ブラック・スワンのレビュー・感想・評価
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どちらかというと苦手
以前から言っているとおり、私はアカデミー賞で評価されるタイプの映画は、どちらかというと苦手なことが多いようです。
『ブラック・スワン』も、やっぱりそっち系な気がしました。でも、この映画の評判がいいのは、何となく理解できました。
レオナルド・ディカプリオ主演の『シャッターアイランド』という映画があったけど、精神が崩壊していく中で、何が事実なんだかわからない倒錯した世界を描くという点では、似ているのかなあ。それをバレエの世界で描いているので、ずいぶん雰囲気は違うかもしれないけど。
ハンディカメラを多様していて、歩いたり踊ったりしている人物を舐め回すようにカメラも動き回るので、見ていてちょっと疲れました。
ナタリー・ポートマンは、すごくよかったと思います。
シックス・センスの時みたいに、ビクッってする場面あり。
ナタリーポートマン主演のサスペンス・スリラーですよ。
物語は~
バレエダンサーのニナは、とにかく真面目な性格。
白鳥の湖の主役の座を掴んだものの
性格が踊りにも反映しているため
儚げな白鳥の踊りは完璧に踊ることが出来るけれど
王子を誘惑する黒鳥の踊りが上手く踊ることが出来ません。
演出家や新人バレリーナ、そしてニナの母親との関わりを織り交ぜながら
ニナがだんだんと精神的に追い詰められていく様子が描かれていきます。
話が後半に進むほど、怖さが増していきますよ~。
幻覚と現実が交錯する中、ニナが見る映像に
ヒェ~~~!と思わず力が入っちゃったりして。
私が注目したのはニナの母親。
過保護というだけではなくて
実はニナにすっごいプレッシャーかけまくってるんです。
私も2人の子を持つ母ですが・・・
こんな風にならないように気を付けようってしみじみ思っちゃった。
ナタリー・ポートマンは見事!この作品でオスカーの主演女優賞をGET!
うんうん、納得。なかなかの演技でしたよ。
Hなシーンも結構あったりしますし。頑張ったなぁ~って。
ただ、役作りのために10kgの減量をしたとかで
普段から外国人の女優さんとしては
それほどメリハリのあるボディではなかったのに
ガリガリになっちゃって・・・。
ホント痛々しいって感じでした。
更には、役に飲み込まれていっちゃうしね。
私で良ければ友達にしてください。そんなに悩まないでぇぇ~~~!
と声を掛けたくなるほどでしたよ~。
え?困った、大変じゃん!
なぁ~んだ、良かったよぉ~。
なに?やっぱり、そう来るか・・・
みたいなエンディングです。
そうそう今回、ガルガリなナタリーポートマンですが
最後のカット、顔のアップがとても綺麗なので
ちょっとホッとしたりしましたよ。
ブラックスワン星は~
4つです。
崩れゆく魂はおぞましくも美しい
公開2週間足らずでレビュー総数40件近くって凄ッ。
いやー、こわいこわい、こわいこわい映画でしたね(淀川長治さん風に)。
小説・絵画等々、芸術と呼ばれるものを求める人間には
己をトコトン追い詰める破滅的な方も多いようだ。
本作の主人公ニナも然り。
幼い頃からバレエしか与えられなかった彼女は、
バレエダンサーとして成功するしか自分を
この世界に存在させる手段は無いと信じ込んでいる。
ニナが崩壊するに至った理由は様々だし、その引き金となったのは
奔放なリリーの出現だろうが、問題の根幹はやはり母親だと思う。
娘に己の夢を『代理』させる母親の、娘への執着たるや凄まじい。
娘の顔を描き殴り、小鳥のように飼い慣らし、
優しい笑みの直後に憎しみの言葉を口にする。
僕にはニナが『自分が生まれた事で母の夢を奪ってしまった』
という変な罪悪感(プレッシャー)を感じているように見えた。
それとニナが性的衝動を抑圧するのも、この母親自身が男性に対して
不信感を抱いてるからじゃないんかね。はっきり描かれてる訳じゃないけど。
