劇場公開日 2011年2月19日

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ヒア アフターのレビュー・感想・評価

全107件中、101~107件目を表示

2.5イーストウッドの予言

2011年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

残念ながらヒットの予言とは行きそうにありませんが、なかなか大胆な作品を作ったと思います。全体的なリズムは私には早すぎず遅すぎず丁度いいくらいでした。あの大胆なエンディングが来るまでは・・・。

元霊能者のジョージ、津波により一時的にあの世を見たジャーナリストのマリー、交通事故により兄を失うマーカス。本編では3人の苦悩が描かれています。

注目点はオープニングの津波のシーンと列車爆破シーン。(爆破といってもちょっと爆破するだけですけどね。)特に津波のシーンは迫力満点。まるでイーストウッドがスピルバーグから教わったかのようなCG技術を駆使し再現したものは圧巻でした。改めて津波の恐怖を味わってしまいました。それから列車爆破シーンは一瞬で終わるものの思わず“うぉっ“と言いたくなる驚きの瞬間でした。まさかあんなところで来るとは思いませんでした。

見所はこんな感じです。後は地味で欠点というか弱点だらけの作品です。あんまり言うとあれなので3つほどにします。1.マット デイモンとブライス ダラス ハワードが料理教室(?)で目隠しをしているシーンが全体的に2人の演技がぎこちなかったという点。2.ジョージ、マリー、マーカスの出会いの仕方が強引過ぎること。そして、何より気になったのがエンディングです。もしジョージの予言どおりになったらマリーと最初に寝ていた男性は誰だったのでしょうか?それとも途中で二人が別れたシーンを見逃してるとか・・・まったくわかりません。

まあ、このくらいにしておきましょう。この作品は劇場で観ると眠くなる危険性があるのでDVDが出たらゆっくり観るのをオススメします。

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SAOSHIーTONY

3.5静かに終わる

2011年2月10日
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鑑賞方法:試写会

怖い

幸せ

大きな津波から始まり、逃げ惑う様や流されるシーンには、自分の体が動いちゃったりもしました。
でもマリーがあの状況で助かったのが不思議\(◎o◎)/!

その後は意外とおとなしく、睡魔が~~~~~ぁ。
ジョージの霊能力も、もっと期待してたんですが、意外とおとなしく、最後もおとなしく終わってしまい、みんなの評価はいいみたいですが、私はなんか物足りない感じでした。

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manbo

4.0前を向く物語。

2011年2月9日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

派手に煽らず,
スローテンポで進む物語は,
繊細な悲しみを表現するマーカス君を求心力に,
三者三様の人生の積み重ねを経て,
3人が集う劇的な終盤まで,
共感ポイント多数で素直に感動できた。

「死」に触れて「生」に気付き,
喪失感から,一歩を踏み出した人間を描く人生応援ドラマ。

希望の余韻が嬉しい素敵なラストが好き!

まるで人生経験豊かなイーストウッド監督から送られたエールのよう。

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AKIRA

3.5これはスピルバーグの映画です

2011年2月8日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

おそらく、この作品を観た方は、昨年公開された「ラブリーボーン」を思い出すに違いない。実は、両作ともスピルバーグ製作だ。今まで夢のある映画を撮り続けていた彼も、人の行く末である「死後の世界」にしか興味をもたなくなったのか。それとも、ユダヤ教徒がよく言う「あの世が真実の世界」を信じるようになったのか。いずれにしても、この作品、「ラブリーボーン」と同じようにスピルバーグ色の濃いお話になっている。

 アジアの旅行中に津波被害に遭遇し、臨死体験をして帰国したフランス人の女性ジャーナリスト。以前は霊能者として活躍していたが、それが自分の心の負担になり、普通にサンフランシスコに暮らす男。仲の良い双子の兄を亡くし、ヤク中に苦しむ母は施設に入り、寂しい思いでロンドンに暮らす少年。この作品は、以上の三人の物語が並行して語られ、最後に糸が紡がれるように出会うという内容だ。この中で、特に感動的なのは、兄を亡くした弟の物語である。ヤク中でも母が好きでたまらなく、兄を慕う思いでロンドンの街をさまよう姿は、観ている者の胸をうつ。イーストウッドは、この少年を演出したいと思って監督を引き受けたのか、と思わせるほどだ。

