別れに嘆き悲しむアルバートにむかって、騎馬隊の隊長は 戦争に勝って必ず連れて帰るから、と説得する。アルバートは 父がボーア戦争に行ったときに 優秀な兵士として表彰され受け取った旗をジョーィのクツワにお守りとしてくくりつけて ジョーィを見送った。
しかし しばらくしてアルバートが受け取ったのは 騎馬隊長の描いたジョーィのスケッチ画と、隊長の戦死の知らせだった。すでに、兵役の年齢に達したアルバートは、入隊してジョーィを探そうと決意する。
戦場は過酷な状況だった。英仏とも、戦況は膠着状態で死者が増えるばかりだった。アルバートは 歩兵として突撃要員として、駆り出されて、、、、
というお話。
映画の最初に、上空からイギリスのデボン地方の映像が映される。どこまでも続く緑の豊かな穀倉地帯、放牧も盛んに行われていて、ところどころに農家が点在する。広がりのある 美しい絵葉書のような景観だ。やがて、カメラが地上に下り、牧場を映す。豊かな緑を背景に 走り回る馬の美しさ。馬の出産、赤子が立ち上がり、歩き出し、母親馬のあとを 飛びまわって跳ねる。愛らしい子馬。風を切り勇壮に走る競走馬。馬の筋肉の盛り上がり。細い足で土を蹴る後ろ足の力強さ。走る馬の その姿の美しさは例えようもない。
そんな美しい生き物が戦争に駆り出され、砲弾をかいくぐり 重い大砲を運び、騎馬隊として敵地に飛び込んでいく。
ジョーィが自由を求めて、鉄条網で体中傷だらけになって 重い木の柵を引きずりながら力つきるシーンや、ぬかるみの中を重い大砲を引く労役を強いられて足を折るシーンなど、胸がつぶれる思いだ。第1次大戦の まだ近代兵器が開発される前の戦争の残酷さ。肉弾戦の冷酷無比な様子は、見るのもつらい。
戦場の非情さが淡々と映像化されるが、しかし哀しいシーンばかりではない。フランス片田舎の少女が出てくる。両親を殺され 戦火に脅えながら、おじいさんと暮らしている。自分が見つけた美しい2頭の馬を 軍に取られまいとして 必死に自分の部屋に隠す。それを見守るおじいさんの優しさ。
自分の馬ジョーィを探すために 戦場に行ったアルバートのひたむきさが胸を打つ。戦争場面が残酷だが、デイズニー映画らしい終わり方をして、子供も大人も楽しめる映画に仕上がっている。そして、強い反戦へのメッセージが込められている。
かつて、世界大戦のために、オーストラリアから136000頭の馬が戦場に送られた、と記録されている。そして帰ってきたのは たった一頭だった。現在、戦争記念館には、一頭の生きて帰ってきた馬、サンデイーの像が建っている。なんという おびただしい犠牲だろう。人が始めた戦争のために、人を心から信頼している動物が利用されて残酷な扱いを受けて死ななければならなかった。改めて、動物達を駆り出していった戦争を憎む。
この映画を撮影するために オーストラリアのゴールドコーストから14頭の馬と、ゼリ ブレンという40歳の動物訓練士が海を渡ってハリウッドに行った。彼女は、戦争で犠牲になったオーストラリアの、136000頭の馬を代表して 映画作りを手伝ってきた と言っている。
良い映画だ。
全90件中、81~90件目を表示