劇場公開日 2010年7月10日

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「家族っていうしぶとい鎖」トルソ Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0家族っていうしぶとい鎖

2015年10月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

人との関わりを避けて生きる34歳OLのヒロコ(渡辺真起子)は、頭も手も足もない男性のトルソを抱いて眠る。
ある日、種違いの妹ミナ(安藤サクラ)が家に転がり込んでくる。
自由奔放なミナに身も心も振り回されつつも、家族であるミナを突き放すことができないヒロコ。
そんな中、父の死とミナの妊娠を発端に、退屈で安穏なヒロコの日常が崩れていく。

「あったことを、なかったことにして生きるのは、けっこうしんどいよ。」

心に残ったヒロコの台詞。
ヒロコの母親もまた、どこまでも「女」で、母親になりきれなかったんだなぁ。
そういう映画多すぎ。そういう人が多いからか。

渡辺真起子さんは初めて見た。
ほっそりして綺麗な身体と、振り乱した髪と、全てを抑え込んだ目つきと声が印象的だった。
どこでキレるの?今?今?と思ってたけど結局、最後までキレなかった。

安藤サクラのあの自然体すぎる演技かなり好き。
ミナっていうキャラクターが安藤サクラそのものなんじゃないかって思うほど自然。
しかもどの映画でもそれが通用してるから、すごいんだよなぁ。
神楽坂恵がどの映画でも神楽坂恵に見える、ってのと真逆だ。笑
いや、神楽坂恵もかなり好きなんだけどね。

あと安藤サクラの身体が完璧すぎなくて、それがいい具合にリアリティをもたらしていて。
こういう役をやりながら、引き締まりすぎてたり細過ぎたりで生活感を感じられない女優さんもいる中で、この圧倒的な「隣にいそうだけど安っぽくない」感が彼女の大きな魅力だなぁ〜と思う。

しかし姉は、妹の自由奔放を軽く飛び越えた暴言の数々によく耐えたなぁ。
人としてどうなのよ、っていう発言しすぎててこっちまで一緒にその場にいるような気分でヒヤヒヤした。
兄弟がいるってこういうことなのか?
特に負い目もないだろうし、姉だというだけであんなに我慢せにゃならんのか、、、つらっ。

井浦様ちょい役だったけど出てた。
バーでタバコ吸って道端で強引にキスしてホテルで女が風呂入ってる間に寝ちゃってた。
・・・なんやねんそれ。笑

こういうさ、全くもって井浦様じゃなくても成り立つようなショボい役をやるの、やめたらいいのに。
「悼む人」「蛇にピアス」のような狂気にまみれた役や、「ジ・エクストリーム・スキヤキ」のようなほんとーーーーーーのクズ役をやらせたら右に出るものはいないと個人的に思うわけです。

まぁ、ゆうてももう5年前か。
「白川夜船」ばりのしょうもない男役だった。

ちゃんちゃん。

Chisa