母なる証明のレビュー・感想・評価
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自宅で鑑賞。贔屓のP.ジュノ新作。この人のは本筋がグニャッと曲がるシニカルなストーリーが多く、観た後、何とも云えない気分になる。その感覚が味わいたく観続けてしまい贔屓となる。本作も観る人を選ぶ様な内容だが、個人的には間違い無くP.ジュノ印で大満足。次も多分観てしまう事になるだろう。“トジュン”役のウォンビンはスマップの中居正広に見え、親しみが持てた。母親のK.ヘジャは違和感無く、申し分無い演技と存在感。因みに原題『마더"Madeo"』はその音からだけだと「母」と「殺人」の意味となるらしい。80/100点。
・鑑賞日:2011年8月7日(日)
愛の奔走…炙り出される人間の真実!
DVDで鑑賞。
殺人の罪に問われた知的障害の息子(ウォンビン)を救うため、母親(キム・ヘジャ)が真犯人を探すために奔走。孤立無援の状況の中、真実へと肉薄していく母親でしたが…
展開がとてもスリリングで、ミステリーの醍醐味を味わうことが出来ました。二転三転する真相、予想外の真実が暴かれるまでノンストップで突き進んで行きました。
母親を突き動かすものは、息子に対する愛情と母性。その底知れぬ強さに、母はやはり偉大だなと思いました。
それが最終的には息子を守ることになりましたが、その方法を果たして罪だと言い切ることが出来るかどうか…
人間の強い想いは真実さえも凌駕してしまう…。ポン・ジュノ監督らしい、人間本来の泥臭さとエグさが濃厚で、従来の価値観を圧倒するような極上のサスペンスだなと思いました。
※修正(2022/06/08)
韓国映画
自分が韓国映画に抱いているイメージ通りの作品だった。
とりあえず、エグい。
脚本や見せ方が、という意味ではなく本来存在する人間社会の闇をきっちりと描くというか、容赦がない。日本映画にも昔はあったのだけど今は一分のコアな作品にしか見られないリアリズム。
それだけ日本は(中途半端に)欧米化してしまってるって事でしょう。
それにしても感じの良い人が全然出てこない映画。
警察もほんまカスですな。
そんな人達で形成された閉鎖的なムラ社会の話だけに絶望感が凄い。汚い現実に晒され続ければ「いっそそんなことを忘れてしまえれば楽なのに」と思うだろうし実際登場人物の台詞や設定には度々そう言った表現が見られる。
けど、人間生きている限り本当に忘れる事なんて出来ない。それでも生きていかなきゃならんのね。ほんとに救い無いわ 笑
こういったサスペンス物にも、きっちりと社会的メッセージを忍ばせるポンジュノ監督は腕利きですね。
女性の肌の見せ方が生々しさを演出できていたし、フレームの外から飛び込んでくる飛び蹴りの演出も良かった。
軽い知的障害を持つ息子がやっていない殺人容疑で逮捕される。 無実を...
軽い知的障害を持つ息子がやっていない殺人容疑で逮捕される。
無実を信じる母親の強さ。それは計り知れない。
息子を想う母親のひたむきさが終始描かれていて、そのためには殺人をもやむを得ない。それほどのひたむきさ。
異常なまでの息子愛。人のエグい部分を引き出していた。
息子や友達はすべてを分かっていたのではないだろうか。
犯人や真相、そして母親までのことを知りぬいていたからこそ、火事の現場に行き、鍼セットを渡したのではないだろうか・・・。
母なる証明
ただ一生懸命息子を信じ、守りたい母親。その一心が狂気になる。
悲しい物語でした。
闇針(ツボに針を打つこと。禁止されている)を裏稼業にしている母親が、息子を残してバス旅行に出かけ最後に自ら、嫌な思い出を忘れるツボに針を打ち、バスの中で踊る…
忘れること、消せること、できるはず無いのに。
どんどん歯車が狂うさまが、みていて少し、ツラかったな。
久しぶりに、心が痛みました。
どこの世界も、母は強し。時にはそれが曲がった道徳になったとしても
底辺にある息子への溺愛は、誰にも否定できないと思います。
ただ、やっぱり後半で、結局は息子と同じ状況で他人に罪を着せてしまうところは
かなり心が痛みました。
いくら映画とはいえ、こんな事、表現していい事なのだろうかと、
何だか嫌な想いが残りました。
あと、やっぱり、ウォンビン、顔が整いすぎてて、もうひとつ状況に入り込めなかったかも。俳優としてチャレンジするのは素晴らしいけど、目がきれい過ぎて、「○○な人」にはみえなかったかも。
しかし、韓国映画、パワー有ります。うまい。
たいへんなものを観てしまった
