君を想って海をゆく

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君を想って海をゆく

解説

イラクからフランス最北端カレにたどり着いたクルド難民の青年ビラルは、恋人の住むイギリスへ密航を試みるも失敗してしまう。そんなある日、かつて水泳選手として名を馳せたシモンは、英仏を隔てるドーバー海峡を泳いで渡ろうとするビラルに出会う。シモンは別居中の妻の気を引くためビラルと特訓を始めるが、やがて2人の間には親子のようなきずなが芽生えていく。「すべて彼女のために」のバンサン・ランドンが主演を務め、「パリ空港の人々」のフィリップ・リオレ監督がメガホンをとる。

2009年製作/110分/G/フランス
原題または英題:Welcome
配給:ロングライド
劇場公開日:2010年12月18日

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(C)2009 Nord-Ouest Films-Studio37-France 3 Cinema-Mars Films-Fin Aout Productions.

映画レビュー

4.0今観るタイミングだった

2021年10月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

移民とか何故クルド人が迫害を受けるのか?数年前までは、興味を持たない限り知り得ない事だった。

最近はアフガニスタンの厳しい情勢で、必死に国外に逃げようとする人々をニュースで見たり、仕事柄入国管理局の対応を目の当たりにする機会もあった。
少し前には東京で差別的な扱いを受けるクルド人のドキュメンタリーを観た。
東京クルドというその作品を観るまで知らなかったが、日本はトルコ出身のクルド人の難民申請を1人も受け入れておらず、仮放免のクルド人が2000人以上いるそうだ。

本作の主人公はイラク出身のクルド人で、フランスから密航しようとする所からはじまる。
イギリスにいる恋人に会うために泳ぎを習う純真な少年と、人生に疲れ果てた元メダリストの水泳コーチ。
フランス政府の移民への差別的な状況がかなり厳しく描かれるのだが、お互いの事情が徐々に明かされて行くたびに、人種も立場も超えて相手の事を思うようになる姿に胸が熱くなる。
地味だが、静かにお互いの関係性を築き上げる姿は実にフラットで人間らしく美しいかった。

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パプリカ

5.0あなたは歓迎する?

2020年8月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

難民(政治、不法)は普遍的問題になってきている。ただ、どこからの難民がフランスに入国しているかは時代によって違ってくるし、フランスの移民政策も大事になる。この映画で2千年の初期はマグレブ地方の難民、不法侵入ではなくアフガニスタン、それに、イラン、イラク、トルコなどに在住しているクルディスタン地域のクルド人が。「移民の選別化」を主張するサルコジ大統領。この情況を踏まえた映画であるから、当時のフランスの実態が窺えるが、いまも移民難民問題をわれわれに問題提示している。

そして、フランスだけでなく、先進国と言われる国々に難民として先進国の福祉援助で生活をして、今ではその2世が語学、文化のハンディーを乗り越えて社会で活躍し始めている。サルコジもそのひとりだった。日本も当時クルド人を一人難民認定したと聞いたことがあるときく。

1980代に米国はアフガン難民を大量に受け入れている。カルフォルニアのフリーモント市にはアフガニスタンのコミュニティーがある。『君のためなら千回でも』(2007年製作の映画)https://filmarks.com/movies/32594/reviews/75874476 という映画はこの作家カリード ホセインKhaled Hosseiniの個人的な経験が入っている。彼はアフガニスタンからの難民一世だが、作家で医者になっている。それに、国連の難民のなんかの組織に入ってもいると思う。

私の知り合いのクルド人は米国に政治難民としてイランがシャー(モハンマド・レザー・シャー在位:1941年 - 1979年)からホメイニの権力に移行したとき移った。これはクルド人ばかりでなく、イラン人が多かったと。

そしてこの映画で2千年初期、当時の大統領はサルコジで、ユダヤ系ハンガリーの移民2世だ。彼は不法移民の取り締まり強化している。合法的な滞在ステータスを持たない労働者に対しては管理を強化する傾向にある。

映画は『2008年2月13日、ロンドンで』と字幕がまず出る。そのあと、フランスの港町Calaisカレイにイラクのクルディスタン地域からきた青年、ビレイ(フィラ・エベルディ)がロンドンの友達の妹と電話で話しはじめる。彼はイギリスに行く予定だと理解する。

ビレイが港でほかの難民に話かけると、『アフガニスタン、わからないよ』言われる。ここで、理解したのは、この当時のフランス、特にカレイはアフガニスタンからやクルドからの政治難民や不法移民が多かったと。The Jungle (カレイの非合法の移民のいる波止場)
でイギリスにいるはずのゾラン(イラクの北方Mosulから) にあう。ビレイがどこを通って、カレイに着いたか説明されていないがアルバニアで電車の下に掴まったことがあると言ってるから、そこを通ってきたのは間違いない。

経済的需要に応える移民を引き上げようと国は考えているけど、ビレイのような難民(戦争が起きている国からの難民)はフランスでは不要と。

私は映画館鑑賞後、2009年の5月の監督フィリップ・リオレの短いインタビューを読んだ。そこで、シモン(バンサン・ランドン)がカレイを一泊させたとき、翌朝、警察が家宅捜査にきたシーンがある。監督はこのことを『不法移民の面倒をみないこと(Hostile Climate) が法律で奨励されている。市民が不法移民を助けたりすると、4万ドルの罰金か5年間刑務所の入れさせられると。これを第二次大戦中の市民がユダヤ人をボランティア的に助けたことと比べている。その時の警察は朝7時に匿ったとされる家をノックして、見つけだしたら、強制送還する。』

サルコジの移民大臣、Eric Besson, はカレイに来て、『人道主義的サービスは不法の民には与えられるが、The Jungle (カレイの非合法の移民のいる波止場)地域は閉じる(12/31/2009)と。そして、ここはアフガニスタンのカブールじゃない。フランスだと。

サルコジは、「移民に対してフランスはオープンだ。でも、誰がフランスに滞在すべきで誰が滞在すべきでないかを決めるのは、フランス国家だ』と言っている。
この映画はフランス、サルコジ政府はだれもを歓迎(Wecome)しないよ。我々の基準に合った移民は歓迎するよと我々に伝えている。これに対する私個人の考えは決まっているが、あなたは?

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Socialjustice

4.0フランスにおける難民問題

2019年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy

3.5☆☆☆☆ ※ 鑑賞直後のメモから (原題の)タイトルが最後に出るの...

2018年1月6日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆☆

※ 鑑賞直後のメモから

(原題の)タイトルが最後に出るのだが、(或る方法で、映画の途中にも表される)難民に対するフランス人の、表の顏と裏の顏。本音と建て前のギャップが激しくて、タイトルが出たときな、胸の奥底に憤りを感じてしまう。

2010年12月25日 ヒューマントラストシネマ有楽町/シアター2

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松井の天井直撃ホームラン