八日目の蝉のレビュー・感想・評価
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映画制作者たちの罪
一人一人、大変なものを背負わされた人たちを丹念に描いた映画です。
ただ、おそらくは原作者の分身であるはずのライター(小池栄子)のご都合主義が描かれていないのが、たぶん作品解釈の限界なんだろうなと思いました。
だって、この作品は、一から十まで、このライターの都合によって作られた作品なのですから。
主人公の女の子(井上真央)にとって、幸せとはなにか。
それは、育ての親(つまり誘拐犯)のところに戻ることではないのかと、観る者は感じます。
ところが映画では、主人公が育ての親の写真にめぐり合ってオシマイ、となっています。
写真と出会った後にこそ、本物のドラマが待ち受けているはずなのに、どうして尻切れトンボで終わったのでしょうか。
映画のなかでライターが告白しています。
主人公に対して彼女がきわめて特殊な感情を抱いていることを。
この感情に流されてしまって、ライター本人には、主人公の気持ちが読めなかったのでしょう。
そして、語り手側のこの特殊な事情を、映画の制作側もまた見落としていたのでしょう。
ライターは、小豆島での写真発見のシーンまでは、主人公を心理的に支配下に置こうとする行動をしています。
しかし、この写真の発見をきっかけにして、主人公が育ての親を探し始めたなら、ライターはせっかく確立していた心理的支配権を放棄する方向に頭を切り替えざるを得ません。
主人公の幸せを探すなら、それがライターにとって唯一の方法ですが、これはライターが自分自身を高度に客観視できていなければ出来ないし、書けない話です。
だから、映画のシナリオライターも書けなかったのだろうし、もしくは気がつかないふりをしたのでしょう。
ここにこそ、主人公・ライター・誘拐犯三者に重層的に奏でられる、最高のドラマの材料が詰まっているはずなのですが……。
永作博美(誘拐犯)も井上真央も熱演で、佳作であっただけに、尻切れトンボ感が非常に残念でした。
ドラマ派です
重く、暗く、切ない。
数年前にDVDで観たが、先週テレビ放送で再鑑賞。
作品的に間違いなんだが、あまりにテーマが重い。
それはストーリー自体もそうなのだが、出演女優達の演技力に他ならない。
永作博美さん。
昔の話だがとてもアイドル出身とは思えない。
努力してる結果を十二分に発揮してる。
彼女の出るドラマ、映画は大好きだ。
(一部、は?というのもあるがそれは脚本がつまらん)
井上真央さん。
8年前の作品なので、さぁこれから!って時ですね。
NHKの少年寅次郎の母役で新境地。
小池栄子さん。
好きなんよなぁ。ホント上手と言うか器用。
登場からなんだかキョドッてて「なんで?」って思いながら観てるとしっかり回収。
最後に、登場人物の誰一人として救われない。
つらいな〜😖
P.S.吉田羊さんが後半に出演。ちょい役。セリフ一言。
最後のクレジットでもその他大勢の中の一人でしか名前が出てなかった。こういう下積みがあったからこその今なんでしょうね。
BS日テレ。誰も幸せでない恐怖のお話。 檀れい、北乃きい、ドラマ版...
永作博美さんの演技は凄く引き込まれる、物語としては好みではなかった。
子供を誘拐された相手の奥さんは永作博美に暴言をいうなどあえて悪い人に描かれている。もし現実だったら、被害者なんだから、きっと相手の奥さんに同情し、相手の奥さんの肩を持つと思う。誘拐し親子の時間を奪った永作博美さんを許せないと思うと思う。しかしこの物語は、誘拐犯にフォーカスが当たっている。そのため、誘拐犯(永作博美)に感情移入してしまう作品になっている。
演技は圧巻。永作博美がもしかして本当の親なんじゃないのって錯覚する。ちゃんと愛をこめた目をしている。すごい。
感動したという感想もあるが自分は泣けなかった。
長いな〜、まだ終わらないのか〜、からの突然のラストという印象。
そこで終わるんだ…うん。
小池栄子より、もう少し井上真央に年が近く見える子をキャスティングして欲しかったかな。小池栄子だとお姉さん感が強くて年近い設定がぶれて感じる。
劇団ひとりさん、好きなんですけど、真面目に演技うまいんですけど、どうしても、そういう芸に感じちゃう。ごめんなさい。この役もモブになりうる売れてない俳優さんとかで良かったかも。
ラストの歌、震災後のMステで中島美嘉さんが歌っていた記憶がある。自粛ムードの中歌うのは凄く勇気がいっただろうな。いろいろ重なってなんだか寂しいラストだった。
嫌な予感が的中
子供を勝手に堕ろそうとすんな!
原作忘れた頃に観ると素晴らしい
公開当時に原作を読んだばかりでみたので、原作との違いがとても気になり今ひとつだったのですが、数年たち、記憶もすでに薄れた状態で改めて見てみました。
原作の映画化は二時間の尺の為に削らなければいけない部分があったり、小説のように主人公の心理描写を映像で表現するしかないハードルを超えられず失敗する映画も多い中、改めて映画を見てなかなかの名作でした。
原作を読んでいると、どうしても頭の中に出来上がったイメージがあるので純粋に受け止めるのって難しいですね。
全ての元凶は
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