あの母親にもう少し焦点を合わせたら更にオソロシイ映画になったのでは、
と勝手なことを言ってみる。
話題を変えます。
映画内で繰り返される裂傷のイメージ。
やけに耳を突く、皮や肉の裂ける音、服の擦れる音、骨の軋む音。
ひとつの肉体にふたつの相反する魂は入れない。
ニナの肉体が裂け、軋み、変形する様は彼女の『変身』とも取れるが、
入り切らなくなった魂が肉体を破り出ようとしているようにも見える。
——卵殻を破り生まれ出るイメージ。
思うに、何かが破裂・炸裂する様っていうのは美しいんですよ。
原子核が分裂する時に膨大な光熱を放つように、壊れるってことは同時に、
それが有している何らかのエネルギーを外にぶちまけるって事なのでは。
そして我々はそのエネルギーを受けて凄いとか美しいとか不快だとか
おぞましいとか自分なりの感情に変換してるんじゃないかしら。
圧力が強ければ強いほど、破裂の際のエネルギーも凄まじい訳で、
クライマックスのニナはいわば、
ぎゅうぎゅうに圧縮された魂を燃料に炸裂する花火だった。
そして彼女は白鳥と同様、死により自由を得る。
あそこで死ななくとも、いずれはあの“姫君”と同じに朽ち果てたろう。
物語の開幕から、彼女にはあの結末しか用意されていなかったのかもしれない。
<2011/5/14鑑賞>
迷っている方、劇場へ!!
久々に、評価通りに裏切りなく感動出来る映画です。
ナタリーが凄い、これがアカデミー賞演技だって。
あっという間の2時間でした。
ぜひ、劇場鑑賞 お勧めします。
それより、役のせいもありながら、“ノニー”月日の流れを痛感。
色々あったけど、頑張って!!!!
ポートマンの白から黒への変容ぶりに、鳥肌が立ちました。
とにかくポートマンの白から黒へいきなり変容する演技が凄すぎて、息をのみました。アカデミー賞を取ったのも当然の作品でしょう。
ただポートマンだけが評価されるのは、異議ありです。本作のダーレン・アロノフスキー監督の観客を突き放しつつも、巧みに背景を推測させていく、演出の巧みさにももっと評価されるべきでしょう。そして、小地蔵がマイベストとしてリスペクトしている監督の前作『レスラー』と同様に、主人公が追い込こまれて、崩れていく描写のうまさも特筆ものであると感じました。
ちなみに本作は、元々「レスラー」の伏線としてストーリーが考えていたそうです。しかし、とても描ききれないと判断して、スピンアウトして誕生したのが本作です。どことなく二つの作品には、共通した哀しみが漂うのも、「一卵性双生児」だからでしょう。そして、二つの作品に共通するもう一つの点として、「何かに取り憑かれる人々」の物語であるということができます。
主人公のニナは、ニューヨークのある一流バレエ団に所属し、バレリーナとして人生の全てをバレエに捧げる日々を送っていました。母は元ダンサーで、今では絵画を描く日々を送っている。母は自分が果たせなかったバレリーナとしての夢をニナに託し、ニナに対して過剰なほどの愛情を注いでいたのです。そんな母の願いを受けて、ニナはプリマ(主役)を目指して努力する生真面目な女性でした。
そんなニナにチャンスがやってきます。興行動員が落ち込んでいたバレエ団は次の公演で新演出による『白鳥の湖』の上演を目指すことになったのです。しかも、芸術監督ルロイは、これまでのプリマだったベスを引退させて、新たなプリマを抜擢すると発表しました。
ニナも候補に入り、果然ルロイにアピールします。しかしニナには根本的な欠陥がありました。『白鳥の湖』の主役は、純真で無垢な「ホワイト・スワン」と官能的で邪悪な「ブラック・スワン」の二役を一人で踊らなければならない役どころ。相反することがらをひとりで表現できなければならないのに、ニナは箱入り娘で育ったせいか、潔癖症なため、全く官能的な表現ができなかったのです。
