戦火の馬のレビュー・感想・評価
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演出に対して物語の釣り合いが悪い
総70点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:85点|ビジュアル:85点|音楽:65点 )
美術・衣装・撮影はかなり良い出来映え。真に迫る残虐な場面は控えめだが、近距離で対峙する塹壕戦を描いた戦場での演出は特に質が高い。
その反面、物語の出来は今一つといったところ。馬の移動に合わせて登場人物が変わっていく様は、主題として物語を通して一体何が描きたいのだろうかと考えてしまう。ご都合主義と感動を強引に呼ぶような展開は素直に受け入れられず、物語が子供向けのような印象を受けた。
観終った後で調べてみると、元々が児童小説が原作らしく、それならばそのような印象を受けたのも当然か。これだけの映像と演出でこの物語では、釣り合いがとれていないのではないだろうか。もっともそれは物語だけでなく、多くの馬と人の死をあっさりと描いている演出にもその責任はある。戦場で悲惨な運命をたどった馬と人の苛烈な話を予想していたので、余計に肩透かしを食った。
馬版フォレストガンプ
馬との友情をベースに進む群像劇
スピルバーグ技法
感想を書きたいが…
いろんなことを思った
こんなに心を動かされた映画は久しぶりだ。
カンバーバッチ目当てで鑑賞。そのためあまり映画の内容には期待していなかった。だが映画が終わりスタッフロールに入ったとき、わたしは体が震えるほど泣いた。ラストだけではない。映画中盤から所々にあった明らかに泣かせにきているシーンでもやはり泣いていた。
ジョーイたち馬は、たくさんの人に出会う。その人たちとのドラマについて語っていくときりが無いのでここではやめておくが、そのドラマひとつひとつに心を打たれる。だから"いろんなことを思った"のだ。
馬は何も語らない。だからこそ今ジョーイが何を考えているのか想像がふくらむ。確かなことは、ジョーイはイケメンだということ。馬だけど。でもすることがいちいちかっこいいのだ。そして、愛らしい。こんなに馬が素晴らしいと思ったのは初めて。戦場を駆け抜けるシーンなんて本当にたまらない。これだけの魅力があれば、そりゃあいろんな人がジョーイをそばに置いておきたくなるはずだ。
カンバーバッチが序盤でもう出てこないとわかったとき、もうつまらないなと思ったがそんなことはあるわけなかった。最後は幸福感で満たされる。胸がいっぱいになるということは、こういうことなのだと思った。
自信を持ってオススメできる映画。
お涙を頂戴
映画の至るところで、こちらを泣かせようとする意図が見えます。
それに全部のっかって泣きました。見終わった後はティッシュの山。
農家に買われたサラブレッドのジョーイは、その家の少年に可愛がられる。しかし家庭の都合でジョーイは軍に買われることとなり、その後も戦争の中で様々な人に出会っていく、というストーリー。
馬の真摯さはもとより、関わっていく人たちの優しさが胸に響きました。
特に馬の面倒を見ていたドイツ兵には惚れそうになりました。いい奴です。
馬が喋りだしたりはしませんが、人間じみた行動を何度もとるので、その演技力にびっくりさせられます。
動物の絡む映画はズルいですね。
「勇敢」と言っても、いろいろある。
映画「戦火の馬」(スティーブン・スピルバーグ監督)から。
作品中「勇気」「勇敢」という単語が、何度も登場する。
当然「勇気」がテーマの映画だとわかるが、いろいろな
「勇気・勇敢」の形があることを私たちに伝えている。
「勇気」とは、勇ましい意気、物を恐れない気概。
「勇敢」とは、勇ましく果断なこと。
「果敢」とは、決断力が強く、大胆に物事を行うさま。
物語中、戦争を理由にした、卑劣な軍隊の暴力に対して、
何も抵抗せずに屈した祖父をみて、孫の娘が反発する。
(おじいちゃんは、勇敢ではない、勇気がない、と。)
そんな孫に、祖父がじっくり諭すように呟く。
「『勇敢』と言っても、いろいろある。」
