南極料理人のレビュー・感想・評価
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個性派キャストのアンサンブルを味わう逸品
久しぶりに再見。沖田修一監督作はお気に入りが多いが、2009年公開の本作は「キツツキと雨」「横道世之介」と並ぶ私的ベスト3だ。南極観測隊員を演じる面々には、映画初主演を果たす前の高良健吾を筆頭に、古舘寛治や黒田大輔らこの10年で格が上がった俳優も多く、今観ると贅沢な顔ぶれだとの思いを一層強くする。
原作のエッセイ本の題は「面白南極料理人」だが、映画化で“面白”を外したのは正解。観たらすぐ分かるように、堺雅人が演じる料理人の西村が面白いわけではなく、観測基地で個性的な隊員たちと過ごす日常や巻き起こるハプニングが、穏やかな笑いや大爆笑をもたらすのだ。さらに言えば、南極の中でも隔絶された高所にある基地でのさまざまな不便、家族と長期間会えない寂しさなども丁寧に描かれ、ユーモアとペーソスの配分もばっちり。沖田シェフが素材を活かして絶妙に味付けした逸品料理と相成った。
ペンギンも樺太犬もマグマも物体Xも出てこない
もう何度となく見た映画。この映画で沖田修一監督の名前を知った。それ以来、監督の映画のファンである。
南極を舞台にした映画は数あるが、特に大きな事件が起こるわけでもなく、怪獣が登場するようなクライマックスがあるわけでもなく、南極越冬隊の日常が淡々とつづられる映画はそうないのではないか。隊員たちはそれぞれ個性的で、おじさんなんだけどどことなくかわいげがあり、みんな心根が優しい。そこがいい。そしてここでもフードスタイリストの飯島奈美の仕事っぷりが素晴らしい。遠近感の狂うエビフライ、食べてみたい。
ベチャベチャの唐揚げに堺雅人が泣くところとか、氷床コアのウンチクによってのちの追っかけっこのシーンに妙な緊迫感が加わるところとか、何気ないシーンが伏線となって後から効いてきてくる脚本もいい。2回、3回見ると最初見たときには気づかなかった伏線があったりとか、噛めば噛むほど味が出る。
16年前の映画で、現在は南極にももっと高速の通信環境が整っていて、娯楽もいろいろあるんだろう。貧乏くさい丸見えのトイレも改善されているだろう。そういう意味では今となっては時代劇的な面白さも感じられる。
じんわりきますね
テアトル系とは思えない何とも豪華なキャスト。
しかも主演の堺雅人を始め、生瀬勝久、きたろう、高良健吾の濃い面々。
また皆の芝居が良くて、舞台のように絡み合っているんですよ。
他にもブラウン管TV・ビデオデッキ・コンポに始まって、基地の中のセットが細かくて、それを見てるだけで面白い。
ネタも多くて「Bar ふくだ」は笑いました。
何というか“昭和の学生の寮生活”みたいなノリが和みます。
そんな中で一貫しているのが家族との絆ですね。
中継電話で知らずに繋がる親子。
胃もたれする唐揚げで思い出す家族との日々。
ここら辺はどうしたってじんわりきますね。
帰国のシーンもやっぱり良い。
ラストの「うまっ!」も良い感じ。
終わってみると実に気持ちの良い作品でした。
演技派揃い感!
4コマ漫画集の実写化の様な印象だった!!