それに対しライバルのリリーは、自由奔放で男を誘惑することに長けていて、ブラック・スワンをその身で体現しているような踊りをニナに見せつけます。ニナは焦って、「ブラック・スワン」に成りきろうとすれば、自分のなかに宿るダークサイドな一面を見つめざるを得なくなります。それがラストにとても危険なことにつながっていくことを、本人も気がついていませんでした。
ニナのダークサイドな一面の端緒は、オーディションのとき、いきなりキスをしてきたルロイの唇を噛んでしまうようなところに。ニナに意外な面があることに気付ついたルロイは、自分の考えを翻し、ニナを主役に抜擢したのてす。
しかしプリマの重圧から、ニナは精神的に疲れ、幻覚や妄想といった精神病的な症状に悩まされるようになっていきました。もしもの時の代役として控えているリリーが、自分がせっかく射止めた主役の座を奪おうとしているようにも思えてならなくなっていたのです。ルロイは、ニナのブラック・スワンを演ずる時の寒々とした完璧主義的な踊りを厳しくダメだしします。相手役の王子を性的に魅了するような情熱に欠けていたのでした。
トマスのアパートに立ち寄ったニナに、ルロイは自身で性的な喜びを追求することが必要だと言って、ニナを帰してしまいます。女としても、見てくれないことにショックを抱くニナでした。
帰宅したあとのオナニーシーンが色っぽかったです。またリリーとレズビアン的なセックスもあり、まさにポートマンは役に体当たりしています。
「レスラー」同様、舞台裏の楽屋や狭い廊下で主人公を追うのは、主に手持ちカメラです。しかし「レスラー」のドキュメンタリー・タッチに対し、こちらはまるでホラー映画のようです。ニナの狂気は具現化され、「エクソシスト」で悪魔に取り憑かれた少女のように、邪悪な黒鳥に変わっていくのです。その映像は圧倒的。
バレエのスタジオや楽屋に無数にある鏡が、ニナの姿を様々に映し、やがて合わせ鏡の中の像が無限に分裂していきます。同時にニナの中の白鳥と黒鳥も分裂し続け、決して止揚されません。ついには黒鳥がドッペルゲンガー(もう一人の自分)となって暴走しだします。不安定な手持ちカメラの生々しさ。鏡の中の顔が悪魔の形相に変わるショック。ホラー映画のテクニックを駆使し、ニナの見る幻想が異様な緊張感と官能で描かれます。
本作で、鏡は重要なシンボルです。ニナはいつも鏡を通じて自分を見ていました。鏡は、時としてニナとは違った行動をとったり、そこに写るべきものが写さなかったり、不思議な描写をします。それが意味するのは、「鏡を通じて作られた自分」であり、鏡とは自分をコピーのように育て上げようとした母親を意味するのではないでしょうか。「鏡」の一部で行うラストの衝撃的な行動は、母親からの自立を目指したかったからではないだろうかと思えました。それをふりきるためには、数多くの苦悩とこれほどまでの犠牲が必要だったのです。「私、感じてたわ。完璧よ。私、完璧だったわ」という最後の言葉は、やっと母親に認められて、母親から卒業できた安堵の言葉だったのかも知れません。
圧巻は公演シーン。ほぼ完璧にバレリーナになり切ったポートマンの演技が本作に命を吹き込んでいました。撮影前の10か月間、毎日5時間に及ぶトレーニングを積み、9キロの減量をして、たっぷりとある踊りの場面のほとんどすべてをこなしたそうです。
少女時代にバレエの経験があるとはいえ、本物に見せるには超人的な努力が必要だったでしょう。演技というレベルを超えた、狂気すら感じさせます。ポートマンもまた、ニナという役に取り憑かれたのではないでしょうか。
観客もまた、主人公と共に取り憑かれて、迷宮をさまようことになった2時間でした。
追伸
但し、引きのショットは極力回避されているものの、群舞などの引きのシーンでは、ナタリー・ポートマンの顔面をCG合成しているようです。バレエでは、全般的にバストアップの構図を多用することで、表情などの演技に観客の視線を集中させ、彼女の踊りの未熟さを上手くカバーしてしまっているところが、上手い撮り方だなと思えました。
ポートマンに埋もれてしまった格好ですが、ヴァンサン・カッセルもなかなかプレイボーイぽい舞台監督を好演していたと思います。
