劇場公開日 2011年10月28日

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三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 : 映画評論・批評

2011年10月18日更新

2011年10月28日よりTOHOシネマズスカラ座ほかにてロードショー

新たな仕掛けが絶妙な3D冒険活劇

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何度も映画化されてきた冒険歴史小説の古典「三銃士」が、斬新なアイデアと奥行きのある自然な3D映像で、未知の世界を体感できる胸躍る娯楽作に生まれ変わった。

17世紀初頭のフランスを舞台にした物語の大筋は原作と変わらないが、巧みに加えられた新たな仕掛けが絶妙。ダ・ビンチが遺した設計図を元に建造される帆船軍艦スタイルの巨大飛行船が登場し、空から当時の世界を冒険できるのだ。レトロでシャれた飛行船、400年前のパリやロンドンの空撮、その上空で繰り広げられる飛行船バトルと、これまで見たことがない映像のオンパレード。3Dでの雲の質感や風景の遠近感は素晴らしく、飛行船は本当に浮かんでいるように見え、眼下の風景には無限の広がりが感じられる。

この立体感は、宮殿やロンドン塔、ノートルダム寺院を背景にした場面でもいかされている。それら歴史的建造物の想像を超えた大きさや高さ、広さが、考えられたカメラアングルや兵隊などの配置でさりげなく伝わり、スリルやサスペンスを増幅しているのだ。

キャラごとのアクションも考えられている。ミレディは裏切りの悪女で、戦いではなく、大胆で緻密なトリップ破りや潜入のしなやかなアクションで魅せる。実際に剣で戦うのは、命知らずの銃士たち。その場にあるものを利用しながら果敢に多くの敵に挑む銃士たちのアクションは、動きのひとつひとつがきちんと映され、思わず手に汗握ってしまう。また、悪役のバッキングガム公と枢機卿は悪巧みだけで戦わず、余計に憎々しい。主要キャラの苦悩や成長には深入りせず、娯楽に徹して新たな3D活劇に挑戦した作りは心地よく、続編も期待。

山口直樹

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