普通でない世界を撮るポン・ジュノ監督がまた尋常ならざる作品をものした。登場人物の一人の台詞ではないが、たいへんなものを観てしまった気分だ。知的障害があり子供のような心を持つ青年ウォン・ビンが女子高生殺害の容疑者として逮捕され、二人暮しの母キム・ヘジャは我が子の無実を信じて独り真犯人を探そうとするという、ミステリー仕立ての母子物だが、話はくるくるとスピーディーに展開し、思わぬラストに向けてあれよあれよと進んでいく。決して後味のよい映画とはいえないが、話運びの絶妙な呼吸というか、一人ボケツッコミというか、この監督の緩急自在な間合いは前2作同様すばらしく、ウィットの効いた笑いを随所に入れてくれるため、陰鬱な印象はない。盛り上げて落とす肩透かし効果を熟知した監督だ。伏線、小道具の使い方も決まっている。キム・ヘジャのイッちゃった感のある演技に感服。
母の愛は深海よりも深し
この物語をネタバレなしに説明するのは至難の業だ。
少しはヒントめいたものをいってしまうかもしれないので
ネタバレにマークした。
冒頭、なにやら怪しい母の踊りから始まる。
この踊りが一体どういうことなのか、あとではっきりわかる。
「秋の童話」では颯爽としていたウォンビンが
知恵遅れの息子役を自然に演じていた。
母はこの知恵遅れの息子が可愛くてたまらないだけなのかと思っていたら、
訳がありそうな場面があとで出てくる。
母は息子に負い目を持ち、それ故一層
母性愛を掻き立てられていたというのか。
息子には、コンプレックスらしいものがある。
「バカ」といわれると、何をしでかすか判らないのだ。
そんな息子が少女殺しの容疑で警察に連行され、自白してしまう。
母は息子の無罪を信じ、自らの力で息子の嫌疑を晴らそうとするのだ。
だが、母に出来る事はたかだか知れている。
試行錯誤の末にたどり着いた手がかりを自らの手で根絶やしにしまう。
母の愛は無私の愛、だが、この母の愛はそれよりも更に深い。
その証明となる、この母の愛を確かめて欲しい!
韓流ヒッチコック。
P・ジュノといえば「殺人の追憶」は良かったが、
「グエムル~」は私的にまったくダメだった。。
今回はどうなんだろう、またミステリーか…?と
思いつつ観に行ったが、いやはや恐れ入りました。
これは素晴らしい!怖いけどかなりの作品である。
分類的になんといえばいいのか^^;
サスペンス、ホラー、ミステリー、人間ドラマの
全部の要素を持っている作品で、昔でいうところの
ヒッチコック映画に近い。ああいうジワジワの怖さ^^;
しかしホラー映画ではないので、大丈夫。
映像で観る部分での残虐さはない。しかし…(汗)
かなり推理要素を含む作品なのでネタバレは厳禁。
ただ、冒頭のシーンから「?」と思う映像が少しずつ
挿入されるので、それは覚えておくとあとで役立つ!
そしてこのタイトルまでもが完全なる意味を持つ。
…すごく頭のいい作品だ(爆)
兵役後の復帰第1作となるウォンビンなのだが、
相変らず顔立ちは可愛い。が、今回はかなり難役。
私はこの人の演技はいつもどこかに含みがあるな、
と思うのだが、今回はさらにそれが倍増!!(汗)
知的障害のある息子を溺愛する母親と、
反抗しつつそれに抗えない息子との穏やかな対立、
この二人の演技合戦はイライラするほど観応えあり。
チンピラのジンテ役、チン・グのオトコマエな顔立ち、
ジェムン刑事は、温水洋一が出てきたのかと思った。
(髪はあるけど、似てる~^^;)
それにしてもこの監督、例えばここで扱われる障害
というものに対する描き方に容赦がない。
これが日本なら、やれ人権侵害だと言われかねない。
そんな残酷なリアルさと混沌とした難解殺人事件が
一線上に並んで浮かび、解決したかと思わせるラスト、
いや、最後まで手抜きがないことを証明してくれる。。
(しかし主要以外の男性キャストは散々でしたねぇ…)
息子の”母なる”証明
平日のお昼、映画館で見ました。
韓流ブームが続いているのか、ウォンビンファンが再集結したのか分かりませんが、”おばさま”ばかり。
香水や化粧品の匂いがぷんぷん。映画を見る環境としては、いただけません。。。
肝心の映画。
オープニングで母親が踊るシーン、それだけで「☆3」の価値があります。
そしてどのカットも美しい。
演出過多な印象もあり、たぶんに食傷気味になりますが、映画=エンターテイメントと思えば、これもまた良しです。
私はこの映画で「母の愛」について描かれているとは思いません。
これは「人間のあざとさ」でしょう。
息子は知的障害者として描かれています。しかしそれは先天的なものではなく、息子が5歳の時に起きた事件の後処理の為に、母の故意による所業なのでは?
そう考えると、母の行動は”愛”ではない。
罪を犯した母が、その罪を隠す。
「カエルの子はカエル」であるように、息子も罪を犯す。
その事実を認めたくない母は、結局息子の罪を隠す。
最悪な悪循環です。
きっとずっと続いていきます。
「母なる証明」という題名の意味、そこには「ここ母親にしてこの息子あり」ということでしょうか。
しかし韓国の警察、ずさんだな。
そして母役のキム・ヘジャさん、ラスト近くバスのガラスに写った顔が野中広務さんにそっくりでした。
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