切実な痛さ
皆さん、こんにちは(いま5月19日10:50頃です)
皆さん、大絶賛されてますね。
だから、僕は違う切り口でこの映画を評価したいと思いました。
それは「痛さ」です。
たとえば、
①ささくれ立った指先の皮をむくことだったり
②なぜか、背中についた擦り傷だったり
③背中に刺さっていた棘だったり
④バレエダンサーの職業病のような足の爪が割れたり
⑤おなじく、足の指がくっついて離れなくなっちゃったり
と「痛さ」が満載です。
精神的に追い詰められるニナだけど、
肉体的なところからも、これでもか、これでもかと攻め立てくる。
実に痛いんです。ひとつひとつは耐えられないことはないけれど、
波状攻撃にようにやられると参ってしまう。
僕もその痛さに耐えられなくなって顔をしかめてしまったのです。
アロノフスキー監督は前作「レスラー」でも痛さを表現していた。
流血の場面やイスでぶん殴るシーンなんかはリアリティたっぷりでした。
それがある意味、虚構であっても。いや虚構であればあるほど、
リアルな感覚が必要なんですね。
その監督のサディズムの耐えたナタリー・ポートマンもまた見事。
ずいぶん、やせましたもんね。
そして、ブラックスワンになりきった。
アカデミー主演賞は当然でしょう。
白鳥から黒鳥へ、ジェットコースターのような映画でした。
評価A+
追い込まれる
ニナの妄想であるとわかっていても、見ている自分も
引き込まれ、追い込まれました。
作品として客観することに慣れない私のようなタイプ
だと、健全な状態でなければダメージを受けるかも。
それだけナタリー・ポートマンの演技がよかったと
いうことなんだと感じてます。
狂気の満ちた執念
本当にナタリーポートマンの為に作られた映画です。白鳥の湖の主役を演じきるまでの狂気に満ちた、凄まじい執念が感じ取れます。さすがアカデミー賞を取った演技だと思います。何がおこるか引き込まれていきます。それにナタリーポートマンが美しい、最後までめが離せません。
なりきるが為に…
白鳥の湖。
ニナは劇の進行と重なるような体験をし、ついには完全な白鳥の女王になります。
なりきった初日ほどの名演はできないでしょう。
それがまた復帰した彼女の新たな壁になる。
しかしそれを乗り切れば、より素晴らしいダンサーになるはずです。
映像美に圧倒
演技の素晴らしさにも
見てて痛くなるほどの熱演でした。
これはバレエ映画であってバレエ映画ではない
ニナの深層心理を描いたスリラー。ニナを追い詰めるのは、大役を演じることへのプレッシャー、役を奪われることへの恐怖心、そして過保護の母に対する嫌悪と苛立ちだ。
仲間に役を奪われるのではないかという猜疑心は、とくに新鋭のリリーに向けられる。リリーには、自分にはない天性の才能があることを察しているからだ。ましてや、自分がプリマドンナに抜擢された陰で、ベテランのベスが半ば追放のような形で引退させられたばかりだ。
自分を恨んでいるに違いないベス。私生活を知れば知るほど妖艶な魅力が炸裂するリリー。両者の板挟みでニナの心はずたずたになっていく。
そもそも根本にあるのが本作の題名でもある〈ブラック・スワン〉だ。清楚な白鳥は踊れても、生真面目なニナに黒鳥は踊れない。黒鳥を踊るためには、ニナ自身の闇に潜む魔性を解き放たなければならない。
だが、そもそもニナにそれほどの魔性があるのか、ナタリー・ポートマンからは魔性の怪しい香りはかけらも漂ってこない。これも演出なのか、最後は一気にテンションを高めてみせる。ナタリー・ポートマンの迫真の演技と効果的なCG処理によって、我が身を傷つけてまで狂気の世界へと羽ばたくニナの姿が描かれる。
湖をすすむ優雅な白鳥。その漆黒の湖面の下で渦巻く心の葛藤。完璧を求めること自体が自信の無さの表れと気づかないひとりの女の性。
これはバレエ映画であってバレエ映画ではない。
ナタリー・ポートマンの魅力が炸裂