 ただ、これまでのイーストウッド映画に比べると、人物の掘り下げが浅く、死後の世界や霊界という重いテーマを掲げているにしては、軽い感じがする作品だ。そこが、スピルバーグ色なのである。スピルバーグの映画に人間的な深みを要求すること自体、あまり意味のないことなのだが、イーストウッドも演出するにあたり、人間的なものを省略して、霊界や死後の世界という現実世界でないものに焦点をあてる、スピルバーグ色でやろうという思いがあったのだろう。それでも、見事にまとめあげて、感動作に仕上げている、イーストウッドの職人技には感心させられた。テーマが重くても、エンタテイメントにもってくるイーストウッドの力量に、注目してほしいと思う。

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こもねこ

5.0来世なんて、あるのが当たり前。この世で生きる意味をしっかり見つけなさいと説く本作。さて、皆さんはどんな答えを導くことができるでしょうか。

2011年1月26日
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鑑賞方法:映画館

 本作は、ズバリ『来世』がテーマ。世間的な常識を乗り越えて霊的な人生観に目覚めるというものです。小地蔵にとっては、当たり前の世界ですが、この世で普通に暮らしている人にとって、新鮮な感動を呼び起こすことができる作品でしょう。
 来世がテーマだからといって、邦画の『大霊界』のようにあの世を好奇心たっぷりに鳴り物入りで描く作品とし違っています。
 あくまでこの世で普通に生き、霊的なことに疎く生きた人たちの目線でストーリーは語られていきます。そういう人でも、人が沢山死ぬ大きな事故に遭遇したり、大切な人との別れを経験して、絶望感や無常観に打ちひしがれることがあるでしょう。そんな人が、本作に触れることによって、この世が人生の終わりではないと感じ取ることで、抗いがたい不安を克服していく、そんな作品だと思います。いわば霊的人生観への入門編というべき作品でしょう。
 死亡したマーカスの兄が、ジョージを通じて語りかけるところは、泣かせどころで全体的にヒューマンタッチの佳作としてお奨めできます。

 ストーリーとしては、3人の登場人物のエピソードが同時進行で語られます。
 一人は、テレビキャスターのマリー。自らの臨死体験をオンエアーしようとしますが阻まれたうえに、キャスターまで外されます。それでも臨死体験の謎を究明すべく、独自に来世をテーマにした本を書き、ロンドンで開催されたブックフェアーに著として参加するというもの。
 二人目は、双子の兄を事故で亡くした少年マーカス。もう一度だけ兄と話したいとあちこちの霊能者を巡ったもののニセモノだらけ。そんなマーカスが養子に引き取られて、たまたまロンドンを旅したとき、ブックフェアーに紛れ込んでしまうのです。
 三人目は、霊能者のショージ。作品中唯一のホンモノの霊能者として登場します。しかし本物故に、あの世があるのは当たり前で、霊能力で金を取るのはナンセンスだという罪の意識を深く持っていました。この罪の意識については、後ほど触れます。それでも生活に行き詰まり、兄がセットした霊能相談の仕事から無断でエスケイプして、旅に出ます。 そして、たまたまロンドンに流れ着いたとき、ブックフェアー会場にぶらりと足を伸ばすのです。

 三人のエピソードは、ラスト間際の2時間にわたって交互に展開し、交わることがないのでヤキモキしました。ちょうど最近公開された『クロッシング』という映画で、ニアミスだけで終わってガッカリしたばかりだったので、どうなるのかちょっと心配だったのです。