南極での何か大きなミッションやストーリーがあって、そこに食糧事情を織り交ぜていく感じかなと勝手に思っていましたが、4コマ漫画集の映画化の様な小話の集まりで、他国との兼ね合いや緊張感も無く、あまり好みではありませんでした。実際に南極に行かなくても、書ける内容だと思います。
観ているだけだから、めっちゃ面白い。
南極大陸のドームふじ基地、他の観測基地からも離れた陸の孤島、外は標高3,810m極寒-50度以下の世界、そこに男8人が1年半程の共同生活と各自の業務、誰も来なければ逃れることも出来ない。
想像しただけで嫌だ。行きたくない。
料理人の西村くん、調理担当隊員。
海上保安庁から派遣は、志願者の怪我で急遽代理指名、断れない。
タイチョー、気象観測担当隊員。
気象庁から派遣された気象学者。
ラーメン好き。隠れて夜食にインスタントラーメンを食べる姿が憎めない。
本さん、雪氷観測担当隊員。
国立極地研究所から派遣された雪氷学者。
何度も南極勤務を経験している。
あまり笑わない。
兄やん、雪氷観測担当サポート隊員。
大学院生で、本さんの助手。
衛星電話で日本の彼女に電話し続けるも振られる。慰める他の隊員達、笑える。
平さん、大気測定担当隊員。
国立極地研究所から派遣された大気学者。
ブチ切れた姿は、悲壮感も漂い爆笑。
主任、車両担当隊員。
自動車メーカーから派遣された会社員。
左遷だと思う、パチンコに行きたいと愚痴。
朝の挨拶で本さんに睨まれても無視。
風邪だと仮病を使い、仕事をサボる。
節水厳守の基地で、シャワー浴びて歌う姿は楽しそう。
盆ちゃん、通信担当隊員。
通信社から派遣された会社員。
楽しそうにしていると思ったが、夜中にバター丸齧りを西村くんに見つかったり、タイチョーと一緒に夜食を食べたり、ストレスは感じているみたい。
ドクター、医療担当隊員。
北海道の私立病院に所属する医師。
家の居心地が悪いのか、基地の生活を楽しんでいる。医務室をバーに改装している。
個性的な隊員8人、食事もそれぞれのスタイルがあるらしく面白い。
お握りと豚汁が美味しそう。外では凍るから持ち出し厳禁だね。
伊勢海老の海老フライは、シュール。
蟹も続くと嫌になるのかも。
ラーメンは実に美味そうだった。
体操は全員揃ってビデオ画面見ながら、笑。
限られた空間、材料、人で生活を続けるのは、大変だし遊びやユーモアが必要なのだろう。
月日の経過で伸びる髪と髭。
厳しい環境だからこその一体感。
全員が真剣に生活している姿が、面白くもあり泣けてくる。
南極の屋外シーンは真冬の北海道網走市で撮影、現地で撮影したら身の危険を感じる。
演者の個性が滲み出る面白さ。
めっちゃ笑った、面白かった。
食が人を元気にする!街づくりに大切なこと!
最初から最後まですべてが面白く見ることができた。 2025年の今から16年前の映画なので堺雅人や妻役の西田尚美が若々しい。 テレビドラマ版もあるらしいので機会があれば見てみたい。
動画配信で映画「南極料理人」を見た。
2009年製作/125分/日本
配給:東京テアトル
劇場公開日:2009年8月8日
堺雅人(西村淳)
生瀬勝久(本山秀行)
きたろう(金田浩)
高良健吾(川村泰士)
豊原功補(福田正志)
西田尚美(西村みゆき)
古舘寛治(御子柴健)
小浜正寛(平林雅彦)
黒田大輔(西平亮)
小野花梨(西村友花)
この映画を見たいと思ったのは、
NHKラジオの第1放送で南極料理人、渡貫淳子さんのインタビューを聞いたから。
とても面白かった。
彼女の著書「南極の食卓(女性料理人が極限の地で見つけた暮らしの知恵)」は
Amazon.comなどでも買うことができる。
この映画の原作は南極料理人の西村淳さん。
1997年。海上保安庁の巡視船厨房で勤務する西村淳は、
第38次南極地域観測隊のメンバーとして南極大陸のドームふじ基地に派遣された。
妻・みゆき、小学生の長女・友花、生まれたばかりの長男を置いての
単身赴任で南極にやって来た西村の任務は、
冷凍野菜や缶詰などの備蓄食料を使って、
ともに越冬する隊員8名分の食事を用意することだった。
ドームふじ基地は、昭和基地からも遠く離れた「陸の孤島」で
標高は富士山よりも高い。
年間平均気温はマイナス54度以下で、
ペンギンやアザラシといった動物はおろか、
ウイルスさえいない壮絶な自然環境であった。
風もひかない(ひけない)らしい。
日本へ電話するのに1分740円かかるらしい。
劇中で高良健吾が日本にいるガールフレンドに電話していた。
男ばかり8人の共同生活は最初から最後まですべてが面白く見ることができた。
2025年の今から16年前の映画なので堺雅人や妻役の西田尚美が若々しい。
テレビドラマ版もあるらしいので機会があれば見てみたい。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
おじさんたちの合宿生活記
南極という過酷な環境で共同生活をおくるおじさん+若者1名の生態を食を中心に綴ったコメディ。
日本人好みの人畜無害なほのぼの映画なので、誰にでもお勧めできる作りです。
コメディタッチで描かれているけど、おじさんを集めて合宿生活をさせると、こういう感じになりそう。変な拘りがある人、ルールを守らない人、盗み食いする人、サボる人、キレる人。
外の職場では見せない本性が合宿生活では剥き出しになっていく様が、作りものだけどリアリティがある。
そういや極地観測の仕事の場面がほとんど描かれていない。食堂の壁に貼ってあった「仕事をしましょう」という標語は、ツッコミの小道具なのか?生瀬勝久の上に貼ってあるのがなんとも・・・
ありきたりな感想になるが、やはり食というものは大事だなあということに気づかされる食育番組?にもなりそう。豪華な食事はたまに食べるから美味いのであって、やはり日常の食が大事。
朝から蟹はいらん!