ナタリー・ポートマンの魅力を存分に活かした映画。この映画はきっと彼女の代表作に一つになるだろう。結構色っぽい場面もあり、悩ましいナタリーも印象的。「白鳥の湖」というバレーの勉強にもなった。ストーリーは単調でやや不満が残る。
白鳥が孕んだ黒鳥
ラストのどんでん返しは、昔からよくあるパターンだ。
心理スリラーとしては、ほぼ完璧な映画だろう。
(敵役のミラ・クニスの踊りはバレリーナに見えないが・・)
生真面目な人間ほど、プレッシャーに弱く、壊れやすい。
少女漫画にも、この映画に似た心理劇は何度も描かれていて、
映画を見終わって、山岸凉子の「天人唐草」を思い出した。
人格が、少しづつ壊れていく様の凄まじさを
山岸凉子は手を変え品を変えて描き出している。
バレエのテクニックを楽しむ映画ではない事はわかっていたが
母と子の繋がりが「ターニング・ポイント」(邦題は「愛と喝采の日々」)
のシャーリー・マクレーンとレスリー・ブラウンを思わせる。
「ターニング・ポイント」はミハイル・バリシニコフの「海賊」を見る
だけで一見の価値があったなあと、また見たくなった。
清楚な白鳥のようなニナの中に、醜い欲望の権化である黒鳥はいつ
住みついてしまったのか
母親との確執が発端なのか、彼女の脆い心が強い自分への変身を
無意識に望んだのか
そのあたりを掘り下げてくれていたら、ニナの苦しさがずっと重く
心に残ったのだろうが・・
エロすぎてイッちゃう映画
すごーくエロい作品です。
“I FELT IT. PERFECT...I WAS PERFECT”と言うラストのナタリーの表情は“恍惚、エクスタシー”そのものです。
それと同時に観客もエクスタシー感じることのできるラストです。
映画で昇天するような体験をさせられるなんて、この監督は凄いと思います。
でも間違いなく監督はド変態だと思います。
本当に拍手したくなるようなラストです。
追い込まれて黒鳥。
長年の夢叶って、ついに主役の座を射止めたプリマを襲う妄想受難劇。
今作で見事N・ポートマンはオスカーを獲ったが、彼女の演技力がなければ
これといった見所に欠ける作品^^;かな。とにかく出ずっぱりで頑張るので、
これでオスカーを獲れなかったら、ますます二ナが可哀相(コレも妄想)なんて
こちらまで思えてしまう怪作。メイクのおかげで、さすがに黒鳥は怖かった。
白鳥の湖でオデットとオディールとの差を埋められず悩み苦しむバレリーナ、
っていう話は昔から漫画等で読んできた記憶がある。なのでもの珍しくはない。
またホラー専門家にいわせると今作は、数々の名作ホラーのオマージュ的な
部分を用いて多用しているとの事、だからこんなに怖いんだ!?な演出が巧い。
完全主義者(に育ってしまった)が強迫性障害に苦しむ話なので、ホラーよりも
心理スリラーに近い気がする。とにかく全編に渡って緊張度が高く目が離せない。
ナタリーの演技はさておき、彼女のバレエがボディ・ダブルだとそっちで騒がれ、
なんだか気の毒な気がした。私もバレエに詳しい訳ではないが、彼女の身体は
どう見てもプリマには見えないし^^;元々そっちを優先する映画なら、最初から
現役ダンサーでも使って演技させればいい話で、そこは重要ではないと思う。
あくまで追い詰められた彼女のひとり心理劇、こっち側の意見や周囲の反応は
最初から関係なく、彼女中心に彼女目線で徹底された一人称劇なんだと思う。
こちらは彼女が原因に気づくまで延々と彼女の妄想に付き合わなければならない。
で、疲れるわけです…^^;すごいんだもんね、ホント頑張ったなぁと思いますが。
あの母親^^;あの芸術監督^^;さらに新人ライバル^^;辞めさせられた元プリマ^^;
いや~どれをとっても彼女を追い詰める人ばかり(爆)
この二ナという子がもっと強ければ、これくらいのプレッシャーなどはねのけ、
もっと早い段階で主役級を射止めていたような気がするんだけど、何しろもう
冒頭から委縮した表情しか見せない、常に不安で気が休まらない神経質な所を
