苦い蜜 消えたレコード

劇場公開日:

苦い蜜 消えたレコード

解説

いつものように常連客でにぎわう、仙台にあるバー「リボルバー」。そこに1人の探偵が現れ、1年前にバーで起きた、ビートルズの幻の名盤「ブッチャー・カバー」盗難事件を解決すると言う。すると、バーに集まった14人の抱える悩みが次第に明らかとなり、事件は複雑に絡み合っていく。劇団「御成門」の演出家・亀田幸則がメガホンをとるミステリー仕立ての群像劇。

2010年製作/103分/G/日本
配給:アステア
劇場公開日:2010年4月10日

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(C)2010「苦い蜜」製作委員会

映画レビュー

4.0こんな良作、公開する映画館が少なすぎ

2010年4月17日
PCから投稿

笑える

知的

幸せ

全幕を1つのセットだけで上演する舞台を一杯飾りというのだそうな。そんな舞台をネタにした映画が「キサラギ」の成功以来、定期的に目にするようになった。本作もそのひとつ。 まず、この手の作品としては、登場人物が14人と多いのが特徴だ。また、これまでは映画的表現を生かすためロケ・シーンが多く取り入れられたが、本作ではオープニングとエンディングのほんの数分だけである。本題に入ってからはラストまで、地下のバー、文字通り一杯飾りの密室推理劇となる。実は、終盤にほかの映像が入るのだが、密室の枠から外に食み出ない。この流れは絶妙だ。映画の魔力を巧妙に生かしたと言えるだろう。冒頭、三影と前田が階段を下りてくるカットで流れが途切れ、トーンが落ちたことや、カウンターの中のカメラが同じラインを行き来する単調さを帳消しにした。 話が進むに従って、14人の人間関係、力関係が浮き彫りになる手順は常套だが、謎の紐解きが緩みそうで緩まない繰り返しを続ける脚本がよくできている。“苦い密”という主題もはっきりして納得がいく作りだ。終わりは爽やかで気持ちいい。 このような良作が、都内でも1館だけの公開というのはなんとも寂しい限りだ。 高木(高橋ひとみ)が握手したというタイガースとは・・・? それが解る人こそビートルズ世代だ。当の高木が握手したメンバーの名前を思い出せない目の前に森本タローがいるのが可笑しい。そして、タローの役名が“沢田”というのは狙ったのか??

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マスター@だんだん

4.5ブランデー片手に鑑賞したい良質なシチュエーションミステリー

2010年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

映画初出演の人もいるので、 演技の拙い人はいましたが、 シチュエーションムービーとして 成立してましたね。いやいや、ビックリ!! ~~ 〈 神様は宗教を信じていない 〉 〈 音楽や映画。文化になるものが道具に成り下がっていないか 〉 劇場配布チラシと予告編から、 とあるバーで発生した事件の謎を 事件現場で解いていくシチュエーションミステリーだというのはわかりました。 地雷の臭いがしていたのは、 リズムが短調になってしまう危険性と ストーリーの辻褄があわなくなり破綻してしまうんじゃないか。 そのふたつが主な理由だったのですが、タイミングよく挿入される音楽、 切れのあるカット割り、緊張感漂う隙のない映像、役を掴みきり息も完璧にあわせた役者陣と演出。 なによりも、謎に謎を絡めながらも、説得力のある 理由でヒトツずつ、丁寧にといていき、沈んだ地点からスタートさせた観客の 気持ちを、陽の当る温もりを感じさせる地点にまでエンディングで引き上げてしまう脚本。 すべてが寸分の狂いもなくあわさって、 地雷どころか、従来のテレビドラマや、 シチュエーションものとは、また異なった 大人向けの味わいを醸しだす上質なミステリーに仕上がっていました。 個人的には、 島田順司さんを見てしまうと、いつか 「おい、やっさん!」と言い出してしまうのではないかとハラハラ。 池上季実子さんを見ても同じく、いつか、バーの入口を見つめて 「安浦さん・・・」と吐露してしまうんじゃないかとハラハラしてしまいましたが、 そんなセリフを出す訳もなければ、故藤田まことさんがサプライズ出演するはずもない。 あんた『はぐれ刑事純情派』好きすぎだよ!再放送観すぎだよ!! そう、冷静に突っ込みを入れる自分自身がいました(苦笑) キャストでは、他にも 原幹恵さんや、渋谷琴乃さんといった 好きな女優(グラビアタレント)さんも 出演されていて、作品とは別の角度で楽しませてもらえました(笑顔) ☆彡     ☆彡 宣伝もあまりされておらず、 今後全国順次公開が決定していますが、 上映される映画館も少なく地味な印象は拭えませんが、 なかなかどうして、侮れない秀作に仕上がっております。 セリフ 小道具 そんなところにも クスッとしてしまう 遊び心が込められていて パンフレットを購入しようかどうか迷うほどでした (結局、立ち読みで済ませちゃった。ごめんなさい)。 力のある役者さんが揃っていますので、 脚本が、ここまで練りあげられていれば 時間を、忘れさせるほどスクリーンに惹きつけてしまう 作品が、完成するのは至極当然のことといえるでしょう。 『苦い蜜』 苦さだけでなく 気品ある甘味も味あわせる 上品な香り漂うミステリーでした。 もし可能なら ウィスキーか ブランデーを 片手に贅沢に鑑賞したいところですね(笑顔)

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septaka

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