南極料理人のレビュー・感想・評価
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個性派キャストのアンサンブルを味わう逸品
久しぶりに再見。沖田修一監督作はお気に入りが多いが、2009年公開の本作は「キツツキと雨」「横道世之介」と並ぶ私的ベスト3だ。南極観測隊員を演じる面々には、映画初主演を果たす前の高良健吾を筆頭に、古舘寛治や黒田大輔らこの10年で格が上がった俳優も多く、今観ると贅沢な顔ぶれだとの思いを一層強くする。
原作のエッセイ本の題は「面白南極料理人」だが、映画化で“面白”を外したのは正解。観たらすぐ分かるように、堺雅人が演じる料理人の西村が面白いわけではなく、観測基地で個性的な隊員たちと過ごす日常や巻き起こるハプニングが、穏やかな笑いや大爆笑をもたらすのだ。さらに言えば、南極の中でも隔絶された高所にある基地でのさまざまな不便、家族と長期間会えない寂しさなども丁寧に描かれ、ユーモアとペーソスの配分もばっちり。沖田シェフが素材を活かして絶妙に味付けした逸品料理と相成った。
面白かった。
この状況の中でサイコパスが一人でも紛れ込んでいたら怖いなぁと思った。幸い劇中にそんな人はいなかったけど。ただ、やっぱりホームシックになってしまったり鬱っぽくなってしまったりする人は出てしまって、それもコメディになってて面白かった。
水の使い過ぎのアイツはなかなかにヒドイけど。笑
過酷な環境で数年間世間と離された状況で仕事と生活をする代わりに、食事には良い予算を割り当てられているっていうのは妥当なバランスのような気がした。
みんな出された料理を黙々と、時にガツガツと食べるけれど「うまい」とは言わない。
最後のシーンで主人公がてりやきバーガーを食べた時に「うまい」と言ったのは、恐らくそのネタ?を回収したのだと思うのだけど、具体的にどんな意味だったのかはちょっとまだ分からない。他のレビューを読んでみようと思う。
食べ物だけが楽しみの悲惨な基地生活
ユーモアさ満載の非日常体験
何気ない日常をユーモアを交えながら淡々と進んでいく感じがとても面白くて好きな映画。
何気ない日常だけど、場所が南極というだけで非日常感が出ている。
南極観測隊の個性豊かなおじさんたち(おじさんじゃない人も含む)が家族や恋人と離れたさみしさを抱えながら共に生活する。
南極は寒くて、周りには何もなくて、デメリットしかない。水を作らないといけないのは大変すぎる。
メリットを挙げるとしたら、ウイルスがないことくらい。大変な仕事だなと思った。
料理人の西村の作る料理がとてもおいしそう。イセエビのフライもインパクトがすごすぎた(笑)
娘の歯が落ちてしまうシーン、西村が唐揚げを食べながら泣くシーン、
子供たちが日本から南極に電話をつないで会話するシーンはシュールでお気に入り。
子供ならではの純粋ゆえの残酷さがでていて良い、子供の感性で全部がぶった切られてしまう感じ(笑)
娘役で小野花梨が出ていたのがびっくりした、全然変わらなくてかわいい(笑)
家族の愛おしさや、大切な人が傍やすぐ会える距離にいる尊さ。とくに大きなできごとはなくてもそれが心地よく感じるような二時間。
それでも人は営むのだ
深夜にだけは見るな映画NO1
南極の基地で働く料理人の話
極限の場所で限られた食材の中から毎日食べるものを捻出しているのかなあと思って見てみたら、全くそんなことなかった
分厚いステーキにごっつい伊勢海老に日本にいる僕らより数倍いいもの食ってる
酒とかむちゃくちゃ飲んでる
氷山にシロップ垂らしてかき氷食ってる
最終的に観測そっちのけでラーメン啜ってる
「あれここ本当に南極だよね?男子校じゃないよね?」って両目を擦るくらいしょーもないことばっかりやる隊員
パンツ一丁で写真撮ったり、氷の上でチャリ漕いだり
コイツら本当に普段働いてんのか
飯食ってばっかじゃねえか
とにかくおじさんたちがイチャイチャしながら飯を食うだけ
基地の様子をYouTubeで生配信とかしたら永遠に見ちゃうな
映画の山場といえばラーメンの在庫がなくなっておじさんがグズるくらいで何も起きない
大学院生の「渋谷とか行きたい、、、」は不憫だけど笑っちゃった
ちなみにこの映画ペンギンは出てこないよ!ゴメンね!