 ブックフェアー会場で三者が交わったとき、イーストウッド監督が本作に込めたかった意図が濃厚に表現されていきます。
 マリーは、フランスのなかでも唯物論者の巣窟といえるマスコミのインテリに囲まれた職場で、突如臨死体験を言い出したことから、冷遇されてしまいました。誰も分かってくれないという孤独な気持ちを、出版への意欲へと昇華させていったのです。
 けれども、ショージとの出会いでその孤独が癒されそうな展開が暗示されます。
 マーカスは、兄からもう俺に頼らないで、自分で強く生きろと諫められます。兄の霊言が聞きたいという気持ちのなかに、兄への依存心が強かったことをズバリ言われてしまったのでした。オカルト信仰にはまる人は、自立心に欠けるところがあります。さりげなく、この世で生きる人には、自助努力が大事なんだと監督は強調したかったのでしょう。
 それにしても、マーカスが地下鉄事故から逃れることができたことについて、兄のいいざまが括弧良かったです。事故の前に、帽子が突風で飛ばされて、それを追い掛けたマーカスは、地下鉄に乗り遅れてしまい、結果難を逃れたのでした。兄は、「あれは俺の帽子だから、貰っとくよ」とキザな台詞の吐くのですね。泣かせどころのシーンでした。
 ショージは、すっかり厭世的になっていました。霊の世界が分かってくると、この世が仮の世界であることがわかり、向こうの世界こそ本当の世界なんだということが分かってきます。だから、霊言を有り難がるなんてナンセンスで当たり前じゃないかと思っていて、ビジネスとしての霊能者の仕事を引退したわけですね。
 これにはもう一つ、この世的な事情があって、キリスト教圏内では、霊的な人生観や輪廻転生がタブーにされてきたのです。イエスさまのもともとの教えは、ちゃんと入っていたのですが、ローマ教会が成立するなかで、削除されていきました。ローマ教会は、異端を尽く武力弾圧し、イエスさまの教えに戻ろうとしたグノーシス派は、激しい拷問により壊滅させられたのです。中世でも霊的な人生観を唱えるものは、異端審問の魔女狩りの対象とされてきました。それが今日、『天使と悪魔』などダン・ブラウン原作シリーズの主題となってきています。
 だから、何故ショージが自分の能力を呪われた能力というのかというと、彼も当然子供の時からクリスチャンとしての教育を受けてきたから、罪の意識にさい悩まれるのでした。
 そんなジョージがマーカスと出会って、恋の予感を感じます。生まれて初めて、マーカスが「この世で生きていく」意味を掴んだのです。霊的に関心が強すぎると、この世への執着が少なくなる反面、この世での生き甲斐や今世の人生の目的や使命を見失いがちです。監督は、ジョージを通じて、たとえ仮の世界としても、この世でも生きていく意味があることを示したのだと思います。
 それにしてもジョージの演じ方が、一介の悩める凡夫であるところに共感を持ちました。特殊な能力を隠して普通に生きることは、大変な超能力なんです。六神通力といわれているなかで、最高の能力が「普通に市中に生きること」なんですね。
 いつもスーパーヒーローの役柄が多いマット・デイモン(但しデブな詐欺師もやったけれど)ですが、特殊能力を持つ故に悩める凡人ぶりを、凄くうまく演じていました。

 ジョージもそうでしたが、「来世」をテーマにした作品を製作することは、キリスト教国では大変勇気が要ることです。原理的なキリスト教右派から妨害活動を受けてしまう可能性もあったわけです。加えてイーストウッド監督は、熱心なクリスチャンとして知られています。スピルバーグの監督指名をなぜイーストウッドは受けたのでしょうか?

 彼の信仰は潔癖症で、神に問いかけているところがありました。これまでの作品で常に、こんな悲惨な状況でも、出演していたイーストウッド自身が「神はお救い給うのか」と祈りを捧げるシーンが多々あったのです。いま世界でキリスト教信仰が揺らいでいます。教会に通う信者の数が激減し、長引く不況や宗教観対立が原因のテロや戦争の勃発で、キリスト教の救い自体に疑問を持つひとが増えてきているのです。そんな疑念が、イーストウッド監督作品に濃厚に出ていました。
 人生の晩年にさしかかった監督が、今まで避けてきた「死」と死後の世界について、ローマ教会の歴史的束縛を打ち破り、真摯に来世と対峙したのが本作なんだと言えるでしょう。
 来世なんて、あるのが当たり前ではないか、それよりこの世で生きる意味をしっかり見つけなさいと説く本作。小地蔵はちょっと物足りないところはありますが、皆さんはどんな答えを導き出せるでしょうか。

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流山の小地蔵

5.0イーストウッド史上初!

