劇場公開日 2011年2月4日

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ウォール・ストリート : 映画評論・批評

2011年2月1日更新

2011年2月4日よりTOHOシネマズ日劇ほかにてロードショー

「ゴッドファーザーPARTIII」のような続編としての味わい

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ゴードン・ゲッコーが23年ぶりに帰って来た。演じるマイケル・ダグラスは「氷の微笑」などの「巻き込まれ型」演技に定評あるが、ゲッコーは逆の映画史上に残る「巻き込み型」の悪役だった。今回の続編では、前作のチャーリー・シーン的な若い野心家として「巻き込まれ型」俳優シャイア・ラブーフを配して対峙させている。なんて絶妙な配役だろう。

ゲッコーはまるでジョン・ミルトン「失楽園」の堕天使ルシファーのような存在だ。いったん楽園(ウォール街)を追放されるが、舞い戻るや反撃に転じる。ラブーフ演じる若きジェイコブ・ムーアは、彼の娘に求婚する男で、いわば師弟関係になる。「失楽園」なら「善悪の知識の実」を食う人間とも読めるので、結末は推して知るべしだ。

物語はリーマンショックに端を発する金融不況の時期を描いているが、オリバー・ストーン監督はマイケル・ムーアほど声高にその「犯人探し」をしていない。社会派作品を期待する向きには少し拍子抜けなのだ。だが、物語の運びはテンポがいい。ロドリゴ・プリエトのキャメラは、ニューヨークの摩天楼を宝石箱をひっくり返したように美しく映し出していて、目をみはる。続編としての味わいは、「ゴッドファーザーPARTIII」に似ている。面白いのだが、前作とは比較できない。

興味深いのは、後半に用意されるウォール街に巣くう有象無象の大立て者(イーライ・ウォラックなどが怪演!)が集まる晩餐会だ。見るからに、沈みゆくタイタニック号での晩餐会のようで、金融不況の楽園の住人たちの末路を暗示している。

(サトウムツオ)

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