誇りに思えることを、誇りに思わないことも、勇気。
戦場の前線で放たれ、帰るために戦場の上を飛ぶ伝書鳩の勇気。
何も考えず、勢いだけで突っ込んでいくことが、
「勇気」とは限らない、そう私には伝わってきた。
「静かな勇気」の持ち方を、主人公の青年や
「戦火の馬」となった「ジョーイ」に教わった気がする。
PS
今回困ったことは、「勇気・勇敢」のシーンが多くて、
書き出しきれなかったことかな。
思ってたより良かった
そんなに期待していなかったがスピルバーグ作品ということで鑑賞してみた。
もともと動物が好きなので入り込めた。
戦争ものだがそれほどシリアスに描かれておらず、見終わったあともどこか爽やかな感動を覚えた。
かなり奇跡の話だが、人と馬の絆っていいね、と素直に一回は思えてしまう。
動物好き、ヒューマンドラマが好きな人は結構気に入るのではないか。
戦争は人間だけでなく動物も傷つけているのだと再認識。
誰にとっても限りある人生。
人でも動物でも心を通わせられる関係があるっていいことだ。
馬の演技にびっくりする作品
たくさんの馬が出てきますが、皆とても良い演技をしてくれます。
彼らに降りかかる「戦禍」が
あんまりに酷くて悲しくてヒーヒー泣きましたが
納得のいく結末に大号泣でした。
ただ一抹の不安が過ぎるのは
ダスティン・ホフマン主演の新作競走馬ドラマ「LUCK」が
収録中の馬の事故に絡んで
先日、早々に打ち切りが決まった問題。
どんなに安全対策をほどこしても馬が続々と事故を起こし
結果3頭もを安楽死させる羽目になったとニュースは伝えています。
この映画でも劇中、主人公の馬を14頭の馬が演じたそうですが
かなり無理をさせているんじゃないだろうか?
と思う場面がありました。
馬のすばらしい演技は涙を誘いますが
映画自体が馬の「宣禍」となってしまってはいけないとも思います。
スピルバーグさすがです
泣ける
いい映画だよ。
いい映画でした。
第一次世界大戦がいかになんでも有りで、ひどい戦争だったかがよくわかるし、そんな中で敵味方で一頭の鉄線が絡まって最前線のど真ん中でもがく馬を助けるシーンは泣けた。鉄線を切るニッパーはないか?の問いかけに敵方 味方から鉄線切りが何十個も投げられるシーン。
馬が飼い主のところ、故郷を目指し有刺鉄線をひきづりながら激走するシーンは、あれこそ名シーンでしょう。
最高
この映画はただの戦争映画ではありませんでした。
また、この物語の主人公は一人ではありません。
ジョーイというサラブレッドに関わった人すべてが主人公です。
馬と戦争という媒体を通して人間性をみる映画
この人間性が人によっては「きれいごと過ぎる。」と言うかもしれません。
でも、私はこの製作人が、スピルバーグが、人は美しい純粋で素直な心を持っている。持っていると信じたいという願いが感じられました。
製作者の考えが作品にしっかりと投影されている作品は例えそれがどんなものであっても良いものだと私は思います。
映像は綺麗、エキストラの登場人物も常に100人以上、当時の服は糸から選んで作られたそうです。
映画が好きならみる価値はあります。みてほしいです。
スピルバーグって鳥肌立たす天才だよねー。ねー
要するに大好きです。スピルバーグ。
スピルバーグフリークと言っても過言ではないので完全に贔屓入ってます。
まず…馬が喋んなくてほんとよかった!!!原作では馬による「語り」が入ってるそうです。
もしね、これをね、吹き替えで観た場合に…わけわからん若手俳優やらマルチタレントやらが吹き替えしていたらと思うと…ゾッとします。
んで、どうやって感情を伝えるのかというと、目線なんですね。
不思議なことにこれがものすごい伝わってくる。やっぱりうまいスピル。
感動ものとしても十分なんですが、なんといっても見せ場はクライマックスにおける迫力満点の戦闘シーンでしょう。やっぱりうまいバーグ。
特に戦場の隙間を縫って駆け抜けるジョーイ(馬)を正面から捉えるショットは鳥肌モノでした。
けっこうオススメです。
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