あしたのジョーのレビュー・感想・評価
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名言の宝庫 もはやネタばれと言えないような
これだけ有名で、未だファンの多い漫画の映画化。
映像化には本当に苦労されたと思います。
過去にアニメを再放送、再々放送で見ていた者としては、所々に繰り出される台詞に鳥肌物でした。
これだけ有名な台詞の宝庫であれば、耳に覚えのある台詞ばかり。
何を書いてもネタばれにはならないのでは?って思えるほどです。(笑)
さすがにアニメを見ていた頃は子供だったので、少々記憶が薄れている所もあり、今回の映画を観てストーリーが「あぁ~こんなだったかなぁ~」って思う部分は有りました。
でもしっかり体を作ってきた山下氏、その主役を喰って充分存在感を出していた伊勢谷氏、両氏の肉体、眼力、映像の迫力を観て終始シビレまくりっす。
両者のリング上での殴り合いのシーン、本当に気合が伝わって来てシビレます。
他にも減量後の力石の計量シーンでは、映画館内でも「おぉ~・・・・」と声が出るくらいの迫力でした。
伊勢谷氏は、この役(力石)を日本中のどれだけの俳優が演じたいと思っているかと自分に言い聞かせ、苦しい減量を行ったとか。
涙物です。
これだけ良かった映画ですが、あえて難点をあげれば、ドヤ街の子供達が貧しく見えなかった事くらい。(苦笑)
あ、最後になりましたが、忘れてならない丹下のおっちゃん役の香川氏。
本当に最高です。
女性サイドの「急いで!」という「せかし」の理由
う〜ん、何だろう…
伊勢谷友介さん、香川照之さん、スゴイ!
有名な漫画「あしたのジョー」の実写映画化。
ジョーに山下君。
ふ~ん、どんなのになるのだろう?!と、期待半分、不安半分でした。
でも、良かった!!
山下君、バッチリだと思います。
が、難を言えば、もっと悪童であっても良かったのでは。
これは、脚本の問題でしょうか?
2時間くらいに納めなくてはならないことを思うと、仕方ないかな。
山P以上に、バッチリだったのが、伊勢谷友介さんと香川照之さん。
もう、伊勢谷友介さんの力石は、彼以外に考えられないほど。
あの目。あの視線。あのオーラ。
スゴイです。
過酷な減量ををされたようですね。
まるで、「マシニスト」のクリスチャン・ベールみたい。
それでも、筋肉は落ちず。
香川照之さんの段平さんもばっちり。
メイクのため、少し喋りにくそうだったけれど、なんのその。
ボクシングが大好きと仰るだけあって、見事でした。
バラックの建物や美術も良かった。
ちょい出の俳優さんに、ボクシング関係の濱田さんなど、見逃しては損。
CGもおもしろく見られます。
打たれると顔があんなふうになるのね~、という表情がよく作られていた。
自分を必死にさせるライバルに出会えるなんて、とても素敵なことですね。
うまくまとめた
スポーツ物はそれらしく見せるのがキモ。
とくにボクシングは減量で絞り切った生身の体を見せなければいけない。
主人公二人ともボクサー体型になっていた。
伊勢谷=力石はリーチの長さまでバッチリ。
ストーリーも少年院での豚走事件やマンモス西のエピソードなどをきって、
矢吹と力石にフォーカスをしぼりこんでうまくまとめていた。
力石が減量中のシャドーでなにげにアッパーを練習していたのは、
矢吹との対戦の伏線になっていてよかった。
力石が過酷な減量中、水を求めてさまようシーンでは、水道から落ちる水の滴をいれてほしかった。原作では力石が滴の音で惑わされると、おぼろげに記憶している。
矢吹はケンカボクシングだから相手に打たれて、自分の打ち込む間合いを把握する。だけどあんなに打たれたらパンチドランカーになって、たこレ~ス(たこ八郎のギャグ)になっちゃう。
パンチで顔がゆがむシーンはCGでちょいオーバーになっていたが、
実際の試合をスローでみてもほぼあんな感じだから映画ではちょうどいいかも。
ラストで矢吹が力石のアッパーでぶっ飛ぶシーンは原作通り、と思う。
監督もあれが完璧と考えたのだろう。実写でみてもやはり完璧だ。
エンドロールで後ろの女性(20才位)が「良かった」とささやいた。
おれも「良かった」とささやいた。心の中で。
アドレナリンが出まくっていたおかげで映画を観た後のジムのランニングが楽だった。
映画の力はアドレナ(あなどれな)い。(ジョー小泉的タジャレ)
伊勢谷友介だけで“もと”がとれます!!
