☆☆☆★★
※ 鑑賞直後のメモから
是枝裕和監督作品で撮影を担当していた山崎裕の監督デビュー作品。
渡辺真起子の不思議な世界へようこそ!
安藤サクラの奔放な世界へようこそ!
いつでも自分の殻に閉じこもってしまう姉。
姉のモノなら服でも何でも、彼氏でさえも奪い取ってしまう妹。
日々自己の世界で生きる姉の生活の中に、ずけずけと入り込んで来る妹。
渡辺真起子と安藤サクラ、この2人をただひたすらに堪能する喜び。
撮影自体は監督本人が担当と、以前に是枝作品の『歩いても、歩いても』の様に大きな出来事は起こらずに進む…と思いきや。妹の◯◯が発覚し、「あなた!どうするの?…」となる。
実はそれ以上に大きな出来事として。渡辺真起子が、安藤サクラとは異父となる父親に対して。1度も「お父さん」と言わない理由は何故なのか?
その理由は、映画の中でははっきりとは示さない。
示さないのだけれども。渡辺真起子が放つ台詞の中に、ひょっとしたら…と言える一言があった。
「あった事を、なかった事にするのって…しんどいよ!」
この一言だけで、渡辺真起子の心に宿す過去の辛さが分かる。
母親役の山口美也子が、少ない登場場面ながらも性格のキツさを出していてなかなか良かった。
同時期に活躍した白川和子や絵沢萌子等と同様に、まだまだ頑張って欲しい女優さんです。
一見すると「何だかな〜」な姉の世界ですが。その不思議な切なさに共感して見てしまう内容でした。
ところで、あのBARの男はどうなのだろう(笑)
てっきりラストには、合コン場面でちゃっかりとトイ面に座っているかと思ったのだが(苦笑)
2010年7月13日 ユーロスペース/シアター1