東京家族のレビュー・感想・評価
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名作の証明…「東京物語」へ愛をこめて
山田洋次監督生活50周年記念作品。
レンタルDVDで2回目の鑑賞。
小津安二郎監督の言わずと知れた名作、「東京物語」へのオマージュに溢れた作品。初鑑賞時は「東京物語」が未見だったのでなんとも思いませんでしたが、鑑賞後に改めて観た今回、カメラワークやセット、セリフのひとつひとつに至るまで忠実に再現されていたことを知って、度肝を抜かれました。
しかし、ただのリメイクやオマージュに留まらない魅力がたくさんあるように感じました。松竹大船調の伝統を受け継ぐ山田監督が、名画への並々ならぬ敬意を払いながらも、現代社会に抱く想いをぎっしり詰め込んだのだろうな、と…
根底に流れるテーマは「東京物語」と共通していました。
ストーリーがほぼ同じなのでそうなるのは必然ですが、やはり心に響いて来る。家族の繋がりや他者との関わりが急激に変容していく現代社会で、それと比例するかのように希薄になっていると言われる事柄に対し、監督は非常に危機感を抱いているのかもしれないな、と…。製作段階で発生した東日本大震災を経たことで、より一層他者との繋がりと云う部分に重きを置いて問題定義をしようとしたのかなと思いました。
そんな状況だからこそ、普遍的なメッセージがこめられている「東京物語」をブラッシュアップし、再び世に問う必要性を感じたのかもしれません。それは同時に同作が紛れも無い名画であることの証明でもあり、後世に伝え残していかなければならない作品であることを改めて痛感しました。
※修正(2022/05/16)
東京物語
しつこく山田洋次監督作品で攻めてみよう。 なんとなく小津安二郎監督...
たぶん、絶賛のコメント多いと思うが、自分はそんなに思わなかった。お...
昭和の香り
リアルな家族模様
東京で暮らす子供達3人の元に突然田舎から両親が訪ねてくるというよくある話であるが…本音と建て前がとてもうまく絡み合い心の中を覗かれているようだ。
長男は開業医、次男は舞台美術などの不安定な仕事。
長女は美容室を営み夫は俗に言う「髪結いの亭主」である。
年老いた両親を東京見物にでも連れて行きたいと思う子供達だが、それぞれに忙しく案内出来ない。苦肉の策で高級ホテルに宿をとりゆっくりしてもらうつもりが…柔らか過ぎるベットに慣れず落ち着かない両親。
予定を早く切り上げて帰ろうかと思った矢先に、お婆ちゃんが倒れ…亡くなった。
葬儀に参列するため兄弟は実家に集まる。
無事に式を終えると子供達はいそいそと帰り支度。
長男は父に、東京へ来ないかと話すが、断られた。
子供達には子供達の生活があり、爺さんには爺さんの暮らしが…
遠い親戚より近くの他人とはよく言ったものだ。
長女の性格…嫌いだな。
いい出来だが、小津のことも考えると...
4点にしたのは、とてもよい映画ができたからだ。
とても感動的で、何の不協和音もなくできていると思う。
しかし、『東京物語』を見てから見ると。。。。
先入観でなんとなく違和感が出てくる。リメークじゃないけど、ストーリーはほぼ同じ、セリフにも似ているのがよく出てるという点で考えると..ちょっと中途半端な感じはした。
この映画は現代版の『東京物語』でもあって、山田的な解釈も当然あり得るが、セリフ上に最初のとこ、敬語がいっぱいで、なんとなく現代と昭和のはさまになってしまったーって感じ。まさか小津への模倣で逆効果になったんじゃないか。その一方で後半で紀子は富子にタメ口ばっかりでめっちゃ気になる!!!
もし現代版のなったらセリフは『東京物語』とそんなに似てなくてもいいと思う。似すぎて変だし、あとのタメ口もどうも唐突!
構図について山田監督も非対称な小津調を意識しているだろう。なんとなく小津っぽく感じた。だが、現代の背景の下、色合いも、外の景色も全く違うものになったため、屋内の畳部屋はなんとなく変だし、移動撮影も幾つかあってやっぱり違うかなーと思った。それで、元々時空間転換で用いられた都市の風景も多く描かれ、動的な表象になったのは、まさに山田的な現代都市に対する捉え方になったからだ、言い分もない~
結果的に言うと、見終わってやっぱり小津とは違うなあーと思う!
小津の映画には周吉はそんなに感情的ではなかった、東京は広いもんだけど、小津が描いているのは、現代化の中における親子の間の溝ではない。この映画には、老夫婦と東京との対立が強く感じられる。
小津の映画を見て泣くのではなく、観客に深く考えさせるのに対し、この映画を見たら悲しく泣いちゃう。
もし現代版だったら、とにかくセリフにもっと工夫して欲しい!他の面には本当によくできてる。
昌二のところが本当に好き、、、物語上にとても巧みに小津の紀子と違う紀子を作った!