みなさんの評価通り、
原作に敬意と愛情が感じられる映画になっていました。
期待でがっかりしないよう思いつつ、
伊勢谷友介を観たくて行ったのですが、力石・期待以上でした。
ぜひ伊勢谷“力石”は、テレビサイズでなく、劇場で味わって欲しいです!!
山P・香川照之も頑張ってた感、十分伝わりましたが、
欲を言えば
香川照之は、少々若さを感じさせられてしまうし
山Pはきれい過ぎて、もう少し影が欲しい。
でも、十分及第点だとは思います。
何より、私が時々世界感にはまれなくなりそうになった原因
香里奈のセリフ回し。
滑舌は悪い上、しゃべってます感ありありで
最後も台無し・・・否めず。
脇が豪華だから、メイン女優もう少し考えて欲しかった。
マンガ原作映画の最高傑作
あまりに強烈な映画だった。これまでに、これほどの完成度のマンガ原作映画があったであろうか?私の知る限り、『ピンポン』が最高傑作。あとに続くのは『海猿』?『三丁目の夕日』?そんなところか。最悪なものはいくらでも出てくる。『カムイ外伝』、『デビルマン』、そして『ヤマト』である。ところがである。この『あしたのジョー』は明らかに『ピンポン』を超えている。つまり現時点でマンガ原作映画の頂点に立った。
この事実に気がついている人が果たしてどれだけいるだろうか?よく考えてみればわかる。他にどの映画がこの映画より完成度が高いというのだろうか?つまりマンガ原作映画の現時点での頂点を既に鑑賞された皆さんは目撃したことになる。もちろん反論や異論も多々あろう。『ピンポン』が公開されたときも原作ファンの一部は大荒れに荒れた。ここのレビューにもいるヒステリックな原作ファンが総攻撃した。そしてそのあまりに先鋭的な映画表現にプロや評論家たちの賛否も別れた。あの井筒監督などはテレビ番組で、これは映画とは言えないと言い切ったのである。他の映画監督もかなり動揺し、認めないという人々が多くいた。ところがである。『ピンポン』は多くのネガティブファンや保守的なプロたちの叩きを跳ね返し、今世紀を代表する映画として国内外で広く認知されている。カンヌ映画祭でグランプリを獲ったチェン・カイコーは21世紀の映画だ、と絶賛し、リュック・ベッソンも大のお気に入りだという記事を読んだ。
もう『ピンポン』を超えるマンガ原作映画は出現しないだろうと思っていた。しかし、遂にここに出現したのである。『あしたのジョー』、それは映画としての完成度では『ピンポン』を超えてしまった。それも同じ監督、曽利文彦の手によって。
『あしたのジョー』もまた一部の原作ファンや、この映画の存在を恐れる業界人に大ブーイングを食らっている。でも何を言おうが、どうあってもこの映画の完成度は最後には認めざるを得なくなる。
『ピンポン』もそうだったが、『あしたのジョー』も先を行き過ぎている映画かも知れない。わかる人にはその凄さが敏感に伝わるのだが、鈍い人にはいつまでも伝わらない。井筒監督が全否定した映画が、映画史に残る名作となったように、『あしたのジョー』もまた、その有名過ぎる原作を持ったがゆえに当分は一部の人々に標的とされるであろう。
例えば過去に撮影された日本映画のボクシングシーンで『あしたのジョー』を上回るものがあったであろうか?『どついたるねん』『キッズリターン』『ボックス!』どれもこの映画の前にはまったく無策のドキュメンタリー映画のように見える。比較するとなると、ハリウッド映画を持ち出すしかなくなる。しかしハリウッド映画を持ち出したところで、この稀な試合シーンの表現力と比較する対象がない。つまりハリウッドの物まねではなく、ハリウッドが物まねしたくなる映画になっている。
歴史の渦中にいるときは、そのとき起こっていることが客観的に把握できないものである。この映画が正当な評価を受けるのは随分後になってからかも知れない。後々、やっぱり大スクリーンで見るべきであったと後悔する人々が多発することになるかも知れない。そのとき初めてこの貴重な体験を誇りに思うだろう。俺は映画館で『あしたのジョー』を観た!と。
がっかり
オリジナルの漫画やアニメがなかったら名作
昭和40年代の日本。町中に工場の煙突が立ち並んでいた時代。そんな背景の描写に、当時やっと普及しはじめたカラーフィルム、黒いパトローネのフジカラーN100でも使ったかのような、やや赤みを抜いた色調がぴったり合う。
古い街並みの再現もよく、ジョーや力石の風貌がよく溶け込んでいる。漫画本から飛び出てきたような香川の丹下段平や、財閥の存在も違和感がない。
よく鍛え上げた山下と伊勢谷によるトレーニングや試合のシーンは迫力があり、スコープサイズを無駄なく使ったカメラが上手い、素晴らしい。
またVFXもよくできている。打たれたときの顔の歪みが、一瞬、漫画のジョーや力石が打たれたときの顔に近づく。役者本人の顔とのミキシングが絶妙。
ボクシングを通して丹下がジョーに教えたのは、今日という日を一生懸命生きることが“あした”を迎える準備になるということ。作品は、諦めずに鍛錬すれば自分のステップアップに繋がることを教えてくれる。
テーマもしっかりしており、オリジナルの漫画やアニメがなかったなら間違いなく名作。
ただラストはやや引っ張り気味だ。飛んできた紙飛行機に女の子が気付いたところで切っていいだろうと思う。
どうしてもというなら、エンドロールを被せればいい。
戯言…
白木財閥令嬢・白木葉子さまへ
力石が減量のために何台もの石油ストーブを焚いておりましたが、財閥なんだから大っきなサウナぐらい作ってやれよ!!
