難民(政治、不法)は普遍的問題になってきている。ただ、どこからの難民がフランスに入国しているかは時代によって違ってくるし、フランスの移民政策も大事になる。この映画で2千年の初期はマグレブ地方の難民、不法侵入ではなくアフガニスタン、それに、イラン、イラク、トルコなどに在住しているクルディスタン地域のクルド人が。「移民の選別化」を主張するサルコジ大統領。この情況を踏まえた映画であるから、当時のフランスの実態が窺えるが、いまも移民難民問題をわれわれに問題提示している。
そして、フランスだけでなく、先進国と言われる国々に難民として先進国の福祉援助で生活をして、今ではその2世が語学、文化のハンディーを乗り越えて社会で活躍し始めている。サルコジもそのひとりだった。日本も当時クルド人を一人難民認定したと聞いたことがあるときく。
1980代に米国はアフガン難民を大量に受け入れている。カルフォルニアのフリーモント市にはアフガニスタンのコミュニティーがある。『君のためなら千回でも』(2007年製作の映画)https://filmarks.com/movies/32594/reviews/75874476 という映画はこの作家カリード ホセインKhaled Hosseiniの個人的な経験が入っている。彼はアフガニスタンからの難民一世だが、作家で医者になっている。それに、国連の難民のなんかの組織に入ってもいると思う。
私の知り合いのクルド人は米国に政治難民としてイランがシャー(モハンマド・レザー・シャー在位:1941年 - 1979年)からホメイニの権力に移行したとき移った。これはクルド人ばかりでなく、イラン人が多かったと。
そしてこの映画で2千年初期、当時の大統領はサルコジで、ユダヤ系ハンガリーの移民2世だ。彼は不法移民の取り締まり強化している。合法的な滞在ステータスを持たない労働者に対しては管理を強化する傾向にある。
映画は『2008年2月13日、ロンドンで』と字幕がまず出る。そのあと、フランスの港町Calaisカレイにイラクのクルディスタン地域からきた青年、ビレイ(フィラ・エベルディ)がロンドンの友達の妹と電話で話しはじめる。彼はイギリスに行く予定だと理解する。
ビレイが港でほかの難民に話かけると、『アフガニスタン、わからないよ』言われる。ここで、理解したのは、この当時のフランス、特にカレイはアフガニスタンからやクルドからの政治難民や不法移民が多かったと。The Jungle (カレイの非合法の移民のいる波止場)
でイギリスにいるはずのゾラン(イラクの北方Mosulから) にあう。ビレイがどこを通って、カレイに着いたか説明されていないがアルバニアで電車の下に掴まったことがあると言ってるから、そこを通ってきたのは間違いない。
経済的需要に応える移民を引き上げようと国は考えているけど、ビレイのような難民(戦争が起きている国からの難民)はフランスでは不要と。
私は映画館鑑賞後、2009年の5月の監督フィリップ・リオレの短いインタビューを読んだ。そこで、シモン(バンサン・ランドン)がカレイを一泊させたとき、翌朝、警察が家宅捜査にきたシーンがある。監督はこのことを『不法移民の面倒をみないこと(Hostile Climate) が法律で奨励されている。市民が不法移民を助けたりすると、4万ドルの罰金か5年間刑務所の入れさせられると。これを第二次大戦中の市民がユダヤ人をボランティア的に助けたことと比べている。その時の警察は朝7時に匿ったとされる家をノックして、見つけだしたら、強制送還する。』
サルコジの移民大臣、Eric Besson, はカレイに来て、『人道主義的サービスは不法の民には与えられるが、The Jungle (カレイの非合法の移民のいる波止場)地域は閉じる(12/31/2009)と。そして、ここはアフガニスタンのカブールじゃない。フランスだと。
サルコジは、「移民に対してフランスはオープンだ。でも、誰がフランスに滞在すべきで誰が滞在すべきでないかを決めるのは、フランス国家だ』と言っている。
この映画はフランス、サルコジ政府はだれもを歓迎(Wecome)しないよ。我々の基準に合った移民は歓迎するよと我々に伝えている。これに対する私個人の考えは決まっているが、あなたは?