一杯涙出ました
無理に震災の事を入れたから……
75点
映画評価:75点
感動しました。
妻夫木さん演じるショージが凄くリアルで、この作品に深みが出たんだと思います
今まで子ども達と父親のカスガイとなっていた母親の死。
その母親の代わりとしてカスガイとなっていくのは、家族から落ちこぼれと蔑まれてきたショージとそのフィアンセだろう
誰にでも評価される立派な仕事をしている訳でもないし、親孝行が出来る器量もない、それでも他の兄姉より思いやりがあるくせに口下手の引っ込み思案
自分の周りにもそんな人がいるから、とてもリアルだし凄く身近な家族に感じる
要らない子どもなんていない、必ず家族の何かを担っている
そう教えられました
日本らしさを残した良い作品でした
【2016.3.21鑑賞】
心が暖まった
「東京家族」を観て
リアルな家族模様
東京で暮らす子供達3人の元に突然田舎から両親が訪ねてくるというよくある話であるが…本音と建前がとてもうまく絡み合い心の中を覗かれているようだ。長男は開業医で、急患の往診により両親の東京見物予定をドタキャン。長女は美容室を経営していて忙しい日々。次男は仕事も不安定で両親の悩みの種。今回の上京の目的は亡くなった同僚のお悔みと子供達の暮らしぶりを確認する事らしいが、滞在期間も未定な為子供達は困惑する。忙しなく暮らす都会の子供達と、のんびりとマイペースな田舎の両親が対照的である。子供達から高級ホテル宿泊をプレゼントされ泊まったものの慣れない食事やベットで疲れてしまう所やホテルの清掃員が年配者が泊まった後はとても綺麗だと話している所など頷ける点が多く自分の親と重なります。母親が突然亡くなり堅物の父親が1人島に残ると言う。そんな頑固で近づき難い父親だが実はとても優しい父であり島の人たちから愛されて暮らしているのだ。美しい島の景色と人情を感じジィーんときました。
家族を見つめ直すまでは…
滋子と紀子が好きじゃない
「シコふんじゃった。」から日本アカデミー賞受賞作品の流れで鑑賞。
・・・超ちんちくりんだった( °д°)
長女の滋子さん、ああいうタイプって超苦手。そればっかり考えてしまった。仕切りたがりで、話が長くて、口うるさくて、常に自分が正しいと信じて疑わなさそうで。あなたの価値観=世の中の価値観、じゃないですよ!って言ってやりたくなる。言っても響かなさそうけど。
一番のもやもやエピソードがこれ。
田舎からわざわざ出てきた年老いた両親は、長男の幸一と滋子が手配した高級ホテルに二泊するはずが、雰囲気と合わず一泊で帰ってきてしまった。その二人に対して、滋子は「今夜はうちにいられたら困る」なんて言い放つわけ。商店街の飲み会がどうとかご飯作ってあげられないとか。さすがに言わないでしょ。近所付き合いにどんだけいっぱいいっぱいなのでしょう。夜中までうるさくてごめんって言って、とりあえず出前でも取ってあげればいいじゃん。
そもそもホテルに泊まらせたのだって、いつまでも田舎に帰る日を言わない両親の相手が少し面倒くさくなってきたとかそういう理由っぽいし。まぁわかるけどさ、彼らにも彼らの生活があるから。とはいえ東京のこと右も左も分からない人たちに対して冷酷すぎて引く。
観光に連れて行こうともしてたけど、両親が何したいかとか、どこ行きたいかとか、一回でいいから本人たちに聞きましたか?って感じ。意見を聞いてから持て成せよ。もやもや。
ラストでも、病院では誰より激しく泣いてたし、「お父さんどうするの?」ってしきりに聞きはするけど、具体的にどうしようとか、嘘でも「うちに来たら?」とかは一切言わないし。結局さ、他人の心配しているふりして結局自分のことしか考えてない人。
あー、滋子が嫌い。どこまでも。笑
あと蒼井優が義両親(まだ結婚してないけど)にちょいちょいタメ語なのも超違和感だった。そもそも義両親じゃなくたって、初対面でめっちゃ年上の人に「大丈夫よ」とか言わないと思う。蒼井優は好きだけど、今回の役は全然魅力的じゃなかったから残念。
こういう古き良き日本の家族、って感じの映画、好きだったはずなんだけどなぁ。
ついこないだ観た「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズは全部大感動だったから、時代云々じゃないんだろうな。この家族はなんとなく苦手だった。
東京物語のリメイクということで。 昭和のよき日本、人間模様を描いて...
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