劇場公開日 2011年10月28日

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三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 : インタビュー

2011年10月28日更新
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ミラ・ジョボビッチが明かすシンプルな夫婦円満の秘けつ

震災後の不安から多くのハリウッドスターが来日を敬遠するなか、親日家として知られるミラ・ジョボビッチが“3.11”以降、初めて日本の地を踏んだ。「いつも感じるのは、日本の皆さんがもてなしの心で、私たちを温かく迎え入れてくれるということ。私にとっても、常にイマジネーションを突き動かしてくれる場所なの」と語るジョボビッチの最新作が「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」だ。フランスが生んだ古典活劇「三銃士」を、夫であるポール・W・S・アンダーソン監督が現代的なアプローチで3Dアクション超大作に仕上げた。作品の見どころはもちろん、夫婦円満の秘けつまでを語った。(取材・文/内田涼)

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これまで何度となく映像化されている「三銃士」。それだけに「過去の作品の“焼き回し”とは全く違う、今の世代に向けた新たな『三銃士』を目指したの。原作の精神を継承しつつ、監督や脚本家のイマジネーションが詰め込まれている」という。「バイオハザードIV アフターライフ」で培った3D技術は、今回さらなる進化を遂げた。「3Dを用いた歴史劇はこの作品が初めてじゃないかしら。美しいお城や景色、それに庭園や衣装。背景となる豊かな自然が、3D映像の利点をさらに生かしてくれたの。映像は息をのむほど美しく、まるで自分がおとぎ話の世界にいるような錯覚を覚えるはず」と自画自賛する。

今回演じたのは、欲望のままに生きる二重スパイのミレディ。若き主人公ダルタニアン(ローガン・ラーマン)やその仲間である三銃士の面々、ヨーロッパ全土の支配を企むバッキンガム公爵(オーランド・ブルーム)ら善悪の垣根を越えて、男たちを翻ろうする役どころはジョボビッチの独壇場だ。

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「でも単純に“悪女”と言いきれない面が、ミレディの魅力なの。当時の男性社会の中で堂々と渡り合っていける能力や才能があるのに、それを発揮しきれていない。だから、愛を捨ててまで“ベストな自分”でありたいと願っているの。現代を生きる女性は、きっと共感してくれるはずよ」。ここまで聞くと、独立したカッコイイ女性といえるが「同時にせつない部分もあるわよね。ミレディが見せる笑顔は、ほとんどが本心じゃないんだから」と表情を曇らせる瞬間も。このツンデレな切り返しに、男たちはまんまとだまされてしまう。

「女性不信になりそうですって? 男性がそんなこと恐れる必要はないわ。いい男女関係を続けるには、男性が女性に対してたった2ワード言ってあげればいいの。“Yes, Dear(うん、わかったよ)”ってね。シンプルな言葉かもしれないけど、女性はそう言ってもらった瞬間、自分が本当に受け入れられたと思えるものよ。人類の歴史上、“Yes,Dear”がどれだけのカップルを救ってきたことか」

夫のアンダーソン監督とは、常に映画作りのアイデアを出し合っているといい「互いに情熱的でクリエイティブなタイプだから、議論が白熱することもあるわ。今回も中世ヨーロッパのゴージャスなドレス姿でアクションに挑んだらどうなるか、なんてことを話し合い、実際に作品に反映させたわ。結果的にこれまで体験した中で、最もチャレンジングなアクションシーンになったと自負しているわ。まあ、私はときどきクレイジー過ぎるアイデアを出して、彼を困らせてしまうんだけど、そんなときでも……。わかるでしょ? “Yes, Dear”って言ってくれるの(笑)」

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女優デビューから20年。キャリアを積む過程で、演じたい役柄や出演作の選択肢も変化してきたというが「大切にしたいのは、自分自身がキャラクターに共感できるかどうか。この人物なら誠実に演じられると、心にグッとくれば、役柄や製作規模の大小は関係ないわ」。

現在は来年9月に公開予定の「バイオハザード5(仮題)」を撮影中。前作に続き、アンダーソン監督がメガホンをとっており、おそらくはジョボビッチが突きつける無理難題にも、笑顔で“Yes,Dear”と応じている……かもしれない。

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