『左の脇をえぐるように、打つべし、打つべし、打つべし!』
冒頭から昭和40年代のころのダークな昭和の町並み、風景.....40年前は、こんな感じだったのか....同じ東京が美しく復興していく姿を描く ALWAYS 三丁目の夕日とは違った感じ.....
そして、あの懐かしいテーマが流れ、タイトルがデーンと現れた時ゾクゾク・・・・・、実写版ヤマトと同じく涙もの.....。
残念なのは、あの尾藤イサオの歌声が聴かなかった....。
この作品も原作に沿ってストーリが流れ、無理な詰め込み感もなく、アニメ版を知る私としては嬉しかった。
わざとだと思うが......要所要所の大切なシーンがカット・つなぎ合わせ編集さていた.....例えば、丹下段平からの手紙を破くシーンやパズルのように組み合わせるシーンが抜けていた....原作アニメ版を知らないと気がつかない......こんなシーンがジョーの楽天家ぶりを描写になるのだが.....もう少し楽天家に描かれていると良かったと思う.....でも....こんなもんか?
香川さんがあそこまでメイクして丹下段平を引き受けているが、どこまで原作に迫れるか楽しみだった。冒頭では、かなり意識して丹下段平の声を演じていたと思うが、真面目になり酒を断った辺りから普通になってしまったのは、残念!....恐らく、入れ歯が邪魔で潰した声で叫ぶのが難しかったかな?
香里奈が演ずる白木葉子もばっちり嵌っており....可愛かった。
津川雅彦も違和感なく、いい感じだった.....さすが大御所....。
賠償美津子......えっ!....こんなチョイ役???
なんといっても、伊勢谷さんが演ずる力石徹.....かなりの減量と体作りをしたそうで役者魂を見ました.....軽量シーン.....ガウンを脱いだ時のあの体には驚愕!!!....CGなのか???
そして、思ったよりも打ち合いのシーンが多く、人間の顔って殴られるとあんなに歪み変形するんだと驚いた....間違いなくCGね!
終始、ハラハラドキドキでストーリが流れるので休む暇なく一気に見れた感じであった。
エンディングで、もう少し盛り上がりは見せられなかったのかとも思うが、主人公が感動的に勝利できない原作なのだから....仕方ないところかな?
正直.....あまり、泣けなかった......
続編への期待も持たせつつ・・・・
矢吹丈 VS 力石徹のシーン最高!!
この映画は力石徹の物語ともいえる。
山下智久さんは赤いベレー帽をかぶって前髪をたらし、香川照之さんは眼帯に出っ歯の特殊メイクをして役になりきろうとがんばっていたが、伊勢谷友介さんはそのままで力石徹だった。
ボクシングシーンのためにプロのトレーナー梅津正彦氏が本格的に指導したという。
伊勢谷さんは体つきといい、身のこなしといいすぐにでもプロデビューできるのではないか。しかも力石の一番の見所の減量も実際に行い周囲を驚かせたいう。
原作でもジョーより力石の方が人気があったりして、この映画も力石徹の物語ともいえる。
昭和40年代の街並みなど、原作にかなり忠実に映像化されていた。よくいえばテンポよく、長い原作をまとめるので駆け足でストーリーを追ってる。
今回はボクシングシーンがメインとはいえ、力石と出会うまでのジョーの半端じゃない、ひねくれた悪童ぶりが描き足りず、少年院のところを端折りすぎた感あり。
ジョーと力石との男同士の確執と因縁(原作では葉子が絡むのですが)が初見の人にはうまく伝わらないと思う。
対立と決着、前後編としたら、もっとよかった。
のりちゃんの明るさを見られなかったところも残念。
狂人たちの謝肉祭
高森朝雄、ちばてつや原作、連載当時、空前の人気を博したボクシング漫画を、「ピンポン」の曽利文彦が実写映画化。
肉体の躍動から生まれる一瞬の美学、心を激しく揺さぶられるボクシングというスポーツの持つ衝動、輝きを純粋に、丁寧に描き出す。この一点を目指し、本作のもとに狂人たちが集められた。
自分の事務所に属するイケメンジャニーズタレントに擦り傷、切り傷、果てはゴムの如く、顔をぐにょんぐにょんに変形させることを厭わない、狂人がいた。