想像していた内容ではなかった
タイトルなし(ネタバレ)
原作未読です。
「別になんだっていいよ」「メシ食いに南極来てるわけじゃないんだから」丁寧に味付けした料理に「醤油ドバドバーッッ」…ぞんざいにされがちな料理担当、堺雅人ですが文句も言わず黙々と基地のメンバー8人分の食事を作ります。しかしストーリーが進むにつれ、食事の
担うものの大きさを痛感せずにはいられません。体の健康だけでなくメンタルさえも左右する命綱、幸福の源。世の料理担当のお父さんお母さん方、主夫婦の皆さま、毎日お疲れ様です。
作中「おいしい」というセリフが1度でもあったでしょうか?よく覚えていませんが、とにかくメニューがどれも美味しそうです。実際あんなものが出てくるのかは分かりません、これは映画なので。でも非常にバラエティ豊かでお刺身、アジフライ(?)天ぷら、ぶりの照り焼き、野菜のおひたし、おにぎり、豚汁、ステーキ、エビフライ、ラーメン等々。不出来の料理さえ愛しい。べちゃっとした唐揚げ。そういうの、ありますよね。私も色々思い出しました。幼少期、母が一時入院中に父が作ってくれた、しょっぱすぎる野菜炒め。 母に早く帰ってきて欲しいと切望しましたね。亡き祖母が春になると必ず作ってくれた草餅。母の不格好なアイスボックスクッキー。きりがありません。なんか泣きそうです。
人間、モリモリ食べて成長して、だんだん揚げ物が胃に重く感じるようになって、そのうち食べられなくなって、台所に立つこともできなくなって、年取って死にます。作ることも食べることも本当に幸せなことです。
個人的に好きなシーンは「ああ…下の歯なのに」笑 食らしく「歯」っていうのもいい。
最後は割烹着を着た堺雅人が完全にお母さんになってましたね。
8人家族だった。反抗期の息子とお父さんも居た。
俳優さんみんな良かったです。それぞれ良い仕事してました。男くさくて、エンドロールで流れる奥田民生もピッタリでした。
鑑賞後はなんだか料理をしたくなるから不思議です。普段は面倒くさいな~が先に立ってしまうのですが、明日は楽しく作れそうな気分です。何にしようかな。
日常系南極映画
日常系の映画を見た後は、生活音が大きく感じるというか自分のいる世界も映画の中のように感じることがあるのですが、この映画もそうでした。
南極という特殊な環境であっても結局日常と地続きなんだなという印象。
特殊な環境下での仕事や極限に置かれた時の人間関係が描かれているのかなと思っており、最初に全員の紹介が入った時には「みんな外の過酷な環境下で働いてるのに、料理人はずっと室内だからいいよなあ!」というトラブルは必ずあるだろう等と予測していたのですが、料理人も当然のように外作業があり(食材の管理を考えればそれは当然でした)周囲を手伝うこともあり水を作るのは全員。人間関係のトラブルはあれど全て南極とは関係ない日常的なもので、いい意味で予想を裏切られ続けました。ずっと見ていたくなるような日常系でした。
「伊勢海老でしょ?フライにしたらデカすぎるって」→「俺達、気持ちはもう完全にエビフライだからね」→「こりゃやっぱり刺身だったな…」シュールなコントを見ているような、大変楽しい映画でした。
良い意味で完全に予想を裏切られた映画でした。
バナナで釘が打てる(歳バレ)極寒の地で苦闘する観測隊員たちのシリアスなお話だとばかり思っていたんですよね。
そんな過酷な舞台なのに、悲壮感なんてこれっぽちも感じさせない、クスクス笑えるお話が大変面白かったです。
特に劇的なことが起こるわけでもなく。淡々とした日常の中にある、ふとした笑い。
よくできたシュールなコントを立て続けに見ているような感じ。そんな作品でした。
そして同時に、登場する料理の美味しそうなこと、美味しそうなこと。
伊勢海老のお頭付き丸ごとエビフライとか。あまりのでかさに「なんか遠近感狂うなぁ…」ってw
そんな伊勢海老もそうだけれど、一番食べてみたいと思ったのは、棒にぶっ刺して直に油ぶっかけて豪快に焼いたローストビーフ。「西村くん…コレ本当に美味しくなるだろうか…?」→「多分…」
そんな料理人を、堺雅人が飄々とした役どころを好演でした。「倍返しだ!」の険しい表情よりも、むしろ堺さんの素に近いと思ってしまう優し気な雰囲気に癒されました。
「えっ?(。´・ω・)?」となったのは南極観測隊員って志願制なの?それとも召集制なの???という疑問。
調べてみると、どうやら厳しい基準に合格した、各分野のエキスパートから選抜されるとのことなので、エリート中のエリートの志願制のようですね。まるで宇宙飛行士の如きです。
劇中で、夢が叶って任に就くことが決まった人(宇梶剛士)が大喜びをするシーンがありましたし。