2011年1月25日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

幸せ

近年のイーストウッド作品は、上映時間の長短にかかわらず、ある種の長さを感じさせるが、その長さの中でしか味わえない充実した感動を与えてくれる。本作も例外ではない。

津波で臨死体験にあった女性キャスター(セシル・ドゥ・フランス)、双子の兄を事故で亡くした少年、霊能者であることを隠して生きる男(マット・デイモン)。パリ、ロンドン、サンフランシスコで暮らす各人物が絡むまでに多くの時間が費やされ、一瞬アメリカ公開時の低調な評価が頭の隅をかすめるが、地下鉄テロが勃発し、ロンドンで一同が交錯するあたりから俄然面白くなり、最後にはイーストウッド監督ならではの濃密な余韻に包まれる。

見ている間は、料理教室の場面など切り詰めた方がよいのでは、といった瑣末な不満が湧いてくる。しかし、見終わってしまえばそんなことはどうでもよくなる。この満足感は、映画が後半になるにつれてしみじみとしたユーモアを発揮し、イーストウッド史上最も幸福な結末(見てのお楽しみ!)を迎えるラストがあって、はじめて得られるものだ(いま思えば、料理教室のラブコメ風な味付けは、かくなる結末の前兆なのかも。だとしたら、なんて大胆な演出だろう)。

セリフが多く、津波を除けば派手な場面も少ないため、どんな映画なのか中盤まで見えてこないのは難点だが、マット・デイモンの霊能者は狂言回し的存在であり(じつは、ソウルメイト=生涯の伴侶を探す男性といった役どころ)、「来世(ヒアアフター)」を見てしまった女性と死者への想いを引きずる少年の、魂の救済の物語として見ていけば、たしかな手応えを感じることができるだろう。

主役の3人は役にふさわしい好演。出番は少ないが、ブライス・ダラス・ハワードが感情の起伏のある役柄ですばらしい演技を披露している。

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カオナシ

3.5長い…

2010年10月31日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

129分、いろんな人のスピリチュアルな体験と 周りのひとに理解されない苦悩と “あの世の人とのコンタクト”を 少しずつ見せていく作品。 長い… 重い… スッキリしない… 監督に期待しすぎた気がします。 私ごとですがここ数年 悲しい出来事が続いて、スピリチュアルや ヒーリング、サイキック(霊能者)などに とても興味があり観に行きましたが、アリソン・デュボアの本を読んでるほうが 心が満たされる感じがしました。

自分の(霊能)力をよく思わず、相手に触れるたびに“見えてしまう” その人の過去やあの世からのメッセージに悩む ジョージ、旅先で津波に襲われ 臨死体験をした ジャーナリストのマリー、身内の不幸を受け入れられず 心のより所を霊能者に求める 小学生のマーカス。 三人の物語から、運命の糸が手繰り寄せられていくという お話。

霊能者・ジョージを演じた マット・デイモン。 彼が演じるから期待したのですが… マットじゃなくてもよかったかも、という程度の役でした (ザンネン)。 演技は決して悪くありません。 アクティブな彼(『グリーンゾーン』や『ボーン・シリーズ』)ばかり 印象強くて、ジョージのような 内気で哀愁ただよう男は 別の人(アーロン・エッカートとか、エリック・バナ)が合ってる気が… でもマットじゃないと 話題性に欠けるかな(苦笑)。

ジャーナリスト・マリーを演じた セシル・ドゥ・フランス。 前半の津波シーンで 良い演技を見せてます。 目元と口元が ぺネロぺ・クルズを思わせる、キレイな女優さん。 マットよりも彼女の方が メイン(キャラ)になってる気がしました。

マーカス&ジェイソン兄弟を演じた フランキー&ジョージ・マクラーレン兄弟。 初々しい演技が自然で、彼らのシーンは 泣けました。 イギリス英語もキュート♡ たれ目もキュート♡

その他、ジョージとお料理するメラニー役にブルース・ダラス・ハワード。『トワイライト・イクリプス』でヴィクトリアを演じてる彼女。チョイ役(通りすがりな感じ)です。

ジョージの兄・ビリーを演じた ジェイ・モーア。 こっちもチョイ役、フツーの兄貴です。

内容はちがいますが 『ラブリー・ボーン』の時のような、答えが出たような出てないような スッキリしない感じがしました。 たぶん、求めていたものが違っていたからだと思います (なので 観る人によっては、良い作品なのかも)。 C・イーストウッド監督の 丁寧な作品の描き方は好きなのですが、キャラクターにこだわりすぎて ストーリーのリズムが乱れてるようにも感じました。

私のようにエンタメ重視の方は、後半 集中力が奪われる恐れがありますので 先にお手洗いを済ませて、ポップコーンとドリンクを L(ラージ)にして鑑賞してください・*★。

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