面白かった。
この状況の中でサイコパスが一人でも紛れ込んでいたら怖いなぁと思った。幸い劇中にそんな人はいなかったけど。ただ、やっぱりホームシックになってしまったり鬱っぽくなってしまったりする人は出てしまって、それもコメディになってて面白かった。
水の使い過ぎのアイツはなかなかにヒドイけど。笑
過酷な環境で数年間世間と離された状況で仕事と生活をする代わりに、食事には良い予算を割り当てられているっていうのは妥当なバランスのような気がした。
みんな出された料理を黙々と、時にガツガツと食べるけれど「うまい」とは言わない。
最後のシーンで主人公がてりやきバーガーを食べた時に「うまい」と言ったのは、恐らくそのネタ?を回収したのだと思うのだけど、具体的にどんな意味だったのかはちょっとまだ分からない。他のレビューを読んでみようと思う。
食べ物だけが楽しみの悲惨な基地生活
ユーモアさ満載の非日常体験
何気ない日常をユーモアを交えながら淡々と進んでいく感じがとても面白くて好きな映画。
何気ない日常だけど、場所が南極というだけで非日常感が出ている。
南極観測隊の個性豊かなおじさんたち(おじさんじゃない人も含む)が家族や恋人と離れたさみしさを抱えながら共に生活する。
南極は寒くて、周りには何もなくて、デメリットしかない。水を作らないといけないのは大変すぎる。
メリットを挙げるとしたら、ウイルスがないことくらい。大変な仕事だなと思った。
料理人の西村の作る料理がとてもおいしそう。イセエビのフライもインパクトがすごすぎた(笑)
娘の歯が落ちてしまうシーン、西村が唐揚げを食べながら泣くシーン、
子供たちが日本から南極に電話をつないで会話するシーンはシュールでお気に入り。
子供ならではの純粋ゆえの残酷さがでていて良い、子供の感性で全部がぶった切られてしまう感じ(笑)
娘役で小野花梨が出ていたのがびっくりした、全然変わらなくてかわいい(笑)
家族の愛おしさや、大切な人が傍やすぐ会える距離にいる尊さ。とくに大きなできごとはなくてもそれが心地よく感じるような二時間。
それでも人は営むのだ
深夜にだけは見るな映画NO1
南極の基地で働く料理人の話
極限の場所で限られた食材の中から毎日食べるものを捻出しているのかなあと思って見てみたら、全くそんなことなかった
分厚いステーキにごっつい伊勢海老に日本にいる僕らより数倍いいもの食ってる
酒とかむちゃくちゃ飲んでる
氷山にシロップ垂らしてかき氷食ってる
最終的に観測そっちのけでラーメン啜ってる
「あれここ本当に南極だよね?男子校じゃないよね?」って両目を擦るくらいしょーもないことばっかりやる隊員
パンツ一丁で写真撮ったり、氷の上でチャリ漕いだり
コイツら本当に普段働いてんのか
飯食ってばっかじゃねえか
とにかくおじさんたちがイチャイチャしながら飯を食うだけ
基地の様子をYouTubeで生配信とかしたら永遠に見ちゃうな
映画の山場といえばラーメンの在庫がなくなっておじさんがグズるくらいで何も起きない
大学院生の「渋谷とか行きたい、、、」は不憫だけど笑っちゃった
ちなみにこの映画ペンギンは出てこないよ!ゴメンね!
想像していた内容ではなかった
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