モンガに散る
劇場公開日 2010年12月18日
解説
1980年代の台北・モンガを舞台に、裏社会に足を踏み入れた若者たちのきずなと運命を描いた人間ドラマ。繁華街の裏側でいくつもの組織が抗争を繰り広げるモンガの街。高校生のモスキートは、街で最高の権力を握るヨウカウ組親分の息子・ドラゴン率いる不良グループと仲良くなり、彼らとともにケンカに明け暮れる日々を過ごしていた。やがて、彼らは激化をたどるモンガの抗争に巻き込まれていく。「ビバ!監督人生!!」のニウ・チェンザー監督がメガホンをとる。
2010年製作/141分/PG12/台湾
原題:Monga
配給:ブロードメディア・スタジオ
スタッフ・キャスト
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モンガは台北の歓楽街。台湾ヤクザ映画でクライムアクションものではあるけど、友情とか仲間の絆などがメイン。終わり方まで脚本がよく練られてる。
全体的に昔気質なのがイイ。胸熱な名作。
2019年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
オシャレな映像と音楽で展開していく軽やかな映画のように感じたけれど、ちょっと長すぎて、内容も見た目とは真逆のような重々しさを感じたので、多少拒絶感をもってしまった。とはいえそれはあくまで個人的な感情であって、このギャップを楽しむというところも大いにあるのかもしれない。
ただ、裏側に潜んでいる血縁の設定にはものすごく違和感をもってしまう。それによってより複雑な感情の絡み合いを狙っていることは明らかだが、なんだか見ているところに余計な壁があるように感じてしまった。というのも自分はこの洗練しようとしている映像や音楽を楽しみたいと思って観賞していて、そこにもっと深いものを押しつけられているような気になってしまって、それ要らない・・・みたいな気持ちになってしまったので。
もっともっと華麗に悲しく散っていく儚い青春みたいなものが欲しかったなー、と勝手に思ってしまった。
2018年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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昨年の秋に台北でLGBTのデモンストレーションに遭遇してから、台湾社会における同性愛者の存在感について考えることが多くなった。
90年代民主化前後、彼の地の映画(渡米して作品を撮った李安の作品も含めて)で同性愛が取り扱われることが多い気がしていた。しかし、これはあながち単なる「気のせい」ではない。
民主化と同時に、いや民主化によって既存の価値観が社会の様々なレベルで崩壊したからこそ、台湾社会では同性愛者たちがいち早く「市民権」を得たという仮説が成り立つ。そのような状況の中で、彼らが描かれた作品が目立つことは必然であろう。
この「モンガに散る」も、そのようなLGBT映画の系譜に連なる一本である。
モンクのドラゴン(台湾の言葉のあだ名を英訳したものを字幕へ採用することへの違和感はさておき)への愛憎はまぎれもなくホモセクシャルを描いている。もちろん、悲しいまでにプラトニックなものなのだが、これはまぎれもなく性愛としての男の男に対する愛情を描いている。
そのことの証左は、ドラゴンの恋人に対するモンクの冷ややかな視線や、官僚や経営者にすらなれたかも知れない学業成績にもかかわらずモンクがやくざの道へ進むことに認められる。
しかし、決定的なことは、ドラゴンの父への感情の変化とその後の行動にもかかわらず、親分の息子としての恩恵を一身に受けているドラゴンへの愛情は変わらないということである。単なる友情などでは説明のつかない、ドラゴンに対するモンクの根源的な感情がなくては、モンクの最後の「甘さ」は説明がつかない。
何度も映し出される淡水河から圓山大飯店を望むロケ地は忠孝橋であろうか。しかし、転校したてのモスキートがクラスメイトに追い詰められる河川敷は、台北大橋の下のように思える。いずれのロケーションも、モンガの町や台北の社会をその周縁部分からしか眺めることの出来ない、モスキートの視点を象徴している。遠くに見える圓山大飯店が寂しく見えるのはそのせいだ。
やくざ映画に仮託して、社会の周縁部分でしか生きられない少年たちのやりきれない悲しさを描き切っている。
2018年1月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館
台湾にすんでた頃、中国語字幕で何回も見た映画。
台湾語が多くて、字幕のみでは追い付けなかったのもあるけど、こんなに何回も見直す映画はモンガ以降なかった。
台湾の人たちはこぞってあんな映画見たらダメっていってたなぁ。でも、学校では教えてくれない汚い言葉満載でとても勉強にもなったんです。
今回日本で初めて日本語字幕にて観賞。
10年ほど経ってもやはりぐっときました。
最近監督も捕まっちゃいましたが、演技にしても、その後の作品「愛」とか好きだったので、また復帰されること期待します。
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