前作「ICHI」の興行的失敗に敢えて目をつむり、スポーツをいかに描けば観客を興奮させられるか、喜ばせることが出来るかを、「ピンポン」をもって証明した曽利監督に、この全国公開規模の作品を任せた、狂人がいた。
そして、自分の顔の良さを十分に理解しながらも、あの手この手で汚され、潰され、その自分の大事な要素を封印することを許した、山下、伊勢谷という狂人が、いた。
ボクシングという手段を通して、思う存分人間の美しさ、可能性を表現できる肉体に感謝、挑戦していくことに映画制作の全てを注ぎ込んでしまったために、人間ドラマの場面では一部、コスプレショーの様相を見せてしまったことは否めない。だが、私はこれでいいと思う。エンドロールに映しこまれる二人のボクサーが見せる輝く肉体が、この物語の目指す方向性を示している。狂人たちが目指す世界には、手が届いたはずだ。肉体が、芸術になった。
「ヤマト同様、大失敗作だろう」と思いきや・・・
暮れも差し迫った昨年12月11日、東宝からスニークプレビューの招待を受け、ノコノコと日比谷の東宝本社を訪問、一足早く観て来ました。題名は分からなかったので東宝のHPの予告を事前にチェック、時期的に見ておそらく「ジョー」か「フォックス」だろう、と予測、案の定、当日の上映は「あしたのジョー」でした。正月映画で「ヤマト」を観ましたが、出来栄えは最悪、従来のヤマトファンの期待を裏切るとんでもない駄作だったので、ジョーも「マンガの映画化はろくなものが無い」「ヤマピーがジョー???ヤマトのキムタクもそうだが、東宝もとりあえずジャニーズ頼みとは情けない」「実写版1970よりも酷い出来だろうな・・・」と、着席時には全く期待せず、というよりも、「どのくらい酷い出来だろうか」との気持ちしかありませんでした。
しか~し・・・全くの想定外、これは素晴らしい!!昨年度の実写邦画の中で1、2を争うよくできた映画でした。先ずは怪優・香川照之、彼は何をやらせても上手い、本当にいい俳優ですが、彼の丹下が笑っちゃうくらいによく似ている!最初はとんねるずの木梨の丹下のパロディにしか見えなかったのですが、次第にそれを忘れ、正にマンガから抜け出したが如き丹下を、香川は見事に演じています。彼を見るだけでもこの映画は一見の価値があります。日本アカデミー助演男優賞は既に確定、間違いないでしょう。
次に力石を演じた伊勢谷、彼の力石もいい!!実写で力石を演じられる俳優などいるのだろうか、と以前は思っていましたが、画面の中で伊勢谷は力石の生き写し・・・マンガファンの期待を裏切らない、見事な力石を演じ切っています。あの減量中の体はCGは全くなしでしょうか?そう思うくらい、あの過酷な力石の減量体型を完璧に作り上げています。以前から上手い俳優だと思っていましたが、本作は伊勢谷にとって間違いなく生涯の代表作になると思います。
最後にヤマP、誰が見てもジョーに見えません。誰が彼をジョーに推薦したのか?作品全部を山P一人でぶっ潰しました・・・と、思いきや、これがなんと、私の予想を大幅に裏切り、山Pがこれまた素晴らしい、本当にいいんですよ、未だに不思議なんですが、最初は違和感、先入観があった山Pのジョーが、映画が始まるとすぐに、なんと山Pがジョーに見えてくるんですよ・・・本当に不思議です。山Pの演技を始めて見ましたが、ジャニーズだからどうせダメだろう、とタカを括っていましたが、いい俳優ですね、彼は。ジョーの役作りに時間をかけたことは観客には十分に伝わりました。
内容ですが、映画版ジョー1とほぼ一緒、マンガを観た方も知らない層も十分に満足できるものです。ヤマトのようなごちゃ混ぜのパロディーのような酷さはありません。脚本、編集もよく出来ています。2時間を超える作品でありながら、最後まで観客を飽きさせません。
東宝の皆さん、ぜひ、PART2を製作して下さい。それの最大の課題はホセとカルロスの俳優を如何に見つけるか・・・それにかかっています。彼らにマンガのように日本語を話させるかどうか、それも大きな課題でしょう。この2つの問題をクリアし、本作同様のエネルギーを注ぎ込めば、おそらくPART2もいい作品になるものと確信します。かなり気が早いですが、今から期待しています・・・。
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