あますことなくナタリーは表現している。この神経症の彼女だから(純真真面目)
監督があのくらいのセクハラを仕掛けないと開眼できないのだろうなぁと思う。
確かにあの監督は(V・カッセル巧すぎ)エロばかりを仕掛けてくるが、そうでも
しないといつまでたっても二ナは枠からはみ出ることができない、舞台の成功
のみを目的とする監督ならあの程度は仕掛けるかも?現に元プリマもそうだった
みたいだし^^;…しかし痛々しかったですねぇ、W・ライダー。自己ネタみたいで。
どんどん追い詰められていく二ナは、更に妄想を増し、ついには現実より妄想の
強迫観念にとり憑かれる。新人が自分を貶めようとしていると錯覚した二ナは、
ついに当日、自傷行為にまで及んでしまうが…。
いや~もう、ここまでくるとアッパレ。としかいいようがない。
二ナに対し、よく演じきった!とは思うけれど、これでは彼女が死んでしまう。
まずはバレエから離れて、精神科に通うことをお勧めします…なんて言ったら^^;
私も尖ったガラスで…? ギャ~ッ!! 刃物に弱い方はご注意ください。
(もうすぐ産休ナタリーはまだまだ公開作控えてます。今後とも挑戦あるのみ!)
ナタリーに恐怖を感じました。
見終わった後にわかったことは、
完ぺき主義の人って怖いんだな。と。
でもそれぐらいの勢いではないと偉人にはなれないんだろうな。と。
勉強させていただきました。
映画は、最後まで引き込まれ続けます。
ナタリーポートマンに対して、
さすが。としか言いようがありません。
見て損はありえません。
ではまた。
色々な意味で壮絶映画!
兎に角、一言壮絶な映画でした。
本映画のジャンルはサイコスリラーですが、これまで観た同ジャンルのどの映画よりも衝撃的でした。
何よりも、映画に引き込まれます。
主演のナタリーポートマンの息遣いや感情が、映像からヒシヒシと伝わってきます。
見終わった後に、血流が多くなり、アドレナリンが分泌されているのが分かりました。
それ程、精神と感情を揺さぶる映像でした。
これまで色々な映画を観て来ましたが、価値観が変わる程の衝撃でした。
ナタリーポートマンがオスカー受賞するのも納得です。
本映画は是非、映画館で観て欲しいです。
オススメです。
ただ、想像以上に凄まじいので、心して観に行ってください。
美と官能とトラウマと闇
どこからどう感想を伝えたら良いのでしょう。
主演のナタリー・ポートマン、清純さ漂う美の表現に始まり
大人のようなまだ幼さも残すような官能的なシーン。
そして母親との葛藤。
それらが織り混ざって、終盤の心の闇との、現実とも幻覚とも
つかない闘いへ。
この全ての表現が、主演のナタリー・ポートマン素晴らしかったです。
特に終盤の黒鳥の眼。
魔性、狂気入り混じる迫力ある眼。
これを観た時に、スクリーンに引き付けられ、時間が過ぎるのを
忘れるように魅入りました。
観る前に思っていた想像とのギャップは、良い方に見事裏切られました。
私の中の、今年一番の映画になりそうです。
美しき悪夢
バレエを題材にした映画と言うと、華麗な映画を思い浮かぶが、それを覆すようなダークで愛憎渦巻くスリリングなスリラーだった。
とにかく凄い衝撃作。
まるで「愛のむきだし」を見た時のような。
ナタリー・ポートマンの演技については、もはやあれこれ語る必要は無い。
言葉で語るのが表現出来ない程、圧巻。
母親の必要以上の愛情、監督のプレッシャー、ライバルからの嫉妬…それらを目の当たりにした無垢だった白鳥が、自らの心の闇によって解き放たれ、黒鳥へと変貌していく。
その終盤への盛り上げ方、叩みかける演出は凄まじく、名曲の素晴らしさと共に興奮さえしてしまった。
「告白」同様、並のホラー以上にホラー。
一番怖ろしいのは、人間の心の闇なのだ。「ミスト」もそうだった。
そこに華麗なバレエがコラボされ、怖ろしくも美しい映画が誕生した。
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