「20年越しの夢がようやく叶いました(涙声)」でしたからね。
あんなに過酷な地でのお仕事をされるわけですから、てっきイヤイヤの召集制だとばかり思っていました。
ぬくぬくと温室暮らしを決め込んでいる私には、到底理解できない世界です。
映画も観に行けないし、何より女装遊びができないし。←このネタ、もう止めるとか言ってたくせに…
とは言え、本作の主人公・西村(堺雅人)は、決して望んで行ったわけではなく、仕方のない代役(宇梶さんの)だったようです。
再び「えっ?」となったのは、基地から本国への国際電話代が1分で740円の張り紙があったこと。
これについても余計なことを調べてみたんですが。
2004年には衛星通信設備が整って、基地主要部屋内でのインターネット常時接続が可能となったとあるんですよ。この作品2009年の映画なんですよね。あれぇ?と思って再度調査です。どうやら原作は2001年にあったそうなので、それ以前の時点での設定だったのでしょうか。
調べていて、三度「えっ?」となったのはWi-Fi環境。現在は基地内だと、しっかりと使えるそうです。
何はともあれ、デジタルネイティブの方が不便を被らなくてよかったです。
でも、ソシャゲなんてやってるヒマななんてなさそうなんですが。任務が任務だけに規律も厳しそうだし。
映画では、そのあたり(規律が)かなりゆる~く描かれていたんですが。
ゆる~いと言えば、そんな電話交換手思いを寄せてしまった隊員・川村(高良健吾)の「いつも聞いていて、あなたの声。結婚してください」(笑)→「ガチャン、ツーツーツーツー…」これ、なんかわかるなぁ。容姿も知らぬペンフレンドに強い恋心抱いちゃうみたいな。
今どきのデジタルネイティブの皆さんには、わからない感情だろうなぁ。
そんな彼の帰着の空港で想いが報われた(?)シーンで、とても温かな気持ちになれました。
これ以外のいくつかの伏線も見事に回収されていて、つい胸がほっこりとしました。
エンディングテーマソングに手厳しい私ですが、ユニコーンの手による「サラウンド」は、本作のユーモラスな魅力にピッタリとハマる脱力系の幸せな歌で、大変似合っていたと思いました。
いつも余計なことばかり調べているので、今回は普通に、監督についても調べてみました。
なんと!大変面白かった『さかなのこ』でもメガホンをとられた沖田修一の初監督作品だったのですね。すっとぼけた雰囲気の作風が重なって見えたと思った、大変面白かった作品でした。
深夜に見るのは危険な飯テロ映画
一見、過酷な難局ではたらく観測隊の料理人を描いたドキュメンタリーのようなタイトルだけれど、実際は数名のおじさんがバカをやりながら飯を食ったりバカをやったり飯を食ったりするコメディ映画。
南極だけどペンギンは出ない。というか何もない。観測隊のおじさんがいるだけ。
本当におじさんたちがバカをやっているだけなのに小気味よいかけ合いや数少ない娯楽である食事を心から楽しんでいるのを見ていると思わず笑みが零れてしまう。
せっかくの伊勢海老を巨大エビフライにしてしまったり、焼いた肉を蛮族のように振り回したり、深夜にラーメンを盗み食いしていたら備蓄を使い切って本気で泣いたり
バカやってんなぁ…と思いながらも、ほんのり家族愛的なエピソードも挟まれ、なんだかんだ見てよかったなというホンワカした気持ちでエンドロールを迎えることができる息抜きにはピッタリな作品。
ただ一つ注意点として、絶対に深夜に見てはいけない映画。
絶対にラーメンが食べたくなる。
何度も見たくなる
作り物くさいなあ
うーん、苦手。典型的な徘徊型映画。
舞台が南極で、現代では南極もそれほど危険な場所ではないわけで、
そうなると平凡な日常が続くだけにならざるを得ない。
それを映画にするにはキャラの立った人々を描くしかないわけで、
キャラが立ち過ぎてて全く感情移入できない事態も招くわけで。
イタ電みたいなんしたり、嫁に好きな人が出来たり、頭おかしくなったり、
富士山より高い場所で走ってたり、麻雀で弱い奴を無理矢理カモったり。
とにかく作り物っぽさが満開で、同調できるような点がまるでなかった。
関係ないが、麻雀にうるさいおれにツッコませてもらうと、
東場の6巡目くらいでタンピンドラ3をテンパイしたんなら、
親とは言えリーチしとけよ。そんな弱気じゃ勝てないよ(場)
南極版かもめ食堂との触れ込みがあるみたいやが、
かもめ食堂のメンバーのキャラの立ち方とは異なる。
あちらはキャラ同士の絡みに何とも言えない間があり味があった。
この映画のキャラは品がなくて騒がしいだけ、ほのぼのせんのよなあ。
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