特攻野郎Aチーム THE MOVIE : 映画評論・批評
2010年8月24日更新
2010年8月20日よりTOHOシネマズ有楽座ほかにてロードショー
頭をカラッポにして楽しめる上々の“ポップコーン映画”
配役も一新でデジタル時代にリブートされた、「ミッション:インポッシブル」の系譜にあたる往年のTVシリーズの映画化である。結論から言うと、頭をカラッポにして楽しめる上々の“ポップコーン映画”といえる。
火薬の量だけが取り柄の大味なアクション映画かと思いきや、ハンニバル役のリーアム・ニーソン、マードック役のシャルト・コプリー(「第9地区」)らが及第点以上の出来映えで、「Aチーム」のキャラクターを新たに甦らせているのがいい。奇想天外なプロットはオリジナル版同様で、例えば戦車が空を飛ぶというありえない局面を目の当たりにしても、「Aチーム」らしい荒唐無稽さをとことん満喫できる仕組みになっている。一見女たらしに見えるフェイスマンも最後は戦友たちを選択するという具合で、男4人の連帯はあくまでホモソーシャルな関係であり、それが愉しさを生んでいる。
ただし、カメラをブン回し気味のジョー・カーナハン監督の演出は賛否が分かれるだろう。アクションがチラつくのもお構いなしで、ガチャガチャした感は否めなかった(製作者の名にトニー・スコットがある)。
おそらく続編が作られるだろう。こうしたブロックバスター映画にはカラフルな悪役が不可欠だが、その“記念すべき第1作”としても、「Aチーム」に負けないキャラの立った悪役が配置されていて申し分ない。
(サトウムツオ)