東京家族

劇場公開日:

東京家族

解説

「男はつらいよ」「学校」シリーズの山田洋次81本目の監督作。映画監督生活50周年を機に、名匠・小津安二郎の「東京物語」(1953)にオマージュをささげた家族ドラマ。瀬戸内海の小さな島に暮らす平山周吉と妻のとみこは、子どもたちに会うために東京へやってくる。品川駅に迎えにくるはずの次男・昌次は間違って東京駅に行ってしまい、周平はタクシーを拾って、一足先に郊外で開業医を営む長男・幸一の家にたどり着く。すれ違った周平も遅れてやってきて家族が集い、そろって食卓を囲む。「東京物語」の舞台を現代に移し、老夫婦と子どもたちの姿を通じて、家族の絆と喪失、夫婦や親子、老いや死についての問いかけを描く。

2012年製作/146分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2013年1月19日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第37回 日本アカデミー賞(2014年)

ノミネート

優秀作品賞  
優秀監督賞 山田洋次
優秀脚本賞 山田洋次 平松恵美子
優秀主演男優賞 橋爪功
優秀主演女優賞 吉行和子
優秀助演男優賞 妻夫木聡
優秀助演女優賞 蒼井優
優秀音楽賞 久石譲
詳細情報を表示

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7

(C)2013「東京家族」製作委員会

映画レビュー

2.5小津監督の凄さを再発見

2013年2月9日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

幸せ

「東京物語」をなぞった、という山田監督のコメント記事を読んでから観てきました。
冒頭の長男一家のシーンが本当にそのまんま、でびっくり。さらに、まったく古くさくない、今でもごく普通にありそうなやりとりであることに驚きました。
失われた人間模様などノスタルジーの中で語られがちな・語りがちな小津監督作品ですが、現代風に色付けしてもまったく遜色ありません。むしろ、生き生きと今を写し出しているように感じました。
一方、新たに加味した要素は、活きているとは言い難かったです。特に、あえて震災を持ち出す必要があったのかは疑問。取って付けたような印象が拭えませんでした。「この国」発言の繰り返しも、違和感がありました。
役者さんたちは、それぞれ気持ち良さそうに演じていたと思います。杉村春子→中島朋子は力が入りすぎかと感じましたが…巧いです。とはいえ、個人的には、夏川結衣のでしゃばらない演技に好感を持ちました。
改めて、「東京物語」を大きなスクリーンで観返したくなりました。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
cma

3.5小津安二郎監督作品や東京物語を一度観てみようという気になられた方が一人でも増えたならなら本作はそれで成功という映画なのだと思います

2025年1月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

東京家族

2013年公開
本作は小津安二郎監督の没後50年、その代表作の東京物語の公開60年記念として製作されたのはどこからどうみても明らかです
でもそれを明示しては観客を限定してしまうでしょうから、そのようなことはどこにもアピールされてはいません
ご存知の通り小津安二郎監督は世界の監督が選ぶ世界一の映画監督に何度も選ばれたことがある巨匠です
東京物語も世界一の名画として何度となく選ばれています
山田洋次監督は松竹大船撮影所に入所した若き日に、その教えを受けた直系の最後の弟子になります
ですから没後50年、公開60年記念の映画を撮るなら山田監督を於いて他にいないのです
というか、自分がやらなければならないという使命感がそうさせたのだろうと思います
小津安二郎監督は60歳の誕生日に
お亡くなりになられています
山田監督は本作公開時82歳、今も元気に映画を撮られておられますが、失礼ながら自分ももうそんなに長くなく映画を撮れない日が来るのではないかと思われたのかも知れません
自分がまだ元気な内にこの記念作品はやり遂げなければならないそのような想いで製作された作品だと思います
つまり、本作はその東京物語のリメイクです
ことによるとパロディかも知れません

ですから本家の東京物語を観てなければ一つも面白く無いかも知れません
反対に東京物語を何度も何度も繰り返し見返しているような方には染み入るものが多い映画だと思います
あのシーンがどのように撮られているのか
小津安二郎調というものがあります
それが現代の作品にどのように再現されているのか、元の作品を知っていればいるほど分かってきます
東京物語を観た事もないし小津安二郎監督の名前も知らない方なら
そういうことから置いてけぼりになってつまらない映画という評価になるのも致し方ないかも知れません
それでも、小津安二郎監督作品や東京物語を一度観てみようという気になられた方が一人でも増えたならなら本作はそれで成功という映画なのだと思います

コメントする (0件)
共感した! 3件)
あき240

3.5息子や娘との時間を大事にしたいなと改めて思わせてくれた映画でした。

2023年8月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

息子や娘との時間を大事にしたいなと改めて思わせてくれた映画でした。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
yoccy

4.0ぬくもりのある演出

2023年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

小津安二郎の「東京物語」のオマージュ。

橋爪功、吉行和子の演じる夫妻が穏やかな口調、ゆったりとした物腰といった老夫婦の感じをすごく自然に出していた。とある島の田舎で暮らす老夫婦は、東京で暮らす長男、長女、次男、3人の子どもたちに会いに、東京に旅に出る。ホテル住まいではなくて、長男、次男の家に泊るところが、いまの感覚と少し違っているけれど、家族のつながりを感じたい気持ちがあれば、いまもありえなくもない。

子どもたちが、気を遣って高級ホテルを手配するも、1泊すれば、また長女の家に戻ってきてしまう。老夫婦が東京に子供たちに会いにいく数日間の間に、親子の関係を見つめ直し、家族の絆を感じ合う、そんなひとときがぬくもりとともに演出されていて、何より自然で感動しました。

風景画のように自然な演出が続く、山田洋次監督の匠の技だと思った。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
菜野 灯