戦場でワルツを

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戦場でワルツを

解説・あらすじ

フランスのセザール賞ほか数々の賞に輝き、第81回アカデミー外国語映画賞にもノミネートされたイスラエル映画。2006年のある夜、旧友に呼び出された映画監督のアリは、26匹のどう猛な犬に追われる悪夢に悩む話を聞き、それは自分たちが従軍した82年のレバノン侵攻の後遺症ではないかと疑う。しかし自分に当時の記憶が全くないことに気付いたアリは、その謎を解こうとかつての戦友たちを訪ねるが……。監督のアリ・フォルマンの実体験に基づいて製作されたアニメーションの意欲作。

2008年製作/90分/PG12/イスラエル・ドイツ・フランス・アメリカ合作
原題または英題:Waltz with Bashir
配給:ツイン
劇場公開日:2009年11月28日

スタッフ・声優・キャスト

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受賞歴

第81回 アカデミー賞(2009年)

ノミネート

外国語映画賞  

第66回 ゴールデングローブ賞(2009年)

受賞

最優秀外国語映画賞  

第61回 カンヌ国際映画祭(2008年)

出品

コンペティション部門
出品作品 アリ・フォルマン
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(C)2008 Bridgit Folman Film Gang, Les Films D'ici, Razor Film Produktion, Arte France and Noga Communications-Channel 8. All rights reserved

映画レビュー

4.0必見の90分!アニメならではの表現。 あらすじは、 2006年に映...

2025年4月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

必見の90分!アニメならではの表現。

あらすじは、
2006年に映画監督のアリ・フォルマンは、兵役時代の友人に呼び出され再会する。26匹のどう猛な犬に追われる悪夢に悩む話を聞き、それは自分たちが従軍した1982年のレバノン侵攻の後遺症ではないかと疑う。
当時アリ・フォルマンは19歳のイスラエル国防軍の歩兵だった。
しかしアリは自分自身がその頃の記憶を失ってしまっていることに気付く。
その謎を解こうとかつての戦友たちを訪ねていく物語で、戦争当時の若き兵士達と24年後の40代の男達が交互に描かれる。
もしアニメーションで無くて実写で撮影してたら "えげつない緊迫感" の残酷描写の戦争映画になっていたかも知れない。
それは予算と監督次第であり、スピルバーグだったら、、とか考えてしまった。
アニメーションにした事でこの映画で伝えたい事が上手く表現出来ているので 今作『Waltz with Bashir』(2008)はこれで正解。しかも作画の動きや、キャラクターの表情の少なさが独特で観てる側に まるでアートの鑑賞をしながら想像力が膨らむ効果まである。
レンタルしたBDには日本語吹き替え版があって、まずは "それ" で観るのもオススメです。

※今作はフランスのセザール賞ほか数々の賞に輝き、第81回アカデミー外国語映画賞にもノミネートされたイスラエル映画。(受賞は日本の『おくりびと』2008年)

※サブラー・シャティーラ事件:1982年9月16日から18日の間に行われたレバノンの親イスラエル政党「ファランヘ党」などで構成されるキリスト教マロン派民兵組織「レバノン軍団」によるパレスチナ難民の大量虐殺事件のこと。

※アリ・フォルマンはイスラエルの映画監督、脚本家で代表作は
『セイント・クララ Saint Clara 』1996
『Made in Israel』2001
『戦場でワルツを Waltz with Bashir』2008
『コングレス未来学会議 The Congress』2013
『アンネ・フランクと旅する日記 Where Is Anne Frank』2021
があり、『アンネ、、』はオススメ。(他は観てません)

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ナイン・わんわん

3.5失われた戦場の記憶

2023年4月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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レント

3.0生きるための記憶

2023年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

アリ・フォルマン監督自身が体験したレバノン内戦を元に描いたアニメーションであり、ドキュメンタリー映画。アリ氏が自身の記憶がないことに気付いたときの衝撃がこの作品の始まりにあり、そして、取り戻した記憶の中にあった戦争の実態が実際の映像で映し出されるラストに思わず目を背けたくなります。記憶をなくさないと生きていけないほどの現実を目の当たりにし、この作品は閉じられます。誰も望まないはずの戦争が今なお世界のどこかで膨大なエネルギーを投入して続けられていることに愕然としてしまいます。

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赤ヒゲ

4.0「記憶」はぼくらを必要な方向に導いてくれる

2021年1月17日
iPhoneアプリから投稿

82年イスラエル軍のレバノン侵攻におけるサブラ・シャティーラの虐殺をテーマにした作品。当事者であるAri Folman監督自身が参戦した虐殺現場での記憶をたどる旅をアニメーションで描いている。

正直、日本のアニメ技術に馴染んでいる身としては、イスラエルのそれはお世辞にも優れた技術とはいえないが、内容とともに鮮烈に印象に残る映像だ。そして、最後は痛ましい実際の映像を突きつけられる。

Ari Folman監督の症状は「解離性健忘」といわれ、トラウマやストレスによって引き起こされる記憶喪失(健忘)のことで、自分にとって重要な情報が思い出せなくなる、自己防衛の現れらしい。

この作品もあまりにも酷い話のためアニメーションでの表現にせざるを得ないのか、アニメーションだから勇気を持って表現できたのか。

パレスチナ側からみる記述は多いが、加害者側であるイスラエル側からの視点は伝えていくべき貴重な記録。戦場には善も悪も神もない。そしてその惨状は今でもシリアなどで繰り返されている。

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atsushi