イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ

劇場公開日:

イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ

解説

世界的に有名なレザー・ブランド「BLACKLASH」のオーナー兼デザイナーの片山勇のドキュメンタリー。音楽ドキュメンタリーを数多く手がける監督の牧野耕一は、一切の妥協を許さない職人・片山に1年以上密着し、片山がレザー・ファッション界に進むきっかけとなった父親との関係、ブランドに対する熱い想いなどに迫る。主題歌をビジュアル系ロックバンドのGLAYが手がける。

2009年製作/96分/日本
配給:トルネード・フィルム
劇場公開日:2009年7月25日

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(C)2009 BACKLASH AMENICAM 

映画レビュー

4.5職人業

2009年8月1日
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

GLAYファンなので主題歌とAUDIO 2 ADUDIO(TAKURO & HISASHIのユニット)の仕事を聴きに観に行きました。

動機は不純ですが、最高に素晴らしい映画でした。
片山勇さんの存在さえ知らずに、“GLAY”につられて観に行ったのですが、本当に観て良かったです。
音楽は勿論素晴らしいのですが(笑)、ドキュメンタリー映画としても新しい切り口ですし、何より片山勇さんの生き様がかっこよすぎます。
妥協せずに自分を信じて信念を貫いてブランドを築いていく片山さんの姿に夢と勇気をもらいました。
まさにそれは職人の世界で、信念負けずに地道に自分の道を進んでいるから多くの人がついてくるのだと思います。
ブランド…だけではなく、何事も技術というものは後からついてくるもので、まず人間性がなによりも大切なんだと改めて思いました。
人間として魅力があれば周りの人間は引き寄せられ、やってくるし、そういう人がつくるものは技術を超えられます。
心の底から恰好いいと思える人でした。

そしてこの映画は、ドキュメンタリー映画としても素晴らしいです。
映像、音楽、ファッションを一体として切り取り、それを片山さんの真実の言葉で繋いでいます。
ドキュメンタリー映画のようであり、プロモーションビデオのようであり、映画でもあり、男の生き様であり…、全てが詰まった映画でした。

良い映画に出会えて本当に感謝です。
是非観てください。
GLAYファンはもう不純な動機で結構、是非是非観てください。
TAKUROが歌う挿入歌もありますよ(笑)。

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TOKUSHI

3.5父親の背中は男のふるさと

2009年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

見る前から不安はあったのだが、それは見事に的中してしまった。

 レザー・ファッション界でのイサム・カタヤマの名が海外にまで轟いていることは、この作品を見ればよくわかるのだが、私のようなファッション界など門外漢の者にはまったく知らない名だ。ただ、レザーファッションの魅力程度は多少なりとも理解できるので、映像の中でイサム・カタヤマが作るレザーの良さや魅力が描かれていれば、と思っていたのだが、それがほとんどなく、結局、イサム・カタヤマの商品というものがよくわからずに終わってしまっているのは、私にとって、この作品の一番残念な部分だった。

 ただ、最初から商品宣伝のためにこのドキュメンタリーを製作しようとは、監督もイサム・カタヤマ本人も考えていなかったのだろうから、その部分は作品の評価を落とす理由にはならない。むしろ、自分の無知を恥じるばかりである。しかし、イサム・カタヤマが作るレザーはわからなかったが、イサム・カタヤマ本人の魅力は十二分に観る者に伝わっていた。

 私個人の好みになるかもしれないが、この作品の中で一番良いと感じたのは、カタヤマが父親の話をするシーンだ。カタヤマが小さいとき、革ジャンを着た父親に抱きついて一緒にバイクに乗っていたことを、やさしい眼差しで遠い地を眺めるようにしてカメラに向かって話す、そのシーンには、瞼の裏が少し潤むくらいに感銘を受けた。そして、そのときに感じた革の柔らかさ、なめらかさが忘れられなかったカタヤマが、レザー・ファッション界への道を歩みはじめる、とわかったときは、カタヤマという人がもつ心の温もりを感じずにはいられなかった。最初に、イサム・カタヤマの商品がわからない、と書いたが、父親の話をするカタヤマの目を見ただけで、彼が作るレザーに悪いものなどない、とファッションに無知な私でも理解できた。

 私も、父親の背中の広さや温もり、感触というのは今も忘れられない、懐かしさを感じている。自分の心のふるさとは父の背中、と思っているだけに、カタヤマが語る父親との思い出は心深くにしみわたってくるものだった。作品の中でカタヤマ本人は、その子供心に感じた革ジャンの背中の感触に、自分の手作りのレザーが追いついているのかどうか、という点は話してはいない。おそらくそれが、カタヤマにとって超えられない父親の存在そのものなのだろう。そして、父親の影を追ってレザーを作る、というのは、ある意味、技を受け継いでいく日本伝統の職人気質を見ているよう、という点も興味深い。カタヤマが海外に出向いても終始、メイド・イン・ジャパンを意識しているのは、日本の職人としての意地と、父親への望郷があるから、というのが、この作品から伺い知ることができたのは、大変面白いと感じた。

 そんなコテコテの日本人のイサム・カタヤマを追ったこの作品の映像は、色彩に特徴がある実にスタイリッシュなものだ。それは、イサム・カタヤマを描く意味というより、監督の牧野の個性のようだが、人間・カタヤマを描こうとしている中でも、それほど映像演出が上滑りすることなどなく、観客の視覚や心には十分に応えるものだった。ただ、しつこいようだが、初めてイサム・カタヤマのレザーを知る者も多くこの映画を観るのだから、その色彩演出で、もう少しカタヤマが作るレザーそのものに踏み込んでほしかった。スタイリッシュな映像だからこそ、ファッションにももう少し、興味を挽かせてほしかったと思う。

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こもねこ

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