キャストの女子率の高さに、バランス悪くないかと思った。原作の有川浩は男だろ?と言ったところ、有川浩は女だよと言われた。
なるほど、いわれてみれば登場人物の男性陣は添え物のように存在するだけだったな。ギリギリ勝地涼演じる圭一クンだけちょっとあったけど、ゴニョゴニョあって結局、添え物的ポジションに落ち着くからな。つまりこれは女子映画なんだ。
一緒にいる人に同調してしまう女性に対して、もっと自分の価値観で生きていいんじゃない?価値観の違う人と無理して一緒にいる必要ないんじゃない?と、簡単にいえば最近流行りの女性の自立に関する作品で、これが10年以上前とはおそれいった。
大袈裟で極端な描写はあるものの大筋で良い映画だと思うが、なんとなーくメチャクチャ面白かったとならないのは女子映画だったからで、ついつい劇的な刺激を求めてしまうのは、もう仕方ない性なのか。
ここ何年かは気にせずこのような作品も観るようになったけれど、もっと若いときは女性が主人公の作品など観なかったからね。
そういう意味では男主人公の作品ばかり観続けてきた女性というのはアホな男と違って寛大なんだな。その寛大さ故の同調ということだろうか。
ネタバレになるので詳しく書けないが、セリフで説明されない心境の変化を、何度か映像で上手く描けていたのはとても良かった。
折角映画なのだからセリフやナレーションで全部説明されるのは退屈だからね。
副題のせいで同じ車両の中に全員集合するニュアンスを感じたけど、全くそんな作品ではなくて、この路線を利用しているキャラクターが少しだけ交わって生まれるドラマで、真ん中で半年くらい時間も進む。
ここに書く締めの文が思い付かないなと考えていたら、ふと、本作のラストのセリフを思い出した。
そのセリフは作品の本質とは直接関係ない、しかし、それとなくまとめに相応しそうなセリフで、原作か脚本かはわからないけれど、今の自分のような気持ちで書いたのかもなと可笑しくなった。